ベビーリーフってどんな野菜?
ベビーリーフとは、10㎝ほど伸びてきたところをカットした野菜やハーブ全般を指します。大きくなるまで成長したものより歯ざわりが柔らかく、アクが少ないのが特徴で様々な料理に活用できます。
欧米でここ10年の間に急速に人気が高まり、野菜売り場で様々なベビーリーフが販売されるようになっています。比較的新しい存在と思われがちなベビーリーフですが、実は日本には「つまみ菜」という名前で既にベビーリーフが出回っており、意外と馴染みの深い野菜でもあります。
ベビーリーフの優れた栄養成分
小さく淡い色合いのベビーリーフですが、実は優れた栄養成分の持ち主ということをご存知ですか?
小さな葉っぱにはこれから成長するのに必要な栄養素がたっぷり。成長した野菜よりやわらかく、苦みや辛味も程よく和らいでいるので生で食べることができます。そのため、栄養素を無駄なく摂取できるのもベビーリーフのメリットです。
レタスと比較してみると
普段サラダでよく使うレタスとベビーリーフの栄養成分を比較してみましょう。
どちらの野菜にも食物繊維やビタミンC、βカロテンといった身体に嬉しい栄養素が含まれています。しかし、100gあたりに含まれる栄養素の量で比較してみると、食物繊維は2倍の2000mg、ビタミンCは約7倍の36mg、βカロテンは10倍以上の3,600μgと、どの栄養素も圧倒的にベビーリーフの方が量が多いのが分かります。
ベビーリーフの種類と栄養
栄養満点の食材であるベビーリーフですが、その種類によって詰まっている栄養は変化します。ベビーリーフとは若い葉っぱの総称で、1種類だけというものではないので、種類の違いによって含まれる栄養も異なるからです。その種類はハーブ、ほうれん草、キャベツ、レタスなど多岐にわたり、数種類のベビーリーフをミックスして使用するのが一般的です。
ここでは日本人とも馴染み深く、さらに初心者でも簡単に栽培でき、多くのレシピに活用できる種類をご紹介します。
春菊のベビーリーフ
鍋物の定番である春菊は、欧米ではサラダの具材として人気のベビーリーフです。栽培は初心者でも簡単で、害虫もほとんどつかず、柔らかな芽先を何度も摘んで楽しむことが可能です。大きく育つと独特の苦みが出てくるので、クセがないベビーリーフであれば苦手な人も食べられるのではないでしょうか。
サラダはもちろん、ナムルやサンドイッチなどの料理にもおすすめです。
含まれる栄養素は?
カルシウム、マグネシウム、鉄、リンなどミネラルといった栄養が豊富です。これらはどれも骨を生成する大切な栄養素です。さらに春菊はカロテンが豊富です。カロテンには風邪予防や抗発ガンの効能がある栄養素なので、健康を維持したい人にはぴったりのベビーリーフです。
水菜のベビーリーフ
しゃきしゃきした歯ざわりと程よい辛味が特徴の水菜は、ベビーリーフだとより柔らかく爽やかな香りを楽しめるのでサラダにぴったりです。また、サラダ以外にもお鍋やお味噌汁の具材など、加熱するレシピにもおすすめです。
含まれる栄養素は?
水菜はその90%が水分ですが、残りの10%には食物繊維やβ-カロテン、ビタミンCに葉酸、カルシウム、鉄など豊富な栄養素が詰まっています。
特にβ-カロテンが豊富で、緑黄色野菜の仲間でもあります。また、カルシウムも多く含まれており、含有量が多いとされる小松菜の1.2倍の量があります。カルシウムは骨や歯を丈夫にする効能があるので、お子様にも是非食べさせたい野菜です。
小松菜のベビーリーフ
秋から初春にかけては栽培が簡単なうえ、早く収穫できるベビーリーフです。味にくせがなく食べやすいので、初心者には特におすすめです。濃い緑色のため、他の淡い色のベビーリーフと併せると色も映え、サラダとは味・彩り共に相性が良い野菜です。また、クセが少ない小松菜のベビーリーフはスムージーのようなジュースのレシピにも活用できます。
含まれる栄養素は?
小松菜は緑黄色野菜の一種で、β‐カロテンをはじめ、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含んでいます。β‐カロテンは体内でビタミンAに変換されることにより、髪や目、粘膜や皮膚など、身体の健康維持の効能が期待できます。
さらに小松菜はカルシウムや鉄分を豊富に含んでいます。どちらも女性が不足しがちな栄養成分なので、サラダなどの副菜に取り入れて日常的に摂取したい野菜です。
レタスのベビーリーフ
ソフトな歯ざわりでサラダには欠かせない存在のレタスもベビーリーフがあります。レタスと一言にいっても種類が豊富で、ベビーリーフに向いているのはリーフレタス、サラダ菜、チマサンチュなどのタイプです。これらの種をミックスしたものも売られています。
主張しない味なので様々なサラダのレシピに活用できるベビーリーフです。
含まれる栄養素は?
レタスは全体の95%が水分です。これだけ見ると栄養は無いように思えますが、残り5%に様々な栄養が詰まっており、積極的に取り入れたい野菜の1つです。
中でも注目すべきはTNF-αという栄養です。TNF-αとは免疫細胞に作用し、白血球の働きを活性化させる効能が期待できる栄養成分です。つまり、身体の免疫力向上が望める栄養であるということです。レタスはこの含有量が最も高い野菜のため、ベビーリーフにもその健康効果が期待できます。
ベビーリーフを育てるには?
ベビーリーフは栽培の手軽さも魅力の一つです。ベランダや窓際でコンテナを使って栽培でき、ほとんどの種類が種をまいてから1か月以内に収穫できます。鮮やかな緑色の葉っぱなのでインテリアとして楽しむことも可能です。
用意するもの
手軽に栽培できるベビーリーフですが、以下のものを必ず用意してください。準備が足りないと、上手く育たない、土がこぼれてしまう等のトラブルが起こることもあります。用意をきちんとして、美味しいベビーリーフを育てましょう。
- 市販の葉野菜やハーブの種
- 鉢やプランターなどの栽培容器
- ネット(鉢底の穴の上に置く用土漏れ防止用のもの)
- 肥料
- 土
栽培方法➀種まき
底にネットを敷いたプランターや植木鉢に半分ほど土をいれます。そこに肥料をばらまき、その上に残りの土をいれたら、水がそこからあふれ出すくらいまで水をやります。土の量は縁から1~2㎝スペースを残すぐらいにしましょう。
ならした土の上に5号鉢以下ならばらまき、普通のプランターなら2列の条まき、もしくはばらまきをします。種と種の間は2㎝以上開けておきます。その後、軽く種が隠れる程度土をかけます。
栽培方法②水やり
種まきから発芽までは、種が乾かないようにじょうろや霧吹きで水をたっぷり与えます。発芽して順調に育ち始めたら、土が乾いたら水をやるようにしましょう。土の表面だけ濡らすのではなく、鉢底から水がしっかり出るまで与えます。
栽培方法③間引き・収穫
季節によっても変わりますが、早いもので2~3日、遅くとも7日~10日で発芽します。育ってきたら、より太く丈夫な芽を残し、細いものは間引きします。切った葉はもちろん食べられるので、きれいに洗って使用しましょう。
食べられそうな大きさになったら収穫します。はさみで他の葉っぱを傷つけないよう先端でカットします。
適した保存方法で美味しく食べよう
ベビーリーフはきちんと保存しないとすぐにしなしなになってしまいます。保存方法は簡単なので、是非実施してみて下さい。
まず、洗ってざるに入れ水を切ります。タッパーなどの保存容器に水で湿らせたキッチンペーパーを広げ、水を切ったベビーリーフを入れます。さらに、その上にもう1枚湿らせたキッチンペーパーを載せ、ふんわりと包むようにし、容器のふたを閉めます。
この方法だと冷蔵庫で1週間ほど鮮度よく保存できます。
家庭菜園が気になる方はこちらをチェック!
ベビーリーフが栽培出来たら、次は他の野菜にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?ご家庭の家の中で育てられるお手軽な野菜や、ベランダで育てられるちょっと大き目な野菜まで紹介されています。
植物は育てることで目にも心にも癒しを与えてくれます。癒しにもなって食べることも出来る、まさに一石二鳥の家庭菜園を手軽にお家でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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