ハンゲショウの特徴と名前の由来
ハンゲショウの特徴
ハンゲショウは日本原産の草花で、林や川辺の湿った場所に生育しています。葉の一部を真っ白に染めたハンゲショウは、細い茎のつけねから稲穂のような花房を伸ばすのが特徴です。
ハンゲショウが群生している場所では、地下茎を使って分布を広げているのでたくさんの葉や花を見ることができます。
ハンゲショウは絶滅のおそれがある?
ハンゲショウが好む、日当たりのよい湿地は年々、日本から姿を消してしまっています。そのため、野生のハンゲショウを見ることが少なくなっていて、一部の地域では絶滅の恐れがある草花として分類されているのです。
ハンゲショウの花期は?
ハンゲショウの稲穂に似た花は、夏に花期を迎えます。ハンゲショウの最大の特徴である、葉の白さは小さく目立たない花の代わりに昆虫を惹きつける役割をもっているのです。花の役割をする白い葉は、よく見ると花穂のすぐ下についていますね。
葉っぱの白い部分はもとに戻る?
ハンゲショウの目立つ葉っぱの白い部分は、夏の開花期が終わるともとの緑色に戻ります。夏至の前後で開花のピークを迎えたあとに、葉っぱが枯れる秋になるまでに少しずつ白が薄れていき、緑に変わる不思議な草花です。
ぜひお家でのガーデニングに取り入れて、じっくり観察してみてください。
ハンゲショウの名前の由来は?
ハンゲショウというおもしろい名前は、半夏生もしくは半化粧という和名をもちます。半夏生という和名の由来は、夏至から11日後の暦である半夏生に花期がピークを迎えることからつけられました。いっせいに開花したハンゲショウは、とても人目を惹きつけます。
また、半化粧という和名は葉っぱの半分がおしろいを塗ったように真っ白に変わる特徴からつけられたものです。
片白草(カタシログサ)という別名も
ハンゲショウには片白草(カタシログサ)という別名もあります。こちらも、葉っぱの白さから連想してつけられた名前です。
ハンゲショウの育て方
まずは栽培スケジュールをチェック
ハンゲショウは、梅雨明けから夏至の時期にかけて花期を迎えます。植え替えや植え付けは、地上部が枯れて地下茎だけになる冬の時期に行いましょう。肥料も、植え付けの時期に元肥を与えます。株分けなどで増やす場合も、冬の時期に行うのがおすすめです。
ハンゲショウの育て方①日当たりと用土
ハンゲショウは自生している環境のように、日当たりのよい湿地を好みます。日当たりがよいほど、葉の白が美しくなるのでなるべく日が当たる場所を選びましょう。鉢植えにする場合の用土は、市販の培養土に黒土や田土などの粘土質のものを配合します。
睡蓮鉢に水を張って育てることもできるハンゲショウですが、普通の鉢を使うときはなるべく大きめのものを選びましょう。
ハンゲショウの育て方②水やり
湿度が高い環境を好むハンゲショウ。朝と夕方に土が完全に乾ききってしまう前に水やりを行います。鉢植えの場合は、大きめの鉢の底に水受け皿を置いて、乾燥しないように気を付けましょう。庭植えの場合も、夏から秋にかけての乾燥する時期は特に注意が必要です。
ハンゲショウの育て方③肥料
ハンゲショウはたくさんの肥料を必要としないので、春に元肥として緩効性の化成肥料を与えるだけで十分です。水を張った睡蓮鉢や池のそばで育てているときは、土の中に肥料を埋め込むようにして与えましょう。
鉢植えの場合は、葉が少ないと感じたら液肥を追肥として与えます。
ハンゲショウの育て方④植え付け
ハンゲショウの植え付けは休眠期である2月から3月に行います。ハンゲショウはしっかりとした地下茎を伸ばしているので、掘り上げてから植え付けをしましょう。苗の状態で売っているハンゲショウは、葉が出てくる開花時期の春から夏に流通しています。水持ちのよい土を選んで植え付けをします。
耐寒性が高くないので、寒冷地で庭植えをする場合は深めに植え付けて霜などで地下茎が押し上げられて出てこないように注意が必要です。
ハンゲショウの育て方⑤植え替え
鉢植えで育てているハンゲショウは、数年に一度、根詰まりを防ぐために植え替えを行いましょう。植え替えを行う時期は、芽が出る春までに終わらせます。庭植えにしている場合も、群生しすぎていると感じたら植え替えを行いましょう。
ハンゲショウは環境が合えば、繁殖力が旺盛なので増えすぎてしまうことがあります。適度に間引くことも必要ですので、覚えておきましょう。
ハンゲショウの増やし方
株分けでハンゲショウを増やそう
繁殖力が旺盛で株分けをしやすい草花であるハンゲショウ。冬の時期に、地下茎を掘り上げて芽が分配するようにカットして株分けを行いましょう。カットするときに使う、ハサミやスコップは新品でなければ火にあぶって消毒をします。
株分けをして植え付けた地下茎は、乾燥しないように注意しながら春になるのを待ちましょう。
ハンゲショウは種まきで増やせる?
ハンゲショウの穂のような花は、成熟すると緑色から黒く変わり果実の中に種子ができてきます。種まきでの増やし方は、不可能ではないのですが年数がかかってしまうのでより簡単な株分けで増やすことがおすすめです。
庭植えにしているときは、自然に落下した種子が芽吹いて増えていくこともあります。
ハンゲショウの冬越しのコツは?
ハンゲショウは、夏の暑さには強いのですが冬の寒さは苦手な草花です。年越しを迎える前に防寒対策をしておきましょう。寒冷地で庭植えにするときは、落ち葉やわら、マルチなどで地面を保護すると地下茎が傷むのを防ぐことができます。
また、霜によって地面が盛り上がってしまい地下茎が地表に出ると弱ってしまうので、植え付けるときに注意が必要です。
鉢植えの冬越しは?
ハンゲショウを鉢植えで育てているときは、冬場は日当たりのよい場所で管理しましょう。軒下などの霜が当たらない場所であれば、外で管理して大丈夫です。年越しをしてからは地下茎だけになってしまい、地上部が見えませんが数日おきに水やりを行うようにしましょう。
ハンゲショウの栽培の注意点
ハンゲショウは、水やりと湿度に注意してあげれば比較的育てやすい草花です。病害虫にも強いので、環境が合えば繁殖力のよさを発揮してくれるハンゲショウ。栽培で気を付けるポイントについてご紹介します。
ハンゲショウの葉が白くならない
ハンゲショウの葉がきれいに白くならないときは、日当たりをよくするか肥料を変えると改善されることがあります。窒素成分が多い肥料を与えると、葉だけが茂ってしっかりとした純白の葉にならないことがあるので肥料の成分を確認して、必要に応じて減らしましょう。
葉がまったく白くならないことも
前述したように、窒素成分が強い肥料を与えていると葉が白くならないこともあります。窒素が多いと、花をつけなくなってしまうのでそれに合わせて、虫を寄せる葉も白くならないのです。肥料は控えめにするように心がけましょう。
ハンゲショウをお庭に取り入れてみよう
切り花としても、ガーデニングの花材としても有能なハンゲショウ。他の草花にはないような、涼やかな葉の色が何よりの魅力です。ハンゲショウは病害虫に対してもとても強く、株分けの増やし方も簡単なので初心者にも向いています。広い場所に群生させたり、睡蓮鉢で楽しんだりとハンゲショウのいろいろなアレンジを楽しんでみてください。
水生植物が気になる方はこちらをチェック!
水辺に咲く植物は、暑い夏にとても涼しげな印象を与えてくれます。お庭に水生植物を取り入れとガーデニングがさらにレベルアップしますよ。下記の記事も参考に、ぜひ水生植物の魅力を味わってみてくださいね!

水生植物とは?水辺や池の中の水草などの種類や分類をご紹介!
水生植物というと池に浮いている水草や藻だけでなく、水辺に生息して花を咲かせる植物も含まれていて、さまざまな種類があります。そんな水生植物の種...

【初心者でも簡単】ウォータークローバーの育て方まとめ!水生生物と一緒でも可愛い!
水生生物と共に育てるビオトープに最適なウォータークローバー。越冬もしやすく耐暑性もあるため初心者にも栽培をしやすいおすすめの植物。今回はそん...

上三依水生植物園の見どころを紹介!「天上の妖精」ヒマラヤの青いケシの見頃はいつ?
上三依水生植物園は、日光周辺で咲く花を中心に約300種の植物を堪能できることで知られ、多くの人が訪れている観光スポットです。本記事は、上三依...