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多肉植物の増やし方まとめ!葉挿しや挿し木など、増やし方のコツを解説!

多肉植物の増やし方は、「葉挿し」「挿し木」「株分け」の3つがあります。あなたは正しいやり方を知っていますか? それぞれ時期や水やりなど、ちょっとコツがいるんです。でも、感覚を掴めば簡単! 手順を基礎から説明し、多肉植物を失敗せず増やせるコツを解説します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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多肉植物を自分で増やしてみよう!

多肉植物を育て始めた初心者さんなら、こう思ったことがあるのではないのでしょうか。 「多肉植物って、どうやって増えるんだろう……?」 実は、一般の植物とは違った、乾燥した環境でたくましく生きる多肉植物ならではの増え方があるんです。 方法を知れば、新しく買ってこなくても、自分で簡単に増やすことができます! ぜひマスターして、お気に入りの多肉植物をいっぱい増やしましょう!

多肉植物の増やし方! 方法は3つ

多肉植物を増やす方法は、以下の3通りあります。 ①葉挿し ②挿し木 ③株分け それぞれ紹介していきますね!

①葉挿し

葉挿しとは?

まず、もっともポピュラーな増やし方をご紹介します。 多肉植物を一番お手軽に増やすことができる方法が、この「葉挿し」です。 葉挿しとは、株から採取した一枚の葉を用いる方法のこと。 ポロッと取れてしまった多肉植物の葉をとっておくと、なんとそこから新しい根がニョキニョキと生えてくるのです。この性質を利用して、発根した葉を新しい鉢やポットの上に並べておきます。成功すれば一枚の葉が立派なひとつの株に成長します! 失敗しても簡単にやり直しがきくので、ぜひ葉挿しからトライしてみましょう。 詳しいやり方は以下の項目で説明しています!

②挿し木

挿し木とは?

挿し木(芽挿しともいいます)とは、増やしたい多肉植物から穂を切りとり、土に挿して増やす方法のことです。 葉挿しの次によく用いられます。「穂の一部が伸びすぎて、なんとなく不格好に育ってしまった……」「株の形を整えたい!」という時におすすめです。形を整えるために不要な穂を切りとったあと、挿し木にして再利用すれば、多肉植物を増やすこともできて一石二鳥!  多肉植物を育てることに少し慣れてきて、自分で株の形を整えたくなってきたら、ぜひチャレンジしてみましょう。

③株分け

株分けの方法

株分けは葉挿しや挿し木ほどメジャーな方法ではないかもしれません。 というのも、一度植物を根ごと取り出す必要があるからです。葉を摘めばいいだけの葉挿しと比べて、「なんとなく労力が必要そう……」というイメージを持たれる方も少なくないのではないでしょうか。 でも、株分けは「鉢に対して植物が大きくなりすぎてしまった!」「他の植物の生長を圧迫しているから、もっと小さくしたい!」という時に必要になってくる作業です。植物を根元から切って分けてしまい、新しい場所に植え替えるのです。一気にたくさんの株に増やすことはできませんが、多肉植物を長く育てるならぜひマスターしたい方法です。

多肉植物の増やし方、どう使い分ける?

多肉植物によって、それぞれ向き不向きがある

多肉植物の増やし方でいちばん楽なのは、葉挿しです。できたら葉挿しで増やしたい……とお考えの方もいるのではないでしょうか。 でも、葉挿しが向いている植物もいれば、向いていない植物もいるんです。適していない方法では、何度やっても失敗してしまいます。ここでは、葉挿しに向いている多肉植物についてご紹介します!

葉挿しに向いている多肉植物

葉挿しに向いている多肉植物の特徴は、肉厚でプニプニとした葉であること。 これは、どうして葉から根が出てくるのか? ということに関係しています。 多肉植物は乾燥した地域に自生する植物なので、体内にたくさん水分を溜め込むことができます。あまり水やりをしなくていいのも、体内に水分のストックがあるからこそ。 この水分が、発根のエネルギーになっているのですね。 なので、できるだけ「葉に水分をためこんでいそう……」と感じさせる、プックリした葉の多肉植物でチャレンジしてみましょう。 具体的には、以下のような属が簡単です! ・グラプトペタルム属 ・パキフィツム属 ・セダム属 ・エケベリア属 ・ガステリア属 ・カランコエ属 ・クラッスラ属


葉挿しが得意な多肉植物の例

赤鬼城(あかおにじょう)

真っ赤な紅葉が美しい品種です。 白くて細かい花が咲きます。この花には香りがあり、育てるのも簡単! 霜にはあてないほうが良いのですが、寒さ・暑さともに比較的耐性があります。

エメラルドリップ

こちらは霜にあてても大丈夫! 株の脇から茎が伸び、オレンジの花を咲かせます。 秋になると葉の先が紅葉するのも特徴です。初心者の方にもおすすめな、簡単で育てやすい品種のひとつです。

朧月(おぼろづき)

この品種も栽培難易度が低く、育てやすいです。 年間を通じて外見の変化は少なく、白くて小さな花が咲きます。

挿し木に向いている多肉植物

挿し木で増やす場合は以下に属する多肉植物で挑戦しましょう! 特にセダム属は繁殖力も旺盛で、簡単です。 ・グラプトペタルム属 ・パキフィツム属 ・セダム属 ・エケベリア属 ・カランコエ属 ・クラッスラ属 ・コチレドン属

挿し木が得意な多肉植物の例

アラントイデス

全体に白い粉がかかった多肉植物です。 トゲのないスリムなサボテンのような姿が特徴的。水やりは月に1、2回でOKな、育てやすい品種です。日のあたる場所に置いてあげましょう。

乙女心

女性的で愛らしい名前の品種です。 秋には葉先の赤い紅葉を楽しむことができます。暑いのが少し苦手で、夏は休眠期です。夏の時期は断水し、日陰に置いてあげるようにしましょう。

星の王子

こちらも印象的な名前の品種ですよね。 アフリカが原産地の多肉植物です。 紅葉と花の両方を楽しむことができます。葉挿しはほとんど成功しないので、挿し木で増やしましょう。

株分けが得意な多肉植物

株分けが得意な多肉植物は以下の通りです! 葉挿しも挿し木も失敗しやすい……という多肉植物も存在するので、その場合は株分けをしましょう。おもに横に広がって育つようなものを使うとやりやすいです。 ハオルシア属 アガベ属 アロエ属 セネシオ属 コチレドン属 センペルビブム属

株分けが得意な多肉植物の例

綾錦

南アフリカが原産地。アロエ属の品種です。 トゲトゲとした葉が個性的。オレンジ色の花が咲きます。 アロエの仲間は基本的に株分けが失敗しにくいです。誰もが知っているポピュラーな多肉植物でもあり、お手入れも簡単なので、初心者の方でも育てやすくおすすめです。


葉挿しの方法を1から解説!

では、いよいよ実際の手順をご紹介します。 まずは一番簡単な葉挿しからです! 続いて葉挿し、株分けという順番でご紹介しています。

増やし方 ステップ①

※行う時期は秋が一番適しています。 ですが上で紹介した赤鬼城やエメラルドリップのような、葉挿しが得意な一部の多肉植物は、時期を問いません。年間を通じて葉挿しができます。 まず、増やしたい多肉植物の葉を用意します。 ポロッと取れてしまったようなものでも大丈夫ですが、親株と接していた部分がキレイなものでないと、うまく発根しない場合があります。 葉挿しのために葉を採取するときは、慎重に一枚一枚取りましょう。 コツとしては、乾燥気味に育てた多肉植物を使うこと。葉挿し用の葉を採取する前は、数日間水やりを控えましょう。

増やし方 ステップ②

土を用意し、葉を並べます。 「多肉植物の土」というものが売っていますので、それを使うと簡単です。 自分で市販の土と土をブレンドしたい場合、多肉植物には水はけのよい土が適しているということを覚えておくと良いかもしれません。 葉を土の上に並べるときは、仰向けの状態になるようにしてください。ロゼッタ状の多肉植物の場合、そり返っているような姿でOKです。 置き場所は半日陰が望ましいでしょう。日光に当てて乾燥させすぎると、体力が奪われてしまいます。「多肉植物は乾燥に強いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、採取した葉はまだ子どもなので、たくわえておける水分が少ないのです。より慎重にならなければいけません。 このまま数日間放置します。 いまの時点ではまだ水やりはしません。乾燥が心配でも、葉の切り口から腐る可能性を考慮してあげましょう。

増やし方 ステップ③

数日後、根は出てきましたか?  発根までにかかる時間には個体差があります。根が出てきたものから、次のステップに移行させましょう。出てきた根が土に埋まっておらず、露出してしまっている場合、優しくうっすらと土をかけてあげます。水やりも開始しましょう。

増やし方 ステップ④

葉から出た根が土に定着し、新しい葉が小さなツメのように出てきたら、さらに放置して生長させます。 そのまま大きくなったら成功です! 最初に置いた葉の部分がカサカサになって茶色く変色し、完全に枯れたら、その部分を取り除きます(完全に枯れるまではそのままにして、新しい株に栄養を送る役割を果たしきってもらいましょう)。その後、好きな場所に植え替えてください。

挿し木の方法を1から解説!

お次は挿し木での増やし方をご紹介します。 大きく育った多肉植物も、挿し木をするとまたミニチュアな状態から楽しめて可愛いですよ! 行う時期は春や秋がおすすめですが、多肉植物の生育期に合わせましょう。また、雨が多く降る時期は避けたいところです。

増やし方 ステップ①

増やしたい親株を用意します。 親株をカットして挿し穂を作りましょう。 下の葉3枚くらいを残した場所から切ります。木立ち種の場合、葉が生えている部分の1センチ下あたりをカットします。親株が茎だけになってしまっても、また新しい葉が生えてくるので大丈夫。

増やし方 ステップ②

挿し穂の下の葉3枚くらいを取り除きます。これは土に挿したとき、葉と地面が接してそこから腐らないようにするためです。失敗の原因になるので忘れずに行って下さい。 下の葉を取り除いたら、挿し穂を口の細い花瓶状のものに挿して乾燥させましょう。寝かさないのがポイントです。形がゆがんで、あとで土に挿しにくくなるのを防ぐためです。水は入れず、切り口が乾くまで置いておきます。場所は日陰がおすすめ。

増やし方 ステップ③


数日後、挿し穂のカットした部分から根が伸びてきます。 そのタイミングで新しい鉢に植え替えれば完成です。 人によっては、2日ほど乾燥させたら根が出ないうちから挿してしまうという人もいますが、根が出てからのほうが定着しやすいでしょう。

多肉植物の挿し木が失敗してしまうときは……

挿し木は葉挿しのように、葉っぱをちょっと摘めばよいものではなく、なんとなくプレッシャーを感じる人も多いのではないでしょうか。挿し木が失敗すると、なんだか損したような気分になってしまいますよね。 そこで、挿し木でありがちな失敗例をまとめました。うまくいかないときは参考にしてみて下さい。

湿気の多い時期に行っている

ほとんどの多肉植物は、水の多すぎる環境が不得意です。 梅雨時のようなじめじめとした時期は避けましょう。 逆に、簡単なのは植物の生育期です。多肉植物は品種によって、それぞれ生育期という時期を持っています。この時期は旺盛に育つので、挿し木も生長しやすいのです。自分の育てている多肉植物の生育期をチェックしてから取りかかると良いでしょう。 また、生育期の反対は休眠期といいます。植物が生長をストップさせ、お休みする時期です。この時期は梅雨時と同様に、失敗しやすいので、避けたほうが無難です。

挿し穂をカットしてからすぐに植え付けている

挿し穂から根が出るまで待ってから土に植え付けていますか? 些細なことのように感じられるかもしれませんが、カットしてから根が出るのを待つステップは重要です。なぜなら根が出るまでに挿し穂は乾燥し、腐りにくくなるからです。水やりはせず、発根まで放置しましょう。多肉植物を育てるにあたって、「腐る」というのはじつによくある失敗なのです。

株分けの方法を1から解説!

最後に、株分けの方法をご紹介します! 多肉植物以外の観葉植物にも応用できるテクニックです。ちょっと難しく感じられるかもしれませんが、根ごと切り離す方法なので、覚えてしまえば意外と簡単ですよ。

増やし方 ステップ①

鉢から株をすべて抜き取ります。 根についた土を落とし、根がどくろを巻いていた場合は、優しく手でほぐしていきましょう。 この時、腐っている根や、枯れている根があれば、取り除いてしまいます。

増やし方 ステップ②

根ごと株を分割します。何らかの刃物を用意してカットしていくといいでしょう。 株を分けたら、それぞれ別々の鉢に植え替えます。 手順としてはこれで終わりですが、その後気をつけなければいけないことがあります。 それは水やりです! 株分けの時、根がカットされた部分は、デリケートになっています。この部分から腐ってしまうことを防ぐため、株分け後1週間は水やりを控えたほうが良いでしょう。 1週間ほど経ったら、いつもより多めに水をやります。その後はまた水やりの間隔を空けてください。様子を見つつ、徐々に通常の水やりに戻していきます。

お気に入りの多肉植物をたくさん増やしてみよう!

いかがでしたか? 多肉植物は水やりがほとんど要らず、一般の植物に比べて育てやすく失敗しにくいのが特徴。たくさん数を増やしても、育てるのが手間に感じることは少ないでしょう。 普段のお世話でポロッと取れてしまった葉から、ぜひ葉挿しをはじめてみてください。小さい赤ちゃんの株から立派に育てるのもまた楽しいですよ。お気に入りの多肉植物をたくさん増やしましょう!