原付ツーリングの楽しみ方:はじめに
ゆったりした速度域がおすすめ
原付バイクでのツーリングはゆったりとした速度域が楽しいですね。車体は軽量でコンパクトですし、操作性もイージー!東京や大阪などの都市部へも気軽に乗り出せます。土地の空気感やにおいをダイレクトに感じられるのもおすすめポイントです。
ここでは原付ツーリングでの楽しみ方のコツを紹介しますね。なお、この記事は2021年6月9日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
原付バイクならではの楽しみ方
原付バイクにできて、大きなバイクにできないこと、それは街中での駐車です。街中で大きなバイクを預かってくれる駐車場は少ないので、事前に調べる必要があります。しかし、駅前の駐輪場には50ccの原付バイクを預かってくれるところが多いですね。
大きなバイクでのツーリングで郊外が目的地にされやすいのは、そんな駐車場事情も原因。原付バイクでしかなしえないツーリングのスタイルを模索しましょう。
原付といってもバイクはバイク
原付といってもバイクはバイク。半日程度のプチツーリングや宿泊しない日帰りツーリングはもちろん、帰宅日程を定めない旅系長距離ツーリングもできます。
「原付バイクは短距離走行を想定したバイクで、長距離ツーリングをするとエンジンがトラブルを起こす」という情報も見かけますが、それは間違いです。
定期的な点検と運転前の日常点検を確実にしていれば、ツーリング先で故障やトラブルに遭う可能性を抑えられます。
原付バイクでの峠ツーリング
原付バイクは実用性が高い反面、峠の登坂ではパワーが不足します。しかし、峠は原付ツーリングの目的地におすすめです。世界最小排気量の原付バイクでここまで来たという達成感は高く、大きなバイクよりアドベンチャー感を得られます。
自然に対して無力な自分を原付バイクに投影し、励ますような気持ちで峠を登りましょう。下りはアクセルのオンオフのみでの速度調整も可能です。速度が上がり過ぎたらリヤブレーキを軽く当てます。
原付ツーリングのコツ
原付バイクと大きなバイクの違いは速度域です。それはメリットやデメリットではなく、楽しみ方の違いに過ぎません。
では本題!原付ツーリングのコツを①プラン②装備③服装④荷物に分けて紹介します。プラン編では移動距離を中心に、装備編では必要な持ち物について、服装編では似合うファッションを、荷物編では方法をまとめました。
原付ツーリングは手軽にバイク旅の満足感を得られ、通いなれた場所を新鮮にする魔力もあります。
原付ツーリングのコツ:プラン
コツ①移動距離を計算してゆとりあるプランを!
50ccの原付バイクは制限速度が時速30キロに制限されています。移動距離を稼ぐのには時間が必要ですので、無理のないツーリングプランを組むのがおすすめです。
距離を稼ぐ原付ツーリングではラリー競技的な達成感を得られます。ツーリングのプランを立てるのが面倒であれば、現在地から自宅までの所要時間を意識しながら帰宅時間を調整する方法もありです。
移動距離は平均速度×時間で計算する
移動距離は速度×時間で計算できます。原付ツーリングでの移動距離を計算するなら、時速20~25キロの間で計算するのがおすすめです。
原付バイクの時速30キロは巡航速度。発進からの加速や停止までの減速の速度が加味された平均速度ではありません。
ツーリングのペースには個人差もありますので、距離と時間のデータを集めましょう。まずは半日程度のプチツーリングでデータを集めるのがおすすめです。
移動距離が長くなるほど誤差は大きくなる
プチツーリングで距離と時間のデータを集めたら、日帰りツーリングに挑戦しましょう。しかし、日帰りツーリングへと距離を延ばすと、移動距離と所要時間の誤差が大きくなります。
何らかの事情で移動距離を稼げなかった場合は、折り返し地点を繰り上げます。帰宅時間に合わせて柔軟にプランを変更しましょう。
深夜帰宅になりそうなら、宿を探して宿泊ツーリングに切り替えるのもおすすめです。
原付ツーリングをバイク旅へと昇華させる
思いのほか移動距離を稼げたら寄り道も楽しみましょう。好奇心に誘われるがまま寄り道すると、原付ツーリングがバイク旅へと昇華します。
逆に移動距離が稼げなかった場合、早めに代替えの目的地を探すのがおすすめです。目的地にたどり着けなかった残念感は次の原付ツーリングにつながりません。
ツーリング前にルート上の情報を集めたり、道の駅などで近場の観光地を探したりしましょう。
原付ツーリングのコツ:装備
コツ②バイクに必要な装備に少し付け加え
原付バイクに必要な装備は①ヘルメット②グローブ③くるぶしまで隠れる靴、この3つです。事故や転倒に備えるのであれば、プロテクターも装備に加えましょう。
ヘルメットはバイク用として販売されているものでないとNGです。グローブはバイク用がおすすめですが、作業用手袋でも問題ありません。靴はソールが厚めであれば疲労を軽減してくれます。しかし、ファッション性重視の歩きにくい厚底ブーツはおすすめできません。
必要な装備
レインウェアは原付ツーリングに必要な装備です。出発する前は晴れていても、ツーリング先で雨が降るケースはよくあります。また、レインウェアは防寒にも使えて便利です。
レインウェアのジャケットは、前立てが二重で袖口の広さを調節できるものがおすすめ。前開きタイプのレインパンツはファスナーから雨水が侵入します。
雨の日はツーリングをしないという人ならレインポンチョもありです。急な雨でも素早く羽織れます。
その他の装備
その他の装備は必要に合わせて集めるのがベストです。装備は多すぎると無駄な荷物にしかなりませんし、少なすぎると不便を強いられます。
あれこれと心配するほど荷物が増えるのは1人ツーリングあるあるです。コンビニで入手できるものを省くと荷物を減らせます。
工具やパンク修理キットは必要になる機会がごくまれな装備です。ツーリングの前に救援を求める方法を考えておくほうが現実的だといえます。
原付ツーリングのコツ:服装
コツ③走行風でバタつかない服装ならOK
原付バイクでのツーリングは服装に自由度があり、おしゃれができるのもメリットです。走行風でバタついたり、原付バイクの操作に支障をきたしたりする服装はおすすめできませんが、カジュアルファッションも似合います。
原付ツーリングでもロングスリーブにロングパンツが基本です。走行風が直接当たると疲れやすくなり、次第に注意力が低下します。春は2か月前、秋は2か月後の服装で防寒しましょう。
おすすめの服装
かっこいい系の原付バイクならカジュアルファッションがベスト。かわいい系の原付バイクには色使いにファッション性を求めたいですね。ビジネス系の原付バイクならミリタリーファッションも似合います。
フルプロテクターのバイク用ウェアにレーシングブーツ…原付バイクでのツーリングには似合いません。バイク用ウェアの多くは、大きなバイクでの着用を前提にした着心地ですし、万が一に備えすぎると体の動きを制限されます。
原付ツーリングのコツ:荷物
コツ④手荷物にレインウェアを加える
原付バイクでのプチツーリングや日帰りツーリングは手荷物程度の持ち物+レインウェアでOK。20L程度のリュックで事足ります。
しかし、お弁当と水筒を持参するピクニック的なツーリングとなると、荷物が重くなるのも事実です。
荷物が多いツーリングにはリヤキャリアを上手に使いましょう。原付バイクには前かごやフロントキャリアを追加できる車種もあります。リヤボックスを追加する方法も人気です。
シート下トランクは荷物の積載に便利
50ccのスクーターならシート下のトランクを有効活用しましょう。ヘルメットを収納できなくなりますが、重い荷物を入れても重量バランスが崩れません。
ただし、シート下トランクはエンジンの熱によって熱くなるので、熱に弱いものを収納するのは不可です。
デジカメやタブレットなどのデジタル機器は、リュックやヒップバッグなどに入れ持ち運びすると振動の影響を受けにくくなります。
バイク旅には荷物をバランスよく積載する
帰宅日程を定めない原付バイク旅やキャンプツーリングでは、荷物の積載方法に工夫が必要です。
原付バイクのサスペンションは1人乗車を前提に設定されていますので、リヤに荷物をたくさん積載するとフロントタイヤの接地感が弱くなり、操縦安定性が悪くなります。
プリロードの調整(沈み込み量の調整)ができるカスタムサスペンションに交換したり、前にも荷物を積載できるようにしたりして、前後の重量バランスを保ちましょう。
原付ツーリングの楽しみ方:まとめ
あなたらしさを取り戻す原付ツーリング
原付バイクは軽量でコンパクトな車体や実用性の高さがメリットです。峠ではパワーのなさを実感しますが、それを含めて楽しめてこそバイク乗り!大きなバイクでは得られない、ゆったりとしたツーリングを楽しめます。
大きなバイクでのツーリングでは服装や装備に一定の決まりごとがささやかれていますが、原付バイクはそれの及ばない自由な領域!思いのほか、大きなバイクに乗るライダーからマウントを受けることも少ないですね。
若気の至り的なツーリングもあり!
原付バイクでのツーリングは原付免許を取得したばかりの青年にもおすすめです。原付バイクは偉大なる先生!若気の至りが許容されにくくなってきましたが、トライ&エラーを繰り返しながらツーリングのスキルを身につけられます。
バイク通勤の帰宅途中に近場の絶景ポイントへ立ち寄るのもツーリングです。日常に非日常のアクセントを付け加えるのにも、原付ツーリングはおすすめです。
原付ツーリングが気になる人はこちらをチェック!
原付バイクを紹介した記事もチェックしてください。原付バイクは日本固有のガラパゴス排気量で、日本人の感性に合うデザインが魅力です。現行モデルは1人乗車前提でありながらもサスペンションは硬め。帰宅日程を定めないバイク旅やキャンプツーリングなど、荷物が多いツーリングにも使えます。
ツーリングは競技でも鍛錬でもなく、バイクでの移動を伴うレジャーです。気負わず自由なアイデアで原付ツーリングを楽しみましょう。
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出典:ライター撮影