大葉(シソ)のプランターでの育て方をご紹介
大葉は家庭菜園の中でも育てやすい野菜のひとつです。土質を選ばず、日当たりのいい場所で定期的に水やりを行えば、元気よく育っていきます。このため、家庭菜園をはじめたばかりのガーデニング初心者の方でも失敗せずに育てることが可能です。種まきでも苗からでもはじめることができるので、気軽にはじめてみましょう。
今回は、大葉の育て方を中心に、栽培に必要なもの、大葉の種類なども合わせてご紹介します。
大葉はプランターを使えば種でも苗でも育てやすい
大葉を家庭菜園で育てようと思ったら、種からはじめることもできますが、苗からでもじめることができます。春になると園芸店などで苗が出回りますので、入手するのはむずかしくありません。種は100均などでも購入できるので、簡単に始めることができます。
また、大葉はプランターで育てやすいため、ベランダなどでも栽培することが可能です。料理のちょっとした薬味に使いやすい大葉、さっそくはじめてみましょう。
シソには大葉のほかにも種類がある
シソにはいくつかの種類があります。大葉と呼ばれる青ジソや梅干しなどといっしょに利用される赤ジソです。また、見た目が大葉によく似ているエゴマもシソの種類で、最近ではその栄養価の高さで健康食品などでもよく目にします。
このほかに、シソには葉の形状によって、平らな平葉、縮れたちりめんと、種類を分けることがあります。大葉の種を購入する際、こうした種類のちがいを確認して、育ててみたい大葉がどれなのか見つけてみましょう。
大葉をプランターで栽培するのに必要なもの
家庭菜園初心者の方でも比較的簡単に育てることができるのが大葉です。家庭にあるガーデニング道具で気軽に栽培できますが、プランターのサイズをはじめ、しっかりと準備したほうがいいものもありますので、ぜひ種まきの前に確認しましょう。
プランター:深さのあるプランターがおすすめ
プランター
大葉をプランターで育てる場合、必要なものがいくつかあります。まず、苗の本数によって必要なサイズのプランターです。プランターの深さは20cmほどが理想で、1株だけ植えてみるという場合、通常の円いプランターでも、深さをしっかりとチェックしましょう。
また、2~3株をいっしょに植え付ける場合、深さ20cmはもちろん、株間は15~20cmほど必要となります。つまり、できるだけ大きめのプランターが便利です。
支柱:必要であれば60cm以上のものを
支柱60cm
大葉は草丈が70cm以上まで生長します。このため、支柱があった方が倒れたりする心配がありません。大葉を育てるために必要なものとして、支柱も考えておいた方がいいでしょう。支柱を準備することで、これから栽培していく大葉が長生きします。
準備する支柱の長さは、60cn~75cmほどで十分です。大葉を栽培していく上で必要なものとしてチェックしておきましょう。
用土:市販のものであれば野菜用の用土で十分
野菜用培養土
大葉は用土を選びません。もしも市販の用土を使うというのであれば、野菜用の培養土を準備しましょう。肥料が入っている用土であれば、肥料を別に用意する必要もありません。
用土をご自身で用意する場合は、赤玉土や腐葉土をブレンドしましょう。植え付けの際に、緩効性の肥料を混ぜておかえば、追肥の必要はとくにありません。肥料が多いと害虫がつきやすくなるため、肥料は植え付けの際に混ぜておくようにしましょう。
大葉のプランターでの育て方【栽培方法】
プランターで大葉を植え付ける方法は、種まきをする方法と苗を植え付ける方法があります。初心者の方は苗からはじめたほうが失敗がありませんが、種まきでも生育環境が合えば発芽します。必要なものを整えたら、さっそくはじめましょう。
大葉の種はとても小さいのが特徴
大葉の種は、直径1mmほどととても小さいのが特徴です。このため、大葉の種をたくさん植えてしまうと、プランターで間引きするのも大変になってしまいます。
こうした面倒を避けるため、種まき用の育苗ポットを準備して、まずこのポットで発芽させるという方法があります。大葉の芽が出てきたら、元気な苗を選んでプランターに植え付けるという方法です。興味のある方はぜひこの方法で栽培をはじめてみましょう。
プランターでの大葉の種まきは4月~6月
大葉の種まきは、4月以降です。十分に温かくなってから種まきをしないと、発芽しないこともあります。4月になっても温かくなるまでしばらく待ってから種まきを行うようにしましょう。
ポットやプランターに種をパラっとまくようにします。種をまいたら土に埋めず、軽く土をなじませる方法がおすすめです。水やりは霧吹きなどで軽く湿らせるように行わないと、種が水で流れてしまいますので気をつけて行いましょう。
種まきの後に大葉が発芽したらプランターに植え付けを
種まきをして10日~2週間ほど経つと、大葉が発芽します。発芽したら、元気な芽を残して間引きを行いましょう。本葉が出てくるまで、そのまま種まき用の育苗ポットで育てていきます。本葉が一枚出てきたら、さっそくプランターに植え付けましょう。
プランターに植え付ける際、十分に気温が高くなっているかどうかも確認することが大切です。20度を超えたら植え付けの時期です。プランターや土を用意してさっそく植え付け作業をはじめましょう。
大葉の苗をプランターに植え付ける場合
種から育てた苗も、購入した大葉の苗も、プランターに植え付ける時期はだいたい5月ごろ、気温が20度を超えるころが目安です。プランター内の土に穴を開けましょう。育苗ポットから苗を取り出し、土といっしょにプランターの穴に植え付けます。
複数の大葉の苗をプランターに植え付ける場合、株間は15~20cmです。植え付けが終わったら、苗が倒れないように水をたっぷりと与えます。ジョウロなどでやさしく水やりを行うことをおすすめします。
大葉のプランターでの育て方【管理方法】
大葉を種から育てる場合も苗から育てる場合も、日々の管理方法は同じです。種まきや植え付けが終わったら、大葉の様子を確認しながら置き場所を考え、水やりをするなど、日々の管理を続けていきましょう。プランターで育てる大葉は、とくに水やりに気を付ける必要があります。
日当たりがよくても日が当たりすぎる場所はNG
大葉は日当たりのいい場所を好みます。大葉は、しっかりと日に当たらないと、葉がよく育たなかったり、葉に元気がなかったりすることもありますので、基本的には日当たりのいい場所で管理するようにしましょう。
ただ、日が当たりすぎると、葉が硬くなってしまい、あまりおいしい大葉でなくなってしまいます。大葉を野菜として食することが目的の方は、半日陰の場所で管理すると、柔らかくて食べやすい大葉に育ちますので、置き場所をしっかりと考えましょう。
大葉は暑さに強いけれど寒さが苦手
大葉は寒さに弱い野菜です。このため、秋の終わりから冬の間はプランターでも育てることができません。気温が20度を超えないと、種まきの時期も発芽しませんので、温かい時期に楽しく育てていくようにしましょう。
プランターで育てると、気温が下がったら室内に入れるなどの対策も可能です。日当たりや気温に応じて置き場所を変えるなどの管理できる方は、大葉が育ちやすい環境を整えてあげるようにしましょう。
プランターで育てる大葉はとくに水やりが大切
大葉は乾燥すると元気よく育っていきません。このため、水が切れないように水やりを行う必要があります。プランターで大葉を育てる際は、とくに水切れには注意しましょう。土の表面が乾きはじめたら水をたっぷりと与えるように心がけます。
乾燥しやすい真夏の時期などには、一日2回、朝と夕方などに水やりを行うようにするほか、葉水を与えることで、虫がつかないように予防することも可能です。
大葉が倒れないように支柱を立てる方法とは
大葉を育てていくと、草丈が生長して自立していきます。ただ、プランターの置き場所によっては株が倒れてしまうことも考えられますので、必要に応じて支柱を立てるようにしましょう。ただし、支柱を立てなくても、生長して葉の収穫を楽しむことも可能です。
プランターで育てる大葉に支柱を立てる方法はほかの野菜などと同じです。苗から少し離れたところに支柱を立て、大葉の茎と支柱を軽く固定します。固定する際、茎を傷めないように注意しましょう。
大葉のプランターでの育て方【収穫時期】
プランターに限らず、大葉を育てて楽しいのは、収穫時期によって食べ方が異なることではないでしょうか。大葉の成長段階に応じて収穫でき、利用する料理などもそれぞれです。覚えておくと、プランターで栽培した大葉をさまざまなシーンで楽しめます。
収穫時期①芽ジソ
芽ジソとは、双葉が開いたばかりの大葉のことです。大葉の芽ジソは青芽とも呼ばれ、赤ジソの芽は紫芽(むらめ)とも呼ばれます。葉のサイズは1cmほどで、刺身のあしらいのほか、薬味として使われます。
大葉の青芽は、本葉が出はじめたころが収穫時期です。一方、紫芽は本葉が出たときが収穫時期で、ともにハサミでていねいに切って収穫しましょう。
収穫時期②葉ジソ(大葉)
大葉の収穫は、葉がしっかりと大きく生長してからが適期です。大きな葉から収穫していきましょう。下の方の葉の方が、頂部の葉よりも大きいです。収穫の仕方はハサミで切るほか、指で切り取ることもできます。
葉をどんどん収穫していくと、株から葉がなくなってしまいます。葉がなくなってしまうと、株が弱ってしまいますので、収穫のしすぎには注意しましょう。
なお、赤ジソは、草丈が30~40cmほどまで生長したら、根から引き抜くように収穫します。
収穫時期③花や実
大葉が生長し続けていくと、秋のころに花穂が出てきます。この時期になると、葉の収穫は終わり、花穂や実の収穫となります。花穂が伸びると、下の方から花が咲きはじめます。花が咲いたころに収穫するものが花穂ジソで、天ぷらや薬味などとして食します。
花が終わって実ができるとシソの実として収穫できます。シソの実は、指先で穂をこするように収穫することができます。収穫できた実は、醤油などにつけていただきましょう。
大葉のプランターでの育て方【注意点】
摘心して葉を増やす方法もある
大葉の摘心とは、頂部をカットすることです。プランターで草丈30cmほどまで生長したら、頂部を思い切って切ってみましょう。これにより、脇芽がたくさん出てくるため、葉がどんどん増えていきます。
摘心しなくても大葉はしっかりと育ちますが、摘心をすることで大きくなります。多くを収穫したい方は、ぜひ摘心して脇芽を増やしましょう。
大葉にかかりやすい病気に要注意
大葉は病気に強い野菜ですが、まれに病気にかかることがあります。葉の裏に黄色っぽい斑点が見られたらさび病です。症状が見られたら葉を切り取って処分するようにしましょう。さび病の原因のひとつは湿気なので、風通しのいい環境にプランターを置くようにしましょう。
また、葉に黒っぽい斑点が見えてきたら褐斑病(かっぱんびょう)かもしれません。この症状はほかの葉にも広がっていくので、発病した葉はすぐに処分しましょう。
大葉が逢いやすい害虫はアブラムシ
大葉は害虫にも強い野菜ですが、大量のアブラムシが発生することもあります。プランターで大葉を育てていてアブラムシが発生すると、大葉の生育を悪くしたり、ほかの病気を媒介したり、せっかく育てた大葉を弱らせてしまいます。
アブラムシを見つけたらすぐに駆除する必要があります。駆除方法として農薬を使いたくない場合、水を強く当てる、木酢液を散布する、牛乳を散布するなどの方法がありますので、ぜひ試してみましょう。
さっそくプランターで育てた大葉を楽しもう
大葉は家庭菜園をはじめようというガーデニング初心者の方におすすめです。プランターで種から育てるのがむずかしいという方は、苗からはじめてみましょう。日頃の管理をしっかりと行っていけば、プランターでも収穫できるまで生長するはずです。
大葉は収穫できる期間が長いため、育てても食べても楽しい野菜となります。さっそくプランターで大葉栽培をはじめてみましょう。
もっと大葉が気になる方はこちらもチェック!
今回はプランターで大葉を育てる方法をご紹介しましたが、もっと大葉について知りたいという方はぜひこちらの記事にも目を通してみてください。初心者の方でも失敗せずに大葉を育てることができるはずです。

しそ(大葉)の栽培方法。初心者でも簡単な、水耕栽培での増やし方もご紹介!
しそ(大葉)は和製ハーブとして薬味や天ぷらなど味のアクセントとして色々使える植物です。しそ(大葉)栽培は初心者でも簡単に行うことができます。...

【初心者でも簡単】大葉の育て方!種まきの方法から収穫時期の目安まで徹底紹介!
大葉は育て方のポイントを抑えれば収穫できる葉の数を大量に増やすことができます。大葉を増やす方法は難しくなく、初心者でも可能です。大葉の基本的...

大葉(青じそ)は冷凍できる?長持ちさせる保存方法やおすすめの使い方をご紹介!
大葉はさわやかな香りがする薬味としてよく使われる植物です。あまり一度に大量に使うこともなく大量にあると余らせてしまいがち。食品を長持ちさせる...