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つくしのおいしい食べ方をご紹介!下処理方法や基本の調理法、簡単に作れるレシピも!

春に野山で咲くつくしは下処理をする手間がありますが、煮物や炒め物などにすると、とてもおいしいといわれています。他にも簡単に作れる食べ方があるので、春にはぜひ味わってみませんか。下処理の方法も含めて、栄養素も豊富といわれているつくしの食べ方を15個ご紹介します。
2021年10月7日
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つくしは日本全国に分布するスギナの子

Photo byadege

春になると野山で群生するつくし(土筆)は、シダ植物のトクサ科トクサ属の"スギナ"の胞子茎のことをいいます。"スギナの子"とも呼ばれており、スギナにくっついて出てくる様子の「付く子」や、袴の部分で継いで見える「継く子」が由来です。

スギナには利尿作用や咳などに効果があるといわれており、スギナの子であるつくしにも栄養素が含まれています。山菜料理にするとおいしいつくしをいろいろな食べ方で味わってみてください。(この記事は2021年10月6日時点の情報です)

つくしは地下でスギナと繋がっている

Photo bysuju-foto

つくしはスギナの子といわれていますが、つくしが成長したものがスギナというわけではありません。つくしとスギナは同じ地下茎で繋がっており、つくしはスギナよりも先に地面から顔を出し、スギナが伸びてきた頃には多くが枯れてしまいます。

胞子で繁殖するシダ植物のスギナは、胞子を持ったつくしによって増えるのです。つくしの頭の部分に緑色の胞子がたくさん詰まっており、暖かくなると胞子を出して生息地を広げる役割があります。

スギナは生薬としても利用される

Photo bykian2018

つくしは胞子を持つことから「胞子茎」とされ、スギナは光合成によって養分の調達を行うことから「栄養茎」とされています。繁殖力が非常に旺盛なため雑草化しやすく、抜いても抜いても勢力が衰えない植物です。その反面でスギナは生薬としての効果も高いといわれています。

美味しいつくしの選び方と保存方法

①つくしの上手な選び方

Photo byadege

おいしいつくしは、頭の部分がしっかり閉じて締まっているものがおすすめです。開いているものは緑色の胞子を放出して枯れる直前のものとなり、茎にも栄養がなくなり細くなっています。

さらにおいしいとされるつくしいの条件は、袴と袴の間が短いものです。短いものは成長途中なので新鮮さが違うといわれています。このような理由からつくしを収穫する時期は春先となり、春先であれば簡単においしいつくしを見つけられるでしょう。

採取するときは手袋を着けるのがおすすめ

野山などでつくしを採取するときはつくしの灰汁が付かないようにビニール手袋を着けることをおすすめします。虫や土に触れることもあるため、屋外で作業をするときは常に手袋があると便利です。

②つくしは収穫後すぐに保存する

おいしいつくしを収穫してきたあとは、さっそく旬なうちに下処理をして保存してしまいましょう。下処理の方法は後述しますが、つくしなどの野山に生える山菜は採取すると瞬く間に鮮度が下がるため、収穫後はすぐに作業をしなければ冷蔵後に保管してください。

遠出して採取する場合は、保冷バッグの持参をおすすめします。下処理をしたものは3日ほどは冷蔵庫で日持ちするので、調理方法を工夫しておいしいうちにいただきましょう。

食べ方の前につくしの下処理方法を確認

下処理①:袴を取りのぞく

おいしいつくしを食べるためには、他の多くの山菜と同じように生ではなく、下処理をして食用にするのが基本です。つくしの「袴」は"葉"にあたる部分のため、下処理の際に取り除きます。毒ではありませんが繊維質が多いため固くておいしくありません。

しかしこの袴を取り除く作業は少し厄介で、爪でこそげるようにして取るのですが灰汁も爪の間に詰まってしまいます。灰汁はなかなか取れないのでビニール手袋をするのもよいでしょう。

水に浸すほど取れやすい

つくしの袴を簡単にとる方法はいくつかあります。時間があればたっぷりの水に時間をかけて浸す方法です。急いでいるときは切り目を縦ではなく、横に向くようにすると簡単に取れます。または、アスパラガスの袴を取る要領でピーラーを使う方法もよいでしょう。

下処理②:灰汁抜きと茹で

つくしは非常に灰汁が強い山菜のため、袴を取り除いたあとは灰汁抜きを必ずしてください。沸騰したたっぷりのお湯に生のつくしを入れて15秒ほど茹でます。茹ですぎるとつくしのおいしさが損なわれるため、サッとゆがく程度でよいでしょう。

次にたっぷりの冷水に入れて冷ましますが、水を数回替えて灰汁を徹底的に抜いてください。つくしの頭にある胞子の緑色の成分が水に溶けるので、水がきれいになるまで続けます。

つくしの基本的な食べ方4選

食べ方①:つくしの佃煮

つくしのおいしい食べ方で基本的な調理方法は、甘辛い佃煮です。山菜特有のほろ苦さが苦手な人は、ぜひ佃煮にしてお楽しみください。下処理してあるつくしを分量の調味料で煮るだけの簡単レシピです。1~2日冷蔵庫に置いておくことで味がなじみ、さらにおいしい佃煮になります。

アレンジでゴマをまぶしたり、小女子を加える人もいるようです。つくしがたっぷり採れたら、いろいろな食べ方を試してみてはいかがでしょうか。


材料:つくし…150g・醤油…60㏄・酒…40㏄・みりん…20㏄・水…40cc・砂糖…小さじ2

つくしの佃煮

食べ方②:つくしのごま和え

つくしを、風味豊かなごまで和える食べ方も人気があります。下処理したつくしにすりごまや砂糖、白だしを混ぜて和えるだけです。ご飯にも酒肴にもおすすめの逸品になります。

お好みで、フライパンでサラダ油で炒めてから和えるレシピを採用する人もいます。自分の口の合うように、たっぷりのつくしを採ってきていろいろな食べ方をするとよいでしょう。

材料:つくし…ひとつかみ・白だし…大さじ1・すりごま…大さじ1・砂糖…ひとつまみ

つくしのごま和え

食べ方③:つくしのきんぴら

つくしの食べ方では、きんぴらにするのも人気があります。下処理をしたつくしをフライパンに入れて分量の調味料で炒めるだけの簡単に作れるレシピです。お好みで仕上げにかつお節やごまを振りかけるのもおすすめとのこと。

中にはきんぴらの基本であるゴボウやニンジンと合わせる人もいるそうです。こちらもいろいろな食べ方を工夫して春の恵みを味わいましょう。

材料:つくし…いっぱい・ゆで湯…いっぱい・酒…大さじ2・みりん…大さじ2・醤油…大さじ2・だしの素…2.5g・鰹節…好きなだけ・水…大さじ1

つくしのきんぴら風

食べ方④:つくしの卵とじ

つくしは卵とじにするのもおすすめの食べ方となり、山菜ながらもメインのおかずになるお料理です。だしの味がしっかり効いた調理方法にするとおいしいですが、だしを入れなくても何故かだしのような風味がするという人もいます。

生のつくしをフライパンで炒め、だしやみりん、料理酒などの下味に絡ませてさらに炒め、あとは溶き卵で煮るだけの簡単なレシピとなります。お好みでニンジンやタマネギを入れるのもよいそうです。

材料:つくし…2カップ・みりん…大さじ2・料理酒…大さじ2・砂糖…大さじ2・顆粒だし…少々・削りぶし…適量・しょうゆ…大さじ2と1/2・卵…1個

つくしの卵とじ

簡単に作れるつくしの食べ方11選

食べ方①:つくしのナムル

つくしはナムルにしていただくのも美味しい食べ方となります。そのままご飯やお酒のお供にするのもよいですし、サンチュやチシャなどの葉物と豚肉に巻いていただくのもおいしい食べ方です。ここからパスタに和えたりトーストに合わせたりといろいろな食べ方ができそうです。

基本的には、下処理をしたつくしを調味料で和えるだけの簡単な調理方法となります。

材料:ゆでツクシ…50g・ごま油…小さじ1・GABANガーリックパウダー…ひと振り・味塩コショウ…ふた振り

簡単にツクシのナムル

食べ方②:つくしの天ぷら

つくしを天ぷらにする食べ方も大人気です。山菜ならではのほろ苦さが油で揚げることでまろやかになり、山菜が苦手な子供にもおすすめ。

つくしは茹でたものではなく生のものを使うことで、つくし特有の歯ざわりを味わえます。天ぷら油はたっぷり用意し、必ず170~180℃に熱してからサクッと揚げましょう。衣を薄めにすることで、さらにサクサク感を楽しめます。

材料:つくし…適量・市販の天麩羅粉…50g・揚げ油…適量・水…75cc

春の山菜つくしの天麩羅!

食べ方③:つくしの厚焼き玉子焼き

つくしは卵とじも人気ですが、厚焼き玉子にする食べ方もおいしいくいただけます。下処理したつくしを、砂糖や醬油などで佃煮風に甘辛く煮てから割り入れた卵に入れてください。あとは充分に熱した厚焼き玉子用のフライパンで、基本の厚焼き玉子のように焼くだけの簡単なレシピとなります。

大葉を挟むと彩りがよくなるそうです。厚焼き玉子を切ると断面につくしが顔をのぞかせ、春の恵みを実感できることでしょう。


材料:卵(M)…2個・ゆでた土筆と生のつくし50g・だし汁or 好みのだし汁…大さじ2・砂糖…小さじ2(お好み)・小麦を使わない丸大豆しょうゆ(イチビキ)or 醤油…小さじ1(好み)・キャノーラ油(好みの油)…適量

朝昼夕♪土筆入り春のだし巻卵★厚焼卵

食べ方④:つくしの卵炒め

つくしは卵だけでなく野菜との相性もよく、炒め物はいろいろな栄養をたくさん摂れる食べ方です。写真は卵の他にホウレンソウやニンジンも一緒に炒めています。つくしにはカロテンが豊富に含まれているので、ホウレンソウとニンジンが加われば最強です。下のレシピは、卵の他にベーコンで炒めたシンプルな食べ方です。

いずれも基本的な調理方法は、下処理したつくしと他の具材をお好みの調味料を使い、フライパンで炒めるだけとなります。

材料:つくし(頭も取る)…100g・ベーコン…2~3枚・卵…2個・バター…大さじ1・サラダ油…大さじ1・塩とこしょう…適量・醤油…小さじ

つくしとベーコンと卵のバター炒め

食べ方⑤:つくしそば

つくしそばは、各地にあるお蕎麦屋さんでも好評の食べ方です。しかしレシピはとても簡単で、基本的には下処理をしてから砂糖などで甘辛く味付けをしたつくしをおそばにのせるだけ。

兵庫県三田市にあるお店では、つくしが汁で沈まないように油揚げにちょこんとのせているのも素敵です。自分で作るときはご紹介したレシピにあるように、汁を少なめにしてたっぷりのつくしをのせると見映えがよくなるでしょう。

材料:つくし…適量・そば…2人前・油揚げ…1枚・かけつゆ…適量・だし…150㏄・しょうゆ…小さじ1・みりん…小さじ1・砂糖…小さじ1・七味唐辛子…適当

つくしのおそば

食べ方⑥:炊き込み つくしご飯

つくしの食べ方は佃煮や天ぷらなども人気がありますが、混ぜご飯にするのも絶品といわれています。各種の調味料を入れたコメに、下処理をしたつくし・コメ・油揚げ・ワカメを混ぜたものをのせて炊き上げてください。炊き上がった後は、具材をご飯によく混ぜれば完成です。

材料:つくし…50本ほど・油揚げ…1枚・わかめ…少々・米…3合・醤油…少々・みりん…少々・和風だしの素…少々・酢…少々・塩…ひとつまみ

炊き込み つくしご飯

食べ方⑦:つくしの混ぜご飯

つくしは炊き込みご飯もよいですが、佃煮や炒め煮などを炊き上がった白飯に混ぜる食べ方もおすすめです。ボウルなどに入れたご飯に、佃煮や炒め物を混ぜるだけの簡単な食べ方です。

こちらのレシピを考えた人は、「フライパンで鶏ミンチ油揚げ土筆の炒め煮」というレシピも考案しており、そちらをご飯に混ぜています。ご飯に混ぜる具材はつくしが入っていればよく、調理方法をアレンジして楽しめる食べ方です。

材料:温かいご飯…150g(1人分)・つくしの煮物…100g(好みの量)・煎りごま…少量

美味♪土筆サッと煮で混ぜご飯(もぶり飯)

食べ方⑧:つくしトースト

つくしはご飯にも合いますが、トーストとの相性もよい山菜です。トーストにする食べ方はいろいろな人のレシピがありますが、一番簡単なのはバターを塗ったパンに下処理をしたつくしをのせ、塩コショウをして削り節や長ねぎをトッピングするだけのもの。

他には水飴や砂糖、黒糖などで甘く煮たつくしをトーストにのせる食べ方もあります。他にも、溶けるチーズをのせたトーストに味付けしたつくしをトッピングする食べ方も人気です。

材料:パン、バケットなど…適量・マヨネーズorバターorマーガリン…適量・塩コショウ…適量・つくし…1~3本ぐらい(適量)・削り節や長ねぎ…お好み

ほっこり癒され♪つくしのっけトースト

食べ方⑨:つくしのサラダ

こちらは、つくしの下処理はしますが味付けはせずにサラダにするのがおすすめの食べ方です。つくし以外のサラダの具材はお好みでよく、下で紹介されてあるレシピはサーモンやタコなどの魚介をメインに、水菜やミニトマトを加えた調理方法となります。

写真のレシピは、炒り卵やカニカマ、アスパラなどをマヨネーズで混ぜたものです。サラダもお好みでいろいろ工夫するとおいしくなる食べ方です。

材料:つくし…10本ほど・サーモン…35g・タコ…足1本・水菜…適量・新タマネギ…適量・ミニトマト…適量・アンチョビ…小さじ1・フレンチドレッシング…適量・カラーペッパー…適量


土筆と魚介のサラダ

食べ方⑩:つくしのスープ

つくしをスープやみそ汁などの具材にするのも、つくしのおすすめの食べ方です。写真は菜の花と山伏茸という珍しいキノコが入っているスープですが、下に紹介したレシピは、フカヒレスープの素やごま油が加わった中華風となります。

いずれも基本のレシピは、下処理をしたつくしを使ってお好みでスープにするだけの簡単なもの。スープは、他の食べ方に比べるとより山菜の風味が濃厚に感じられるようです。

材料:つくし…40~50本・つくしを灰汁抜きする熱湯…500cc・つくしをあくだしする重曹…小さじ1・市販のフカヒレスープのもと…一袋・筍水煮…小さめ半分・水…1リットル・創味シャンタン…小さじ2・こしょうお好みで一振り・卵…一つ・緑のお野菜…少し・ごま油…お好みで二~三滴

土筆入り中華スープ

食べ方⑪:つくしの砂糖漬け

つくしは惣菜以外に、スイーツ感覚で砂糖漬けにする食べ方も人気があります。多くのつくし料理は下処理を施したつくしを使っていますが、こちらのレシピでは胞子が出ないように簡単に水洗いしただけの生のつくしを使用する食べ方です。

鍋に調味料を入れて飴状にし、つくしを入れて煮詰めます。飴が冷えて固まったら砂糖をまぶして完成です。つくしの胞子と砂糖が混ざると、何ともいえない味わいになるといわれています。

材料:っつくし…採ってきた分だけ
・上白糖(水あめに使用)…40g・水(水飴に使用)
…小さじ2・上白糖(上からまぶす用)…適量

雅な土筆(つくし)の砂糖漬け

つくしはビタミンCやカロテンが豊富

つくしの大量摂取はNG

Photo by uka0310

つくしには栄養素が含まれていますが、反対に毒素のアルカノイドも大量に含まれています。しかし他の多くの山菜と同じように灰汁抜きをしたものであれば、いろいろな調理方法で食べるのは問題ないそうです。

アルカノイドは様々な生物が含有しており、キンポウゲ科(代表的なのはトリカブト)・ケシ科・ナス科・マメ科・ユリ科などがあげられます。山菜でいえばフキやフキノトウにも含まれ、きちんと灰汁抜きをしなければいけません。

つくしの栄養素

つくしの栄養素は、緑黄色野菜のカボチャやニンジンなどに含まれているカロテンがあげられます。カロテンは体内でビタミンAに変換されて、皮膚や粘膜の健康維持に効果が期待されている栄養素です。含有量は100グラム当たり1200マイクログラムとされ、驚くことにブロッコリーやオクラ、芽キャベツよりも多いといわれています。

さらに抗酸化作用が期待できるビタミンEも含まれ、やはり含有量は野菜・山菜の中で上位です。

つくしの食べ方をマスターして春を感じよう

出典:photo-ac.com

春に咲くつくしはほのかな苦みを楽しむ山菜の一種となり、いろいろな食べ方ができます。人気がある基本の調理方法は佃煮やおひたしなどの煮物ですが、それらを使ってご飯に混ぜたり野菜と炒めたりする食べ方などアレンジも自由自在。

意外なところでトーストにしたりサラダにしたりスイーツにしたりと、工夫次第でさまざまな食べ方ができるのがつくしの魅力といえるでしょう。皆さんのレシピを参考にしていろいろ作ってみませんか。

スギナが気になる人はこちらをチェック!

つくしの「栄養茎」であるスギナは雑草扱いされることが多い植物ですが、身体によい影響を与えてくれることでも知られています。つくしの食べ方と共に、スギナの特徴についてもチェックしておきましょう!