スギナとは
スギナは、春先に良く見かけるツクシからなる植物です。スギナは、ツクシが放出する胞子によって繁殖します。ツクシをそのままにしておくと茎が伸び、まったく形状の違う姿に変わります。その姿が、スギナです。
科名
トクサ科 スギナは、日本で生息するトクサ科の仲間の中で最も小さい植物だといわれています。
学名
Equisetum Arvense 「Equisetum」は、スギナの姿が馬の尻尾に似ていることから「equus(馬)」と「saeta(刺毛)」という言葉をもとにつけられました。「Arvense」は、「野生の」という意味です。
花由来
スギナという名前の由来は、その形が杉の木に似ているからだといわれています。また、どの節の部分からでも継ぐことができる「継ぐ菜」が転じて「スギナ」となったという説もあります。
スギナの花言葉・開花時期
花言葉:向上心
スギナの花言葉は、次の通りです。 ・向上心 ・努力 ・意外 ・驚き
由来
スギナの「向上心」や「努力」という花言葉は、スギナの成長力や繁殖力の強さに由来します。1日に1cmの速さで成長するスギナは、まさしく「向上心」に優れた植物です。 「意外」や「驚き」という花言葉は、やはりツクシからスギナへの変貌がかなり大きいからだといえます。ツクシの形状からスギナの姿を想像することは、なかなかできないでしょう。
開花時期
スギナの開花時期は、春先の3月~4月です。
スギナの育て方・栽培方法
難易度
かなり繁殖力が強いので、育てるのに苦労はいらないでしょう。逆に駆除するのが大変になるかもしれません。
時期
スギナの苗の植え付けは、年中おこなえるから便利です。ツクシの胞子から育てる場合は、4月下旬~6月上旬がよいでしょう。ツクシの旬は、3月~4月頃になります。
植え付け
スギナは、地植えするとどんどん増えて庭いっぱいに広がりかねません。出来ればブロックなどで育てる区間を他と区切っておくとよいでしょう。 鉢植えの場合は、野生のスギナを土ごと持ち帰りそのまま鉢に植え付ければ後は自然に成長してくれます。
水やり
スギナは湿気を好むので、乾燥させないように気をつけておきましょう。鉢植えの場合は、表面の土が乾いているようならしっかりと水分を与えてやります。地植えの場合は、冬場の枯れた後にワラなどをかぶせておくと湿度を保つことが可能です。
肥料
スギナに肥料は必要ありません。逆に与えすぎるとツクシの収穫量が減るので、気をつけておきましょう。
剪定
スギナは、見る見る大きくなっていきます。大きくなりすぎる前に、状況を見て切り戻しをしておくとよいでしょう。ただし、あまり切り過ぎてしまうと光合成ができなくなり春先のツクシの収穫が落ちてしまいます。適度に緑を残して、剪定するのがポイントです。
増やし方
スギナは、放っておいてもどんどん増えていきます。逆に増えすぎて困るほどです。ある程度増えてきたら、翌年のツクシの収穫ができる程度の量を残してバッサリと処分してしまいましょう。地下茎が残っているとそこから繁殖するので、処分する時は地下茎ごとゴッソリと抜いてしまうことが必要です。
場所
スギナを育てるのに適しているのは、日光が良く当たり少し湿りけのある場所です。スギナは、湿気を好むため日当たり良すぎて乾燥気味の土地は避けておきましょう。基本的に土質などにこだわりがなく、どのような場所でも育つのがスギナの特徴です。ただし、繁殖力が旺盛なので鉢植えやプランターなどに植えることをおすすめします。
スギナの特徴
道端などでよく見かけるスギナは、浅い部分に地下茎を伸ばし強い繁殖力が特徴です。雑草としては、成長も早いためとても厄介な植物だといえるでしょう。 スギナは、胞子で増えていきます。その胞子体が、土手などでよく見かける可愛らしいツクシです。ツクシは胞子をまき散らした後にかれます。その後、同じ根茎から出てくるのがスギナです。スギナが光合成をおこない、根に栄養分を蓄えます。
スギナの品種・原種
原産地
日本を含む北半球の温暖な地域で幅広く生息しています。
分布域
スギナは、沖縄を除く日本全国に生育しています。少し湿りけのある日なたの場所に良く見かけられるのが特徴です。春先頃には、川沿いの土手でツクシ狩りを楽しむこともできるでしょう。
美容や健康に効果的なスギナ茶の魅力
血液をサラサラにしてくれる
スギナ茶には、ミネラルの宝庫ともいえるくらいたくさんのミネラル成分が含まれています。そのため、血流を良くし血液中の酸素を補う効果が期待されます。生活習慣でドロドロ血になりがちな現代人には、とても効果的だといえるでしょう。
不足しがちなカルシウムがしっかり摂れる
スギナ茶には、身体の構成や代謝をサポートする様々なミネラルが豊富に含まれています。一般人が不足しがちなカルシウムや鉄分、亜鉛を含むスギナ茶を毎日摂取することで、健康的な生活がおくれるでしょう。特にカルシウムは、ほうれん草の155倍といわれるほどです
ケイ素の力が美しさと健康をサポート
スギナ茶には、「美しさのミネラル」とも言われているケイ素が含まれています。ケイ素は、髪につやを与えたり肌つやを良くする効果が期待できます。 細胞の成長や再生機能を高める効果が期待されるスギナ茶は、骨などの強化をはかるだけでなくガン予防にも効果があるといわれています。
デトックス効果も期待できる
スギナ茶に含まれる葉緑素の働きが、利尿作用を促すといわれています。これにより身体のむくみが解消され、すっきりとしたボディに変身出来るかもしれません。 スギナ茶は、身体に悪い影響を与えるものを尿や汗として排出することでデトックス効果が期待できます。スギナ茶のデトックス効果を利用すれば、お肌や身体を美しく維持することができるでしょう。
自家製スギナ茶を作ろう
スギナ茶の作り方
健康や美容に効果があるとされるスギナ茶は、自宅でも作ることができます。では、スギナ茶の作り方を説明していきましょう。 ・採取したスギナをしっかりと水洗いして汚れを取ります。 ・洗ったスギナは、日当たりのよい場所を選び天日干しで乾燥させましょう。 ・しっかりと乾燥させたスギナをハサミなどで細かく刻みます。 ・最後に水分をしっかりと飛ばすためにフライパンなどでスギナを煎ります。
スギナ茶作りの注意ポイント
自宅でも簡単にできるスギナ茶。健康や美容に良いとされていので、ぜひ作ってみたいものです。スギナ茶を作る際に気をつけるポイントとしては、原料とするスギナに農薬や除草剤がかからないようにすることです。お茶として口に入れるものなので、注意しておきましょう。 天日で乾燥させる際には、しっかりと乾燥させます。乾燥できているかどうかの目安は、押しつぶした時にパサッと崩れる状態です。湿りけが気にならなくなるまで、しっかりと乾燥させておきましょう。
スギナ茶の飲み方
スギナ茶の飲みかたは、通常の煎茶のように急須で入れる方法と煮出す方法があります。煮出す場合は、1リットルの水に大さじ2杯程度が目安の分量です。夜間などで沸騰させた後に5分ほど煮詰めるとよいでしょう。あまり長い時間に詰めてしまうと、ケイ素の効果を低下させてしまいます。 スギナ茶だけでは青臭くて飲みにくいという場合は、煎茶や番茶などと混ぜ合わせて入れると飲みやすくなります。色々との見方を試しながら、自分にあったブレンド方法を見つけてください。
スギナのその他おすすめ情報
スギナの生命力の強さを表す話として、こんな話があります。 第二次世界大戦末期、広島に原爆が落とされた後に最も早く芽を吹いたのがスギナだといわれています。焼け野原の中で懸命に青々と育つスギナは、戦争ですべてをなくした人々に希望を与えていたのかもしれません。
まとめ
ガーデニングが全く初めてという方でも、自然に生えているスギナを持ち帰って簡単に栽培することができます。乾燥に気をつけておけば、あまり手間をかけずに栽培することが可能です。スギナには、たっぷりのミネラルが含まれているので、「スギナ茶」を自家製で作れば健康や美容のサポートにもなるでしょう。