別名も納得!アジサイの花言葉を解説!
花の色が少しずつ変わりながら咲くことで、別名「七変化」という名を持つアジサイの花。アジサイの花言葉はそんな花姿が由来した言葉でイメージされています。
日本では万葉集の時代から親しまれてきたアジサイは、ドイツから来日した医師であり植物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの愛しい妻の愛称「お滝さん」という名でヨーロッパに紹介されました。アジサイはシーボルトとその妻の秘められた想いも花言葉となっています。
アジサイの花言葉
「移り気」
花の色が変わっていく姿を観賞するのもアジサイの見どころではありますが、ゴマ粒が集まったような小さな蕾から薄緑の花びらが開き、どんどん色が変化することから、アジサイの代表的な花言葉は「移り気」という言葉でイメージされています。
アジサイの植物学上の特徴から付いた花言葉はネガティブな言葉にも思われがちですが、それでも青空に恵まれない時期に、花色がだんだん変わっていく様子は、とても趣があるものです。
「アジサイは化ける」といわれる理由
アジサイを育てたことのある方なら、経験したこともあるかもしれませんが、アジサイは青いアジサイだったのに翌年違う色の花を咲かすことがあります。そんな理由から世間では「アジサイは化ける花」などと言われます。
アジサイは土の酸度や気象状況によって、花の色が去年と違う色の花を咲かせることがあります。そんな理由で「化ける花」という代名詞もついていますが、これも「七変化」という別名に由来する1説にあがる話です。
「冷淡」「無情」
涼しげな青い花の印象から「冷淡」「無情」という花言葉でもイメージされているアジサイ。「冷淡」という花言葉は冷たい美しさがあり、安易に寄せ付けない近づきがたい美しさを示すというように解釈されてもいます。
またアジサイの「無情」という花言葉は、美しい花なのに香りがないことにちなんでいるという説があります。
「辛抱強さ」
花の色からイメージされる花言葉は捉え方によってはネガティブにも感じますが、アジサイは「辛抱強さ」というこんな花言葉でもイメージされます。
由来は花期が長いという植物学上の性質から由来する言葉であるという説と、もう1説はヨーロッパでアジサイの花が紹介された時の呼び名である「お滝さん」にまつわるアジサイに秘められた話にちなみつけられた言葉だと言われています。
「元気な女性」
あまり知られていませんが、アジサイは「元気な女性」という花言葉でもイメージされています。この花言葉の由来も、この後に解説するアジサイは「お滝さんの花」というアジサイに秘められた話に由来する花言葉です。
花言葉に秘められた話とは
「お滝さんの花」とは
アジサイは「お滝さんの花」とは一体どいう話なのか?それは江戸時代、長崎にオランダ商館の医者として来日していたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト氏と彼の愛しき妻にまつわる話です。
彼が母国に戻った時に、彼の最愛の妻であった楠本滝(くすもとたき)さんの名前をとって、アジサイを「お滝さん」と呼んでこの花を紹介したことで、ヨーロッパではアジサイを「お滝さんの花」と呼んだそうです。
二度と会えない彼女の名をアジサイに名付けた!
江戸時代と言えば、江戸幕府がキリスト教の禁止を理由に外国との交易を禁止した鎖国時代の最中。シーボルトは愛する楠本滝さんとの間に娘をもうけながらも、日本から追放されて、1人で母国に帰国しました。
母国に戻った彼は雨に濡れてしっとりと咲くアジサイの花に、もう二度と会えない妻の姿を重ねてその名を付けたのだと。それがアジサイは「お滝さんの花」と呼ばれる謂れであり、母国に帰った彼を一途に愛するお滝さんをイメージして「辛抱強さ」と花言葉が付いたと言われます。
アジサイの特徴
アジサイ科アジサイ属の落葉低木
アジサイはアジサイ科アジサイ属の落葉低木。学名はHydrangea macrophyllaと表記します。属名の「Hydrangea」とはギリシャ語で「水」と「容器」という意味の言葉を合わせた語。
そして小種名の「macrophylla」とは「大きな葉」という意味の言葉です。植物図鑑によっては「ユキノシタ科」と記載されていることもありますが、花の形により独立して「アジサイ科」として分類されています。
開花時期は5月~7月
アジサイの開花時期は5月の中旬~7月上旬です。晴れた日がなかなか望めない梅雨の時期に涼やかな花の色がひときわ鮮やかに映えます。本来の花色は青色ですが、品種改良されたものには白、紫、ピンク、赤などの花色があります。
属名でもあり英名でもある「Hydrangea」の「水」と「器」という意味の語は、乾燥が苦手で水が大好きな花であるからこのような名が付いたのだと。西洋でも雨の似合う花だと言われています。
日本古来種はガクアジサイ!
アジサイの原産地は日本です。ポピュラーに見かける小さな花が手毬くらいの大きさの球状になって咲いているアジサイは西洋アジサイで、ヨーロッパで品種改良されたもの。日本古来種は外の縁だけに花が咲くガクアジサイです。
樹の高さは大きいものでも2m以下。庭に地植えしたり鉢植えで楽しむほかに切り花としても人気です。切り花にするときはしっかりと水揚げすれば長く楽しめます。ドライフラワーにして飾るのも可能です。
人気の白いアジサイ・アナベルの花言葉
アナベルとは
花の色からイメージされるアジサイの代表的な花言葉は、恋人に花束として贈るには誤解を招くような言葉もありますが、今も語り継がれるお滝さんとその夫の一途な夫婦愛の話が由来となるアジサイの花言葉に、芯の強い女性を表すポジティブな花言葉があることも見逃せません。
アジサイは青いイメージが強いですが、品種改良された西洋アジサイの中には白い花を咲かせる「アナベル」というの品種もあり、近年、花言葉と共に人気です。
「アナベル」の特徴
「アナベル」は西洋アジサイの仲間で、北アメリカで品種改良されたアジサイです。開花時期は一般的なアジサイよりも少し遅く6月~7月上旬。初夏に向けて小花が集まり20cm~30cmくらいの球状の花を咲かせます。
ポピュラーな花色は白。最初は黄緑色をしていますが、咲き進むにつれて白い花になります。最近はピンクの花を咲かせる「アナベル」も出回り、どちらも地植え、鉢植え、切り花、そしてドライフラワーとしても人気です。
花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」
「アナベル」は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」という花言葉でイメージされています。残念ながらその由来のはっきりした根拠はわかりません。1説に白というカラーイメージから、純粋で一途な気持ちを印象付けているというこんな説を耳にします。
ちなみにピンクの「アナベル」の花言葉は「寛容な女性」です。ピンクというカラーイメージとシーボルトとお滝さんのエピソードが重なってこんな花言葉でイメージされているのでしょう。
花言葉を知ってアジサイを観賞しよう!
アジサイの「移り気」という花言葉と「七変化」という別名は、花の色が徐々に変化していくことから。そして「辛抱強さ」はドイツ人の医師と日本人女性の二人に秘められた想いから付いたアジサイの花言葉です。
涼やかな青い花のイメージからは冷たく感じる花言葉もありますが、雨に濡れてしっとりと咲くアジサイはとても綺麗です。花言葉を知って「お滝さん」のように元気な女性の姿をイメージしてうっとうしい季節も美しく咲くアジサイに癒されてください。
花言葉についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
当サイト「暮らしーの」では花言葉についてほかにもまとめています。花言葉を知ると日ごろの花選びも楽しくなることでしょう。言葉では伝えきれない想いを花言葉に託してお花をプレセントするのも素敵なプレセントですね。
月曜日は特に連載で季節の花を追いながら、その花の花言葉と同時にその花の花名の由来や伝説などを解説しています。花言葉についてもっと知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
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