ブラックプリンスは黒色の多肉植物
ブラックプリンスは、多肉植物には珍しい黒色の観葉植物です。しかし、花や観葉植物に詳しい人は、ブラックプリンスと聞いたらキンギョソウやクレマチスを想像するかもしれません。
そこで本記事では、多肉植物のブラックプリンスの育て方や増やし方を紹介します。ブラックプリンスは、寄せ植えしたり庭で増やしたりと様々な楽しみ方ができる多肉植物です。そのほか、ブラックプリンスの由来から必要な道具までまるごと説明します!
多肉植物は種類が豊富
植物を呼ぶとき、「観葉植物」「多肉植物」など呼び名を変えます。どちらも葉っぱを鑑賞して楽しむ植物ですが、多肉植物は観葉植物と違い葉っぱや茎に水を貯槽する植物です。サボテンもその種類に入ります。
ブラックプリンスもその仲間で、膨らんでいる葉っぱや茎、根っこにも水分を貯めているので耐暑性が強いことで知られています。また、多肉植物は原種が1万以上種類があるのですべてを知るのは難しいかもしれません。
ブラックプリンスの基本情報
植物名/属名 | エケベリア |
科名 | ベンケイソウ科 |
ジャンル | 多肉植物 |
形態 | 多年草 |
原産地 | 中米・メキシコ |
流通名 | ブラックプリンス・古紫・黒助・アンフィス・黒玉子 |
ブラックプリンスという名前は植物名ではありません。エケベリアという植物に属していて、他にも様々な別名があります。また、ブラックプリンスの原産地は中南米なので、耐暑性や耐寒性が強く育てやすい多肉植物です。
ブラックプリンスの花は、2月から8月頃までに赤い花が咲きます。しかし、ブラックプリンスが生長間もないときに咲いた花は、生長の妨げになるので切り取りましょう。
ブラックプリンスの別名
エケベリア属の多肉植物は、流通名がたくさんあります。人によっては、すべて違う品種だという人もいれば、同じエケベリアでくくってしまう人もいるでしょう。園芸品種になると、様々な交配種があるので、同じ名前でも形や色が違う多肉もあるのです。
本記事では、ブラックプリンスのようにエケベリアの多肉植物の中で有名な流通名をピックアップしてそれぞれの特徴を詳しく紹介しています。
古紫
黒色の多肉植物といえば、古紫(こむらさき)が有名です。交配種としても使われることが多く、古紫とブラックプリンスは同じ植物だという人もいます。色は、黒と言うより赤紫に近い色です。
育て方はブラックプリンスとほぼ同じですが、水やりは季節ごとに量を変えましょう。真夏に水をたっぷり上げてしまうと腐る原因になるので、元気がないと感じたら表面が濡れる程度に水やりをしてください。
黒助
いろいろな記事を見ると、ブラックプリンスと黒助は同じ多肉植物に属していると書かれています。黒助の特徴は真っ黒な葉っぱですが、季節ごとに違う表情になるのが特徴です。ブラックプリンスのように葉っぱの内側が緑でグラデーションになることもあります。
ただ、赤紫や赤茶色にも変わるので日当たりや水やり、温度によって変化するのかもしれません。なので、株分けや葉差しをしたから同じような色の黒助になるとは限らないのです。
名前の由来は意外と単純
ブラックプリンスの名前の由来は、同じ多肉植物のシャビアナとブラックナイトの交配種なので、ブラックプリンスと呼ばれています。
シャビアナは、葉先がサニーレタスのようにフリフリになっていて全体的に赤紫の色合いです。また、シャビアナは長い花茎が伸びて赤や橙色の花を咲かせます。
ブラックナイトは、葉っぱの形がブラックプリンスと似ているので二つの多肉植物の特徴を持ってブラックプリンスができたことがわかるでしょう。
似ている黒色多肉植物
ブラックナイト
ブラックプリンスの交配種でもあるブラックナイトは、アフィニスとは少し表情が違う多肉植物として流通しています。ブラックプリンスに近いとされていますが、ブラックプリンスの方が葉っぱが肉厚でぷっくりしているでしょう。
しかし、葉っぱの形や色が似ているのでブラックナイトを買ったのに育てるとブラックプリンスに近い表情になるかもしれません。
ブラックレディ
ブラックレディは希少な品種のひとつで、ブラックプリンスなどとは明らかに違う形や表情です。色は日当たり関係なく真っ黒で、葉っぱは細長く上に伸びています。このような特徴から、他の黒色多肉植物との違いが分かります。
ただ、ブラックレディは日本だけの流通名のようです。ブラックプリンス、ブラックナイト、ブラックキングという名前があるので、ブラックレディという名前がついたと推測されています。
ブラックプリンスの育て方
必要な道具
ブラックプリンスや多肉植物を初めて育てる場合、観葉植物とは違った道具が必要になります。土や肥料、手袋、ハサミを用意するのは必須です。室内で育てるなら、鉢や鉢底ネットなども必要でしょう。
ブラックプリンスは、さらにピンセット、ブラシがあれば楽に植えることができます。ピンセットは、寄せ植えなどの時に多肉植物の移動やとげがある植物を持つのに便利です。ブラシは、葉っぱについた土を払うことができます。
専用スコップは室内で活躍
もし、室内で鉢を使ってブラックプリンスを育てるときは、先が細くなっているスコップを使うと楽に作業ができます。多肉植物は、背が低く葉っぱが広がっているのが多いので隙間に土を入れる際便利です。
また、植え替えするときに根についた土をほぐす場合、フォークを使えば簡単に土がとれます。土をなじませるときにも使えるので役に立つでしょう。
水やり
水やりは、季節によって水の量を変えるようにしましょう。基本的に水やりはこまめにしなくても大丈夫です。ブラックプリンスが一番生長する春と秋は、土が乾いたらたっぷりと水をあげてください。そうするとどんどん生長します。
逆に夏と冬は、ほとんど水やりをしないでください。この時期は休眠期に入るので、根から水を吸収することはありません。元気がないときに少し水やりする程度です。あげすぎると根腐れを起こすので注意してください。
水やりのポイント
ブラックプリンスのような多肉植物は、葉っぱに水がかかってしまうと枯れる場合があります。きれいな花が咲く植物は上からじょうろで水をかけますが、多肉植物や観葉植物はできるだけ土を湿らす感覚で水やりを行いましょう。
葉っぱが邪魔で土に水をかけられないときは、できるだけ注ぎ口が細いじょうろで水やりをしてください。
日当たり
ブラックプリンスは、高山植物なので高温多湿の環境は苦手です。日当たりはよい場所を好みますが、風通しもよくなければ病気になってしまうので注意しましょう。夏の直射日光が当たる場所は避け、半日陰の涼しい場所で育ててください。
逆に冬には強いので、多少霜がついても問題ありません。マイナス1℃から2℃程度ならそのまま置いていても枯れることはないでしょう。冬も日当たりがいい環境で育てると、春にぐんぐん生長してくれます。
病気・害虫
ブラックプリンスは、根腐れを起こしやすいので注意しましょう。季節ごとの水やりの量を気を付けなければいけません。また、高温多湿で育ててしまうと黒斑がでます。これは、新しい葉っぱになるまで治りません。
注意しなければいけない害虫は、アブラムシやハダニです。アブラムシは春の新芽が出るころに発生しやすいといわれています。ハダニは、気温が高い場所や乾燥している場所に発生するので夏場は特に注意してください。
ブラックプリンスの増やし方
葉差し
葉差しで増やすなら、根をつきやすくするために小さめの葉っぱを選びましょう。葉っぱの付け根が土に軽く埋まるくらいにして、3~4日に1回水やりをすると新しい芽が生えてくること間違いなしです。
また直射日光には当てず、半日陰の状態でトレーなどに並べて葉差しをしておくと元気よく生長します。葉差しするときは春がおすすめです。
株分け
ブラックプリンスなどの多肉植物は、葉差しは簡単にできますが株分けの方が定着するといわれています。株分けする際は、子株からはずしたあと切り口を乾燥させ土に植えることがポイントです。
その後、土に植えたら1週間前後で水やりを始めてください。この作業は、春や秋の成長期に行うと失敗せずに定着させることができるでしょう。
植え替え
ブラックプリンスのおすすめの植え替え時期は葉差しや株分け同様、春や秋の生長期がおすすめです。夏や冬に行うと枯れてしまう場合があるので注意してください。
植え替えする際は、古い根をカットして行うと生長しやすくなります。カットした後は1週間前後乾かしてあげてから植え替えを行いましょう。水やりもすぐしてしまうと根腐れを起こすので、1週間前後で水やりを行うのがベストです。
ブラックプリンスで寄せ植えを楽しもう!
ブラックプリンスの育て方のポイント
- 水やりの量は季節ごとに変える。
- 植え替えや株分けは生長期の春がおすすめ。
- 害虫がつかないようにブラシで葉をきれいにする。
- 寄せ植えするときはピンセットを使うとスムーズ。
ブラックプリンスは、初心者でも比較的簡単に育てることができます。さらに育て方のポイントを把握しておけば、葉差しや植え替えにも挑戦することができるでしょう。
また、ブラックプリンスのような黒色多肉植物は、名前の由来などを調べると原種や交配種の種類がわかって興味を持つかもしれません。もし、黒色の多肉植物を育てたいと考えているなら、ぜひブラックプリンスを育てて素敵なガーデニングライフを過ごしてください!
ブラックプリンスが気になる方はこちらもチェック!
ブラックプリンスに興味を持った方は、ぜひ他の記事もチェックしてみましょう。多肉植物の種類がわかれば、寄せ植えなどをするときにバランスよく植え付けることができます。
また、増やし方も覚えるといろいろな寄せ植えのアレンジもすることができるのです。室内でも簡単に育てることができるので、迷ったときは記事を読んで育て方のコツを見つけてください。

【多肉植物図鑑】おしゃれに飾れる人気種おすすめ20選!育てやすい&お手入れ簡単!
多肉植物は葉っぱの色や形、ぷっくりとした感じがたまらなくかわいい癒し系植物を図鑑形式でご紹介。インテリアやギフトとしても、人気のある多肉植物...

多肉植物の寄せ植え方法!初心者でも作り方のコツを掴めば簡単&おしゃれに仕上がる!
多肉植物の寄せ植えを作るのは意外と簡単、って知ってましたか? やり方とちょっとしたコツが分かれば、誰でも気軽に作ることができちゃうんです。今...

多肉植物の増やし方まとめ!葉挿しや挿し木など、増やし方のコツを解説!
多肉植物の増やし方は、「葉挿し」「挿し木」「株分け」の3つがあります。あなたは正しいやり方を知っていますか? それぞれ時期や水やりなど、ちょ...