四国・高知を流れる清流四万十川はどんな川
四万十(しまんと)川の源流は、四国山地・津野町の不入(いらず)山の中です。源流から河口までは直線距離で60㎞ほどですが、川の長さは196㎞もあって四国の川では最長になります。
途中で激しく曲がりくねった結果の川の長さで、だからこその絶景の宝庫でもあります。源流から南下して四万十町で太平洋から8㎞ほどのところまで(上流域)来ますが、そこで反転して愛媛県境近くまで北上(中流域)、支流を集めながら再び南下して四万十市で太平洋に(下流域)至ります。※この記事は2021年6月の情報によります。
自然が豊かな流域を自然に流れる清流で川遊び
四万十川の本流には取水堰はあっても大きなダムはありせん。河道の変更工事も最低限で、そこが日本最後の清流といわれる理由なのでしょう。
四万十川に住む生物は多彩で、アユやウナギなど魚だけで150種類以上ともいわれます。こういった魚介類で生計を立てる川漁師が存在することからも、その豊かさがわかります。もちろん観光資源も豊かで、カヌーや釣りなどの川遊びスポットもたくさんあります。
四万十川の名物・沈下橋ってどんな橋?
四万十川について語る時、必ずと言っていいほど話題になるのが「沈下橋」です。オールコンクリート製で、橋脚と橋桁だけの独特の構造を持っています。川が増水すれば水没しますが、通常は水面から3ⅿ前後の低い橋です。
手すり、欄干がない簡単な構造で、水の圧力をかわして流されにくいのが大きな特長。全国で400本ほどあり、四万十川には本流だけで22本、支流も入れると60本余りと特に多い地域なのです。
どの沈下橋でも飛び込みできるわけではない
沈下橋といえば、子供が橋から飛び込みしている場面でおなじみです。でも、どの沈下橋でもあの風景がみられるわけではありません。流れが早かったり水流が複雑、水深が浅すぎるなどで、飛び込みが危険な沈下橋が多いのです。
それに湧水が多い場所は水温が低く、うっかり飛び込むと足が痙攣して溺れることもあります。飛び込みができる沈下橋は以下の通りですが、もし飛び込みする場合は、必ずライフジャケットをつけてください。
名称 | 所在地 |
一斗俵沈下橋 | 四万十町一斗俵 |
三里沈下橋 | 四万十市三里1446 |
長生沈下橋 | 四万十市西土佐長生 |
四万十川で川遊び・下流域のスポット5選
四万十川の流域の特徴を大きく分けると、源流から太平洋の方向へ南下する上流域、海の直前で北西方向に向きを変える中流域、再び南下して河口までの下流域の3つになります。
それぞれに川遊びスポットが豊富で、子供から大人までが楽しめる川遊び場がたくさん見つかります。スノーケリングや小魚探し、カヌーなどの楽しい川遊びスポットを紹介していきましょう。
四万十川の下流域で川遊び体験①レンタサイクル
四万十川へ行ったら、まず自転車で四万十市の河口あたりを走ってみましょう。平坦部で川幅も広く、雄大な四万十川に沿って走ることで、四万十川を肌で感じてください。
現地の四万十市観光協会にレンタサイクルがあります。体力に自信がなくても大丈夫。電動アシスト付き自転車ならペダルが軽く、意外に遠くまで楽に走ることができるでしょう。
身軽な自転車に乗って四万十川の風を体感
レンタルの自転車は電動が5時間まで2,000円、通常型が1,000円という安い料金です。どこを見て回るかは、出発前にマップで詳しく案内してもらえます。それを参考に、自分の好きな観光スポットを自由に選びましょう。
四万十市街の周辺エリアでは、トンボ自然公園や安並水車群などの観光スポットがたくさんあります。通常型なら24時間1,500円のプランがあり、指定区間内の拠点で乗り捨てが可能です。
四万十観光協会
- 住所〒787-0014
高知県四万十市駅前町8-3 - 公式サイトURLhttps://www.shimanto-kankou.com/
四万十川の下流域で川遊び体験②最長の沈下橋など
四万十川にかかる沈下橋で最も下流にあるのが佐田沈下橋で、全長291ⅿもある最も長い沈下橋でもあります。四万十市街からレンタサイクルで40分と手頃な距離で知名度も高く、シーズン中は観光客が絶えない人気の沈下橋です。
ここの魅力を味わうには、橋を歩いて渡ってみることでしょう。水面から3mほどのコンクリートの上を歩くので、川の上を歩く感が新鮮です。手すりなどが全くないのでストレートに流れが見え、スリル感も味わえます。
佐田沈下橋から四万十川の絶景を楽しもう
佐田沈下橋は四万十市街地の少し上流にあり、そこには緑が豊かな自然があふれます。河口に近い下流域で流れも緩やかで、ゆったりと流れる透明な川と緑の木々とのコントラストが鮮やかです。
四万十川のきれいな景色を撮るには最高の撮影スポットでもあります。思う存分にきれいな景色を切り取ってください。ただしこの橋は生活道路なので、地元の人や車が通ります。観光客の車も多いので、特に自転車で行く人は注意してください。駐車場は県道340号側の堤防上にあります。
佐田沈下橋
URLは四万十市観光協会のHPです
- 住所〒787-1106
高知県四万十市佐田 - 公式サイトURLhttps://www.shimanto-kankou.com/kanko/shimanto-river/shimantoriver.html
四万十川の下流域で川遊び体験③屋形船で優雅に遊ぼう
四万十川ではカヌーや泳ぐなど川遊びはいろいろで、最も優雅な川遊びは屋形船でしょう。四万十川では観光用に屋形船が運行しています。下流域での運行会社は4社ほどあり、発着場所やコースは少しずつ違いますが、おおむね1時間ほどの川遊びコースです。
そのうちの1社、佐田沈下橋のたもとを発着する「さこや」のコースは、下流の佐田沈下橋から始まり上流の三里沈下橋を通過、浅瀬や淵などさまざまに変化する四万十川の風景を楽しみます。目の前の川面からは川の匂いが実感できるでしょう。
体験付きで楽しい屋形船での川遊び
屋形船に乗ってきれいな景色を楽しむだけでも満足できますが、船ならではの川遊びも付いてきます。船はエンジン付きですが、流れの緩いところは船頭さんが魯(ろ)を使っての手漕ぎです。さらに、乗客の手漕ぎ体験という楽しい企画もあります。
そして、川漁のポイントにくると、船頭さんが投網を使う実演もあります。魚が獲れたら船内で焼いて食べさせてくれるおまけ付き。定期便の他に川エビ採り体験、ホタル見物や宴会などの川遊びチャーター便も実施中です。駐車場は乗り場にあります。
屋形船さこや
- 住所〒787-1106
高知県四万十市佐田492-1 - 公式サイトURLhttp://shimanto-salkoya.moo.jp/
四万十川の下流域で川遊び体験④帆掛け舟で川風を体感
四万十川では、今ではすっかり珍しくなった和式帆船も運行しています。昭和初期まで貨物を積んで四万十川を往来していた帆掛け舟に、実際に乗ることができるのです。
市街地から4㎞程上流の四万十市入田から佐田沈下橋の間を、約50分ほどで往復します。片道は風が動力なので、きれいな川面を静かに滑る帆掛け舟は優雅そのものです。ゆっくりと動いていく両岸を眺めながら、自然との一体感を楽しんでください。
帆掛け舟の川遊びでは魯の手漕ぎ体験もあり
四万十川流域で舟母(せんば)と呼ぶ帆舟は、和式帆船なので風に向かって進むことはできません。手漕ぎ用の櫓も備えていて、逆風の場合は櫓またはエンジンで航行します。観光客も希望すれば櫓を使って舟を漕ぐ体験が可能です。
料金は2,500円ですが、現代では見ることもできない和式帆船での川遊びなら、決して高くはないでしょう。風に吹かれて四万十川を走ると、手が届く水面に本物の清流が体験できるはずです。駐車場は乗り場にあります。
舟母浪漫・松廣屋
- 住所〒787-0020
高知県四万十市入田16 - 電話番号0880-34-8911
四万十川の下流域で川遊び体験➄かわらっこ
かわらっこは四万十の自然を体験できる施設で、キャンプ場が併設されています。流れが緩やかで広い河原があるという、川遊びには最適な立地です。川遊びのメニューが豊富なので、日帰りよりも一泊するのをおすすめします。
ここの川遊びで口コミなどで高評価なのは、インストラクター付きで子供も楽しめるカヌー体験、沈下橋をくぐるカヌーツーリングなど。川の小魚を探すスノーケリングも子供に人気です。
豪快に川を下るラフティングで川遊び
大人の川遊びなら、大型のゴムボートで川を下るラフティングが人気です。本格的な激流ではありませんが、水しぶきを浴びてパドルを操る川下りは、日頃のストレスが発散できる楽しい川遊びです。5歳以上なら子供も乗れます。
さらに、2021年度7月からはSUPが導入予定です。一人乗りの他2~3人乗りのタンデム、7人乗りのメガSUPなどが登場します。川遊びのメニューがさらに充実するこの施設では、ゆっくりできるキャンプとセットがおすすめです。
かわらっこ
- 住所〒787-1229
高知県四万十市田出ノ川24 - 公式サイトURLhttps://www.kawarakko.com/
四万十川で川遊び・中上流域のスポット4選
次は四万十川の中流・上流域の川遊びスポットを紹介しましょう。愛媛県からくる大きな支流広見川の合流点から四万十町の佐賀取水堰までが中流域で、そこから源流までが上流域になります。
中流域でも住所はまだ四万十市で、続いて四万十町に住所が変わりそのまま上流域に入ります。源流近くで中土佐町を通り津野町で終わりです。全長196㎞の大半が四万十がつく住所というのも珍しい川でしょう。
四万十川の中・上流域で川遊び体験①川の駅カヌー館
四万十川の駅・カヌー館はJR江川崎駅から車で3分、中流域と下流域の境目にあります。四万十川の支流では最も水量の多い広見川と合流して、大河らしい風格が出てくるエリアです。
カヌー館ではカヌーやラフトに乗って川を下ったり、岩からジャンプしたり泳ぐなどの川遊びがメインです。敷地内にはキャンプ場が併設され、さらにログハウス、エアコン付きバンガロー、一戸貸しの古民家など充実した宿泊施設がもあります。せっかくなので一泊二日の川遊びがおすすめです。
カヌー館の川遊びでは子供も大人も大満足
カヌー館でできる川遊びでは、いくつものコースで体験できるのが特長です。「ちょっと乗ってみる」体験もありますが、午前レクチャーで午後から8㎞のツアーという本格的なカヌースクールもあります。
そして、子供のいる家族連れなら、ゴムボートでの川下りがいいでしょう。ラフティングほどハードではなく、流れの緩い場所で泳いだり浅瀬で水遊びといった2.5時間ほどの川遊びコースです。また、一人でも家族でも気軽に乗れる、ボート風オープンカヌーも人気を集めます。
川の駅カヌー館
- 住所〒787-1603
高知県四万十市西土佐用井1111-11 - 公式サイトURLhttps://www.canoekan.com/index.html
四万十川の中・上流域で川遊び体験②ふるさと交流センター
中流域の四万十川は、JR予土線の江川崎から窪川までの線路と並行、住所は四万十市から途中の十川(とおかわ)駅で四万十町に変わります。その四万十町昭和にあるのが川遊び公園ふるさと交流センターです。
周辺は四万十川の蛇行が最も大きいエリアで、川が何本もあるような錯覚に陥りそうです。キャンプ場が併設され、レンタル用具があるので手ぶらで行けます。施設近くは河原があって流れも緩やかなので、小さい子供連れでも岩陰の溜まりで川遊びができるでしょう。
交流センターに用意された川遊びがとにかく楽しい
川遊び公園・ふるさと交流センターには、ラフティングやカヌー、レンタサイクルがあって、四万十川の流れを直接体験できます。一番人気のラフティングは、定員5名にガイドがつきます。
コースは約1.5時間で、中流域ともなると岩場や急流の瀬などスリリングな場面もあり、瀞場では大岩からのジャンプにも挑戦しましょう。カヌーは一人用と二人用があり、持ち込みも可。レンタサイクルでの周辺4本の沈下橋周遊もおすすめで、2時間450円と格安で利用できます。
ふるさと交流センター
- 住所〒786-0511
高知県高岡郡四万十町昭和671-2 - 公式サイトURLhttp://shimanto-town.net/kawaasobi/index.html
四万十川の中・上流域で川遊び体験③一斗俵沈下橋
一斗俵(いっとひょう)沈下橋は昭和10年(1035年)に竣工し、四万十川に現存する最古の沈下橋です。上流域なのでさすがの四万十川も川幅が狭く、橋の全長は60.6m、幅は2.0mしかありません。小型車がやっと通れる幅ですが、老朽化のため車は通れず人道橋になっています。
周囲の景観にマッチしたたたずまいから、国の重要有形文化財に指定されました。近くに新しい橋ができたので、一斗俵沈下橋は地域のランドマーク兼子供の川遊び場として親しまれています。
農村の原風景の中で沈下橋から飛び込む川遊び
一斗俵沈下橋の少し下流には農業用水の取水堰があり、川は鏡のような水面です。この橋は数少ない飛び込める沈下橋の一つなので、映像でよく見る飛び込みを体験しましょう。ライフジャケットを着けていれば危険性はありません。夏休みには近所の川ガキが集まる川遊びの場所です。
一斗俵沈下橋の近くには数台停められる駐車場があります。また、下流の堰周辺には河原があって、ここでバーベキューやキャンプも可能です。ただし、堰付近で泳ぐのは水流が複雑なのでやめておきましょう。
一斗俵沈下橋
URLは四万十町役場のHP
- 住所〒786-0094
高知県高岡郡四万十町壱斗俵 - 公式サイトURLhttps://www.town.shimanto.lg.jp/outer/kanko/rekishi01.php
四万十川の中・上流域で川遊び体験④天満宮前キャンプ場
天満宮前キャンプ場は、四万十川の源流がある津野町の隣町・中土佐町にあります。ここまで来るとさすがの川幅も狭くなり、川遊びができる場所としては最上流です。青く澄んだ透明で穏やかな流れは、まさに清流そのものと言えます。
そこにある天満宮前キャンプ場は、駐車場、トイレ、シャワー付きで300円という激安料金です。四万十川はすぐ前なので、カヌーで川遊びもできます。予約は必要なく、テントサイトの空いたエリアを使ってください。
小さい子供も川遊びできる最上流のスポット
天満宮前キャンプ場の前は、水量も多くなく深みはありません。スノーケリングで水中を覗くと、いろんな魚が泳いでいるのが見えるでしょう。防水仕様のスマホなら動画撮影も試してみてください。ただ、下流は深みがあるので要注意です。
天満宮前キャンプ場
電話番号は管理受託の「天満宮前の川辺を愛する会」のものです
- 住所〒789-1404
高知県高岡郡中土佐町大野見奈路 - 電話番号090-9287-0984
川遊びポイントと絶景が続く大河・四万十川
四万十川で川遊びができるポイントを紹介しました。この記事で紹介できたのは9ヵ所でしたが、実際にはまだまだあります。何といっても196㎞もある清流なので、川遊びの場所も豊富です。紹介しきれなかった部分は、各観光協会や自治体が編集したマップを参照してください。
四万十川川遊びマップ
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