枝豆プランター栽培前に知っておくと便利!枝豆知識
枝豆の原産地は中国になります。日本では未成熟な青豆の状態のうちに食べる枝豆と、枝豆が枯れるようになってから収穫し、食べる大豆があります。枯れるようになってから収穫する大豆は、種の皮の色から黒豆、白豆、茶豆、青豆と分かれます。
枝豆は種類が豊富
枝豆は、地域によって品種がいろいろあります。たとえば、千葉県君津市小地区で収穫される「小糸在来」、新潟県の「新潟茶豆」などです。地域の気候や風土にあう枝豆の種を選ぶとプランターでも簡単に栽培できます。また、収穫した豆を翌年の種まき用にとっておくことができるのでとても栽培しやすい野菜になります。
枝豆の種類
枝豆は、種類が豊富にあることでも知られていますが、その中でも育て方が難しくなく人気の枝豆の品種をご紹介していきます。十分なサイズに育ち、失敗しにくい品種を選ぶことで完熟前の枝豆、枯れるようになってからの大豆をうまく収穫することができます。
湯上がり娘
枝豆が枯れるようになってから収穫する大豆は、茶豆特有の風味とショ糖含有量が多いことからコクのある甘みが楽しめます。
あじみのり
枝豆の早生品種で育て方が難しくなく、甘みが強いことでも知られています。独特の香りが楽しめます。
福成
茶豆品種になります。独特の風味を楽しめます。種まきから約80日で大きなサイズに成長する早生種です。
夏の夕
枝豆のさやのつきが良く、栽培日数が79日で大きなサイズに成長し収穫できる品種です。茶豆特有の風味の良さからファンも多い品種になります。
おつな姫
ほとんどの枝豆が3粒さやで成長し、比較的育て方が難しくないと言われている品種です。茶豆の風味があり甘みが多い特徴があります。
莢音(さやね)
3粒さやでボリュームのあるサイズに成長する枝豆品種で、濃い緑色をしています。ボリュームのがある品種なので倒れないように支柱をするのも良い方法です。
黒真珠
黒豆の早生品種で栽培しやすいと言われています。草丈が低いことから倒れにくいという特徴があるため支柱いらずで、家庭菜園、プランターでも栽培しやすい品種です。
快豆黒頭巾(かいとうくろずきん)
さやのつきが良いため大量に収穫できます。黒豆特有の甘みとコクがあることでも知られています。収穫まで株元から倒れないように支柱をするのもよいでしょう。
枝豆のプランター栽培のポイント
枝豆は、家庭菜園やプランター栽培でも十分育つ野菜です。枝豆の植え方のコツを知っておくと、大きなサイズに成長させることができますが、植え方を間違えてしまうと収穫ができないということにも繋がりかねません。そこで、枝豆の育て方が簡単になるポイントへ進めていきます。
枝豆にいる「根粒菌」の働きにたよる!
枝豆を含むマメ科の植物は、根のところに「根粒菌」が共生します。「根粒菌」とは、空気中の窒素を取りこんで、宿主である枝豆に栄養を提供する働きをしてくれます。これにより、枝豆は、肥料の少ない土でも十分なサイズに育つことができます。まさに、家庭菜園、プランター栽培に適した野菜といえます。
肥料のやりすぎは栄養過多になる
「根粒菌」の働きでしっかり栄養を取り入れ成長できるのが枝豆です。プランターや菜園での枝豆の植え方では、窒素肥料を控えめにすることが大前提になります。窒素過多は、茎葉だけが育ち、みのりが悪くなる「つるボケ」という症状を引き起こしてしまいます。
プランターでの枝豆の植え方
プランターでの枝豆の植え方で必要な準備は、苦土石灰、追肥用肥料、トンネル支柱、枝豆の支えとなる支柱、防虫ネットまたは不織布です。枝豆の種は鳥にねらわれやすいので、鳥よけ対策が必要になります。また、種を植える一週間前には苦土石灰土を混ぜて土の準備をしておきます。
枝豆の植え方の基本は種選びから
家庭菜園やプランターでの枝豆の植え方では、種に害虫が寄り付かないように薬がぬってあるものを選ぶと良いでしょう。また、種を蒔いたらすぐに水やりをし、種の成長を促すことが大切です。
枝豆の種蒔き時期
枝豆の種を植える時期は、寒冷地で5月中旬から6月、中間地で4月下旬から5月末、暖地で4月中旬から5月中旬が目安になります。
プランターでの枝豆の種の植え方
枝豆の種の植え方ポイントは、深さ1.5~2cmのまき穴をあけ、種を3~5粒いれて土をかぶせていくことです。20cmほどの間隔をあけて同じように枝豆の種をいれていきます。種をいれたらすぐに水やりをしましょう。
プランターでの枝豆栽培の水やりポイント
枝豆の種にしっかり土をかぶせたら、ジョウロにハス口をつけてプランターの底から流れ出てくるくらいたっぷり水やりをすると、プランターでの枝豆の成長を良くすることができます。その後も水やりはしっかり続けて行うことが大切です。
プランターでの枝豆の苗の植え方
ホームセンターなどでも枝豆の苗が売られています。種からより苗から育てたいという人向けにプランターでの枝豆の植え方のコツをご紹介します。
枝豆の苗の取り出し方のコツ
枝豆の苗の入ったポットを逆さにむけ底の穴を指で押しながら、根鉢を崩さないように注意して取り出していきます。
枝豆の苗の深さ調整のコツ
プランターに移すとき、深さが浅いと倒れやすくなり、深すぎると根腐りの原因になるので、注意が必要です。枝豆の苗とプランターの隙間に土を入れて、枝豆の苗を安定させます。根本の土を平らにし、苗が倒れないように土寄せします。このとき、固めすぎないことがポイントです。
枝豆の苗が安定するまで日陰
プランターで枝豆の苗を入れたら、水やりをしていきます。この時、プランターの底から水が流れくらいまでたっぷり水やりをすることがポイントです。植え付けすぐの枝豆の苗は、弱っているので2~3日は日陰に置いておくようにし水やりは続けておこないましょう。
プランター栽培での水はけを良くする
プランターに植えた枝豆にたっぷり水やりをしていても、水はけが悪いと根腐りの原因になります。そうならないためにプランターの水はけを良くしておく必要があります。
プランターの底に細工する
プランターの底に鉢底ネットをはっておくか石を敷き詰めておくとたっぷり水やりをしても水はけが良くなります。このことで、枝豆の成長を促し、しっかりしたサイズのサヤができるようになります。
枝豆の植え方に必須なのが鳥よけ対策
枝豆を含めたマメ科の植物は、種をカラスや鳩に食べられてしまうことが多いので、本葉が出てくるまでは防虫ネット、不織布などで鳥よけ対策をしていきます。不織布をべたがけしたり、トンネル状の支柱をし、防虫ネットをかけたりする方法をとると良いでしょう。
発芽をしたら次の段階へ
日当たりの良い場所に枝豆のプランターを置いておくと約1週間~10日程度で発芽します。枝豆が発芽したら防虫ネットまたは、不織布をはずしていきます。枝豆の成長に合わせて支柱を立てて倒れないようにしていくのも良い方法です。
プランター栽培の枝豆の間引き時期
プランターの枝豆の本葉が2~3枚のサイズに成長したら、2株残して間引きしていきます。そのため、密植えにならないようにすることが大切です。間引き後も適度な水やりが枝豆の成長と病害虫の予防につながってきます。
プランター栽培の枝豆の摘心作業
植物の成長を促すための方法に「摘心」という作業があります。枝豆の摘心とは、葉が4~5枚のサイズに成長したら、横に枝が伸びてサヤがたくさんつくようにするため、茎の先を切ります。この作業が摘心といいます。
摘心の役目
摘心とは、枝の先端を摘み取って成長を止める作業をいいます。この摘心によりわき芽が伸び、主枝から側枝(そくし)の数を増やすことができるようになります。枝豆も摘心をすることで実つきが良くなるので摘心は大事な作業工程といえるでしょう。
摘心の豆知識
枝豆の他にもトマトが支柱よりも高くなり、収穫しづらくするのを防ぐために摘心を行ないます。また、スイカの場合は、親づるを摘心して、子づるを増やす育て方をします。摘心は、野菜により少し役目がちがいます。摘心とは、切ってしまう作業なので、もったいないような気がしますが、野菜の成長を促すために必要な方法です。
プランター栽培の枝豆の追肥方法
本葉が4~5枚にサイズに成長したら、少量の化成肥料を追肥し、中耕、土寄せをしていきます。花が咲き始めたら2回目の追肥時期ですが、ひとつまみ程度の少量におさえておくようにします。
追肥のときにしておくポイント
枝豆は根が広くはる特徴があるので、追肥をしたら土を軽く混ぜるようにして土をもどしていくと良いでしょう。このとき株が倒れそうになっている場合は、支柱をしていくようにします。二回目の追肥のとき害虫対策にトンネルの支柱をして防虫ネットをかけていくのも良い方法です。
枝豆栽培の収穫時期
枝豆は株の下の方から実が入って成長してくるため下の実はパンパンに膨らんでも上の方は、まだ収穫時期ではないということもあります。ひとつずつはさみで摘み取るという方法をとると長く枝豆を楽しめます。
枝豆株ごと収穫する方法
大部分のさやが大きく膨らんで成長していたら株ごと収穫するのも良い方法です。このとき、株元を持って引き抜くようにしていきます。
プランターの枝豆を収穫したらすぐに鍋にGO!
枝豆は収穫直後から鮮度が落ちはじめます。昔から「鍋に火をかけてから枝豆を取りに行け」と言われていたというくらい、さやをすぐにとって水洗いし、多めの塩を全体にまぶしもみ込んで熱湯で茹でると甘みのあるおいしい枝豆を楽しめます。
プランター枝豆が枯れると大豆に変身
枝豆は、完熟前の枝豆と、枯れるようになって収穫した大豆(完熟)を楽しめる万能野菜です。枝豆を大豆として楽しむための収穫方法をご紹介します。
枝豆を大豆にしてから収穫する方法
プランターの枝豆がしっかり成長し枯れると、さやの中からカラカラ揺れだします。この段階で株元から引き抜き、数本ずつ束ねます。1週間程度乾燥させてからすりこぎなどで叩いて脱穀すると大豆が収穫できます。
枝豆栽培で起こりやすい病害虫とは
枝豆は、種のうちはカラスなどの被害にあいやすいのですが、成長してくると枝豆に起こりやすい病害虫もさまざま出てきます。ほっておくと収穫前に枯れるトラブルにあいます。プランター、家庭菜園の枝豆の育て方の中で一番注意したいところです。
枝豆につく害虫 カメムシ類
枝豆の花が咲く頃までに成長してくるとカメムシがつきやすくなります。カメムシは花さやの中に細い口をさして汁を吸います。被害にあった花は、さやができなくなり、豆は変形、萎縮、腐敗し、枯れるようになってしまいます。
枝豆につく害虫 ハダニ
枝豆の成長でつきやすくなる害虫がハダニです。枝豆の葉が、ハダニに寄生されてしまうと、葉に白い小さな斑点ができ、しだいに緑が抜けて白っぽくなって枯れるようになります。ハダニは、葉の裏にいる0.5mm程度の黄緑色や暗赤色の虫です。繁殖スピードが早く被害が進むと枝豆の葉がクモの巣状になってしまいます。
枝豆に起こりやすい べと病
梅雨時期や秋雨の時期に発生しやすいのが「べと病」です。葉に黄色の斑点が出て広がり、被害が進んでくると枯れるような状態になってきます。葉の裏に灰黒色のカビが生えて飛散し周囲の植物も枯れる病気です。
家庭でもできる枝豆栽培の病害虫対策
せっかくの家庭菜園が病害虫の被害にあってしまうと収穫どころか他の野菜や花にまで被害が広がることがあります。病害虫に合わないための予防と初期の段階で処置をすることが枝豆の育て方での大きなポイントになります。
カメムシ類の対策と予防方法
カメムシの成虫を見つけたら捕殺すること、とくに梅雨明けから8月下旬までがカメムシの発生ピークといわれているので、カメムシの発生しやすい環境を作らないように除草しておくことが大切です。トンネルの支柱をし、不織布をかけて枝豆を収穫まで成長させるのも良い方法になります。
ハダニの対策と予防方法
ハダニは湿気が苦手といわれていますので、葉の裏を霧吹きしてあげるだけでもハダニの発生をおさえてくれます。また、風通しをよくして、適度な水やりをすることも大切です。
べと病対策と予防方法
「べと病」は、水はけが悪い、窒素過多などで起こる病気と言われています。ますは、枝豆のプランターの水はけを良くし、日当たりの良い場所や風通しの良い場所に置くことが大切です。発生初期の段階で薬品を枝豆の葉、葉の裏、茎まで丁寧に散布します。べと病に効く薬は、「ダコニール1000」などがあります。
枝豆の間違えた育て方で起こりやすいトラブル
あらかじめ、枝豆に起こりやすいトラブルとその原因を知ることで、おいしい枝豆を収穫することができます。
枝豆の種を蒔いたのに発芽しない原因
枝豆は地温が低いと発芽しにくくなり、せっかく蒔いた種が腐敗してしまうこともあります。地温は15度以上を目安にするとよいでしょう。また、古い種だと発芽率が悪くなることもあるので、新しい種を入手することが大切です。
収穫した枝豆がかたくなる原因
十分なサイズに成長した枝豆の収穫時期が遅くなってしまうと豆がかたくなってしまいます。枝豆は、種まきから収穫まで約80日~90日が成長の目安になります。サヤがふくらみ上から指で押さえ豆が飛び出すくらいのサイズになれば収穫時期です。
枝豆のうま味が減る原因
枝豆は、収穫したときから鮮度がどんどん落ちていきます。家庭菜園で収穫した枝豆は、すぐに塩ゆでし、冷凍しておくようにすると、うま味が保たれます。
家庭菜園で採れる枝豆のうれしい効果
家庭菜園で栽培できる枝豆にはアンチエイジング効果、鉄分補給、疲労回復などの効果があるといわれています。また、魚やきのこ類と枝豆を組み合わせて食べると骨粗鬆症の予防にもなります。
枝豆に含まれる栄養素
枝豆は、鉄、葉酸、たんばく質、ビタミンB1、ビタミンCなどが豊富に含まれています。そのため、貧血予防や夏バテ予防などをしてくれる効果があります。さらに、枝豆は茹でても栄養価が下がらないといううれしい特徴をもっています。
プランター栽培で得る枝豆のうれしい効果
枝豆は、栽培しやすい野菜と言われています。菜園で育てた枝豆は、翌年同じ場所で栽培すると連作障害がおこってしまいますが、プランターで育てる場合は、同じ土を使わない限りそのような心配はありません。
プランター栽培の枝豆が好む環境
プランターでの枝豆の育て方は、摘心や肥料過多に注意することです。翌年以降もプランターで枝豆を作る際は、枝豆が嫌う酸性土にならないように苦土石灰をしっかり施し、支柱、病害虫、鳥よけ対策をしていくとパンパンに膨らんだおいしい枝豆を収穫することができます。
おいしい枝豆を収穫する前に