雑草でも堆肥が作れる!
植物をスクスクと育てるために欠かせない、堆肥。ホームセンターなどで市販されている場合もありますが、「自然のものを活用したい」「地球に優しいものを使いたい」という場合におすすめしたいのが、雑草を使う方法です。
植物の成長に欠かせない堆肥
そもそも堆肥とは、雑草やぬかなどの材料を混ぜ合わせて作る肥料のことです。腐葉土と混同されがちですが、腐葉土は落ち葉が腐敗したことによって自然にできあがった土です。
堆肥でも落ち葉を使うことはありますが、人工的に肥料化したものであることが、腐葉土との違い。腐葉土と一緒に使うことで堆肥の効果を促進できる場合があるので、上手に使い分けるようにしましょう。
雑草を使えばコストを抑えられる
いろいろな材料を使用して作る堆肥ですが、なるべくコストをかけたくない場合におすすめしたいのが、雑草を活用する方法です。庭などに生えている雑草なら費用がかからず、気軽に使えるのが魅力。雑草を抜くことで庭全体もきれいになるので、一石二鳥です。
「もっと植物を元気に育てたいけど、たくさんの費用をかけられない」という場合は、雑草を使ってみませんか?身近な雑草を使って、植物のパワーを与える堆肥を作り出しましょう。
簡単な作り方で雑草堆肥を作ろう
本記事では、雑草を活用した方法を2つご紹介します。どちらの方法もとても簡単に取り入れられるので、初心者でも気軽にチャレンジできるでしょう。また、できあがった堆肥をどのようにして使うのかも、併せて解説します。
植物を育てるには、やはり自然のものを使うのが1番です。環境に優しく、誰もが簡単に作れる雑草堆肥を役立ててみてください。
雑草を使った堆肥の作り方講座
いろいろな方法がある中でも、初心者でも取り組みやすいおすすめの作り方をご紹介します。特別なテクニックは不要なのが魅力です。身近にある雑草を使って、効果的な堆肥を作っていきましょう。
基本的な雑草堆肥の作り方
まずは、基本的な作り方についてご紹介します。基礎的な知識を身につけておけば自分なりに作り方をアレンジしたり、材料を変えたりといった工夫を凝らせられるようになるでしょう。
ポイントを踏まえた上で雑草を活用してみてください。丹生込めて作り上げた堆肥には、市販品にはないよさがあるはずです。
必要なもの
最初に準備しておきたいのが、十分な量の雑草です。庭などの敷地内にある雑草を全て集めておきましょう。また、雑草で足りない場合は身の回りにある落ち葉を使っても大丈夫です。落ち葉にも、堆肥を作るための成分が含まれています。雑草と落ち葉を合わせて、全体の材料の6割以上になるようにしてください。
続いて、米から取れるぬかを準備します。ぬかには発酵を促進するための成分が含まれているのが特徴。この他に土も用意したら、準備の完了です。
雑草の堆肥の作り方①:材料を重ねる
最初に、雑草と落ち葉を混ぜ合わせて地面に敷きます。続いて、ぬかを上にかぶせましょう。それから再び、雑草と落ち葉を混ぜ合わせたものを乗せ、ぬかをかぶせます。このように、雑草・落ち葉とぬかをミルフィーユ状にしていくのが基本です。
ぬかをかぶせる際には、足を使ってしっかりと踏み固めるようにすると、発酵が促進されやすくなります。もし、踏み固める際に大きな枝などが見つかったら、取り除いてください。残っていると、発酵の邪魔になります。
雑草堆肥の作り方②:土で覆う
全ての材料を重ね終えたら、最後に土を乗せてください。土の量が十分にないと、せっかく集めた雑草や落ち葉がしっかり発酵しない可能性があります。およそ15cmくらいの高さになるまで、土を乗せるのがポイントです。
もし、雑草や落ち葉が土の中から顔を出しているようなら、土が足りないサインと考えられます。土を足して、雑草や落ち葉が顔を出さないようにすることが大切です。土で全体を覆うようにしていきましょう。
雑草の堆肥の作り方③:ビニールシートをかぶせる
土で覆った後は、ビニールシートを使います。土で覆った部分にビニールシートをかぶせましょう。これは、特に冬場に欠かせない作業です。冬場は気温が下がり、発酵の促進が鈍ります。シートをかぶせて温かい状態を作ることで、冬でもしっかりと発酵しやすくなるのがポイントです。
そのため、気温の高い夏場はシートをかぶせなくてもよい場合があります。もし、堆肥の様子を見て過発酵になっているようなら、シートを取り除きましょう。
雑草の堆肥の作り方④:雨ざらしでも大丈夫
全ての作業が完了したら、後は自然のままで放置しておきます。屋外で発酵させる場合は「雨ざらしでも大丈夫?」と心配になることがあると思いますが、基本的に雨ざらしでも問題ありません。
雨が降って水分を含むことで、さらに発酵が促進される場合があります。雨ざらしを気にして屋根を設置する必要はないので、そのまま置いておきましょう。もし強雨が心配な時は、ビニールシートを二重にしておけばよいとされています。天候の様子を見て、対処してください。
雑草の堆肥の作り方⑤:15〜20日に1回混ぜる
落ち葉や雑草の中に含まれる成分をしっかり発酵させるためには、定期的に空気を送り込むことが大切になります。空気を土の中に入れるため、15〜20日に1回は全体を混ぜるようにしましょう。混ぜる段階になったら、土と雑草、落ち葉が全て一緒になっても大丈夫です。全体が馴染むように混ぜてください。
混ぜる際は、スコップなどを使うと効率的に作業を行えます。大きめのスコップを事前に準備して、スムーズに作業が行えるようしてはいかがでしょうか。
雑草堆肥の作り方⑥:ミミズは駆除しない
混ぜている時にミミズが出てきても、駆除しないのが重要なポイントです。ミミズは土の分解を促進する要となるので、そのまま放置しておきましょう。
雑草を活用した堆肥を作るためには、なるべく自然のものを生かすことが大切です。人間から見ると気持ちが悪いものだったとしても、ミミズは肥料化を成功させるためには欠かせない生物の1つなので、大切にするようにしてください。
雑草の堆肥の作り方④:雑菌系の臭いが消えたら完成
土を混ぜていると、ツンとするような雑菌系の臭いがすると思います。臭いがしている間は、まだ発酵が完了していないサインです。発酵が進んでくると、少しずつ臭いが減ってくるのがわかるでしょう。ツンとくる臭いが消えて、土本来の臭いが蘇ってきたら肥料化の成功です。
完全に肥料化するまでには、約半年ほどかかります。時間はかかりますが、できあがった堆肥は、植物の成長をサポートするための大きな役割を果たしてくれるので、ぜひ挑戦してみてください。
コンポストを使った雑草堆肥の作り方
ここまでは地面にそのまま雑草や土を置いて作る方法を見ていきましたが、続いてはコンポスト容器を使った作り方をご紹介します。「庭の敷地に雑草や土を置くためのスペースがない」といった場合は、コンポスト容器を使うのがおすすめです。
また、コンポスト容器を使えば、場所を自由に移動させられるのも魅力。強い雨風の中で雨ざらしが気になる時は、すぐに安全な場所に移動させられます。コンポスト容器も、ぜひ活用しましょう。
必要なもの
必要なものは、雑草や落ち葉、ぬか、土です。また、容器に入れた場合は地面に放置した場合よりも発酵が進みにくいので、尿素や生ゴミを追加するのがおすすめ。尿素や生ゴミを入れることで発酵しやすくなります。生ゴミを入れる時は、葉物の野菜クズが最適です。
コンポスト容器は、不要となったダンボールはプラスチック容器を活用できます。見た目にもこだわりたい方は、市販されているコンポスト容器を取り入れるとよいでしょう。
雑草の堆肥の作り方①:容器の中で材料を混ぜる
まずは容器の中に、落ち葉や雑草、ぬか、土を入れましょう。容器に入れる場合は、最初から全て混ぜ合わせても問題はありません。材料を入れたら、全体をしっかりと混ぜ合わせます。続いて尿素を加えて、さらに混ぜてください。
尿素は入れすぎると逆効果になる場合があるため、パッケージに記載されている規定量を守って入れるのがポイントです。全体が混ざり合ったら、作業の完了。寒さが気になる時は、シートなどで蓋をして温かい状態をキープします。
雑草の堆肥の作り方②:2〜3日に1回混ぜる
容器を使う場合は、2〜3日に1回を目安に混ぜます。容器の底の方から上に持ち上げるように、しっかりと混ぜるようにしましょう。混ぜ方が足りないと肥料化できないので、注意が必要です。
混ぜ終えたら表面を平らにならして、そのまま放置しておきます。しばらくすると、ツンとするような臭いがしてくるはず。臭いが気になるようなら、なるべく人が集まらない場所にコンポスト容器を置くようにしてください。
雑草の堆肥の作り方③:時々水分をあげる
地面に置くのと異なり、容器の中に入れている場合は土が乾燥しやすくなります。乾燥が進むと発酵が鈍り、菌がたくさん繁殖する原因になるため、適度に水を与えるようにしましょう。
全体を混ぜる時にパサパサとした乾燥を感じたら、水を少しずつ与えてください。しっとりとした状態を常にキープするようにすれば、問題なく発酵が進んでいきます。特に冬は乾燥しやすいので、十分に気をつけて水分をあげることが大切です。
雑草の堆肥の作り方④:3〜4ヶ月ほどで完成
時々水分を与え、2〜3日に1回混ぜ合わせる作業を続けていけば、3〜4ヶ月ほどで堆肥ができあがります。基本的な作り方の時と同様に、ツンとした臭いがしなくなったら完成の目安です。
もし、3〜4ヶ月経過してもツンとした臭いが消えないのであれば、菌が増えているサイン。増えた菌は元に戻せないので、容器の中の土は捨てて、再度作り直しましょう。常に臭いを確認し、定期的に混ぜ合わせることが成功のポイントです。
雑草堆肥を活用する方法
できあがった堆肥は、植物を育てるために活用しましょう。基本的な活用方法について紹介するので、ぜひ役立ててみてください。上手に堆肥を使っていけば、大切な植物が生き生きとしてくるのではないでしょうか。
種をまく前に使う方法
基本的に、堆肥は種をまく前に使います。土の状態を見ながら、堆肥を混ぜ込みましょう。さらに成長を促進したい時は、腐葉土を加えるのもおすすめです。
堆肥を混ぜ込んだら、2〜3日置いてから種を巻いてください。すぐに種をまくと、堆肥の影響を受けすぎてしまう可能性があります。しっかりと土がなじんだ状態で種をまくのがポイントです。
溝を作って使う方法
ウネを立てる真ん中の部分に溝を作り、堆肥を入れる方法もあります。2〜30cmほどの溝を掘ったら、そこに堆肥を入れて、土をかぶせましょう。
その後にウネを立てて、作付けを行います。溝の中に堆肥を入れることで、根っこの生育がよくなるのが特徴です。人参やトマトといった植物を育てる際に適しています。美味しい野菜を作るために、手作りの堆肥を活用してみてください。
穴の下に入れ込んで使う方法
植物を植え込むための穴の下に堆肥を入れ込み、生育を促進する方法も要チェックです。穴の下に堆肥を入れ込んで置くことで、根が成長しやすくなります。堆肥を入れ込んだ後は、時間を開けることなく作付けが可能です。すぐに植物を植えたい、という場合に取り入れみましょう。
この方法は、堆肥の効果が長期間継続するのも特徴です。手作りの堆肥をなるべく長持ちさせたい、という場合に取り入れてみてください。茄子やキュウリなどを育てる場合におすすめです。
雑草を使った堆肥で作物を育てよう!
基本的なポイントを押さえておけば、初心者でも簡単に作れるのが雑草堆肥のよいところです。大切なのは、自然の力を生かすこと。ミミズなど、土の分解を促進してくれる生物は駆除せず、雨ざらしにしたままで堆肥を育ててみましょう。
できあがるまで時間はかかりますが、その分だけ栄養たっぷりの状態にできます。始末に困りがちな雑草や落ち葉を活用できるのも、嬉しいポイントです。植物を育てるために、ぜひ堆肥を手作りしてみてはいかがでしょうか。
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雑草を使った堆肥以外にも、さまざまなタイプの堆肥があります。関連記事では堆肥に関するさまざまな情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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