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水生植物とは?水辺や池の中の水草などの種類や分類をご紹介!

水生植物というと池に浮いている水草や藻だけでなく、水辺に生息して花を咲かせる植物も含まれていて、さまざまな種類があります。そんな水生植物の種類について、また観葉植物としてガーデニングやDIYで涼しげなインテリアを演出する方法についてご紹介します。
2020年8月27日
かりん
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水生植物とは

水生植物は川や池などの水辺や湿地に生息する植物で、日本には約500種類の水生植物があると言われています。もともとは水中にあった植物が進化するうちに陸上でも生息することができるようになり、また再び水中に戻ってきて水中植物と呼ばれるようになりました。水中または水面や水上で生活して、その種類はさまざまです。

水生植物の特徴

花の特徴

花を水中で咲かせるものもあれば、水上に花を咲かせて観葉植物にもなる種類もあります。水中で咲く花でも、雄しべから出た花粉が水の中を漂って雌しべにたどり着くので、水中で受粉して、一般的な植物と同じように種を作ることができます。このような受粉の仕組みは、水生植物の大きな特徴と言えます。

葉の特徴

普通、葉の裏側には気孔という空気が出入りする穴がありますが、水生植物は空気に触れる表側だけに気孔があります。また、完全に水中で生息する水生植物の葉には気孔はありません。そこで水上に葉を出さない種類の水生植物は、水に溶けた二酸化炭素を葉全体から吸収する仕組みになっています。また、葉に空気を蓄えられるような構造を持っていて、植物全体が水に浮くようになっているものもあります。

茎の特徴

水生植物の茎には水分を通す導管がなく、その代わりに細胞の間に隙間がたくさんあって、空気を蓄えやすくなっています。また、茎の中に空気があることで、水の中で浮きやすくなります。

根の特徴

水生植物の根は、地中に張って植物全体を支える役目よりも、川や池の中で流されたりひっくり返ったりしないように、おもりとしての働きをしています。また、水生植物は葉だけでなく茎でも光合成ができるので、根で養分を吸収しなくても十分栄養が作れるので大丈夫です。

水生植物の分類

植物全体が水の中に沈んで完全に水の中で生活するものもあれば、水面に浮いて花や葉を水上に出すもの、また水辺に根を下ろして生息するものもあります。生息の形態で大きく次の4種類に分類されています。それぞれの特徴やどんな植物が属しているのかについてご紹介します。

①沈水性植物


沈水性植物は、植物全体が水の中に沈んでいる水生植物で、いわゆる水草と呼ばれるものです。水底の土中に根を張って茎や葉が水面下に沈んだまま生育します。水草の花は水中で咲くもの、水面より上に咲くものの両方があります。バイカモ・セキショウモ・フサモ・ミズオオバコ・エビモ・イバラモなどが沈水性植物です。

バイカモ

バイカモは澄んだ水の中に生息しています。茎や葉は水中にありますが、花は水上に咲きます。花期は6~8月で、梅に似た白い花が咲く水草なので、梅花藻(バイカモ)という名前が付きました。

セキショウモ


セキショウモは小川などの流水中に群生している水草です。細長いテープ状の葉で、8~10月に小さな花を咲かせます。とても丈夫な水草で繁殖力も旺盛です。熱帯魚のアクアリウムなどで、涼しげな演出をするのによく利用されています。

②浮葉性植物

浮葉性植物は、水底に根を張って茎を伸ばして葉を水面上に浮かべている水生植物です。花も水面に浮くように咲きます。スイレン・アサザ・ヒツジグサ・ジュンサイ・オニバス・ヒシ・ガガブタなどがあります。

スイレン

スイレンは初夏から秋にかけて白やピンクなどの美しい花を咲かせます。水面に花が浮くように咲くもの、茎を伸ばして水面から立ち上がって咲くものといろいろな種類があります。

アサザ

アサザの葉はスイレンよりも小さいですがよく似た形をしています。夏から秋にかけて、小さな花を水面に咲かせます。花は黄色で細かいギザギザが入っています。

③浮遊性植物

浮遊性植物は根を水底に張らないで水面に浮いている水生植物です。葉に空気をためておく構造があるので、水面に浮くことができます。繁殖力が旺盛な品種が多いのが特徴です。ホテイアオイ・サンショウモ・オオアカウキクサ・タヌキモ・ウキゴケなどがあります。

ホテイアオイ

 ホテイアオイの葉には丸いふくらみがありますが、これは浮袋の役目を果たしている物です。夏から秋にかけて青紫色の花が咲いて、1~2日でしぼんでしまいます。美しい花は観葉植物としても楽しむことができます。

サンショウモ

Photo by kochibi@JPN

サンショウモは山椒の葉によく似ていることが名前の由来です。葉の表面にたくさんの小さな突起物が付いています。かつては水田などでよく見かけましたが、農薬の影響で最近では絶滅危惧種に指定されています。

抽水性植物


抽水性植物は根は水底にあって、茎や葉や花を水上に出す水生植物です。川辺や池の縁などの水辺に多く生息しています。背丈が高いものが多いのが特徴です。ガマ・ハンゲショウ・ハス・ミズバショウ・ヨシ・コウホネ・ショウブ・カキツバタ・ミツガシワなどがあります。

ミズバショウ

ミズバショウは「夏の思い出」という歌にもなっていて、とても有名な花です、でも実は夏に咲くのではなく、春に咲く花です。冷涼な気候の、水がきれいな場所を好んで生息します。

ハンゲショウ


ハンゲショウは6~7月に白い穂状の花が咲きます。茎の上部についている葉が化粧をしたように真っ白になるのでこの名前が付きました。ハンゲショウも池の水辺に多く見かけますが、強い性質なので家の庭でも十分育ちます。

水生植物の育て方

水生植物は一般的な植物と同じように、ガーデニングに利用することもできます。ここでは水生植物の育て方について説明します。

用土

水生植物には保水性があり、粘土質の土が向いています。赤玉土と黒土をまぜたものや、田んぼの用土の荒木田土を使いましょう。または市販の水生植物用の土もあります。

水やり

水生植物には水は不可欠なので、鉢ごと水に漬けて育てると安心です。水に漬けないで育てる場合は、こまめに水やりをして、水切れしないように管理しましょう。

肥料

肥料は1~2ヶ月に一回、少量の水生植物用の化学肥料を与えると生育が良くなります。水槽で水草として育てる場合は、肥料を控えた方が魚のためにも安心です。

増やし方

水生植物の増やし方は、大きくなった株を分けて増やす方法と種まきで増やす方法があります。種を採取したものは普通の植物と同じように清潔な土に種をまいて発芽を待ちましょう。種が乾燥しないように水分補給には注意してください。

観葉植物として利用される水生植物

水辺に生息する水生植物を、観葉植物としてガーデニングに利用することもできます。よく使われているものに、ハスやスイレンなどの浮葉性植物、ハナショウブ・アヤメ・ハンゲショウなどの抽水性植物があります。また、熱帯魚の水槽に水草を入れてアクアリウムとして海の中の様子を演出することもできます。庭でのガーデニングはもちろん、インテリアとして水生植物を取り入れる方法にはどんなものがあるのか、その例を次にいつくか挙げてご紹介します。

水生植物のDIYガーデニング例①ベランダビオトープ

ビオトープとは、自然にある水辺の植物や生物などの生態系を人工的に作った空間のことを言います。広い庭がなくてもベランダで、簡単にDIYで作ったビオトープを楽しめます。鉢を室内に持ち込めば、インテリアに水辺の空間を演出できますね。

準備するもの

ベランダビオトープのDIYで準備するものは、水鉢・水生植物・用土・メダカです。小さな岩や流木があるとより自然な雰囲気が演出できます。水鉢に用土を入れて背丈のある抽水性植物を植え込みましょう。観葉植物を植えてもいいですね。あとは水を入れてメダカを放して、浮遊性植物を浮かべるだけで完成です。

水生植物のDIYガーデニング例②アクアテラリウム

Photo by Kentaro Ohno

アクアテラリウムは、水槽に岩や水生植物を入れて魚を飼う方法です。水槽の底に砂や小石を引いて植物を植え込みます。沈水性植物が水の中でゆらゆらと揺らめいて、水中の観葉植物として癒しの空間を演出できます。海の中の様子を演出したアクアテラリウムは夏場に涼を呼ぶインテリアとして最適です。

準備するもの


アクアテラリウムのDIYで準備するものは、水槽・水生植物・熱帯魚・砂または小石で、そのほかに水温を管理する装置や流木などのオブジェも用意するといいでしょう。

水生植物のDIYガーデニング例③ボトルアクアリウム

もっと手軽にインテリアでアクアリウムを楽しむ方法として、ボルトアクアリウムがあります。これは小さなガラス瓶を使って簡単にDIYできて、場所も取らないのでおしゃれなインテリアとしても最適です。お気に入りの瓶に砂と水を入れて、あとは好きな水生植物を植えたり浮かべたりすると完成です。メダカなどの小魚を入れてもいいですね。

準備するもの

ボトルアクアリウムのDIYで準備するものは、ガラス瓶・水生植物・砂で、メダカなどの小魚も入れることができます。水が汚れてきたらこまめに取り換えましょう。

水生植物のDIYガーデニング例④ウォーターガーデン

庭に池があると、水の音で癒しの空間が演出できますね。ホームセンターでプラスチックの浅い容器を買ってきて庭に置くだけでも、簡単にDIYで池を作ることはできます。もちろん、プラスチックは経年劣化するので耐久性はありませんが、ひと夏だけのウォーダガーデンでも十分涼しさを演出できます。ただ、外に池を作った場合は、魚を入れると猫に獲られてしまうので、植物だけにした方がよさそうです。

準備するもの

ウォーターガーデンのDIYで準備するものは、トロ舟(大工用具でセメントなどを混ぜ合わせるときに使う)・水生植物・用土のほか、大きめの石を入れると自然な雰囲気が出ます。

まとめ

水生植物と一口に言っても、水の中だけで生活する藻の仲間から、水上に葉や花を出して観葉植物として楽しめるものまで、さまざまな種類があることをおわかりいただけたでしょうか。生態系をそのままインテリアとして楽しむビオトープや、海の中にいるような雰囲気を味わえるアクアリウムなど、夏に涼しさを運ぶアイテムとしてぜひ利用してみてください。

水生植物が気になる方はこちらをチェック!

ガーデニングでもインテリアでも楽しめる水生植物の種類や特徴についてご紹介させていただきましたが、このほかにも、水生植物の育て方や利用の仕方などについて詳しく説明している記事がたくさんあります。気になる方はぜひこちらも参考にしてみてください!