谷川岳の紅葉
谷川岳は日本百名山の一つで紅葉の名所
谷川岳は群馬県と新潟県の県境にあり標高1977mの日本百名山に数えられる山です。また谷川岳は2000m級の山々が連なる谷川連峰を構成し、日本三大と言われる岩場もあります。
谷川岳の岩壁と紅葉が織りなす一大パノラマは見る人の心を奪い、毎年紅葉の名所として多くの人が訪れる大人気の山です。しかも谷川岳の中腹の天神平まではロープウェイで登ることができ、登山初心者でも気軽に絶景の紅葉が楽しめます。
谷川岳の紅葉の見ごろはいつ?
紅葉の見ごろは、一般的には葉が最も色づく季節ですが、谷川岳の紅葉は葉の色だけでなく、岩肌や冠雪による対比などで見ごろが変わります。
谷川岳の紅葉は、9月〜10月上旬ごろ山頂付近のナナカマド付近の木々が色づくのが始まりで、しだいに麓に紅葉が広まっていきます。10月中旬〜下旬に紅葉のピークを迎えますが、11月でも初雪の季節と重なり、山頂の冠雪の白と紅葉の赤のコントラストが同時に楽しめるのです。
紅葉の見ごろは紅葉の見方によって変わる
谷川岳の紅葉の見ごろは、葉がいつ色づくかに加え初雪がいつになるかにより紅葉を楽しむポイントが変わるところが特徴であり魅力です。つまり谷川岳の紅葉の見ごろは、何を見たいかにより変わります。
谷川岳の荒々し岩壁と紅葉が最も調和する時期、初雪の白い冠雪と紅葉が融合するとき、紅葉が最も鮮やかに輝く時期などさまざまです。谷川岳の紅葉の見ごろは見る人の目的によってさまざまに変化すると言えます。
谷川岳の紅葉の魅力と見どころ
平地の紅葉は11月中旬から12月初旬にピークを迎えますが、標高が高い谷川岳は平地より約1ヶ月早い10月中旬〜下旬に紅葉のピークがきます。しかも谷川岳などの高山は寒暖の差が激しいので紅葉の色が鮮やかになるのです。荒々しい岩肌の谷川岳と美しい紅葉のハーモニーが楽しめる、魅力の見どころスポットを紹介します。
谷川岳はロープウェイで登れる
谷川岳は日本百名山にも数えられる2000m級の山ですが、麓(ふもと)の土合口から中腹の天神平まではロープウェイで登ることができます。さらにそこからリフトで山頂付近まで登れるので、女性やお子様、家族連れでも紅葉と登山気分が楽しめます。
しかも、山のいたるところに雄大な紅葉の見どころスポットがあり、秋の1日を存分に味わうことができるのが谷川岳です。
ロープウェイから見る紅葉に絶句
ロープウェイに乗り高いところから下に広がる紅葉の景色を見た瞬間に、多くの人は息を飲み込み絶句します。眼下に広がる紅葉の絨毯(じゅうたん)は例えようのない大パノラマで、景色の壮大さに圧倒され言葉が出ないのです。これは最初の15分間のプロローグ(序章)でこれから谷川岳の本番が始まります。
ロープウェイ終点の天神平からの紅葉
ロープウェイから見た紅葉の感動が収まらないうちに、追い討ちをかけるのが天神平の紅葉です。ロープウェイの終点天神平は標高1317mで天神山の中腹にあり、眼前には谷川岳の山頂が迫り紅葉の景色が一変します。
谷川岳は日本三大岩場を持つ山で、その荒々しい岩壁と美しく色づいた木々の紅葉が同時に楽しめる場所が天神平なのです。ロープウェイから見た紅葉の絨毯とはまた違う景色が広がるスポットになります。
山肌と紅葉のハーモニー
標高1317mにある天神平は、谷川岳山頂の荒々しい景色と美しい紅葉をつなぐジョイントスポットになります。谷川岳の雄大で荒々しい魅力と、紅葉という心を和ませる魅力を融合させるのが天神平です。
天神平から見る谷川岳の景色は、そそり立つ岩壁と心を和ませる美しい紅葉のハーモニーといえます。音楽なら完成されたコンチェルト(協奏曲)、料理ならフランス料理のフルコースと言えるのではないでしょうか。
天空のレストラン
天神平ロープウェイ駅のすぐそばにおしゃれな欧風建物の「ビューテラスてんじんレストラン」があります。このレストランからの眺めは谷川連峰の山々と紅葉が一望できる、まさに最高の天空レストランです。
紅葉の楽しみ方は人それぞれですが腹が減っては戦ができません。お腹が空いた場合には谷川岳の絶景を眺めながら食事を楽しめる天空レストランをおすすめします。席数は370席ありますがシーズン中の混雑は覚悟しましょう。
天神峠ペアリフト
ロープウェイの終点天神平から天神山の山頂近くの天神峠まで、片道約7分の2人乗りリフトが運行されています。このリフトは429mの長さがある天神平スキー場のリフトですがスキーシーズン以外も一年中稼働しているリフトです。
スキー場の斜面に沿って登っていくので視界が非常に広く開けています。天神峠から谷川岳に続く天神尾根の紅葉や谷川連峰が一望に見渡せ、ロープウェイとはまた違う紅葉が楽しめるのです。
リフトからの景色は絶好の撮影ロケーション
リフトから見える紅葉と雄大な山々の広大な眺めは、思わずシャッターを切りたくなる絶好の撮影スポットです。ロープウェイの窓越しにみる紅葉とは違い直接肌で谷川岳の雄大さが感じられます。
また天神峠から約2時間かけて谷川岳山頂に向かう登山ルートがあり、紅葉の中を山頂に向かう登山は格別で登山好きの人にはたまらない魅力です。ビバークせずに日帰りでアタックできる行程なので興味がある方は挑戦して見てください。
谷川岳遊歩道から見る絶景と紅葉
谷川岳ロープウェイの眼下に広がる紅葉の絨毯は、高所から見下ろす雄大でスリル満点のビュースポットです。しかし谷川岳にはロープウェイに乗らず土合口から遊歩道を行き紅葉と谷川岳を見上げる別ルートがあります。
全国に紅葉の名勝地はたくさんありますが、岩壁の迫力と紅葉が同時に味わえるのは世界広しといえども限られ、その一つが谷川岳です。別ルートの紅葉絶景スポットを紹介します。
①マチガ沢の紅葉
ロープウェイ駅より舗装された遊歩道を30分(1.7km)ほど歩くとマチガ沢に着きます。マチガ沢の正面には谷川岳の荒々しい山頂がそびえ、まわりの鮮やかに染まった紅葉の絶景と何とも言えない不思議なマッチングを感じる場所です。
またマムシ岩と呼ばれる岩壁があり、クライミングの練習に使われます。出合い(谷・合流)のところは名前の通りゴロゴロと石が転がる沢になっていますが、雨が降らないと水は流れません。
②日本三大岩場「一ノ倉沢」の紅葉
マチガ沢から遊歩道を奥に25分(1.6km)進むと谷川岳の象徴とも言われる「一ノ倉沢」にたどり着きます。目の前には大迫力の岩壁がそびえ人を寄せ付けない威圧感があり、雪渓まである絶壁です。
そんな急峻な岩壁の迫力ある絶景と、赤や黄色に鮮やかに色づく紅葉が同時に味わえる、まさに谷川岳の雄大さを最も満喫できるスポットと言えます。しかし魅力ある絶景紅葉スポットの「一ノ倉沢」には悲しい歴史があるのです。
「魔の山」と呼ばれた谷川岳の「一ノ倉沢」
谷川岳の「一ノ倉沢」の岩壁(衝立岩)は、登山家(クライマー)にとって登頂が最も難しい難所であると同時に憧れの絶壁なのです。過去に登頂に挑み滑落した死者が約800人もあり「魔の山」と呼ばれる悲しい歴史があります。
憧れの岩壁に挑んだ登山家はどれほどいたのでしょう。現在は登山器具や装備が改良され遭難者は激減しました。そんな歴史を抱いて見上げる「一ノ倉沢」の美しい紅葉には感慨深いものがあります。
③幽ノ沢の紅葉
一ノ倉沢より先の遊歩道は舗装がなく山道になります。一ノ倉沢より徒歩20分(約1.1km)で到着するのが幽ノ沢です。ここは谷川岳遊歩道の最も奥にある紅葉スポットですが、ここまでくる人はさすがに少なくなります。
幽ノ沢は大きな飛び出た岩が特徴的で、谷川岳の全貌をワイドに見渡すことができます。マチガ沢と多少似ていますが、そこに至る山道の紅葉の景色は谷川岳の自然と雄大さを直に感じるスポットです。
谷川岳は稀有の紅葉スポット
谷川岳はロープウェイから見下ろす壮大な魅力と、遊歩道から見上げる絶景の紅葉の2種類が楽しめるのです。こんな紅葉を楽しめる山は谷川岳をおいて他にはありません。
谷川岳は2000mに少しかける山ですが、3000mを超える山に劣らない迫力と魅力を備えた山です。しかも谷川岳の紅葉の素晴らしさは三大岩場を持つ荒々しさと、比類ない紅葉の鮮やかさのコントラストが織りなす稀有のスポット(山)と言えます。
谷川岳ロープウェイ駅の情報
谷川岳の観光(紅葉)や登山の起点となる谷川岳ロープウェイと、駅に隣接する建物(ベースプラザ)に関する情報を紹介します。住所や連絡先などは後述の施設情報や公式サイトURLを参照してください。(谷川岳ロープウェイに関する記事は、2020年7月時点の情報をもとに製作しております)
谷川岳ロープウェイ駅は7階建てのベースプラザと連絡
谷川岳ロープウェイ駅は群馬県みなかみ町の国有林内にある7階建てのビル「ベースプラザ」と連結した場所にあります。建物内はすべてバリアフリーになっているので安心して利用できます。
1階〜5階までと7階屋上は普通車911台を収容できる立体駐車場になっていて車でのアクセスも便利です。6階部分にロープウェイの切符売り場と食堂や売店があり、7階の連絡通路でロープウェイの乗り場に繋がり乗車できます。
谷川岳ロープウェイの概要
谷川岳ロープウェイは麓の土合口から標高1317mの天神平までの片道2400mを約15分で結び、その15分間の空中散歩は谷川岳の雄大さとスリルを満喫できるロープウェイです。
特に秋の紅葉シーズンの眼下に広がる景色は言葉に表しきれないほどの大パノラマが展開されます。ゴンドラは22人乗りで14台あり3分間隔で運行されますが、シーズン中は混雑するので、事前に混雑のピーク時間をチェックするとよいでしょう。
ロープウェイの営業時間と料金
4〜11月の営業時間は平日8:00~17:00、土日祝7:00~17:00で、12〜3月は全日8:30~16:30となります。ただし3月は開始時間が早まり7:00~16:30です。
料金は(大人)往復2100円片道1250円、(子供)往復1050円片道630円ですが、公共交通を利用する場合は「谷川岳ロープウェイ&路線バス往復セット券」の割安チケットがあるのでおすすめします。
天神峠ペアリフト
天神平から天神峠までさらに登るリフト(距離429m・所要時間約7分)は、2人乗りのペアリフトなので、お子様連れでも隣で大人がしっかりサポートできるので安心です。また台数も冬山では72台、夏山では83台絶え間なく運行されているので余裕があります。利用料金は、大人子供共通で往復730円片道420円です。
谷川岳ロープウェイ
- 住所〒379-1728
群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽字湯吹山国有林 - 公式サイトURLhttp://www.tanigawadake-rw.com/
- 電話番号0278-72-3575
- アクセス関越水上ICから車で約25分
- 駐車場あり
建物内:普通車911台、地上:500台、料金:大型1000円、普通車500円
谷川岳ロープウェイ駅へのアクセス
谷川岳紅葉光の起点となる、谷川岳ロープウェイは10月〜11月の紅葉シーズンには大混雑が予想されます。事前にアクセス方法や、ロープウェイとベースプラザ駐車場の混雑情報などをチェックして、計画を立てておくことが重要です。
公共交通を利用するアクセス
新幹線を利用する場合は、上越新幹線の「上毛高原(じょうもうこうげん)」駅で下車し、関越交通バスの「谷川岳ロープウェイ」行きに乗車し約50分の行程です。在来線を利用する場合は、JR「水上(みなかみ)」駅で下車、関越交通バスの「谷川岳ロープウェイ」行きで約25分で到着します。時刻表は事前によく調べておきましょう。
「谷川岳ロープウェイ&路線バス往復セット券」が便利
シーズン中はどのチケット売り場も乗り場も混雑するので「谷川岳ロープウェイ&路線バス往復セット券」を購入するのが便利です。このセット乗車券は上毛高原駅と水上駅で発売されています。料金は上毛高原駅発着で3950円、水上駅発着で3140円です。
谷川岳ロープウェイ駅まで直行する夜行バス「毎日あるぺん号」
夜行バスが苦手でない人には「毎日あるぺん号谷川岳」がおすすめです。出発地は地下鉄東西線竹橋の毎日新聞社西口玄関前と新宿西口都庁大型バス駐車場の2ヶ所があり、夜の10時半頃に出発し早朝めが覚めると谷川岳ロープウェイ駅に到着しています。
丸一日谷川岳の紅葉を楽しみ、夕方帰路につき夜の8時頃に出発地に戻るツアーで、しかも谷川温泉入浴のおまけ付きです。料金は往復で12000円・13000円になっています。
車を利用するアクセス
車を利用したアクセスは、関越自動車道の水上ICを出て国道291号経由(約14km)の行程になります。車の場合は渋滞や混雑の可能性があるので時間に余裕を持って出かけましょう。また谷川岳ロープウェイ駅ベースプラザ駐車場の混雑状況も事前にチェックしておくことをおすすめします。
谷川岳で絶景と紅葉のアンサンブルを満喫
まとめ
谷川岳は、ロープウェイから見る絨毯を敷き詰めたような壮大な紅葉のパノラマや、遊歩道から見上げる迫力満点の岩壁と調和する紅葉など、さまざまな景色の展開を満喫できる山です。
柔と剛、憧れと悲しい歴史、荒々しさと優しい美、両面を兼ね備えている谷川岳の紅葉は人の心を捉えて離しません。秋の1日を谷川岳の絶景と紅葉のアンサンブルで存分に楽しんでください。
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出典:photo-ac.com