美しく可憐なキョウチクトウの花言葉を解説
キョウチクトウは、ピンクや白色、紅色といった色の種類があり、可憐で美しい見た目をしている花です。桃の花に似ていることから、夾竹桃(キョウチクトウ)という和名が与えられました。
キョウチクトウの特徴は何よりも「毒性が強い」ということなのでご注意ください。本記事では、キョウチクトウの花言葉を中心に取り扱いつつ、毒性や誕生花、開花時期などキョウチクトウに関するさまざまな情報を紹介していきます。
キョウチクトウの原産地はインド
キョウチクトウの原産地はインドです。18世紀・江戸時代の頃に中国を経由して日本に伝来してきたそうで、日本にとってはなじみの深い花として浸透しているといえるでしょう。原産地がインドということで熱帯性ですが、寒さにも対応できる花です。
そのため日本国内でも街路樹などで植えられている場所は少なくなく、地域によっては身近な存在ともいえる花かもしれません。開花時期も7月から11月と比較的長めなのも街路樹として適しています。
キョウチクトウはオレアンダーとも呼ばれる
夾竹桃(キョウチクトウ)は日本での呼び方です。学名では「Nerium oleander var. indicum」であり、英語圏では「oleander」(オレアンダー)と呼ばれています。
日本国内でもキョウチクトウのことを別名・オレアンダーと示すケースは決して少なくありません。そのため、オレアンダーという名前をキョウチクトウの別名として覚えておいて損はないでしょう。なお、ハンネンコウ(半年紅)という別名もあります。
キョウチクトウの開花時期
先ほどお伝えした通り、キョウチクトウは11月頃まで花を咲かせます。開花時期は7月~9月の間ぐらいなので、そこからおよそ3~4ヶ月花を咲かせるということになります。
とりわけ夏越しや冬越しなどの準備をする必要がありません。外に植える場合は水やりも特に不要で、雨水だけで十分に育ちます。キョウチクトウが強い花だということがよく分かりますね。ただし、鉢植えの場合は土が乾いたら水やりをする必要があるので注意しましょう。
キョウチクトウの種類
キョウチクトウはキョウチクトウでも、色や柄など更に細かく種類が分かれます。八重咲きで紅色のヤエキョウチクトウやダブルイエローなどをはじめとし、50種類以上の品種が存在しているのです。八重咲きのものもあれば、一重咲きのものもあったりとその種類は多種多様。キョウチクトウはさまざまな姿で私たちを楽しませてくれています。
キョウチクトウの主な花色
キョウチクトウは非常に種類が豊富です。花色も、ピンクや白、紅色、黄色といったバリエーションがあります。あなたがキョウチクトウと聞いてイメージする花色は何色でしょうか。
花色や形によって品種が変わってきますので、ぜひ身近なキョウチクトウの品種を調べてみてください。八重咲きだったり一重咲きだったり、品種や形、そして花色でも楽しませてくれるのがキョウチクトウなのです。各花色ごとの代表的な品種を簡単にご紹介いたします。
ピンク色のキョウチクトウの品種
花色がピンクのキョウチクトウでいえば、フイリキョウチクトウがメジャー。学名は「Nerium oleander 'Variegatum' 」。花色が濃いピンクで鮮やかで、青空に映えるキョウチクトウの品種になります。
特徴はピンクという花色だけではありません。名前の通り「葉」に白い斑が入っているという特徴も持っている品種です。別名・別表記で「斑入りキョウチクトウ」と記されることもあるので覚えておきましょう。
白いキョウチクトウの品種
花色が白のキョウチクトウの中でも比較的有名なのはシロバナキョウチクトウです。学名は「Nerium indicum var. leucanthum」。白い一重咲きの花が特徴なキョウチクトウの品種で、白く可憐でどこか儚げな雰囲気を持っています。漢字だと白花夾竹桃と表記されるので、こちらも覚えておくといいでしょう。
紅(赤)のキョウチクトウの品種
日本にあるキョウチクトウの中でも最も有名で、見かける機会も多いキョウチクトウの品種が「ヤエキョウチクトウ」という品種です。学名は「Nerium oleander var. indicum ‘Plenum’」。
紅色の大きな花を咲かせるキョウチクトウで、八重咲きなのが特徴。最もメジャーなので、多くの方が「キョウチクトウ」と聞いてイメージする品種といえるでしょう。
黄色のキョウチクトウの品種
花色が黄色のキョウチクトウとして「キバナキョウチクトウ」というものがあります。学名は「Nerium Thevetia peruviana」。真っ黄色の花を咲かせ、らせん状で特徴的な形をした花びらが特徴的・印象に残る品種です。
他の品種と異なり寒さに弱いのも特徴。本記事でキョウチクトウはインドが原産地であるとお伝えいたしましたが、こちらのキョウチクトウはインドではなくメキシコ・熱帯アメリカが原産地とされています。
キョウチクトウの花言葉をチェック!
いよいよ、キョウチクトウの花言葉に注目していきましょう。キョウチクトウといえば毒性が強いことが挙げられますが、花言葉にもその毒性が影響しています。一体どんな花言葉なのでしょうか。花言葉の由来を含め解説いたします。実際に花言葉をチェックしていきましょう。
キョウチクトウの日本版花言葉
まずは、キョウチクトウの日本版花言葉についてです。日本の花言葉だと、キョウチクトウには「注意」・「危険」・「用心」、「危険な愛」、「油断大敵」という花言葉があります。
これらの花言葉は毒性の強さが由来のようです。キョウチクトウは見た目が美しいのでつい惹かれてしまいます。しかし花言葉の通り「注意」・「用心」をしないと、非常に「危険」で「油断大敵」な花です。キョウチクトウのことを絶妙に表現している花言葉だといえます。
キョウチクトウの英語での花言葉は?
キョウチクトウの英名はオレアンダーですが、英語版の花言葉も存在しています。それが「caution」と「beware」という花言葉です。「caution」は注意という意味の花言葉で、「beware」は注意する、用心するといった意味がある花言葉。
日本語の花言葉とほぼ同じです。花言葉を見ると日本国内のみならず、海外でも毒性の強さや恐ろしさに注意が払われていることがよく分かります。言語が違っても同じような花言葉です。
花言葉にも表れているキョウチクトウの毒性
ここまで、花そのものと花言葉について注目しました。花言葉にもとにかく「毒性が強い」ということが内容に絡んでいますが、一体その毒性とはどれほどのものなのでしょうか。
ここからはキョウチクトウの毒性にフォーカスを当てていきます。花言葉に「注意」や「用心」・「危険」といった物騒な花言葉を引っさげるほどの毒性とは、一体どれほどのものなのでしょうか。花言葉に表れている毒性について注目していきましょう。
花言葉「油断大敵」!キョウチクトウの毒がある部分
まず確認しておきたいのが、花言葉で散々注意を促されたキョウチクトウのどの部分に毒があるのか。一部であれば、その部分だけ注意をすれば問題がありません。しかし、キョウチクトウは花や葉・枝・根など全部分に毒性があります。
しかも、周辺の土壌にも毒性をもたらします。キョウチクトウの花言葉通り、まさに「危険」な花であることが分かります。そして花言葉の「注意」・「用心」しないと、毒を食らってしまう可能性もあるので非常に危険です。
キョウチクトウは燃やしても花言葉の通り「危険」
キョウチクトウは、燃やしても危険だということを知っておきましょう。というのも、燃やしているときに出る煙にもキョウチクトウの毒が含まれてしまうからです。また、腐葉土にする場合も注意。
1年間は毒性が残るとされているので、入念に調査・注意をするようにしましょう。いずれにしろ、キョウチクトウは綺麗で美しい花ですが、危険な花でもあるということを理解したうえで扱うことを推奨いたします。やはり花言葉が指し示している通りです。
キョウチクトウは数々の中毒事例を作っている
キョウチクトウは周辺の土にまで毒をもたらし、花言葉の通り危険な花であることが分かりました。では、もしキョウチクトウの毒を体内に入れてしまうとどういった症状が出るのでしょうか。
キョウチクトウの中毒症状は、吐き気や嘔吐、倦怠感や下痢、目まいなどです。過去には死亡例などもあるので非常に危険です。牛の飼料に紛れ込んで食べた牛が死亡してしまったという事例もあるので、花言葉の「危険」が適切であることが分かります。
花言葉の通り実際に起きたキョウチクトウの危険な中毒事例
キョウチクトウの中毒事例として有名なのは、フランスで串焼き・バーベキューの串にキョウチクトウの枝を利用したことや、日本で戦時中お箸代わりにキョウチクトウの枝を利用したなど。どちらも中毒症状を起こし、死者が出ています。
花言葉の通りキョウチクトウの毒性の強さ、恐ろしさを裏付けている中毒事例です。キョウチクトウを育てる際、身近にキョウチクトウが植わっている場合は花言葉の通り注意しましょう。油断大敵です。
キョウチクトウは広島市のシンボル!
キョウチクトウの毒性は非常に強く、花言葉にもなるほど危険な花だということをお伝えしてきましたが、キョウチクトウが持つ話題は暗いものばかりではありません。実は、広島市の「原爆からの復興」のシンボルとなっている花でもあるのです。なぜ広島市のシンボルになったのか、そのいきさつも簡単にではありますが紹介いたします。
広島市の花・キョウチクトウ
では、なぜ広島市の花がキョウチクトウに定められたのでしょうか。キョウチクトウは、非常に強い花なので、さまざまな環境で花を咲かせます。この強さがポイントです。
強い花であるキョウチクトウが、広島の被爆した焼土には草木が75年間生えないと囁かれていた土壌にいち早く花を咲かせたのです。そのことから、原爆からの復興のシンボルフラワーとなり、広島市の花・シンボルになりました。
キョウチクトウは誕生花でもある
366日全てにそれぞれ花が設定されている誕生花。キョウチクトウは、誕生花として定められている花でもあります。キョウチクトウが誕生花とされているのは8月3日、8月7日、8月9日、8月12日、8月14日、8月20日。
もし誕生日の誕生花がキョウチクトウだという方は、今まで以上にキョウチクトウのことを意識してみてはいかがでしょうか。とはいえ、花言葉の通り油断大敵なので、注意はお忘れなく。
大切な人の誕生日に贈るのも選択肢
キョウチクトウは毒性が強かったり、花言葉が物騒なものばかりだったりするので、あまりプレゼントなどには適さない印象を受けるかもしれません。しかし、上記の誕生日の人に贈るのは問題ないでしょう。
誕生花であることを伝えたり、メッセージに添えたりすれば、受け取る側も悪い印象は受けないはずです。とはいえ毒性があることは必ず伝え、注意を呼び掛けてください。
キョウチクトウは危険だけれど美しい
今回は原産地がインドであるキョウチクトウの花言葉や花色・品種、そして毒性の強さについて紹介してきました。キョウチクトウは非常に美しい花で、品種や花色も豊富にあり、見ていてとても楽しく癒してくれる花です。
しかし、花言葉にも表れている通りキョウチクトウは可憐な見た目とは裏腹に強い毒性を持っています。花言葉にある通り「油断大敵」な花です。しかし広島市のシンボルとして市の花に指定されていたりと、明るい話題もある花でした。
知識を持っていれば決して危険な花ではない
キョウチクトウは強い毒性を持っており、花言葉通り油断大敵な花です。しかし、正しい知識を持ち、正しい接し方・扱い方をすれば、決して危険な花というわけではありません。昨今、キョウチクトウは毒性の強さから排除されることもあるようです。
しかし、適度な距離を置いたり、正しい育て方をすれば、決して危険な花ではないのです。美しく可憐で可愛らしい、花色もバリエーション豊かで楽しいキョウチクトウと、上手く付き合っていきましょう。
キョウチクトウが気になる方はこちらもチェック!
今回はキョウチクトウのみにフォーカスを当てて花言葉や基礎情報をお伝えしてきました。本サイトには、キョウチクトウ以外にも数々の花の情報を扱った記事を多数掲載しています。ガーデニング情報も満載です。
もしよかったら、他の記事もぜひ目を通して見てください。ガーデニング初心者の方向けの役立ち情報や、花の種類や育て方・注意点を扱った記事など幅広い記事を掲載中です。もちろん花言葉を扱った記事も掲載していますよ!

ベランダガーデニング入門!マンションで始める方法とコツとは?初心者必見
庭がなくてもベランダで花や緑を楽しむことができるのがベランダガーデニングです。ベランダガーデニングを楽しむためのポイントと注意点を紹介します...

11月に咲く花といえば?ガーデニングでの人気品種13選を花言葉と合わせてご紹介!
季節も晩秋にかかり花の数がめっきり少なくなってくる11月。そんな11月に咲く花をご紹介します。フラワーショップにいけば季節に関係なく音質で育...

勿忘草(ワスレナグサ)特集!花言葉や開花時期など勿忘草の魅力とは?
淡い色合いと小さな花が可憐な雰囲気の勿忘草。派手さはないですが、群生していると思わず息をのむような美しさがあります。ここでは、勿忘草の花言葉...