ツーリングドームST/コールマン
コールマンのツーリングドームST:はじめに
ソロキャンプの名幕
コールマンのツーリングドームSTは1人で快適なキャンプを楽しめるテントです。バイクでのキャンプツーリングを想定したテントであるものの、自動車でのソロキャンプでも人気があります。
ここではツーリングドームSTの評価をまとめます。なお、この記事は2021年8月20日現在の情報をもとに作成しています。ご了承ください。
広くて快適でもコンパクトテント
コールマンはツーリングドームSTを1人から2人用のテントとしています。しかし、実際の収容人数や、2人から3人用のLXとの違いは気になりますよね。また、安い価格に防水性への懐疑もぬぐえません。
では本題!ツーリングドームSTのサイズ、防水性、快適さを中心に、前半ではユーザーレビューの評価をまとめ、後半ではレビュー動画を紹介します。
ツーリングドームSTのサイズ:スペック
コンパクトなキャノピーテント
ツーリングドームST/コールマン
フロアサイズ | 210×120cm |
---|---|
高さ | 100cm |
前室幅 | 115/210cm |
前室奥行き | 105cm |
収納サイズ | Φ19×49cm |
重量 | 4kg |
コールマンのツーリングドームSTは1人用です。フロアシートの幅が広いので、ソロキャンプならゆったりと就寝できます。
広い前室と2本のポールで跳ね上げられるフロントパネルが便利です。リビングにできるほどではないものの、ソロキャンプの料理に十分なスペースを確保できます。
ちなみに、ツーリングドームSTの前室には120cmから150cmのポールがおすすめです。
2人でツーリングドームSTを使うなら
登山でのテント泊を基準にすれば、ツーリングドームSTは2人用で間違いありません。しかし、ツーリングドームSTはレジャーキャンプ用のテント。2人では窮屈さを感じます。
封筒型シュラフを連結し、カップルや親子2人で就寝するなら、ツーリングドームSTは許せる範囲です。ただし、タープを併用して、リビングスペースを確保する必要があります。
冬の保温性に期待できる
ツーリングドームSTは冬キャンプにも期待できます。容積が少ないインナーテントは体温で暖めやすいからです。
ただし、マイナス10度以下対応のマミー型シュラフはかさばりますので、2人ではさらに窮屈になります。マイナス10度以下対応の封筒型シュラフを連結し、抱き合って就寝する方法もありますが、冷気がシュラフに侵入するのが課題です。
ツーリングドームSTのサイズ:レビュー
ソロキャンプにピッタリサイズ
ツーリングSTは1人でちょうどいいサイズと評価するユーザーレビューを紹介します。前室が広いのでソロキャンプ用のコンパクトな道具はすべて入るとのこと。
ツーリングドームSTはバイクツーリングを想定したテントですので、コンパクトなキャンプ道具を携行するのが前提です。2人になるとキャンプ道具も2倍にかさばります。
大人の男性一人と、ソロキャンプ道具一式の荷物を一緒に入れたらピッタリです。居室の外に荷物を置けば、大人二人でもギリギリ入れそうですが、おすすめはしません。
緊急で二人泊まることは可能ですが…大人一人子供一人でも窮屈なくらいです。
荷物が多いキャンプ女子にもおすすめ!
母親のソロキャンプ用としてツーリングドームSTを購入したユーザーのレビューを紹介します。荷物が多い女性には1人と荷物で限界と評価しています。
インナーテントのウォールに足や頭が当たるというコメントは多いですね。背が低いテントですので、インナーテントの急な立ち上がり角度が原因。足が冷えるのはつらいので、足元に荷物を配置しましょう。
2人では使用できないかと思います。1人、プラス荷物でいっぱいでしょう。
特に荷物の多い女性陣には、完全にソロ用です。
母の身長はその世代にしては大きいのですが(165くらい?)、どうも足がテントに触るとのこと。キャンプ時の朝晩が冷えたため、そこから冷えてつらかったそうです。
コット
ツーリングドームSTに1人用コットを設置しているユーザーのレビューを紹介します。組み立てた状態のコットをインナーテントへ入れるのは厳しいので、インナーテント内でコットを組み立てるとのことです。
組み立てたコットをツーリングドームSTのインナーテントへ入れるには出入口を裂けんばかりに広げなければならない、というレビューも見かけました。コットの設置を想定したテントではないといえます。
コットは組んだ状態では入りそうになかったのでテントの中で組みましたが、組んだ後でひっくり返すのにインナーにあたって苦労しました。
インナーを立ち上げた後ペグダウンする前にコットを中で組んで、ひっくり返してからペグダウンすれば、インナーの張りが緩んでいるぶん少しはマシかもしれません。
ソロキャンプに合理的なサイズ
ツーリングドームSTはバイクツーリングを想定したサイズ感です。1人用のコンパクトなキャンプ道具で厳選し、効率的に配置する必要があります。
バイクツーリングでは広いと感じるものの、キャンプ場で過ごす時間の長いソロキャンプでは狭いと感じこともあるかもしれません。しかし、タープなしでキャンプを完結できる広い前室は魅力的。無駄を楽しむキャンプよりも、合理的なキャンプに適しています。
ツーリングドームSTの防水性:スペック
レジャーキャンプに十分な防水性
コールマンのツーリングドームSTは標準的な防水性だといえます。フライシートとフロアシートの耐水圧は1500mmですので、レジャーキャンプでは十分な防水性です。
しかし、この防水性能は旧モデルのスペック。コールマンは2021年新型の防水性能を公表していません。また、2021年新型は旧型よりも収納サイズが小さく、重量も軽い数値に変更されています。
推測:2021年新型と旧型の防水性は同じ
旧型ツーリングドームSTの重量を計測したユーザーのレビューを紹介します。軽量な鍛造アルミペグに交換すると、総重量は実測で3.6kgとのこと。2021年新型よりも軽いですね。
2021年新型の収納サイズや重量は、実測数値に訂正されただけだと推し量れます。生地の防水性も旧型と変わらないと捉えて問題ありません。
【旧型】使用中軽く感じたし、Youtubeで実測は3.8kgしかないと言うレビューが有ったので、帰ってからきっちり計測。(中略)なんと3.6kgでした。
テント用語:耐水圧とは?
耐水圧とは、生地の1cm四方にどれだけの水がたまると浸水するかを表す数値です。ツーリングドームSTの生地は1cm四方に1500mm(1.5m)の水が溜まれば浸水します。
耐水圧が高い=防水性が高いとはいえません。耐水圧は生地の防水性であって、テントの防水性とは違うのです。
耐水圧が高い生地は夏の平地で蒸し暑さを感じます。ツーリングドームSTの耐水圧はレジャーテントにちょうどいい数値です。
ツーリングドームSTの防水性:レビュー
防水性は問題なし!
ツーリングドームSTで雨天キャンプを経験した人のレビューを紹介します。相当の雨量でも浸水しなかったとのこと。半日ほど強い雨に降られたが防水性は問題なし!というレビューもありました。
ツーリングドームSTの防水性は申し分ないレベルだといえます。フライシートの隙間から浸水したというレビューも見かけましたが、それは設営の不具合です。
耐水性…かなり良いです。結構な雨量の中キャンプをしましたが雨水は一滴も入ってきませんでしたね。撥水性も良いです。テントを片付ける際に簡単に水を切ることができました。
暴風雨にも耐えられる防水性
ツーリングドームSTで暴風雨に遭った人のレビューを紹介します。テントロープでペグダウンすれば暴風雨にも耐えられるとのことです。ツーリングドームSTは背の低いテントですので、耐風性に期待できます。
前室が広いツーリングドームSTはフライシートをピンと張るのが難しいですね。このユーザーは上手に設営できたため、暴風雨をしのげたと考えられます。
暴風雷雨を2度受けた。テントが飛ばされそうになる程の暴風、更に雷と土砂降りの中、補助ロープ使用の状態で何とか耐えてくれた。それだけでも十分性能なのに、フライシートは内側が湿る程度で全く問題なかった。
テントをピンと張るコツ
テントがピンと張れないのは、フライシートとインナーテントの位置がずれているのが原因です。インナーテントの窓を開けたまま設営すると形が決まりにくく、フライシートの張りに影響します。
フライシートをペグダウンしてもピンと張れない場合、インナーテント四隅を留めているペグを打ち直して微調整しましょう。フライシートに押し付けられて位置が合います。
雨でもタープなしで調理
ツーリングドームSTは通気性がよく、雨の日でも快適と評価するユーザーのレビューを紹介します。雨のソロキャンプでも前室で調理ができるメリットは大きいですね。
雨天時は前室のフロントパネルを張り出さないのが賢明です。跳ね上げたフロントパネルに溜まった雨水の重さで浸水します。通気性を確保したい場合は、フロントパネルをハーフオープンにしましょう。
両方向から出入りができ、壁の2面がメッシュになっているので、夏場はとても涼しいです。前室も比較的に大きいので、雨の日に簡単な調理をするには十分な広さでした。
防水性は合格点!通気性が快適!
ツーリングドームSTは確実に設営すれば防水性を発揮するテントです。フライシートとインナーテントの隙間を広げ、通気性を確保すれば結露を軽減できます。ハーフオープンできるフロントパネルもナイスアイデアです。
スカートは冬キャンプでテント内を保温するためのもの。防水性とは関係ありません。スカートは通気性を妨げますので、雨キャンプで結露を発生させる原因になります。
ツーリングドームSTのレビュー動画3本
①芸人ヒロシ氏のレビュー
コールマンのツーリングドームSTをソロキャンプの名幕へと押し上げた芸人ヒロシ氏のレビュー動画を紹介します。自然体でキャンプを楽しむ姿はリアリティにあふれ、この記事をご覧になっている人にもファンは多いことでしょう。
冒頭でバイクに積載するのは重いとコメントされていますが、それはヒロシ氏のバイクが軽量なオフロードバイクだからです。大型バイクなら軽量なテントと評価されたことでしょう。
ツーリングドームSTは重い?
ツーリングドームSTを重いと評価するのはバイク乗りです。今日のソロキャンプでは自動車の乗り入れができるテントサイトが好まれます。自動車移動のソロキャンプで重量4kgのテントを重いと感じることはありません。
ちなみに、バイクに積載するテントの重量は車両重量の2%以下が目安。ツーリングドームSTは車両重量が220kg以上のバイクに適しています。
機能的なテントと評価
ヒロシ氏はコールマンのツーリングドームSTを機能的なテントと評価しています。注目すべきはレビュー動画の後半です。フロントパネルをペグダウンし、前室のサイドを出入り口として使えると紹介しています。
ソロキャンプではフリーサイトを利用することが多いですよね。テントサイトの混み具合に合わせてアレンジできるのも、ツーリングドームSTの魅力だといえます。
②てんちょch氏のレビュー動画
てんちょch氏のレビュー動画では、2021年新型のツーリングドームSTを紹介しています。レビュー動画というよりも設営動画なのですが、太陽光下で設営されていますので、2021年新型ツーリングドームSTの色味をイメージしやすいですね。
思いのほかさわやかな色合いで、コールマンに抱くミリタリーチックな雰囲気は影を潜めています。かといって、テントサイトで悪目立ちする色合いでもありません。
ツーリングドームSTのカラー
ツーリングドームSTには、旧モデルのグレー/ライム、アマゾン限定のオリーブ、2021年新型のオリーブ/サンド、遮光性と通気性を高めたSTプラスのホワイト、この4つのカラーがあります。
人気ゆえに他のキャンパーとかぶるのはコールマンあるある。しかし、人気は高評価の裏付けです。また、アルミポールに換装して軽量化するカスタム実践録がブログ記事や動画も多く見かけます。
インナーテントの広さがわかる
てんちょch氏のレビュー動画で注目すべきは後半の一瞬、インナーテント内でゴロゴロするシーンです。インナーテント内のサイズ感をイメージできます。ツーリングドームSTが広いといわれるのは前室。フロアサイズは標準的な広さであることがわかります。
ちなみに、ツーリングドームSTのインナーテントには、天井に5つのループがついています。ランタンをかける位置を選べるのは便利ですね。
余談:ランタン用の5つのループ
インナーテントのランタン用ループの位置は中央に1つ、ポールに沿って4つです。ポールに沿った4つのループはバンダナやツーリングネットを活用して棚を作れます。
メガネ、スマホ、ハンドライトなどを収納する棚にすると便利です。探す手間が省けますし、破損を防げます。ツーリングドームSTは背が低いテントですので、ランタンはコンパクトで薄型のものを選びましょう。
③jiroh VLOG氏のレビュー動画
コールマンのツーリングドームSTとLXを比較するjiroh VLOG氏の動画を紹介します。LXのインナーテントはSTよりも60cm幅が長く、10cm高いのが特徴。前室も若干広いのですが、体感できるレベルではありません。
ツーリングドームSTのサイズ感がわかりやすい動画で、後半では「こんな人はSTがおすすめ」と検証結果をまとめています。
STとLXでは設営時間に大差なし
2人でのキャンプではLXが圧勝です。未就学の子連れ3人でのキャンプにも対応できます。
ただし、前室はツーリングドームSTと大差ないので、タープを併用するのがおすすめです。タープは前室よりも後部の出入り口に設営すると快適なアレンジとなります。
1人でLXを使うのもありです。jiroh VLOG氏の比較レビューでは、設営時間に大差ないと言われています。
ツーリングドームSTを選択する理由
テントは小さいほど簡単に設営できます。ツーリングドームSTのレビュー動画を物色すると、設営シーンが長いですね。これは1人で設営できるかを実証するためです。
しかし、テントの設営に戸惑うのは初張りだけ。テントの構造にもよりますが、設営に慣れるとタフワイドドームⅤ/300も大差ありません。
では、ツーリングドームSTを選択する理由を考えてみましょう。
テントは小さいほど剛性が高い
テントは小さいほど剛性が高いですね。ゲリラ豪雨や暴風雨への耐性があります。バイクでのキャンプツーリングでは逃げ場がないので、剛性の高いコンパクトなテントが求められます。
しかし、自動車でのソロキャンプではテントを放棄して自動車に逃げ込めます。安全性を考えると賢明な判断です。
そう考えると、ツーリングドームLXもソロキャンプの選択肢に加えられます。
コールマンのツーリングドーム:まとめ
かっこいいソロキャンプを実現する
キャンプ場でソロキャンプを楽しむキャンパーは増えました。焚き火の炎に自分を投影し、これまでの自分を振り返り、これからの自分を描いている姿を見かけます。
しかし、SNSで映える画像に影響を受け、1人で広いスペースを占有するソロキャンパーは少なくありません。フリーサイトは譲り合って利用するのが基本。早い者勝ちでスペースを占有するのは問題があります。
ツーリングドームSTとは?
コールマンのツーリングドームSTは合理的なテントです。タープなしでソロキャンプを完結できますので、フリーサイトのスペースを無駄遣いしません。ワンポールテントや2ポールシェルターと比較するとSNS映えしませんが、素早く設営して自分の時間を楽しめます。
ツーリングドームSTとは?初心者におすすめのテントではなく、ソロキャンプの精神世界を追求するのにおすすめのテントです。
ソロキャンプが気になる人はこちらをチェック!
ソロキャンプの精神世界を充実させてくれるのは道具ではありません。しかし、手になじんだ道具は使いやすくて快適です。価格に惑わされず、長く愛用できる道具を選びましょう。
ソロキャンプでタープはいらない論争は永遠の課題です。タープ泊に憧れて完璧なレイアウトをしながらも、土砂降りで自動車に逃げ込む人も見かけます。まずは使ってみてから結論を出すのもありです。
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