BMXフリースタイルとは
大胆なアクションを披露する自転車競技
BMXとは大胆なアクションをする自転車競技で、1970年にアメリカの子供たちが自転車で土の上を走り回る遊びが起源となっています。
使用されるBMXという自転車は、タイヤが20インチと自転車にしてはかなり小ぶり。ストリートで楽しまれていた遊びはやがて、オリンピック公式種目にも認定され、注目のスポーツになっています。
4つのジャンルに分けられている
BMXフリースタイルは大きく分けて4つのジャンルに分けられます。1つ目のストリートは、街中にある構造物を埋めて使ってトリックを魅せる競技。2つ目のフラットランドは、舗装された道を使い自由にトリックを決めるジャンルです。
3つ目のパークというジャンルは、場内に配置されているものを使ってトリックを決めます。4つ目のダートというジャンルでは、泥のコースでトリックをきめる競技です。
BMXは世界でもかなりの人気を誇っている
BMXフリースタイル種目は世界中でとても人気があります。自転車競技の中でもストリートに近く、とてもカジュアルで手が出しやすいのが人気の理由です。インパクトのある技を繰り広げたり、観客を魅了する技が豊富にあります。
BMXフリースタイルの人気のある大会といえばレッドブル主催の大会で、全世界で盛り上がりを見せていますよ。もちろん、日本でも全国の猛者たちが集まり、大会が開催されています。
BMXフリースタイルのルール
フリースタイルは4つのジャンルに分かれてはいますが、共通のルールもあります。初めてBMXフリースタイルを観戦する方は、ルールがわかりにくいと思うので、オリンピック前にルールを予習しておきましょう。
ルール①1分間の競技を2回行う
1分間の走行時間が与えられ、チャンスは2回だけというルールです。相手チームと交互に入れ替わり、1回目と2回目の獲得点数の平均点を集計します。ジャッジが出した最高得点と最低得点を除いた平均点が、チームのポイントとして与えられますよ。参加する大会によってルールが異なる場合があるので、試合前に確認しておきましょう。
ルール②制限時間内に多くのトリックで高得点
制限時間内に多くのトリックを決めるとポイントが高く加算されるルールになります。実行されるトリックだけではなく、コース内にある構造物をうまく利用したトリックも高得点として加算されるルールですよ。もちろん、トリックの振幅も重要な採点基準となり、ジャンプの高さやオリジナリティなども評価基準です。
ルール③個人戦または団体戦で行う
BMXフリースタイルのルールには個人戦と団体戦の2つがあります。大会にもよりますがJFBFだと3から5名の競技者で1チーム、オリンピックだと男性9人女性9人の合計18人で争われるルールです。
団体戦では1人だけ高得点を出してもチームメイトのポイントが低いと勝ち残れません。BMXフリースタイルは個々でどれくらい高い点数を取れるかで勝敗が変わってきます。
ルール④トリックの難易度によって採点を行う
BMXフリースタイルの4つめのルールでは、トリックの難易度によって採点が異なります。簡単なトリックであれば高得点はもらえませんが、難易度が難しくなるほど高いポイントが獲得可能なルールです。
また、難しいトリックを決めつつ、空中技や回転などの多様性のある技も採点に大きく響きます。このルールはBMXフリースタイルの4種目に共通するルールです。
ルール⑤流れが崩れると減点
BMXフリースタイル種目は走っている流れが崩れてしまうと、減点の対象になってしまうルールがあります。BMXフリースタイルでは難易度が高い技を重視していますが、それと合わせて走る流れも重要なポイントです。
走っている時の流れは「フロー」とも呼ばれ、各プレイヤーは流れを崩さずに走ることを意識しています。パーク内で止まってしまったり、転んでしまったりすると減点されてしまうルールがあるので注意が必要です。
ルール⑥トリック・自転車のコントロールが重要
BMXフリースタイルの種目ルールでは、トリックや自転車のコントロールがとても重要。採点に大きく関わるポイントで、自転車のコントロールが高いと安定した走りが得点になりますよ。
難易度が高い技はトリックや自転車のコントローラーがかなり難しいので、上手くきまればかなりの点数が加算されます。こちらの採点方法は、BMXフリースタイルすべてのジャンルに適用されるルールです。
ルール⑦コースの使用率でも採点
BMXフリースタイル種目パークルでのルールは、コースをどれだけ使うかも採点基準になりますよ。コース全体の50%を使うのとコースを100%使いきるのでは、点数に大きな差が生じてしまいます。
コース内は広いので、難易度が高い技を決めつつもコースを広く使わなければいけません。コースの使用率に関するルールはパーク、ストリートに適用されます。
BMXフリースタイル基本的なトリック
種類①バースピン
自転車のハンドルを1回転させるストリートでよく使われるトリックです。BMXフリースタイルでは主に、パークやトラットランド、ストリートでも使われるトリックになります。重心は後ろにして片方の足はペダルに置き、もう片方の足はペグに置きます。
片方の腕でハンドルを手前に引き、もう片方の手でキャッチすればバースピンができますよ。BMXフリースタイルの採点ルールでは基礎的なトリックのため、ポイントがあまり高くはありません。
種類②テールウィップ
自転車を空中で横一回転させるトリックです。バニーホップという技で、空中に自転車ごとジャンプし空中で車体を回します。トリックの中でも割と難易度が高く、空中で自転車を回せてもうまくキャッチするのが難しいです。BMXフリースタイルの採点ルールではポイントが少しだけ高く、上級者がよく使うトリックになります。
種類③360(スリーシックスティー)
体と自転車を横に回転させる、少し難易度が高いトリックになります。BMXフリースタイルの採点ルールでは、高得点を取りやすいトリックです。回るための軸とジャンプする高さを出す為のしゃくりが重要になってきます。自転車を思い通りにコントロールできると比較的やりやすいトリックです。
種類④バックフリップ
後方宙返りで縦に一回転する、難易度が非常に高いトリックです。こちらのトリックもかなり難しく、主にパークで使用される技になります。バックフリップは空中で後方宙返りができるように高さを確保しなければいけません。失敗したらとても危険なので、BMXフリースタイルの採点ルールでは高得点に指定されています。
BMXフリースタイルの魅力
魅力①大迫力のあるトリックを楽しめる
BMXフリースタイルの魅力といったら、大迫力のあるトリックを楽しめることです。経験者でも難しいようなトリックを実際に見られますよ。
BMXフリースタイルに出場している日本人選手はレベルが高く、繰り出されるトリックは圧巻ですよ。BMXフリースタイルはルールがわかりにくいところもありますが、誰が見ても楽しめる魅力があります。
魅力②選手ごとに個性あるトリックを持っている
BMXフリースタイルは選手ごとに個性のあるトリックが見られます。オリジナリティのあるトリックも評価ポイントの対象となるため、選手ごとにさまざまなトリックを持ち合わせていますよ。一般的なスポーツ種目と比べて個性がとても強く出る競技でもありますね。
魅力③フリースタイルのジャンルによって自転車が異なる
BMXフリースタイルは種目によって、使われる自転車の使用が大きく異なります。フリースタイルのストリートジャンルでは、障害物や構造物をうまく使えるようにハンドルやフレームが強化されていますよ。
フリースタイルのフラットランドジャンルでは、舗装された床をスピンしたり一輪で走ることから、小回りや取り回ししやすいように小さめに作られています。
オリンピックでの会場や日程は?
会場は有明アーバンスポーツパーク
BMXフリースタイル種目のオリンピック会場は、有明アーバンスポーツパークになります。有明北区に設営されているスケートボード・ BMX パーク場で、主にアーバンスポーツを行う会場です。
アクセス情報としては、東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場駅」を下車して、徒歩8分ほどの場所になります。とても広いエリアなため道に迷わないように注意しましょう。
男女同じ日に開催
BMXフリースタイルの大会は男女とも同じ日に開催されます。2021年7月31日(土)の10:10~12:20分に予選大会が行われますよ。2021年8月1日(日)の10:10~12:50分にBMXフリースタイルの決勝戦が行われる予定です。
BMXフリースタイル注目選手
中村輪夢選手
BMXフリースタイルの世界大会「XGAMES」の準優勝記録がある注目の選手です。XGAMESで準優勝した時の年齢がなんと17歳で、大会史上最年少のメダリストとなりました。BMXフリースタイルのワールドカップでは、日本男子初優勝という記録も残しています。現在世界から注目されている日本の選手です。
大池水杜選手
2018年の9月に日本人初となるワールドカップ優勝を記録した女性ライダーです。さらに、競技のルールにある2本走行のうち、1本目で優勝が確定するほどの実力もあります。UCI(国際自転車競技連合)国際ランキング9位の記録もあり、2021年東京オリンピックの選手として選ばれました。
長迫吉拓選手
BMXレース種目を2大会連続出場経験があるオリンピック選手です。アジア大会では金メダルを獲得し、ワールドカップランキング12位と好成績を収めています。現在はオリンピックに向けて実家でのトレーニングを行っているとのこと。男子エリート強化指定A判定の選手でもあり、今後の活躍が期待されています。
畠山紗英選手
BMXレースの女性オリンピック代表選手です。自転車に乗り始めたのは2歳ととても若く、4歳でレースに初出場した経験もあります。BMXの年齢別世界選手権で優勝した記録もあり、世界からも注目されている選手となっていますよ。女性エリート強化指定A判定の選手で、今後大きく活躍されることが予想されています。
BMXフリースタイルを盛り上げよう!
BMXフリースタイルは奥が深い競技
BMXフリースタイルはかなり奥が深い競技です。1つの自転車がさまざまなジャンルやルールにのっとり、迫力のあるトリックを演出します。
また、若い世代の人たちが主に活躍している競技でもあり、日本選手は世界に通じる実力もあります。BMXフリースタイルを通して理解できる面白さや景色があるので、オリンピックではBMXフリースタイルの知識やルールを事前に予習しておきましょう。
BMX以外のオリンピックことについて気になる方はこちらの記事をチェック!
BMXフリースタイル以外のオリンピック種目やルールについて気になる方はこちらの記事をチェックしてみてください。カヌーやウィンドサーフィン、スポーツクライミング女子オリンピック新種目が増えています。
下の記事では、オリンピック新種目の説明やルールの解説など詳しく記載されているので、気になる方はチェックしてみてください。

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