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【意外と簡単】ミニ盆栽の作り方講座!基本的な方法や初心者に人気の植物もご紹介!

ミニ盆栽の作り方は難しそうですが意外に簡単で、ひと口に言えば「小さな鉢に小さな苗木を植えるだけ」。肝はコンパクトに仕上げる剪定と幹の造形にあり、ミニ盆栽の醍醐味といえるでしょう。小宇宙を感じられるミニ盆栽の作り方をご紹介するので、ぜひ挑戦してみませんか。
2021年6月17日
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目次

自然を小さく再現した「盆栽」

出典:ライター撮影

古くから親しまれてきた日本文化の盆栽は、自然の風景を植木鉢という小さな空間に再現し、樹形の他に枝・葉・幹・根などの姿や形、色などを楽しむもの。「生きている芸術作品」と表現する人もおり、好みで独特な自然の世界を作れるのが魅力です。

ある程度作りこまれたものを購入して育てるのもよいですが、好みの植物や鉢を買ってきて一から作ると、より愛着が生まれることでしょう。その場合は初心者でも簡単な作り方の「ミニ盆栽」がおすすめです。(この記事は2021年6月14日時点の情報です)

「生きている芸術作品」の理由

出典:ライター撮影

盆栽は単に小さな鉢に植物を植えるだけではなく、「剪定」や「針金掛け」によって樹形を変えることに楽しみがあります。「針金掛け」という技巧は、針金で幹や枝を固定したり曲げたりする作り方です。

盆栽の上級者は、石に根を這わせたり石をつかむようにしたりする作り方を採用し、より自然の状態を再現しています。この点が「生きている芸術作品」といわれる理由で、植木とは異なる盆栽の魅力なのです。

幹の造形の種類

盆栽の主な造形の種類は、幹を真っすぐ(直幹)にする他に、針金で曲げる作り方(模様木・斜幹・吹き流し・懸崖・蟠幹・箒立ちなど)があるのです。いろいろな形に幹を曲げることで、風雪などの厳しい自然に耐えた樹木の姿を表現できる作り方といえます。

直幹以外の作り方は、まず幹に針金をぐるぐる巻きます。次に幹を"模様木"や"斜幹"などの好みの形に、慎重に折らないように曲げます。幹に巻き付けた針金は、樹形が安定するまでの一年ほど放置してから取ります。

盆栽のサイズ

出典:ライター撮影

盆栽はサイズによって次の2種類に分けられます。樹高が20センチメートル以下のものを「小品盆栽」といい、さらに小さい樹高の10センチメートル以下のものが「ミニ盆栽」です。

盆栽は元々コンパクトですが、ミニ盆栽は小品盆栽よりもさらにコンパクトに楽しめる種類の作り方です。棚の上や窓辺などのほんの小さなスペースでも、コンパクトサイズの盆栽だからこそ小さな世界を楽しめるのが魅力の作り方といえます。

ミニ盆栽の基本的な作り方

作り方①道具などを準備する

出典:ライター撮影

作り方の最初の大切なポイントとして、ミニ盆栽に必要なものを準備してください。まず、植物・植木鉢・用土・鉢底ネット・針金・剪定ばさみ・ピンセットの7つを用意します。植物の種類はお好みでOKですが、初心者におすすめは常緑針葉樹の「五葉松」です。

アカマツやクロマツは成長期に芽切りが必要ですが、五葉松は成長が遅いので芽切りの回数が減らせます。サツキ・ツツジ・サンザシ・萩などの他に、サクランボ・紅紫檀・クチナシなどの果実が成る樹木も人気です。

植木鉢の選び方:デザイン

ミニ盆栽の作り方で大切なポイントは植木鉢も挙げられます。植木鉢は樹木の種類で選びます。葉や花、実の色に合わせて鉢の色を合わせるとセンスのよいミニ盆栽に。こだわる人はテーマを決め、作り込みたい世界が表現できるデザインの鉢を選ぶのもよいでしょう。

市販の盆栽鉢は渋いものが多いので、明るいニュアンスが好きな人は盆栽鉢でなくても構いません。100円ショップで可愛い湯飲み茶わんを購入し、専用ドリルで鉢穴と通風溝を作るというこだわりの人もいます。

植木鉢の選び方:サイズ


植木鉢はデザイン性も大切ですが、植木鉢の形やサイズもミニ盆栽の作り方では重要なポイントです。これから成長していく苗木の高さや枝ぶりも考える必要があります。植木鉢が浅いものは苗木が不安定になるため、ミニ盆栽初心者は少し深さのあるものがおすすめです。

コンパクトに仕上げるなら小さめの鉢での作り方でもよいですが、樹高があると安定感がなくなりひっくり返ります。鉢の大きさや深さなどのサイズを検討することは、ミニ盆栽の作り方の大切な要素なのです。

作り方②鉢底のネットの準備

出典:ライター撮影

作り方の2つめのポイントは鉢底の準備です。準備した鉢の底穴に適当なサイズにカットしたネットを敷きます。U字にした針金をネットに通して鉢穴から出し、先端をひねってネットを固定してください。

こうすることで鉢穴から用土がこぼれるのを防げる作り方となっています。ミニ盆栽に限らず鉢植え全般の基本的な作り方なので、ぜひ覚えておいてくださいね。

作り方③苗木の根元に針金を巻く

出典:ライター撮影

苗木の根元に針金を巻く作業は、肝となるミニ盆栽の作り方です。15センチメートルほどの針金を根元に挿してくるくると巻いて固定させます。もう一方の針金の先端は鉢の底穴から出し、鉢に用土を入れます。

針金を巻いたことで、ある程度まで成長すると苗木の形を好きな方向に曲げられるのです。直幹もよいですが、幹の形を変化させた方法もぜひ試して見ましょう。

作り方④鉢に用土を入れる

作り方の4つめのポイントは、ミニ盆栽を鉢植えするときの用土です。赤玉と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものや、桐生砂と赤玉土の半々でもよいです。ミニ盆栽初心者は扱いやすい市販品の盆栽用の用土がおすすめです。

用土を鉢の1/3ほどまで入れてから、苗木を鉢の中心に置きます。あとは用土を苗木の株元から、鉢の縁から1センチメートルほどまで入れてください。指で軽く土を抑えながら苗木を安定させます。仕上げに水をたっぷり与えて完成です。

作り方⑤土に苔を貼る

出典:ライター撮影

ミニ盆栽の作り方は、土の表面に苔を貼る方法もあります。苔を貼ることで美しくなり、表土も乾きにくくなります。しかし苔が貼ってあるゆえに乾燥具合が分かりにくいという欠点もあるのです。その場合は水苔を指で押して水分をチェックしましょう。

苔を貼ったミニ盆栽の作り方は、市販の苔か石などに貼りついている苔を採取し、表土にすき間なく貼るだけです。苔を貼ることでミニ盆栽の表情が変わるので、ぜひこの作り方もお試しください。

作り方⑥幹を造形する

出典:ライター撮影

枝が生長してきてからの作業ですが、ミニ盆栽の作り方の4つめのポイントは幹の造形です。初心者は幹の造形は基本的な「直幹」にするのがおすすめですが、苗や鉢がいくつもあれば直幹以外にいろいろな作り方を試してみるのもよいかもしれません。注意点として、針金を巻いてから幹を曲げる際は、幹を折らないように丁寧に扱いましょう。

盆栽が楽しくなってきたら、幹に針金を巻いて曲げるだけではなく、石に這わせたり石をつかむようにしたりする作り方も試してみましょう。

苔玉でのミニ盆栽の作り方

ミニ盆栽は植木鉢ではなく、苔玉での作り方も昔から人気があります。苔玉の作り方は、ケト土と赤玉土を使い、さらに水苔の残りかすと水を混ぜて作ります。耳たぶほどに固まったらテニスボールサイズにし、苗木を入れる穴を指で作ります。

苗木を入れたボールの表面には、苔をすき間なく貼り付けます。鉢底ネットの上に土を乗せたお皿を準備しておき、苗木を埋めた苔玉を置いて完成です。苗木は2~3種類の寄せ植えにしても素敵です。ちなみに苔玉は市販品もあります。

作り方⑦ミニ盆栽の水やり

出典:ライター撮影


園芸植物への基本的な水やりのタイミングは、「表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るほどにたっぷり与える」ことです。ところがミニ盆栽の場合は、使っている用土が少ないため乾きやすい特徴があります。そのためミニ盆栽の水やり回数が多くなるのでご注意ください。

ミニ盆栽を植えてから1ヶ月間の水やりは1日に2回を目安にします。それ以降は、成長期の夏には1日に2~3回、春と秋には1日に1回、休眠期の冬は2~3日に1回と季節で頻度を変えてください。

作り方⑧ミニ盆栽の肥料の与え方

出典:ライター撮影

ミニ盆栽の肥料の与え方は特別に難しくありません。肥料の種類は緩効性化成肥料でよく、苗木の株元に置いておくだけです。もっと便利なのは、園芸品店などで販売されている盆栽用の肥料です。

園芸初心者でも簡単に扱える肥料なので、ミニ盆栽を始める人におすすめの作り方です。肥料を与えるタイミングは、成長期を迎える春と成長期のピークが過ぎた秋になります。

作り方⑨ミニ盆栽の剪定方法

出典:ライター撮影

ミニ盆栽の大きな魅力は枝を整える剪定も挙げられます。ミニ盆栽は大きく育つ植物を、剪定でコンパクトにして楽しむものです。ミニ盆栽の作り方としては剪定も大切なのです。全体のバランスに気を配りながら徒長した枝や重なっている枝、上下に飛び出している枝を剪定してください。

大切な点として、枝と枝が交わらないように剪定するとよいでしょう。この点も他の園芸植物と基本は同じですが、ミニ盆栽の場合はコンパクトなので、見逃しがちな細部も目配りしてください。

作り方⑩ミニ盆栽の植え替え

小さな鉢のミニ盆栽は根詰まりしやすく、定期的な植え替えが必須です。元気に樹形を整えるためにも植え替えをしてください。ミニ盆栽の植え替えのタイミングは植物の成長の度合いで変えます。植え替えの目安は、成長が早いものは2~3年で一回、遅いものは3~4年で一回となります。

植え替える時期は、成長期を迎える春ごろに行ってください。植え替えるときは根を優しくほぐしてあげ、太くて伸びている根は根元から切るなどして鉢に根が治まるように切り詰めてください。

作り方⑪ミニ盆栽の育て方の注意点

ミニ盆栽に植える植物は、本来は屋外で育つものです。そのため育て方の大切なポイントは、1週間に一回は屋外で太陽の光をたっぷり与えることです。さらに小さくて浅い鉢は乾燥しやすいため、冷暖房の風が当たる場所には置かないようにしましょう。

これらの点に気を付ければ基本的には多くの植物と同じです。それゆえミニ盆栽の作り方は意外に簡単といえるでしょう。

ミニ盆栽で初心者に人気の植物

①盆栽の正統派「松柏盆栽」

出典:ライター撮影

昔から盆栽といえば、枝ぶりを楽しむアカマツやクロマツ、五葉松などの常緑針葉樹が挙げられます。一見これらの針葉樹によるミニ盆栽の作り方は難しく感じられますが、実は丈夫で育て方も簡単なのでミニ盆栽初心者にもおすすめなのです。

なかでも成長が遅い五葉松は、アカマツやクロマツのように芽切りを頻繁にしなくてもよいので特に人気があります。作り方も簡単な、ちょっと渋い趣の松柏盆栽にチャレンジしてみませんか。

②季節を愛でる「葉物盆栽」

出典:ライター撮影

葉物盆栽は、葉の繊細な美しさを楽しめるカエデを始め、のこぎりの歯のような葉の縁が魅力的なケヤキ、つややかな葉色のエノキなどが人気です。特に紅葉するカエデ科のモミジは、盆栽の世界でも季節を愛でる植物として大変な人気があります。

作り方も育て方も簡単なので、常緑針葉樹の松柏盆栽と共に日本独自の感性であるわびさびを味わいたい人におすすめです。これら葉の美しい植物をコンパクトなミニ盆栽にすることで、より葉の美しさが魅力的に観えることでしょう。

③花も愛でる「花物盆栽」


出典:ライター撮影

花物盆栽は、ウメやサクラ、フジ、サルスベリなどが昔から人気があります。枝ぶりの美しさも魅力ですが、何より花を付けるので飽きさせません。花物盆栽のミニ盆栽での育て方は、決して簡単とは言えませんが、基本に忠実に育てれば作り方も育て方も意外に簡単です。

他のミニ盆栽にも当てはまることですが、満開の花をつけたらローアングルでも観賞してみましょう。ずっと観賞していると、身体が小さくなって大木を見上げている気分になるかもしれませんよ。

④花も実も愛でる「実物盆栽」

出典:ライター撮影

実を付ける実物盆栽も昔から人気があります。ミニ盆栽初心者には、花も実もつける種類の樹木は飽きないのでおすすめです。人気がある種類は、姫リンゴ、お酒やドライフルーツの原料にもなるサンザシ、サクランボに似た赤い小さな実のユスラウメ、黄色い皮と赤い実のコントラストが美しいツルウメモドキなど。

作り方も育て方も基本さえ守れば簡単なので、ぜひ挑戦してみませんか。小さな世界で花開き実を付けるミニ盆栽は、心躍る時間をプレゼントしてくれることでしょう。

⑤斬新な「多肉植物」や「観葉植物」

出典:ライター撮影
 

最近は、金のなる木などの多肉植物やゴムの木やパキラなどの観葉植物での作り方も流行しています。盆栽は伝統的な日本文化のため、樹種は基本的には在来種が正統派なため、趣が従来の盆栽とは異なります。

しかし多肉植物や観葉植物の盆栽は新たな魅力と発見があるかもしれません。作り方も簡単なので、既成概念にとらわれずに外国原産の植物を使った盆栽に挑戦してみるのも楽しそうですね。その場合の用土は多肉植物や観葉植物のものに替えてください。
 

ミニ盆栽を作って小さな宇宙を楽しもう!

Photo byphotoshopper24

ミニ盆栽の作り方は基本を守れば初心者でも簡単といえます。ミニ盆栽に必要なものは苗木・植木鉢(または苔玉)・用土などで、育て方は基本的に多くの植物と同じですが、コンパクトに仕上げるために剪定と、鉢が浅めなので水やりの回数が多くなる点です。

ミニ盆栽の造形は、直幹の他に幹を変形させる方法や根を這わせる方法などがあり、盆栽の醍醐味といえるでしょう。生きている芸術ともいわれる、自分だけの小宇宙のミニ盆栽づくりにぜひ挑戦してみませんか。

苔盆栽が気になる人はこちらをチェック!

ミニ盆栽でも用いる苔は、しっとりと湿り気を帯びた美しさにあるといえます。苔を主役にした盆栽もあるので、ぜひこちらもチェックしておきましょう。苔のミクロな世界をお楽しみください。