プランターできる!大根の育て方
プランターで大根栽培に挑戦しよう
大根は大きな野菜なので、プランターで育てるのは難しいと思っていませんか?庭や畑が無くても大根はプランターで栽培できます。地中深く根を伸ばして育つ大根は、初心者にはプランターのほうが実は簡単。また、大根はそれほど手をかけなくても育つ野菜なので、家庭菜園の初心者におすすめです。
大根プランター栽培のポイントは?
大根の育て方で気を付けるポイントはそれほど多くありません。初心者は時期と土に注意して育ててみましょう。ここでは、プランターでできるやさしい大根の育て方をご紹介します。家庭菜園向けの品種もありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
大根の種まき時期のベストシーズンは?
家庭菜園初心者の種まきは秋
大根の種まき時期は春と秋です。どちらの時期でも育ちますが、初心者は秋に種をまくのが失敗しにくくておすすめ。大根の栽培にかかる期間ははおよそ二カ月から三カ月ですから、大根が甘くておいしい季節である冬に収穫できるように秋に種をまくとよいのです。
そして、もうひとつ秋まきがおすすめの理由は大根に「ス」が入りにくいから。「ス」とは、大根を食べるときに、なんだか口に残る繊維。
「ス」が入る原因は、大根が花を咲かせることにあります。花を咲かせてしまうことをトウが立つといいますが、トウが立つと、「ス」が入ってしまい口当たりが悪くなってしまうのです。春に種をまいた大根はどうしても収穫までに花を咲かせやすいので、初心者は秋まきから始めるといいでしょう。
春の時期に種まきするなら
春の種まきでは、時期に注意が必要です。大根が発芽する気温は品種にもよりますが、おおよそ15℃から。気温が低いうちに種をまくとトウがたちやすくなるので気温が上がってから種まきをしてください。
かといって、あまり遅すぎるのもよくありません。暖かくなってからの種まきでは、芽が出たばかりの葉に春から初夏にかけて動きが活発になる害虫がつきやすくなってしまうというデメリットがあります。気温の変化を見極めて行いましょう。
家庭菜園におすすめの品種
プランター栽培用に開発されたミニ大根
ミニ大根
家庭菜園の悩みの一つに、「食べきれないほど収穫できてしまう」というものがありますね。ミニ大根は核家族でも食べきれるサイズだから、そんな悩みが解消されます。大きく育っても20㎝程度ですから、プランターがそれほど深くなくても育てられるのも魅力です。
家庭菜園用に販売されている種だけでも「三太郎」「味わらべ」「ころっ娘」など品種も豊富で比較的育て方も簡単なのでおすすめです。
小ぶりでプランターにも向く紅心大根
紅心
アントシアニンが含まれていることで人気の赤大根ですが、なかな市場ではお目にかかることが出来ない大根です。手に入りにくい品種を育てるのも家庭菜園の醍醐味ですね。育て方は普通の大根と同じなので、それほど手間もかかりません。
見た目は丸大根ですが、切ってみると鮮やかな赤色をしています。煮ると色素が解け出てしまうので、汁ごとスープなどにするか、サラダなど生で食べるのがおすすめです。
春まきにも向くサラダ大根
サラダ大根
春に種をまくと、どうしてもトウが立ちやすくなりますが、この品種は比較的トウが立ちにくい品種です。そのうえ甘みが強い品種なので、夏大根特有の辛味が苦手な人にもおすすめです。シャキシャキと歯ごたえがいいのでサラダに使うとおいしくいただけます。
大根のプランター栽培!揃えたいものは?
大根の種には実にたくさんの種類があります。苗で育てる作物と違って種はホームセンターや園芸店だけでなく、ネット通販でも気軽に買うことが出来ますから、春の時期に種をまくときには、ぜひ「トウ」がたちにくい品種を探してみてください。
有名なのは「春のほまれ」や「サラダ大根」ですが、「春まき大根」、「晩抽性」、「トウ立ちが遅い」と書かれている種を選ぶといいでしょう。
1.大きなプランター
大根用プランター
大根は、地中に深く根を伸ばして育ちます。そのため、プランターは深さのあるものを選んで下さい。ホームセンターに行けば大根用プランターが売られています。
大根の品種にもよりますが、大根は深さ30~40センチ程度のプランターが必要になります。株間を20~25センチ程度開けて育てるので、何本収穫したいのかによってプランターの広さを決めるといいでしょう。
プランターがなくても
家庭菜園が初めてなら、大きなプランターを買うことに抵抗があることもあるでしょう。実は、袋で栽培する育て方もあります。プランターの代わりに麻袋や土嚢袋を使えば後片付けも簡単です。
もっと手軽な育て方は栽培用の土が入っていた袋をそのまま使う方法。培養土を開封したら、そのまま種まきをします。大根の場合は袋を立てた状態で使います。水はけのために袋の底に穴を開けることを忘れないようにして下さい。
2.培養土
家庭菜園で大失敗する原因のほとんどは土です。大根栽培の場合は、しっかり耕された柔らかい土が適しています。畑を作るなら、土を深く掘り返してよく耕す必要がありなかなかの重労働ですが、プランターなら掘り返す必要がなく手間もコツも必要ありません。
土作りも楽しい作業ですが、初心者は培養土を買うことをおすすめします。培養土は柔らかく耕された状態で販売されていますから、大根栽培の難関である「しっかり耕して柔らかい土を作る」というところを既にクリアしてくれているからです。
培養土はたくさんの種類が売られているますが、野菜用として販売されている培養土ならどれを選んでも大丈夫です。植え付けに適した通気性や水はけ、酸度になるように整えられています。
3.ジョウロ
水やりにはジョウロが必要です。コップなどで間に合わせても構いませんが、勢いよく水が出てしまうのでジョウロがおすすめ。
そのほかに植え付けにはスコップ、間引きするときにはピンセットがあると便利です。また、害虫がつくことを防ぐネットもあると安心です。せっかくの家庭菜園だから、無農薬で育てたいという人はネットをかけて栽培するといいでしょう。
大根の育て方 手順と注意点
1.まずは土入れ
プランターに、土を入れる前に鉢底石を入れます。鉢底石は絶対に必要というわけではありませんが、プランターの底から土が流れ出るのを防いだり、水はけをよくする効果があるので入れておく方が無難です。
土は、プランターの縁から5㎝程度のところまで入れます。買ってきた培養土の袋からざっくり入れるだけで大丈夫です。ぎゅうぎゅうに押し固めたり、プランターの縁ギリギリまで入れてしまわないようにしてくださいね。
2.いよいよ植え付け
基本は点まき
種まき用のポットやプランターに種をまき、苗を大きなプランター植え付ける育て方をする野菜もありますが、大根は直に種まきをします。植え付けは株間が20~25センチになるように行います。
まず、プランターの土に一センチ程度の深さのくぼみをつけ、それぞれのくぼみに3~4粒ずつ種をまきます。大型のプランターでも数か所しかまくことが出来ないので、種が余ってしまいますが、残りは取っておくといいでしょう。
土をかぶせる
種まきが終わったら種が完全に見えなくなるまで土で覆います。種のうえにしっかりと培養土をかけてあげましょう。最後にプランターの底から水がでてくるくらいに水をたっぷりかけて植え付け完了です。
植え付けが終わった後も、芽が出るまでは種が水で流れてしまったり、強風で土ごと飛ばされたりすることがあります。プランターの土が乾燥しすぎないようにやさしく水をあげるように気を付けてください。
3.芽が出てきたら間引きを
発芽
時期にもよりますが、種まきから2~3日でかわいい双葉が出てきます。もし、気温が十分なのに発芽しないときは、水やりで種が流れてしまったり、鳥に種を食べられてしまったりしたかもしれません。慌てずに残しておいた種をもう一度まいてみましょう。
間引き
双葉がしっかりと開いたら間引きです。せっかく生えた芽を抜いてしまうのは可哀そうですが、間引きをしないと栄養不足でうまく育たなかったり、大根同士が絡まったりしてしまいます。ここは、心を鬼にして育ちの悪い芽を摘みましょう。葉がうまく開いていないものや虫食いがあるもの、曲がって生えているものなどを選んで優しく抜き取ります。
一度の間引きで判断が出来なかったときは、もう少し成長して本葉が2~3枚生えてきてから、もう一度間引きしてもいいでしょう。大根が育った時にぶつからないよう十分間隔をあけて。間引きをした芽がもったいないと思ったら、食べることも出来ます。サラダやスープの具などにすればおいしくいただけます。
4.追肥
間引きをしたタイミングで、ついでに肥料をまいておきましょう。液肥か粒状の化学肥料が簡単です。プランターの大きさに合わせて、直接葉にかからないように与えます。適量は、肥料の種類やプランターの大きさによって違いますので、肥料の袋に書いてある量を守って下さいね。与えすぎはかえって大根を弱らせてしまうので注意しましょう。
5.大根の頭が見えてきたら土寄せ
大根の育て方の中で特徴的な作業が「土寄せ」です。大根は縦に長い植物なので、栽培中に曲がってしまうことがあります。それを防ぐために行うのが「土寄せ」です。大根の頭を支えるように周りに土を寄せてあげます。プランターの中に既にある土を寄せても、培養土が残っているならそれを使っても構いません。
6.いよいよ収穫
収穫の時期
収穫の時期を見極める方法は色々あります。見た目で分かりやすいのは、外葉が垂れてくることです。土から出ている大根の首の太さで見分けてもいいですね。育ち切っていなくても食べられますから、分からないときは一本抜いてみましょう。時期をずらして少しずつ抜いて食べられるのも家庭菜園の魅力の一つです。
気を付けたい病害虫
大根に付きやすい病害虫
時期にもよりますが、大根に付きやすい害虫はアブラムシやヨトウムシです。どちらも葉を弱らせますので、見つけたらすぐに駆除をしましょう。
かかりやすい病気はべと病や根くびれ病などがあります。どちらも水をやり過ぎるとかかりやすくなりますので、水のやりすぎに注意して防ぎましょう。プランターの土がいつも湿っている状態だと水のやりすぎです。
コンパニオンプランツプランツ
せっかくの家庭菜園だから、できるだけ無農薬で育てたいという場合は、コンパニオンプランツを一緒に植えるという方法もあります。害虫が嫌がる匂いや味をもつ植物を一緒に植えることで大根を守ることが出来るのです。
大根のコンパニオンプランツは、なすび・里芋・人参・ルッコラ・マリーゴールドまどが有名ですが、おすすめはルッコラです。プランター栽培で大根を育てる場合、ただでさえ狭いプランターに大きくスペースをとる作物を一緒に植えるのは無駄ですよね。
その点、ルッコラなら場所を取りませんし、生育期間も短いので邪魔になりません。その他には人参も、ミニタイプのものを選べば、プランターでもうまく株間を利用できます。
収穫後同じ土をそのまま使える?
土を消毒する
土にはどうしても細菌が繁殖してしまいますので消毒を。一番簡単な消毒の方法は、日光に当てる方法です。収穫が終わった土をいったんプランターから出して黒いビニール袋に入れます。あとは日に当てて太陽の熱の力で消毒します。
他の方法としては、熱湯をたっぷりかける方法と土を凍らせて殺菌する方法があります。凍らせる方法は冬季限定になりますがが、気温が下がらないとうまくいかないかもしれません。使ったプランターもよく洗って乾かしておきましょう。
有機肥料を与える
収穫後の土は養分不足になっています。土に米ぬかやぼかし肥などを足して養分を補ってあげましょう。有機肥料を混ぜ込むことによって土の中の養分のバランスが整うと同時に土の中に空気が含まれてふかふかの土になり、新しい土に生まれ変わるのです。
こうして肥料をすき込んだらそのまま次の作物を育てることもできますが、少し土を休ませるのがおすすめです。休ませる間に土の中の微生物が働いて、次の野菜が丈夫に育ちます。
連作障害に注意
連作障害というは、簡単に言うと土の栄養分が足りなくなったり、バランスが崩れたりして作物が良く育たなくなることをいいます。家庭菜園では、好みの野菜を毎年育てがちなので、連作障害を起こしがちです。連作障害を防ぐためには、連続して同じ作物を育てずに色々な種類の植物を交代で育てます。
でも、気に入った野菜を毎年育てたい場合もありますよね。実は、連作障害を起こしにくいという点でも大根は育てやすい野菜です。肥料を足してよく耕してあげれば、数年は同じプランターで大根を育てることが出来ます。うまく育てれば、年々食味が増すという説もあるくらいなんですよ。
プランターで大根を育てるのは難しくない!
いかがでしたか?大根のプランター栽培のコツはもう大丈夫ですね。大根は、種まきの時期と土に注意すれば収穫までにそれほど手をかける必要がありません。プランターなら初心者でも比較的簡単に育てられます。
- 種まきは秋
- 土は市販の培養土
- プランターは大型のものを
- 再利用の土を使うときは日光消毒してから
プランター栽培に向く植物が気になる方はこちらをチェック!
プランター栽培の基本が分かったら、他の植物にも挑戦したいですよね!関連記事では、手軽に挑戦できる植物の紹介をしています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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出典:photo-ac.com