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【連載】クロユリの花言葉!復讐というちょっと怖い言葉の意味とは?

ユリ科の植物の中でも高山にひっそりと自生するクロユリ。どことなく侘しい見た目から茶花として人気の花材です。今週はシックな装いのクロユリの花言葉を解説します。英語の名前は可愛いですが、「復讐」というちょっと怖い花言葉にも注目してご紹介しましょう。
2021年7月20日
ティンカー・ベル
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目次

クロユリ(黒百合)の花言葉を解説!

クロユリ(黒百合)の花言葉!怖い意味もある?

出典:https://pixabay.com/photos/lily-black-flower-5274394/

とても神秘的で独特な花の色が魅力的なクロユリ。ひっそりと侘しい感じの花姿は茶花としても人気です。シックな花色でどこか陰のある雰囲気を持ち合わせるクロユリは「復讐」などという花言葉も持ち合わせています。

今回はこのクロユリの花言葉を解説します。贈る花束には不似合いな花言葉をもち合わせていますが、その花言葉の由来や、クロユリが持ち合わせているポジティブな花言葉、クロユリの季節などを同時にご紹介します。

クロユリ(黒百合)の花言葉

「復讐」「呪い」

Photo by sunoochi

クロユリの代表的な花言葉は、なんと「復讐」「呪い」という言葉です。こんな言葉を目にすると、黒に近い神秘的なシックな紫の花色をそんなイメージで見てしまいますが、クロユリの「復讐」「呪い」という花言葉は、花の色の印象ではなく、クロユリにまつわる戦国時代の武将の逸話にちなむ意味が由来となります。

花にまつわる逸話というのは切ない話が多いですが、クロユリにまつわる逸話も日本の富山県に伝わる切ない話です。

クロユリ(黒百合)にまつわる切ない逸話とは

Photo bytmooyy

クロユリの代表的な花言葉であり、またちょっと怖い花言葉でもある「復讐」「呪い」という言葉の由来は、日本の戦国時代の武将・佐々成政にまつわる話です。戦国武将の成政は何人もの側室がいましたが、その中でも小百合という女性を特に可愛がっていました。

ところが小百合に子どもができるとその子が密かにほかの男との間にできた子だという噂が流れ、その話を耳にした成政は小百合を許せずに切り殺してしまったのです。

小百合が復習を果たすために姿を変えた花!

Photo by sunoochi

成政に切り殺された小百合は死に際に「3年後、立山にクロユリが咲くとき、佐々家は滅びる」と呪いをかけました。小百合のかけた呪いどおり、3年後佐々家は失脚し、成政は切腹したのだと。

これは小百合がクロユリに姿を変えて復讐したのだ言い伝えられ、この逸話がクロユリの「復讐」「呪い」という花言葉の意味の由来となったと言われています。

「恋」

戦国武将の逸話を知ると、富山県の立山でクロユリの咲く季節にこの花を見つけた登山家は「呪いの花だ」などとこの花言葉を想い描いてしまうことでしょうが、クロユリには「恋」というポジティブな花言葉もあります。

名を告げずクロユリを想い人の側に置き、その人が花を手に取ってくれたらいつか二人は結ばれると信じていたアイヌ民族の風習にちなんだ言葉です。「恋」という花言葉を想い観賞するとロマンチックな気分に浸れます。

クロユリ(黒百合)の特徴

ユリ科バイモ属の高山植物の球根花

クロユリ(黒百合)はユリ科バイモ属の高山植物の球根花です。学名はFritillaria camschatcensisと表記。原産地は日本をはじめアラスカ、北アメリカ、シベリアなど北半球の広い範囲です。日本では北海道や本州中部以北の高山に自生しています。

日本では北海道に自生する北海道型と、本州の高山に自生する本州型の2種類があります。北海道型は4月~6月頃に花が咲き、本州型は7月頃に花が咲きます。

北海道型のクロユリ(黒百合)の特色

北海道型のクロユリは草丈50cmくらいの高さがあり、花数が多いのが特徴です。一般的にクロユリというと、この北海道型のこの花のことをさします。別名「蝦夷黒百合(エゾクロユリ)」とも呼ばれます。

北海道型のクロユリの花の色は黒に見えるほど、濃い暗い紫色をしており、花が咲くと中から鮮やかな黄色の花粉が現れ、花びらの暗らい紫色と花粉の黄色のコントラストがとてもきれいです。

本州型のクロユリ(黒百合)の特徴

本州型のクロユリは、本州中部の高山(北アルプス、中央アルプス、南アルプスなど)に自生しているクロユリで、草丈は北海道型のものより低く、15cm~30cmくらいの高さのものです。

花数は2輪~3輪しかなく、クロユリといわれますが、花の色は緑がかった色をしています。本州型のクロユリは別名で「深山黒百合(ミヤマクロユリ)」などという別名で呼ばれています。


ユリという名が付くがユリとは異なる花

クロユリは「ユリ」という名が付きますが、ユリの花としてポピュラーに知られているテッポウユリやオニユリ、カサブランカなどのユリ属の仲間ではなく、異なる種類の植物です。

たとえば北海道型のクロユリの見た目は茎と同じ高さの位置に5枚くらい葉を放射状に付けます。球根は白く小さな鱗のような形のものがたくさん集まり一塊になっており、花びらは一般的には一重咲ですが、八重咲きの種類もあります。

英語の名前が可愛い

クロユリはユリ属のヤマユリやテッポウユリのような華麗な花姿ではありません。クロユリは夏に咲く黒い花びらをもった釣り鐘型の花でその姿がユリにそっくりだったので「クロユリ=黒百合」と名付けられました。
 

山の中にひっそりとした佇まいでうつむき加減に花を咲かせています。英語の名前も可愛く「chocolate liliy」とか、北海道のクロユリという意味で英語で「kamchatka liliy」と呼ばれます。

クロユリの育て方

球根の植え付けは7月~10月

球根花のクロユリは、高山地帯で自生している植物ですが、7月~10月に球根を植え付け育てることもできます。また時期になると苗も出回ります。

もともと山の涼しい環境の中で自生している植物なので、北海道などの気候の涼しい地方以外での生育は難しいともいわれますが、地植えではなく鉢植えなら季節に応じて移動させながら育てると上手に育てることもでき毎年楽しめます。

5号鉢に球根2~3個が目安

鉢植えにする場合、鉢の大きさの目安は5号鉢にクロユリの球根2~3個を目安に植え付けます。鉢の底には軽石などの鉢底石を敷き、用土は市販の山野草用培養土を使用すると便利です。

水はけと風通しのよい場所で管理し、乾燥気味に育てます。休眠期に入る夏から秋は水を与えすぎると枯れてしまうので水やりは控えめにするように注意してください。10月~11月頃になったら用土が乾いた時にたっぷりと水やりしてください。


2年~3年に1度掘り上げて植え替えする

球根花のクロユリは、花が咲き終わったら種ができないうちに茎の根元からカットしてしまいます。その理由はそのままにしておくと土の中の球根が育たないからです。

毎年花が咲く季節になると可憐な花を楽しめますが、2~3年に1度、花が終わり、6月~9月の中旬ころの季節に掘り上げて、球根を湿ったおがくずや新聞紙に包み寝かせます。そして翌年球根を植え付ける時期に植え付けしてください。

花言葉を知ってクロユリを観賞しよう!

Photo by betsukai_kanko

ユリ科の植物ですが、テッポウユリやカサブランカなどのユリとは種類の違う植物であるクロユリ。高山地帯に咲き、独特な色合いと個性的な香りが特徴の神秘的な花です。

花言葉を知ると、山でクロユリを見かける登山家は「復讐の花だ」などと感じてしまうかもしれませんが、北海道の先住民族のアイヌ族の間に伝わる恋占いのような風習にちなみ「恋」という花言葉もあることを思い出し、ホッコリとご観賞ください。

花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!

当サイト「暮らしーの」では花言葉について他にもまとめています。特に月曜日は連載で、季節の花を追いながらその花の花言葉や、その花にまつわる伝説や花名に由来などを解説しています。花言葉を知ると日ごろの花選びもとても楽しくなりますよ!花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェックしてみてください。