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パキラについて
パキラは中南米が原産で、パンヤ(アオイ)科パキラ属の高木。細く長い葉柄の掌状葉と呼ぶ小葉は5~7枚で楕円形をして先が尖り、開いた手のひらの様な形状をしているのが特徴的で、育て方も易しい植物です。
葉の表面の色は始め淡緑色ですが、徐々に艶やかな濃い緑色に変化させます。株元の幹はとっくりの様に太く、先端は細くなっていきます。10~20mほどに生長する高木で、先端部分に複数の葉っぱを傘の様に広げます。
パキラの花
パキラが花を咲かせるには10年ほど経て成木になってからです。また、花を咲かせるには実生(種からの育て方)が条件となっています。なので挿し木による育て方をされたパキラには花は望めません。
日本で観葉植物として流通しているパキラは、挿し木によっての育て方をされたものが多数ですが、実生の株も少数ですが出回っています。花期は6~7月で、反り返った花弁と多くの雄しべを付けているのが特徴です。
パキラの流通種
パキラ属には約70種以上あり、日本国内で流通している種は“カイエンナッツ”の別名のある「アクアティカ種」と、「グラブラ種」が主な栽培種です。どちらの種も丈夫で生長が早く、育て方も簡単ですので観葉植物として多く利用されています。
実生での育て方をした幼木の幹を数本三つ編み状にしたり、一本立ちとして幹の途中を切り詰めて葉芽を出させたり、特性を活かして種々な加工を施し、小から中サイズの室内などに置く鉢物として出回っています。
パキラの主な種類
種類名 | 特 徴 |
パキラ・アクアティカ | 日本での流通種として最も多い品種です。 花後に茶褐色の実がなり、以前はナッツとして食用にされていました |
パキラ・グラブラ | 花後の実は緑色をしています。 アクアティカの実とは違い、食用にはされませ ん。幹が太くなるのが特徴で、多く流通してい る品種です。 |
パキラ・ミルキーウェイ | 幹はあまり太くはなりませんが、葉に白い斑が 入るのが特徴です。 |
パキラ・ムーンライト | この品種も葉にきれいな黄色の斑が入るのが 特徴ですが、注意点として、生育が弱いのが特徴ですので、あまり流通はしていません。 |
パキラ・名前の由来と花言葉
パキラという名前は、原産地の中南米北東部から太平洋側に面している、フランス領ギアナでの呼び名「Pachira(パチラ)」をそのまま学名としています。また、和名としてカイエンナッツととも呼ばれています。
英名に「Money-tree(金の木)」とありますが、昔、パキラの苗などを売って大儲けをしたと言い伝えからです。そんな伝聞から“金を生み出す樹」として「発財樹(はつざいじゅ)」の別名が付けられています。
パキラの花言葉
パキラの花言葉は、丈夫で生育も旺盛であることからか「快活(かいかつ)」、ギアナ地方の言い伝えによる、パキラを売って金を儲け、幸せになったということから「幸せを呼ぶ」と「勝利」と付けられていますので、お祝いのギフトにも喜ばれます。
パキラの栽培管理
パキラは大変生育旺盛ですので、葉のほとんどを切り落としても、また、幹の途中から胴切りしても、その部分から新しい枝や、葉芽を出して再生してきます。初心者でも容易な育て方ができることから人気がある理由です。
パキラの育て方①/置き場所
パキラは、観葉植物として室内での育て方を主にする場合が多い樹木です。もともと耐陰性がありますので、日陰でも大丈夫ですが、やはり葉からの光合成を促す意味でも、日当たりのよい、カーテン越しの明るい場所がベストです。
育て方の温度管理は約10℃程度が良い環境です。室内に置く場合はエアコンの風などが直接当たらない場所に置きましょう。冬場でも注意点として3℃以下にならない様に、日当たりのよい場所に置き、5℃前後を保てれば十分に生育できます。
パキラの育て方②/植え付け・植え替え
パキラを小さな苗木で購入した場合は、鉢に植え替えます。5月~7月上旬頃の時期が適しています。パキラは生育が早いので、鉢の中で根がはびこり、根詰まりを起こしてしまうので、2年に1度程度の植え替えが必要です。
パキラの注意したい育て方では、水捌けが悪いと根腐れを起こす可能性がありますので、水捌けのよい用土を使用しましょう。鉢底には大粒の軽石を敷き、赤玉土(小)5:鹿沼土(小)3:腐葉土2の用土を使用します。
パキラの育て方③/水やりと肥料
パキラへの水やりは、鉢の表土が乾いていたらたっぷりと、底面から水が出るまで与えます。やや乾燥気味にしての育て方でもパキラは大丈夫。但し、夏場の高温時は水やりの頻度を多くし、時折、戸外に出して、葉全体に葉水をかけてあげるのも育て方のコツです。
パキラに施肥はあまり必要ありませんが、生育や葉に活力を与える意味で生育期間の5~10月に緩効性化成肥料を2月に1度置肥する程度でよいでしょう。液肥の場合は2週間に1度の頻度で与えます。
パキラの育て方④/増やし方
パキラを増やすには種からの育て方と、挿し木を行っての育て方がありますが、種まきは種子が手に入りにくいので不向きですので、主に挿し木による方法で行います。生育期の5月から7月が適期です。
育苗用のビニールポットと、赤玉土(小)5:鹿沼土(小)3:バーミュキライト2の挿し木用土を用意しておきます。樹姿を整える仕立て直しや、切り戻しを行った際の枝を挿し穂に使うとよいでしょう。
挿し木の手順とコツ
パキラの若枝を10~15cmに切り取り、挿し穂にします。挿し口を斜めに削ぎ、2時間ほど水に挿し口を浸けて水揚げをしておきます。予め用土に水を与えておいてから挿し穂を挿し込みます。
風通しのよい日陰に置き、水を切らさない様に管理しましょう。3週から4週ほどで発根しますので、鉢に移植します。初心者は、挿し穂や葉柄の基部を水に浸けて発根させる、水耕栽培を試してみると面白いですよ。
パキラの育て方⑤/手入れ方法
パキラは丈夫な観葉植物ですので、構わずに放置しておくと、いつの間にか幹が伸長しすぎたり、葉っぱが茂りすぎて見映えが悪くなってしまいますので、時期をみて幹の切り戻しや、枝葉の剪定を行う育て方をします。
育て方のひとつである幹や枝葉の切り戻しは、成長期の5月~7月が適している時期です。幹を適当な高さで切っても、切った場所から2週間ほどで数本の新しい枝を出します。茂りすぎた葉や古い葉を、樹姿を見て基部から切り取りましょう。
パキラの育て方⑥/病害虫
パキラは丈夫ですので、病気には比較的強い育て方も易しい植物ですが、風通しが悪く、過度の加湿や乾燥状態の環境が続くと“炭疽病”が発生する場合がありますので、適度な日照が必要なことと、高温多湿の状況には注意しての育て方が必要です。
また、前述の環境では、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどの害虫が発生します。害虫は戸外に出した時など、他の植物などから移ってきて被害に遭う場合が多いので、室内に移動する時には、よく葉の表面や裏面などを注意をして見ましょう。
病害虫の防除
炭疽病は糸状菌というカビの一種によって発生します。葉に黒色の斑点を生じ、症状が進むと葉や枝を弱らせて枯死させます。他にも移りますので、発見したら、すぐに葉を切り取り廃棄して殺菌剤を散布しておきましょう。
害虫についても早期の発見で防除できます。ハダニは水に弱い性質ですので、葉水をこまめに掛けてあげるとよいでしょう。葉が密にならない様に、風通しをよく、多湿にならない様な育て方をします。発見次第、殺虫剤を噴霧して駆除しましょう。
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パキラの育て方・まとめ
パキラは、生育が丈夫なことと、初心者でも育て方が易しいこと、また、そのすっきりとした幹の立ち上がりと、涼し気な柄の長い、手のひらを広げた様な葉の姿から、観葉植物では多く愛されています。
花言葉もよいことから、お祝いへの贈り物としても利用されます。そんなパキラの育て方のコツなどをご紹介してみました。
観葉植物についてはこちらもチェック!
初心者でも栽培管理が簡単な観葉植物については、「暮らし~の」のWEBマガジンでも、観葉植物の育て方や注意点など、分かりやすい記事が多数ご紹介されていますので、ぜひご参照ください。

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