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【かき氷が溶けにくくなる】天然氷とは?特徴やふわふわ食感を生み出す削り方を解説!

天然氷とは、特徴やふわふわ食感を生み出す削り方について解説した記事になります。他にも天然氷の作り方や、用途、生産地、美味しい天然氷のかき氷が食べれる店などにも触れています。天然氷について知りたい場合はぜひ参考になさってください。
2021年6月21日
ながしま
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目次

天然氷とは?

Photo byBru-nO

天然氷とは一体どういった物なのでしょうか。天然と聞くと何となく貴重なものであると想像しますが、それだけでははっきりとしたイメージを掴むことを難しく感じます。そこで記事では特徴や伝統的な作り方など、天然氷ついてさまざまな情報をまとめたので、よろしければ参考にしてください。

天然氷について

Photo byMatthias_Groeneveld

その名前の通り天然氷は、自然の原理を利用して作られた氷のことを指します。職人の手でじっくりと時間をかけて生成されるため、一般の氷に比べ貴重です。用途は主にかき氷などの食用に使われます。天然氷で作られたかき氷は特徴的な食感を生みだすため、多くのリピーターを生み出しました。

天然氷は溶けにくい!その理由


天然氷は一般的なものと比べて、溶けにくい性質をもっています。では、なぜ他の氷に比べて溶けにくいのでしょうか。その理由は伝統的な作り方にあると言われています。理由を知るためにもまずは天然氷の作り方について見ていきましょう。
 

美味しい天然氷が作られるまで

Photo byDragon77

天然氷は自然の原理だけで作られるわけではありません。美味しい氷になるためには職人の手助けが必要です。天然氷について知るためにも、まずは職人によってどのように天然氷が作られていくのかを紹介していきます。

秋から始まる天然氷作り

天然氷作りは秋から準備がはじまります。製氷池の清掃から修繕、池の周りの草刈りなど、水を引き入れる準備が主です。なかには約3トンもある石(天然のろ過装置)を手作業で洗うなど、手間がかかるものも少なくありません。

冬!天然氷作りがはじまる

冬に入り、天然氷作りに適した気温(マイナス5℃からマイナス8℃)になったら、いよいよ天然氷作りが始まります。水を引き入れたら、次は氷が中途半端に張らないように見張る作業が必要です。急な寒波などで池に部分的な氷が張らないよう、夜間は一晩中手作業で池の水をかき回し続けます。


氷が張った後も油断できない

氷が池に張ると、次は氷上の清掃を始めます。この時期は特に雪に気を付けなければなりません。雪は氷に混じることがあるため、氷の品質を損なう恐れがあります。雪が降ると職人は、一晩中氷の上を掃いて過ごすため作業は過酷です。


 

溶けにくい理由はかかる期間

Photo byBasti93

天然氷の作り方を見て分かるように、完成までには多くの時間が必要になります。かかる期間は約2週間から20日ほどです。一般的な冷凍庫では1日かけずに凍らせることができるため、これだけでも大変な時間をかけていることが分かります。

じっくりと凍らせた氷は、水や空気中に含まれる「不純物」を十分に押し出すことができるため、密度を高めることが可能です。密度が高くなった氷は他の氷よりも溶けにくくなります。

天然氷と一般的な氷の溶けやすさの比較

天然氷と一般的な氷では、どのくらい溶けにくさが違うのでしょうか。氷は約マイナス10℃から溶けると言われています。天然氷はマイナス4℃です。比較すると約6℃も差があることになります。このように天然氷は温度をある程度温めても溶けないことから、一般的な氷と違い、食べても「きーん」とするかき氷現象を起こしません。

天然氷の特徴とは

Photo byColiN00B

溶けにくいだけが天然氷の特徴ではありません。大変な手間をかけ、自然の原理を利用してつくられる天然氷は人を惹きつける魅力を多く持っています。そこでここからは、天然氷の特徴とは何かについて見ていきましょう。

 

天然氷特徴①美味しい食感


天然氷の特徴とは何かと聞かれた場合、食感と答える人が多いのではないでしょうか。一般的な氷で作られたかき氷はしゃりしゃりとした食感ですが、天然氷で作られるかき氷は違います。口に含むと滑らかでふわふわとした食感を味わうことが可能です。

その特徴はスプーンをさしただけでも違いが分かるため、食べる前に氷を崩しながら感触を楽しむことができます。

 

天然氷の特徴②少ない不純物


上記でも触れましたが、天然氷の特徴は何と言っても不純物の少なさにあります。透明でつややかな氷は、一般的な氷と比較すると透明度がきわだち、一目でどちらが天然氷なのかを見分けることができるほどです。天然氷は食感だけでなく、見た目にも美しいといった特徴を持っています。

 

天然氷と純氷の違い


かき氷のお店でよく見かける純氷(じゅんぴょう)ですが、天然氷との違いをご存知でしょうか。天然氷と違い、純氷は工場で製氷されています。気温はマイナス10℃前後、かかる時間は48時間以上です。

じっくり時間をかけて作られるため不純物が少なく、天然氷とおなじように透明度の高い氷になります。見た目はほとんど変わりません。しかし味に違いが出るようです。天然氷がまろやか純氷はさっぱりしているとされています。

 

美味しい!天然氷の削り方

Photo byDr_Gomz

口当たりのよい食感を生み出す天然氷ですが、そのままではふわふわとした食感にはなりません。ではどうやってあの食感が生まれるのでしょうか。ここからはふわふわ食感を生み出す削り方のポイントについて紹介してきます。


 

美味しい!天然氷の削り方【前準備】


ふわふわとした美味しい食感を生み出すには前準備が必要です。氷は冷凍庫から出したばかりだと「硬い」ため、あらかじめ表に出して柔らかくする必要があります。見極めとして、氷の表面が汗をかき、多少水が流れるようになったら頃合いです。


 

美味しい!天然氷の削り方【かき氷機の前準備】

続いてかき氷機の設定です。ここでのポイントは刃の調節にあります。天然氷はつまみゼロの状態から徐々に削っていく必要があるため、まずは刃が出ていないことを確認しておきましょう。

つまみが無いかき氷機では設定が大切です。そこで一番細かく削れる設定にされているか前もって確認しておきます。かき氷機の前準備を終えれば、次はかき氷機で氷を削る作業です。

美味しい!天然氷の削り方【削り方】

平行になるように氷をセットしたらかき氷機の電源を入れて削っていきます。細かく削るためには刃を徐々に氷に当てていく作業が必要です。細かく、カンナで削ったように薄い氷がでてきたら、その厚さのまま削っていきましょう。ふわふわかき氷が完成したら、最後にお好みでシロップやあんこなど好きなトッピングをほどこします。

昔の人も楽しんだ?天然氷の用途とは

冷凍技術のない昔、自然の原理で作られる天然氷の価値は非常に高いものでした。史書の「日本書紀(奈良時代)」や「枕草子」「源氏物語(いずれも平安時代)」でも、貴族が嗜むものとして天然氷の存在がたびたび登場します。

貴族達の用途は現代と変わらず、食べて楽しむものだったようです。明治以降では天然氷の用途は冷やすことへとシフトしますが、技術が発達した現代、天然氷の用途は食べて楽しむものへと戻っていきました。

天然氷のかき氷はどこで食べられるの?

Photo by whitefield_d


天然氷について知ることで、実際に食べてみたいと思う人もなかにはいるのではないでしょうか。そこで、ここからは天然氷の生産地についても見ていきましょう。どこも自然豊かな場所なので、トレッキングのついでにかき氷を食べたりと、アウトドアや観光にも最適です。

日本中に7件だけ!天然氷の蔵元


日本国内で天然氷をつくる蔵元は7件ほどです。生産地である栃木県日光市には「四代目徳次郎」「松月氷室」」「三ツ星氷室」と3つの蔵元あります。長野県には蔵元「渡辺商会」が1件あり、同じように埼玉秩父市にある蔵元「阿左美冷蔵」も生産地に1件です。

天然氷の生産地は山梨県にもあり、こちらは「蔵元八義」「蔵元不二」の二つの蔵元があります。

都内でも食べられる!天然氷のお店

Photo by kanonn

生産地は分かりましたが、そこまで行くのは大変だと思った人もいるのではないでしょうか。天然氷は貴重ですが、実は生産地以外でも美味しさを楽しむことが可能です。都内でいえば台東区にある「ひみつ堂」さんで天然氷を味わうことができます。

使用されている氷は日光の天然氷・三ツ星氷室の氷です。また豊島区にある「かき氷工房 雪菓」さんでは富士山の天然氷「不二」を味わうことができます。
 

天然氷まとめ

フリー写真素材ぱくたそ

天然氷とは自然の原理を利用して作られた氷です。伝統的な方法で今も職人の手によって作られています。現在の用途は主に食用ですが、昔は物を冷やすためにも使われていました。天然氷は産地以外でも味わうことが可能です。美味しいかき氷を味わうためにも気になる方はぜひ生産地まで足を運んではいかがでしょうか。

天然氷が味わいたい!おすすめ店が気になる方はここでチェック!

遠出する時間がなくても天然氷を味わうことは可能です。以下の記事では天然氷を楽しむことができるお店について紹介しているため、気になる方はぜひチェックしてください。