水球のルールや基本知識を徹底解説!
水球とはプールの中で行うハンドボールのような球技で、足が着かないほど深いプールでお互いのゴールを狙います。プール内は視界が悪くなるため、まさに戦場のような激しさが魅力の1つです。
そんな水球ですが、おそらくほとんどの方は大まかなルールしか理解していないのではないでしょうか。この記事ではそんな水球のルールについて具体的に解説していきます。ルールを理解すれば水球観戦が非常に楽しくなりますよ。
水球とはどんなスポーツ?
水球とはどのようなスポーツなのか具体的に解説します。水球はほとんどの方にはなじみがない球技かもしれませんが、実は非常に激しいスポーツで、まさに格闘技のような球技ともいわれているのです。そんな水球とはどのような球技なのか具体的に解説します。
水球とは何をする競技なのか
水球は読んで字のごとく、プールの中でボールをやり取りし、ボールをゴールに入れて点を取り合う競技です。ただし、プールの中は足が着かないため陸地の競技のように踏ん張りが効きません。
選手はプールの中で立ち泳ぎをしながら、上半身は水上に出し、ボールを奪い合い鋭いパスワークを駆使してシュートします。
水中の格闘技といわれるほどハードな水球
水中はとても見通しが悪いので、レフェリーの目もなかなか届きません。特に男子の試合となると、水の中でかなりハードな接触もあります。そのため、水球はとてもファールが多いのです。水中の格闘技といわれるゆえんですね。
基本的な水球のルールと必要な知識
ここからは、1チームの人数、選手の見分け方や試合時間などの水球の基本的なルールや必要な知識について紹介していきます。水球初心者の方はぜひ参考にしてください。
水球のルール①プール内での移動法とボールの扱い
水球では、ゴールキーパー以外の選手はプールの底に足をつくことは禁止です。つまり、選手はプール内を泳いで移動しなければなりません。ただし、キーパーの特権もゴールから6メートル以内だけのこととなります。
また、ボールを両手で持つこと、拳で弾くことも禁止です。キャッチの時以外はボールは片手で持って移動しなければなりません。
水球のルール②チームの人数
水球は1チーム7人〜13人で、プールの中に入れるのは7人です。この中にゴールキーパーが1人います。7人対7人で戦い、相手チームのゴールにボールを入れることで点数が入ります。プールに入っていない6名の選手は交代要員です。
また、ベンチには監督、コーチ、オフィシャルの3名が入ることができます。
水球のルール③選手の見分け方
選手は男性の場合は基本的に上半身が裸ですので、他の競技のように、ユニフォームで見分けることはできません。そのため帽子の色と番号で選手を見分けるのです。そして番号ごとにそれぞれ役割が決まっています。
ここからはそんな番号ごとに割り振られている役割について解説するので参考にしてください。
ゴールキーパーは1番の赤色帽子
帽子の番号は1から13で、重複したり帽子を交換したりすることは基本的にはありません。しかし、ゴールキーパーとなるときだけは帽子の変更が可能です。基本的に帽子の色はボールと間違えないように、ボールと対照的な色が選ばれます。
また、帽子は試合中に脱げてしまわないように一般的な水泳帽子よりずっと脱げにくい仕様となっているため、初心者の方は違和感を覚えるかもしれません。
面白いのは13番
13番の選手の帽子は、チームのカラーか赤色のどちらかを選べます。ゴールキーパーの交代要員ならば赤の帽子をかぶっているのです。つまり、ベンチを見ればゴールキーパーの交代要員がいるのかどうか、一目でわかるルールとなっています。
水球のルール④試合時間
水球の試合時間は、8分を1ピリオドとし、全部で4ピリオドあります。1ピリオド目と2ピリオド目の間には2分間の休憩時間があります。2ピリオド目と3ピリオド目の間には3分間のハーフタイムがあり、この時にコートチェンジも行います。
また、3ピリオド目と4ピリオド目の間には2分間の休憩時間があります。
8分計の役割
試合の時間を計る時計を8分計といい、「8:00」から時間が減っていき「0:00」になるとブザーがなります。他の多くの競技と同じように正味時間となるため、得点を取った時やファールなどで試合が止まった時には時計も止まります。
そして、4ピリオド終わって同点の時は、延長戦が行われます。延長戦の時には1ピリオド3分で2ピリオド行われ、間には2分間の休憩があり、休憩後にはコート交代という流れです。それでも同点の時にはペナルティシュートアウトを行います。
ペナルティシュートアウト
第4ピリオドが終わっても同点の場合もしくは延長戦が終わっても同点の場合(大会によっては延長戦がないこともあります)、ペナルティシュートアウトを行います。
ペナルティシュートアウトはゴールキーパーと選ばれた5人のシューターで行われます。最初にシュートを行うチームはトスで決められ、シュートは両チーム交互に行うのですが、これはサッカーのPK戦と同じようなイメージです。
水球のルール⑤攻撃時間
水球のルールには30秒間という決められた攻撃時間があります。ボールを持ったチームは30秒以内にパスワークを駆使し、ゴールにシュートしなければなりません。それ以上持っていると相手ボールとなってしまいます。
30秒計の役割
8分計とは別に30秒計も用意されており、30秒経つとブザーがなります。ブザーの音はそれぞれ違う音なので間違うことはありません。
攻撃時間が30秒と短いため、パスワークで時間稼ぎをすることもできませんし、試合の最後まで攻撃の手を緩めることもできません。8分間全力で戦う水球はスピーディーで非常に熱いスポーツです。
オリンピックに限定適用されるルール
日本水泳連盟の規定では1チーム13人以下ですが、オリンピックでは最大11名です。交代要員は4人でゴールキーパーの交代要員はやはり赤い帽子をかぶらなければなりません。
国際大会の最高峰、オリンピックで交代要員が4名しかいないのはなかなかハードですよね。
水球のコートのラインやゴールについて
水球を行うコートの広さやラインの色、ゴールやボールなどについても知っていた方がより楽しめますし、ルールもわかりやすくなります。ここからは、コートの大きさやコートの中のラインやゴールについて説明するのでぜひ参考にしてください。
コートの広さ
水球のコートはバレーボールやサッカーなどと同じように長方形です。男子でゴールラインから反対のゴールラインまで30メートル、サイドラインから反対のサイドラインまで20メートルです。
女子ではゴールラインから反対ゴールラインまでが25メートルと少し短くなります。
コートの中のライン
水球のコートの中には中央にハーフライン(白)があり、ハーフラインの真ん中にセンターボール装置があります。
また、ゴールライン(白)より30センチ手前をバウンダリーライン(白)、2メートル手前に2メートルライン(赤)、5メートルライン(赤)、6メートルライン(黄)と色分けされているのです。
サイドラインゴールラインから2メートルラインまでは赤、2メートルラインから6メートルラインまでは黄色、そこからハーフラインまでは緑で色分けされています。
水球のゴール
ゴールは白で丈夫なバーでできており、ゴールラインの外側中央に浮いています。浮いていますが、両サイドからロープで固定されていますので、大きく動くことはありません。ゴールの高さは水面上0.9メートル、幅3メートルとなっており、全年齢同じです。
また、ゴールにはサッカーのように柔らかいネットが取り付けてあるため、ゴールしたボールがどこかに飛んでいくことはありません。
水球の得点方法について
ここからは水球の得点方法とその名称、それぞれのルールについて解説します。水球ではゴールしたら得点となるのは当然ですが、そのゴールのパターンがいくつもあるのです。
それぞれのルールを理解していると、より水球観戦がより楽しくなりますよ。
水球の基本的な得点方法
水球ではシュートしたボールがゴールラインを越えてゴールに入ったら得点が入ります。水球のルール上ゴール一回につき一点です。ただし、入ってもゴールラインを完全に超える前にキーパーがはじいたら、得点にはなりません。
また、水球のルールではコート内のどこからのシュートでも、入れば得点になります。しかし、両手で投げ入れたり、握り拳で打って入れたりした場合はファールとなるルールです。
スローによる得点方法
水球にはスローという選手が相手のゴールに向けてシュートするルールがあります。このスローを行うことでも得点に結びつくのです。ここからはそんなルールについて解説していくので参考にしてください。
ゴールスローのルール
水球では守り側のキーパーではない選手が触ったボールが、シュート以外でゴールラインを超えてしまった時に与えられるものです。2メートルライン内から行うルールで、シュートが決まったら一点が入ります。
コーナースローのルール
キーパーを含む守りの選手が触れたボールがシュート以外でゴールラインを超えたときに、ペナルティとしてコーナースローができるルールです。コーナースローのルールではこれはゴールスローと同様に2メートルラインのところから行われます。
また、コーナースローでは攻撃側の選手なら 誰でも行うことが可能です。
ニュートラルスローのルール
ニュートラルスローは最初のボールの位置が明らかに片方に寄っている場合や、オーディナリーファールだけれども、どちらのファールか不明な時に実施されるルールです。
また両チームの選手がエクスクルージョンファールを犯した時などでも行うルールとなっています。基本的に2メートルラインなどに移動することなく、ファールが起きた場所で行われるルールです。
フリースローのルール
ファールの時に与えられ、その時点でボールのある位置で行われます。2メートルライン内で守り側の選手がファールを犯した場合は、2メートルラインの上で行われるのが水球のルールです。
水球のファールについて
水球はルール上、ファールがとても多い競技です。ルールを知らないと、水球を観戦していてもいまいちルールがわからず面白味がありません。ここからは水球を楽しく観戦するための基本ルール、ファールについてご説明します。
オーディナリーファール
オーディナリーファールとは軽い反則のことです。これは水球のルール上ひとりの選手が何度取られたとしても、退水にはなりません。しかし、もちろんルール上ペナルティがありますので、水球を行っている選手は注意する必要があります。
オーディナリーファールが取られる場合
開始の笛より先にゴールラインから出たり、試合中に味方を援助したりした場合などに取られるルールです。水球のルール上怪我などの理由がなくプールサイドなどに捕まった時などにも取られます。
また、故意に水中にボールを沈める、ボールを保持していない相手を押した場合やボールより先に相手チームの2メートルライン内に入った場合、ボールがコートを出てしまった時もファールとなるルールです。
ゴールキーパーは例外
水球の競技中に握り拳でボールを打ったり、両手でボールを扱ったりすることは、基本的にはファールの対象です。キーパーは対象外ではありますが、6メートルラインを超えるとこのルールが適応されてしまうため、キーパーの動きに注目してみるのも面白いですよ。
その他のオーディナリーファール
ペナルティスローをその試合のルール以外の方法で行うことや、フリースロー、ゴールスローなどを不当に遅らせた場合、30秒ルールを破ったときにもファールとなります。つまり、水球には時間稼ぎをした場合はファールを取られるというルールなのです。
パーソナルファールは二種類
パーソナルファールはエクスクルージョンファールとペナルティファールに分けられます。いずれも水球のルール上、試合の進行を妨害した際のファールです。
パーソナルファールは重いファールで、ひとりの選手が1試合に3回行うと、この試合では永久退場(永退)となることもあります。場合によっては一回で永退になることもあるため、試合中には最も注意しなければなりません。
エクスクルージョンファールが取られる時
事故や怪我などの特別な理由や許可がなく離水したり、プールの昇降段にいたり、故意に相手の顔に水をかけた時、各スローに対して、投げる前に妨害した時などもルール上、このファールに該当します。このあたりはバスケなどのルールに似ていますね。
ペナルティファールのルール
ペナルティファールは6メートルライン内で、それがなければ得点しただろうと思われる時に取られるルールです。簡単に説明すると、シュートする際に悪質な妨害行為を行った際に該当します。
具体的にどのようなファールなのか解説するので参考にしてください。
ペナルティファールが取られるとき
具体的には相手選手がゴールを故意に移動させたり引き下げたりして、シュートを妨害したときに取られるルールがペナルティファールです。またボールを持っていないチームの監督などが点を取られないようタイムアウトを求めた時なども取られるルールとなっています。
ブルータリティ
これは悪意を持って殴るけるなどの暴力行為を行い、相手選手にけがをさせてしまった場合などにとられ、水球のルール上最も重いファールとなっています。いくら水中の格闘技と呼ばれる水球ですが、暴力行為はいかなる時も絶対禁止です。
ルールを理解して迫力ある水球を観戦しよう
水球は基本的なルールを知って観戦するととても見応えのある競技です。スピーディーでおそらく観戦中は選手と同様に休憩する間がないのではないでしょうか。
ルール上ファールが多く厳しいですが、男子はもちろん、女子のプレーも水中の格闘技といわれるだけあってかなりの迫力です。ぜひ水球を観戦しその迫力を間近に感じてみてはいかがでしょうか。
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今回はプールで行う水球のルールに関して解説しましたが、プールの魅力は水球だけではありません。屋内プールは一年中、屋外のプールは夏に老若男女問わず多くの方が訪れ、気軽に身体を動かして楽しみます。
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