モリンガの栽培方法
栽培方法①気温の暖かい時期に栽培
モリンガはインドや南アフリカなど気温が50度に達する熱帯の国に自生するため、寒冷耐性が低い植物です。暖かく温暖な季節に栽培を始めるようにしてください。土の乾燥や高温に強い植物なので、日当たりのよい場所が理想的とされています。
モリンガの栽培時期は、梅雨前から九月頃までの数か月です。種植えは五月の頭くらいがベストで、ゴールデンウィーク開けを目安に植えるようにしてください。モリンガの土壌に特別な肥料は不要ですが、有機肥料を使うのが一般的です。
栽培方法②種の植え方
モリンガ
モリンガの種は、インターネット通販サイトやモリンガ栽培農家を経由することで入手できます。種を購入したら、最低温度が20度を下回らない日に、湿らせた育苗ポットに深さ1cmから2cm程のところに埋めてください。プランターに植え替えて栽培する場合、底が深い物を準備します。
モリンガの種の発芽推奨温度は20度以上です。一週間から二週間ほどで7割から8割程度が芽を出します。一日の気温が20度を下回る時期に種を植えても発芽しないので注意が必要です。
栽培方法③植え替え
発芽したモリンガの芽が3cmほど伸びてきたら、畑に植えるか大きめの植木鉢で栽培してください。畑に植える場合、モリンガ同士の間隔は30cmから50cm空けるようにします。この時、根が傷つかないように注意が必要です。高く畝を掘ってシートを張るのを忘れないようにしてください。
植木鉢でモリンガを栽培する場合、一、二本が理想的な数です。根が縦に伸びながら成長するので、鉢底の深い植木鉢を選んで栽培します。
栽培方法④正しい水やり
モリンガは元々インドと南アフリカが原産で、高温や干ばつに非常に強い植物です。乾燥に耐性があるため、水やりは一日に一回で十分とされています。水をやりすぎてしまうと根腐れの原因になるため注意が必要です。栽培時は、土の水はけを良好に保つように気をつけます。
水やりのタイミングは、土の表面が完全に乾燥しきった時に行います。土が湿るまで十分な水を与えてください。また、モリンガは基本的に越冬中の水やりは必要のない植物です。
栽培方法⑤モリンガの越冬
モリンガは気温が10度を下回る環境で落葉しますが、多年草のため越冬すれば翌年栽培できます。低温に弱く、気温が5度以下になると越冬が難しい植物なので、温度管理は重要なポイントです。鉢植えやプランターの場合は倉庫や車庫、室内に移動させて気温に注意を払ってください。
畑のモリンガの場合、地上から10cm程度の高さに切り、周辺にもみ殻や藁を詰めて上からマルチビニールを被せるなどの対策を取るのがおすすめです。
越冬時の注意点
雪や雹、長雨にさらされるとせっかく育てたモリンガの葉が枯れてしまいます。そのため、長雨の時期や強風の日はモリンガにビニール袋をかぶせるなど対策が必要です。冬になると、気温の管理がモリンガ栽培にとって重要になります。
畑で外気5度以上の管理が難しい場合は、暖房で温度を調節できる室内にモリンガを移動させた方が安全に越冬可能です。また、冬場に室内や車庫、軒下にモリンガを移動できない場合には、一年ごとに植え替えることを念頭に入れて栽培してください。
栽培方法⑥モリンガの収穫
モリンガの葉は食用として収穫します。収穫の際に道具は必要なく、素手で簡単に摘み取れるので安心です。葉の収穫はモリンガが1.5mから2m程に成長した時期が最適で、種まき後100日を越えた時期が目安になります。
モリンガの葉は約一か月ごとに収穫可能です。料理に使う生葉を保存する際は、容器に密閉して冷蔵庫保管で約一週間、冷凍庫では三か月程度持ちます。葉を乾燥させれば二年間長持ちするため、長期保存する場合は収穫後すぐ洗浄し、乾燥させてください。
モリンガの特徴
モリンガはワサビノキ属ワサビノキ科の植物で、正式名称は「モリンガオレイフェラ」と言います。北インド地方が原産で、歴史は紀元前2500年に遡る植物です。主にインド、東南アジアを中心に栽培されていましたが、高い実用性と栄養価が注目され、現在は世界各地で栽培されています。
「生命の木」や「ミラクルツリー」 と呼ばれ、古来から親しまれる植物がモリンガです。食用としてだけでなく、種、枝、葉、花、根の全てが価値の高い、万能植物として認知されています。
モリンガの特徴①浄化作用
モリンガの種子成分には水質浄化作用があり、汚染水を改善して環境に貢献することが明らかになっています。ポイントは、種子成分に含まれる脱脂物です。脱脂物を汚染水に加えると、不純物が沈殿し透明感のある澄んだ水にろ過されます。
水中の土砂や微生物もフロックで固まるため、ろ過された水を飲むことが可能です。モリンガの水質浄化作用を利用すれば、湖や池などで増殖するアオコ(植物プランクトン)も浮き上がらせ、除去が簡単にできます。
モリンガの特徴②温暖化防止
モリンガが地球温暖化対策に有効と言われている理由は、モリンガに通常の植物の約20倍から50倍もの二酸化炭素を吸収できる特徴があるからです。
だいたい一世帯当たりの年間CO2排出量は約6,500kgとされていますが、それだけのCO2を吸収するためには、杉の木に換算すると約450本必要になります。しかし、モリンガの場合はわずか26本で同じ量のCO2が吸収可能です。この吸収量を活かし、環境保全と温暖化対策にモリンガを植林する活動が始まっています。
モリンガに含まれる栄養素
モリンガはスーパーフードと呼ばれる栄養満点の植物です。90種類以上の栄養素を含有し、栽培して葉を食べる以外にサプリメントで販売されたり、化粧品の成分としても利用されています。
46種類以上の抗酸化物質をバランス良く含んでいる他、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、たんぱく質、食物繊維など、人間に必要な栄養素のほとんどがモリンガ摂取で補えるのが特徴です。モリンガは「地球上でもっとも高い栄養素を持つ植物」と称され、話題になっています。
モリンガの有能性①300種類の薬効と栄養素
モリンガには便秘解消やデトックスに有効な食物繊維、スタミナ向上や疲労回復効果のあるアミノ酸が発芽玄米の8倍含まれるほか、免疫力アップに効果的なビタミンAやビタミンEといった不足がちな栄養素がたっぷり含まれています。
また、通常人間の体内で生成できない必須アミノ酸9種類をすべて含有しているのが長所です。研究結果では、抗アレルギー作用や抗酸化作用、血糖値低下効果や高血圧に効果があることも分かっています。
モリンガの有能性②肌に良い美容成分
モリンガボタニカルズ ピュアフェイスオイル 30ml
モリンガは美容によいポリフェノールが含有されています。モリンガパウダーやモリンガ茶は美容と健康に効果的で、化学肥料や農薬不使用の製品が人気です。
また、モリンガオイルは素肌や髪に使用すると高い保湿力で潤いを保ちます。アンチエイジングに効果的なモリンガオイルは、モリンガの種子から抽出される天然成分です。モリンガの成分は、美容オイルやハンドクリームなど豊富な製品に利用されており、美容に関心のある人たちから注目されています。
モリンガの有効性③化学肥料不使用のパウダー
モリンガパウダー
美容成分や栄養価が高いモリンガですが、モリンガの成分は粉末パウダーとして通販で販売されています。このモリンガパウダーは水やお湯に溶かして飲んだり、パウダーを料理やお菓子に入れて普段の食事に摂り入れる食品です。不足しがちな栄養を簡単に摂取できるので、健康志向の方に人気があります。
モリンガに興味があるけれど栽培できない環境の方には、化学肥料や農薬不使用のモリンガ製品の購入がおすすめです。
モリンガを簡単に育てる方法
モリンガ栽培キットが初心者におすすめ
モリンガ栽培には簡単に育てられるモリンガ栽培キットがおすすめです。モリンガ栽培キットはいくつか種類がありますが、通販サイトで購入できます。キットの内容には、モリンガの種とジフィーポットが含まれています。
モリンガを家庭で簡単に栽培したい方や、初めて栽培に挑戦する方はキットでモリンガを育ててみてはいかがでしょうか。キット価格は780円から1000円程度です。(当記事の内容は2021年6月22日時点の情報を元に作成しています)
「モリンガ」が簡単に育てられる栽培キット!
発芽後はプランターへ植え替える
モリンガ栽培キットでモリンガを発芽させて5cmほど成長したら、大き目の植木鉢やプランターで簡単に栽培できます。プランターに植え替えたら、家庭菜園やベランダでもモリンガを栽培できるのでおすすめです。畑に植えるより管理が簡単になります。
モリンガは葉を摘み取って薬味にしたり、サラダにして食べられる食材です。また、卵焼きや野菜炒め、お菓子などの焼き料理に使えます。アイディア次第でいろいろな料理に活用できるのが魅力です。
まとめ
モリンガは植木鉢やプランターを使えば家庭でも簡単に栽培できる栄養価の高い植物です。栽培キットが販売されているので、初心者でも手軽に栽培にチャレンジできます。プランターや鉢に植え替える時は底が深いものを選び、土に有機肥料をまきます。気温が20度を下回らない時期に植えてください。
また、冬場の気温管理に成功すれば越冬して翌年も葉を収穫できるので、毎年モリンガを栽培できます。この機会にぜひ、家庭菜園でモリンガを栽培してみてはいかがでしょうか。
モリンガが気になる方はこちらもチェック!
モリンガは家庭菜園で育てられるスーパーフードですが、モリンガと一緒に他の野菜や植物を育てれば、さらに充実した園芸ライフが送れます。家庭菜園で育つ植物が気になる方はぜひ、リンク先の記事もチェックして栽培に挑戦してみてくださいね。
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引用:pixabay.com