普通自動車運転免許で乗れるバイクは?
普通自動車運転免許で乗れるバイクは50cc以下の原付バイクのみです。原付免許で51ccを越える125cc以下のバイクには乗れないことはみなさんもご存知の通り。一時期、普通自動車運転免許に125ccバイクの免許が付帯されるのでは?という情報が飛び交いましたが、それは事実無根のフェイクニュースでした。
なぜ間違った情報が飛び交ったのか?
普通自動車運転免許に125ccバイクの免許が付帯されるという間違った情報が流れたのは、2016年に神戸で開催されたバイク・ラブ・フォーラムに出席した経済産業省の担当者の発言が原因。125cc以下のバイクに乗れる免許を簡単に取得できるようにするという発言でした。その発言に尾ひれ背びれがついて、間違った情報が発信されたと考えられます。
125ccのバイクには小型限定普通二輪免許が必要
経済産業省の担当者の発言は間違っておらず、普通自動車運転免許を取得していれば、125cc以下のスクーターに乗れるAT小型限定普通二輪免許を最短2日で取得できるようになりました(2018年7月11日法改正)。普通二輪免許を取得している人に聞くと「普通自動車運転免許で125cc以下のバイクになんて乗れないよ」という意見がほとんどです。
原付免許が付帯される理由とおすすめスクーター
ここでは、普通自動車運転免許には50ccの原付免許しか付帯されない理由を掘り下げたのち、2019年の現行モデルからおすすめの原付スクーターを紹介します。紹介するバイクの情報はすべて2019年7月30日現在の情報ですのでご了承ください。
普通免許では原付にしか乗れない理由その1
普通自動車運転免許に50ccの原付バイクの免許しか付帯されない理由その1は、バイクは排気量によって動力性能が大きく違うためです。125ccのバイクは道路運送車両法で原付2種と呼ばれているため、非力なバイクだと勘違いしている人は少なくありません。
免許の違いは動力性能の違い
タクト | PCX | PCX/タクト | |
排気量 cc |
49 | 149 | 2.53 |
全長 mm |
1,675 | 1,925 | 1.15 |
車両重量 kg |
79 | 130 | 1.65 |
最高出力 kW(PS) |
3.5 (4.5) |
8.8 (12) |
2.67 |
最大トルク N・m(kgf・m) |
4.1 (0.42) |
11.8 (1.2) |
2.86 |
トルクウェイト レシオ kg/N・m |
19.18 | 11.05 | 0.58 |
理論上の 最高速度 km/h |
58.9 | 97.2 | 1.65 |
※現行モデルの数値
※最高出力kWと最大トルクN・mはPSとkgf・mから換算したため、メーカーのカタログスペックと異なります。
比較でわかる大きな違い
人気モデルであるホンダのタクトとPCXを比較すると、50ccの原付スクーターと125ccのスクーターでは大きな違いがあることがわかります。加速を表すトルクウェイトレシオをみると、1N・mあたりの車両重量が大きく違いますね。普通自動車運転免許に付帯される原付免許で125ccのバイクに乗れないのは明らかです。
普通免許では原付にしか乗れない理由その2
普通自動車運転免許に50ccの原付バイクの免許しか付帯されない理由その2は、バイクの動力性能が上がれば、それに応じた運転技術が必要だからです。バイクはエンジンの出力に合わせて車体が設計されますので、動力性能が高いほど車格が大きくなります。また、エンジンのレスポンスが機敏になりますので、繊細なコントロールが必要です。
免許の違いは運転技術の違い
小型二輪免許を取得するには①一本橋②クランク③S字④坂道発進⑤急制動⑥踏み切り⑦障害物⑧指定速度走行といった課題をクリアしなければなりません。しかし、原付免許は2時間の講習だけで普通自動車運転免許に付帯されます。バイクの乗り方や特性を学んだ人と学んでいない人では運転技術の差が大きいので、原付バイクの免許で125ccのバイクには乗れないですね。
普通免許では原付にしか乗れない理由その3
普通自動車運転免許に50ccの原付バイクの免許しか付帯されない理由その3は、動力性能が高いバイクに乗る危険性を知っておく必要があるからです。バイクは排気量が大きくなるほど交通安全に対する意識が必要になります。小型限定普通二輪、普通二輪、大型二輪と乗れるバイクの排気量が大きくなるほど、試験場や教習所での安全確認に対するチェックが厳しいですね。
免許の違いは安全運転に対する意識の違い
バイクの免許を取得すると、普通自動車運転免許に排気量制限がない理由が見つけられなくなります。普通自動車運転免許を取得すると、実用性重視の軽トラックからハイパワーなスポーツカーまで同じ免許で乗れますよね。傍若無人な運転をする高級車を見かけると、自動車にも排気量制限を設けて安全意識が低い人には乗れないようにするべきでは?と感じるバイク乗りもいます。
普通自動車運転免許で乗れるのは原付バイク
付帯免許で乗れる原付バイクの種類は多い!
普通自動車運転免許で乗れるのは原付バイクだけなのですが、種類は思いのほか多いですね。ホンダとヤマハが原付バイクの生産で提携を結び、エンジンの種類は少なくなりましたが、デザインや使い方に合わせて選ぶには十分なラインアップです。また、シート高を抑えて街乗りでの利便性を高めたモデルもあります。
付帯免許で乗れる50ccの原付バイクは楽しい!
50ccの原付バイクだからと侮ってはいけません。低い法定速度、二人乗り不可、二段階右折が必要な交差点があることなどを除けば、50ccの原付バイクは街乗り最強です。海外での需要が少ないので、日本人向けのデザインですし品質も上々。楽しみ方に違いはありますが、バイクであることに変わりありません。お散歩気分でのツーリングも楽しいですね。
普通免許で乗れるバイクの種類①:男性向け2選
男性におすすめの原付スクーター2選
男性におすすめしたい種類のバイクを2モデル紹介します。2019年の現行モデルを比較すると、スペックに大きな違いはありません。ですので、原付バイクはデザイン優先で選ぶのがおすすめ。スニーカーを選ぶ感覚でOKです。
付帯免許で乗れる【ホンダ ダンク】
ホンダのダンクはスタイリッシュなデザインがおすすめポイントです。都会的で洗練されたデザインは街の風景に馴染みやすいといえます。原付バイクに見えない前後に長いシートがかっこいいですね。アイドリングストップやコンビブレーキなど、装備も充実しています。
付帯免許で乗れる【スズキ アドレスV50】
スズキのアドレスV50はシャープなデザインがおすすめポイントです。シンプルな装備に潔いかっこよさが漂います。空冷エンジンを搭載していますので車両重量が軽く、全長もコンパクトですので、街乗りでの取り回しがしやすいですね。スズキ車ならではのハンドリングの良さやダッシュ力のパワフルさにも定評があります。
普通免許で乗れるバイクの種類②:女性向け2選
女性におすすめの原付スクーター2選
女性におすすめしたい種類の原付バイクを2モデル紹介します。ホンダのジョルノとヤマハのビーノはデザインのみが違う兄弟車です。両モデルともホンダ製でスペックや装備はほぼ同じですので、デザイン重視で選びましょう。コツは感覚的に選ぶこと。原付バイクもあなたらしさを演出するアイテムにしたいですね。
付帯免許で乗れる【ホンダ ジョルノ】
ホンダのジョルノはハイセンスでキュートなデザインがおすすめポイントです。カラーリングはプレーンなスタンダード、ゴージャスでクラシカルなデラックスから選択できます。普段使いに便利なフロントバスケットの追加が可能です。
付帯免許で乗れる【ヤマハ ビーノ】
ヤマハのビーノはクラシカルでかわいいデザインがおすすめポイントです。フロントバスケットを追加できないのは、全体のシルエットを崩したくないというヤマハのこだわりだと考えられます。ソフトな乗り心地を求めるなら、ヤマハ製ビーノ(2017年以前モデル)も検討しましょう。
普通免許で乗れるバイクの種類③:通勤向け2選
通勤におすすめの原付スクーター2選
通勤や通学で使いやすい種類の原付バイクを2モデル紹介します。ホンダのタクトとヤマハのジョグデラックスは兄弟車で、スペックや装備はほぼ同じです。シンプルなデザインを求めるならタクト、シャープなデザインを求めるならジョグデラックスをおすすめします。
付帯免許で乗れる【ホンダ タクト】
ホンダのタクトはシンプルで中性的なデザインがおすすめポイントです。コンビブレーキやアイドリングストップなどの豪華な装備も見逃せません。家族で共用する原付スクーターとしても使いやすいですし、リヤボックスを追加しても全体のシルエットが崩れにくいですね。
付帯免許で乗れる【ヤマハ ジョグデラックス】
ヤマハのジョグデラックスはシャープでかっこいいデザインがおすすめポイントです。派手でもなく地味でもないデザインが通勤や通学で使いやすいといえます。バイク名に「デラックス」とついていますが、実はジョグデラックスがスタンダードモデル。ジョグはジョグデラックスのローシート仕様だと捉えましょう。
普通免許で乗れるバイクの種類④:低シート高2選
低いシート高がおすすめの原付スクーター2選
シート高が低い種類の原付バイクを2モデル紹介します。原付バイクは座面が広いので、シート高の割に足つき性が悪いのが難点。標準以下の体形ならシート高が低い原付バイクがおすすめです。シート高が低い原付バイクなら、街乗りでのゴー&ストップで不安を感じることがありません。
付帯免許で乗れる【スズキ レッツ】
スズキのレッツは2019年の現行モデルでもっともシート高が低い原付バイクです。丸みを帯びたデザイン、スズキ車ならではのハンドリングの良さやダッシュ力の力強さなど、乗る人を選ばないキャラクターにも人気があります。家族で共用する原付スクーターとしてもおすすめです。
付帯免許で乗れる【ホンダ タクトベーシック】
タクトベーシックは先述したタクトのローシート仕様モデルです。ヤマハのジョグとは兄弟車にあたります。サスペンションを短くしたのではなく、シートの厚みを薄くしてローシート化していますので、乗り味はタクトと同等です。シートが低くなっている分、重心が低いので安定感が高いといえます。
普通免許で乗れるバイクの種類⑤:ツーリング向け2選
ツーリングにおすすめの原付スクーター2選
ロングツーリングで快適な種類の原付バイクを2モデル紹介します。原付バイクでのツーリングはアドベンチャーな気分を味わえますのでおすすめです。近距離でのカフェ巡りはもちろん、荷物を満載してのキャンプツーリングもできますよ。ツーリングを楽しむのに排気量が大きなバイクの免許は必要ありません。
付帯免許で乗れる【ホンダ ベンリィ】
ホンダのベンリィは航続距離の長さがおすすめポイントです。10Lの燃料タンク容量がロングツーリングでの強い味方になってくれます。車両重量が重いのが玉にキズですが、車体サイズが大柄ですので、長時間運転しても疲れにくいですね。ビジネスバイクですので、荷物の積載性は申し分ありません。
付帯免許で乗れる原付【ヤマハ ギア】
ヤマハのギアはパネルの交換でカラーチェンジできるのがおすすめポイントです。やや重い車両重量や大柄な車体サイズはホンダのベンリィと同じなのですが、ヤマハの純正オプションでパネルを黒、赤、青、黄に交換するだけで雰囲気が大きく変わります。フロントキャリアが標準装備なのもうれしいですね。
普通自動車運転免許で乗れるバイク:まとめ
普通自動車運転免許に原付バイクの免許が付帯される理由を解説し、おすすめの原付バイクを2019年の現行モデルから紹介しました。普通自動車運転免許しか取得していなくても、バイクライフは楽しめます。バイクは道路で自動車から嫌がらせを受けやすいのが事実。だからこそ、普通自動車運転免許に付帯された原付免許でバイクに乗り、交通安全の在り方を考えたいものです。
原付バイクが気になる人はこちらをチェック!
2019年の現行モデルから絶版車までを対象にした原付バイクを紹介した記事もチェックしてください。大きなバイクがかっこいいと考えるのはナンセンス!アドベンチャーツアラーとして有名な加曽利隆氏やふじわらかんいち氏も原付バイクを愛車に海外ツーリングをしていました。また、原付バイクライダーの悲哀を繊細なタッチで描写したショートストリー「マグナキッド伝説」についてまとめた記事もチェックしましょう。
かっこいい原付おすすめ17選!50㏄に見えない人気&おしゃれなバイクをご紹介!
原付バイクのかっこいい人気車種を現行モデルから旧型絶版モデルまで紹介します。加速を表すトルクウェイトレシオも記載しました。バイクは排気量が大...
マグナキッド伝説とは?バイク板のお約束コピペを楽しもう!
バイク板ではお約束のコピペであるマグナキッド伝説、今回はそんなマグナキッド伝説ってなに?どんなお話?という方に向けてマグナキッド伝説について...
ホンダ ダンク