枝豆をプランターで育てる栽培方法をご紹介
夏野菜として人気の高い枝豆とは、大豆を若いうちに収穫するもので、枝豆には何百種類もの品種があります。そんな枝豆は、ガーデニング初心者の方が家庭菜園で育てるのにおすすめです。
今回は、プランターで育てる枝豆の栽培方法についてご紹介します。種からプランターで育てる種まきの時期、育てる際の注意点、収穫のタイミングなど、枝豆を育てるにあたって必要なポイントをまとめてみました。
プランターで枝豆を育てるとメリットがいっぱい
枝豆はプランターでも地植えでも育てることができます。いずれも簡単に育てることができますが、プランターはベランダやちょっとしたスペースで枝豆を育てることができるため、ガーデニングスペースがあまりない方でも気軽に家庭菜園することが可能です。
プランター栽培で気を付けなければならないのは水が切れないようにすることでです。生育環境をしっかりと整えれば失敗せずに育てられますので、プランターでの枝豆栽培はとくに初心者は挑戦してみましょう。
プランターのサイズは深さに注目
枝豆をプランターで育てる際、プランターのサイズに注意しましょう。枝豆は根を深く張って生長するため、プランターは深さがあった方が元気よく育ちます。プランターの深さは20~30cm以上のタイプを選び、1株を大きく育てていきたいです。
元気に育てれば、1株で20房程度の枝豆を収穫することができます。枝豆は、密植して育てたほうが大きく育つようですので、必要以上に株間を取る必要はありません。株間は15cmほど取るようにするとよいでしょう。
枝豆の種類によって栽培期間が異なる
枝豆をプランターで育てる際、枝豆の種類にも注目しましょう。とくに栽培する上で注意したいのが品種の早晩性です。早生の品種の枝豆は、種まきから75日前後、中早生の品種の枝豆は80日程度、晩生の品種の枝豆は115日前後が収穫期となります。
この種まきの時期をうまく調整することで、夏の間、枝豆を長い期間、楽しむことができますので、プランターで枝豆を育てる際は種類にもしっかりと気を配るようにしたいです。
枝豆をプランターで育てる種まきの時期や準備
プランターで使う用土は市販の野菜用の用土がおすすめ
プランターで枝豆を種から育てる際の用土は、市販の用土を使うのが便利です。枝豆を育てるには、野菜用の用土がおすすめですので、とくに初心者の方は市販の用土ではじめましょう。
一方、ご自身で用土を準備する際は、赤玉土と腐葉土を6:4ほどでブレンドします。プランターで枝豆を育てやすくするために、土壌改良剤としてバーミキュライトも少しブレンドするのもよいでしょう。
プランターの土には元肥は少なめに
プランターで枝豆を育てる際に使う土には、元肥は少なめにしましょう。というのも、枝豆をはじめとするマメ科の植物は、根に粒状の根粒を作って、その中に強制する根粒菌が空気中の窒素を使って養分にしたり、土壌を改善したりしているからです。
肥料が多過ぎると、さやがつきにくくなることがありますので、控えめにします。花が咲いた後は追肥などは控えましょう。肥料を与えないほうが収穫が楽しめます。
種まきの時期は要チェック
プランターで枝豆を種から栽培する時期は、種類によって多少異なります。早生の品種は4月から、中早生の品種は5月ごろから、晩生の品種は6月の終わりごろからです。枝豆は種から育てやすい野菜ですが、種まきの時期はしっかりと確認しましょう。
種まきでは、深さ2cm程度に3~4粒の種をまきます。軽く土を被い、水を十分に与えましょう。株間は15cmほど取って種から育てましょう。
プランターで枝豆を育てる際の日常の管理
枝豆の育て方は日当たりと風通しのいい場所で
枝豆は、発芽温度が25度以上、生育の適温は20~25度と、温かい環境を好みます。プランターで枝豆を育てる際は、十分に温かくなってから、日当たりがよく、風通しのいい場所で育てるようにしましょう。
枝豆は冬に植えても育つ野菜ではありませんので、生育適温を下回る時期に種から育てる際は、不織布などを利用して防寒対策を講じるようにしなければなりません。
プランタ―では枝豆は乾燥しないように注意を
プランターで枝豆を育てる際、気を付けたいのが水やりです。とくに、花が咲くころに水が切れてしまうと、花が付きにくくなってしまいます。花が落ちてしまうと、さやが付きにくくなってしまうため、多くの収穫ができなくなってしまいますので、プランターの土の状態には気を配るようにしたいです。
梅雨が明けたら、乾燥には注意しましょう。通常の水やりと同じで、土の表面が乾いたら、たっぷりと水をやるようにします。
枝豆をプランターで育てる育て方のポイント
種まきから10日後ぐらいに発芽する
プランターで育てる枝豆は種まきから1週間から10日ほどで発芽します。土が乾いたら水やりをして、小さな芽が出てくるのを待ちましょう。プランターではあまり気をつける必要はありませんが、まれに植えた枝豆の種である大豆を鳥が食べてしまうこともあります。鳥がよく訪れる場所では、プランターの管理をしっかりと行うようにしましょう。
枝豆の種が発芽しないという場合、種を深く埋めすぎてしまったり、水やりで種が流れてしまったり、何らかの原因が考えられます。
本葉が2~3枚で間引きする
発芽してからしばらくすると、本葉が2~3枚になります。このときが、枝豆の苗を間引きするタイミングです。伸びてきた苗を確認して、勢いよく生長している苗を2本残します。残りの苗はすべて引き抜くようにしましょう。
この間引きのタイミングは見誤らないようにしたいです。あまり早く間引きしてしまうと、残った苗に元気がなくなってしまうこともあります。しっかりと育った状態を確認してから、間引きを行うようにしましょう。
本葉が5枚程度で摘心する
枝豆のサヤは、葉や枝のつけ根につきます。このため、枝の数を増やすことで収穫量を増やすことができるのです。摘心をしなくても、もちろん枝豆のサヤを収穫することはできますが、量を増やしてみたいという方はぜひ摘心に挑戦してみましょう。
摘心のタイミングは、本葉が5枚ほど開きはじめたころです。枝の最も上に出てくる頂芽を摘み取ります。摘心をすることで、側枝が出てくるようになるため、枝数が増えるというわけです。
葉のつけ根に花がつく
枝豆は葉のつけ根に花を咲かせます。花の色は品種によって白やピンクです。また、同じ品種でも、2色の花をつけることもあります。枝豆の花はとても小さいです。ときに花が咲いていたことに気づかず、収穫を迎えることもありますので、しっかりと観察しましょう。
なお、花が咲いた後からはしっかりと水を与えてあげないと、サヤが大きく育たないこともあります。土の表面が乾いたらしっかりと水を与え、乾燥する時期はとくに水やりには配慮しましょう。
サヤが膨らんできたら収穫する
枝豆のサヤが大きく生長し、しっかりと膨らんだら収穫のタイミングです。ただし、サヤの豆がすべて大きく膨らむまで待っていると、採り遅れてしまうことになってしまいますので、ある程度膨らんだら収穫していきましょう。
収穫の仕方は、サヤごとにハサミで切っていく方法のほか、株ごと引き抜いて収穫する方法もあります。サヤごと収穫すると、鮮度が落ちるのが速く、あまり長持ちしません。収穫したらすぐに茹でていただきましょう。
枝豆をプランターで育てる際の病気・防虫対策
枝豆は地植えでもプランターでも簡単に育てることができますが、病気や害虫の被害も意外と多い野菜です。このため、プランターで枝豆を育てる際は、生育をしっかりと確認して、病気対策や防虫対策を講じるように心がけましょう。
プランターで育てる枝豆がかかりやすい病気
①うどん粉病
枝豆に限らず、多くの野菜がかかりやすい病気がうどん粉病です。葉にうどん粉のようなカビが発生する病気で、枝豆の生育環境が乾燥しているときに発生しやすいといわれています。
プランターで枝豆を育てる際、水やりをうっかり忘れてしまうと、乾燥しやすくなります。風通しのいい場所でプランターを管理していると、枝豆が乾燥しやすくなりますので、とくにプランターで枝豆を育てる際は注意したい病気です。
②べト病
枝豆で生じやすいべト病は、葉の表側に白い斑点が生じ、次第に褐色に色を変え、葉の裏側がカビてくる病気です。発生しやすい時期は雨の多い梅雨時期で、風通しが悪い場所や葉が密集している場所など、湿気が高い状態で発病します。
このため、枝豆を育てているプランターを置く場所を変えて風通しをよくするなどの対策が必要です。また、種まきの際、株間をしっかりと取って植えるようにして、病気が発祥しないように注意するようにしましょう。
③モザイク病
モザイク病は、枝豆の葉にモザイク状の斑点が現れる病気で、さまざまな原因が考えられます。原因はいろいろありますが、アブラムシによる伝染もそのひとつです。つまり、ウイルスなどの病気に侵された株の汁液を吸って感染し、ほかの健康な株に移していくという形で感染していきます。
モザイク病の対策としては害虫が発生しないように注意するほか、虫の発生を確認したらまめに駆除していくことです。万が一、感染してしまったら、ほかの株へ伝染しないようにその株を処分するようにします。
プランターで育てる枝豆の防虫対策
①アブラムシ
アブラムシは、モザイク病などの病気を引き起こすため、見つけ次第、駆除しなければなりません。アブラムシは、体長が5mm未満の小さな虫で、葉や茎のまわりに発生しやすいです。発生すると、葉がベタベタしてくるので、こうした症状が現れたら、アブラムシが発生している可能性があります。
アブラムシは繁殖力が強いため、気になる方は殺虫剤などを使う方法もありますが、嫌な方はスプレーで水をかける、アブラムシが嫌う唐辛子などの強い香りの植物を植えるなど方法で駆除しましょう。
②カメムシ
枝豆が被害に遭いやすい虫に、カメムシがあります。カメムシは、枝豆の収穫時期に発生しやすい害虫です。カメムシが発生する原因ははっきりとしていませんが、被害に遭うと生育不良になってしましますので、見つけ次第、駆除する必要があります。
対策としては、カメムシの嫌うミントの香りの水を撒くなどです。また、カメムシが発生しやすい開花時期には枝豆に水をしっかりとやり、カメムシに水分を取られないようにすることも大切ですので意識しましょう。
プランターで枝豆を育てる際の注意点とは?
種をまいたのに発芽しないのは種が古いからかも
枝豆を育てる中でよく起こるケースがこちらです。種まきをしたのになかなか発芽しない場合、種が古いことが考えられます。種にも寿命があるため、採種してから何年か経った種は発芽率が悪くなるので注意しましょう。
また、まいた種を鳥に食べられてしまったり、水やりの際に流れてしまうことも考えられます。プランターで育てる場合、あまり発生しない原因ですが、気にかけておくとよいでしょう。
サヤが少なかったら肥料の与えすぎ
プランターで元気よく枝豆を育ててきたのに、サヤがあまりつかないということがあります。極端にサヤが少ない場合、考えられるのは肥料の与えすぎです。
枝豆は追肥などの必要がありませんので、必要以上に肥料を与えるのは控えるようにします。また、元肥をたくさん与えるのもNGです。次にプランターで枝豆を育てる際、注意してみましょう。
サヤはたくさんついているのに実が大きくならないときは
サヤが大きくならない原因はいろいろ考えられます。ひとつは、種まきの時期をまちがえてしまったという場合です。晩生の品種の種を春先に植えてしまうなど、時期を間違えると実が大きくなりません。また、開花した後の水やりの問題です。水やりが少ないと、実が大きく育ちませんので、注意しましょう。
あるいは、カメムシが発生したのかもしれません。枝豆を育てているプランターをしっかりと確認し、害虫や病気の発生にいち早く気づいてあげることが重要です。
さっそく枝豆をプランターで育ててみよう
枝豆は、家庭菜園をはじめようという初心者の方でも簡単に育てることができます。収穫まであまり時間がかからず、生育環境をしっかりと整えてあげれば、手をかけずに育てることが可能です。どんな夏野菜を育てたらいいのか迷ったら、ぜひ枝豆を選びましょう。品種を上手に使い分ければ、夏の間、枝豆を楽しむことができます。
ただし、簡単とはいえ、注意するべき点もいろいろあります。失敗しないためにも細かく確認しながら、楽しくプランターで枝豆を育てていきましょう。
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