料理に欠かせない、ハーブってなに?
家庭料理の多様化が進み、自宅での美味しい料理のアクセントとして欠かせないハーブ。現在ではスーパーにもたくさんの種類のハーブが並んでいます。しかし、ハーブとは一体どのような植物を指すのかご存知でしょうか。
ハーブとは
古くから伝統的に料理や薬、香りづけなどの用途に使われてきた有用植物のことを総称して、ハーブと呼びます。主にヨーロッパ伝統のハーブが有名ですが、中国や南米の薬草など、世界中に古くから伝承されてきたたくさんの種類のハーブが存在します。日本でも料理に欠かせないショウガやシソ、サンショウなどがこれに当てはまります。
ハーブの便利な利用法
ハーブは、料理に使うだけでなくさまざまなシチュエーションで使いやすい植物です。一例をご紹介するので、是非参考にしてみてくださいね。
入浴剤にして優雅なバスタイムを楽しむ
レモングラスをコンパクトに束ねたり、お好みのハーブをお茶パックなどに入れたりして湯船に浸すだけで、ナチュラルな香りが浴室に広がり優雅な時間を楽しめます。
エコで肌にもやさしい洗剤にする
抗菌・抗ウイルス効果のあるローズマリーは、煮出して粉石けんを溶かすだけで手作り洗剤の出来上がり。肌にやさしく便利な、使いやすいマルチクリーナーとして家中のお掃除に使えます。
ポプリにして香りを楽しむ
乾燥させたラベンダーやミント、バラの花びらなどをガラス瓶などに入れ、お気に入りのアロマオイルを数滴垂らすだけで香り高い手作りポプリのできあがり。プレゼントとしてもおすすめです。
初心者でも簡単栽培!料理に合うハーブ3選
ミント
爽快な香りが特徴的なミントは、シソ科の植物であり、ハーブを代表する有名な植物です。飾りやフレッシュティーとしてだけでなく、殺菌作用や防虫効果も期待できます。簡単な手入れでどんどん生長するので、家庭菜園初心者に最適!スペアミントやペパーミントの他に、今では3500種類ほどの品種があります。
栽培方法
ミントは育てやすくて人気の植物ですが、地植えすると四方八方に広がって生長するので花壇や植木鉢などで育てるとよいでしょう。根詰まりしやすいのでこまめな植え替えや株分けをすることをおすすめします。鉢植えの場合、表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。とても丈夫なハーブなので肥料はなくても十分育ちます。
おすすめの用途
フレッシュハーブティーやカクテルドリンク、スイーツの飾りとしても使えます。ヨーロッパなどではグリンピースとミントの炒めた爽やかな料理が定番家庭料理として人気です。
スイートバジル
バジルは、シソ科メボウキ属の多年草であり、イタリア料理や地中海料理で頻繁に使用されるハーブです。手軽に育てられて料理にも使いやすいので、日本でも人気の植物です。庭や大きな鉢がなくても、ベランダや室内などで簡単に栽培できます。
栽培方法
バジルは暑さに強く、育てやすい植物として初心者にもおすすめです。日当たりのよい場所に置くとよく育ちます。乾燥を嫌うので、夏場は特に水やりをこまめにしましょう。葉が増えてきたら積極的に摘み取ることで摘心になり、長く収穫できるようになります。夏場は特によく生長するので、肥料を切らさない用に心がけましょう。
おすすめの用途
トマトやチーズとの相性は抜群!パスタやピザなどに加えると香りが格段にアップします。自宅乾燥させて保存しておくとさまざまな料理に使うことができて便利です。
シソ
シソ(紫蘇)は、日本人である私たちにとって、料理の薬味として欠かせない存在。やわらかな葉と爽やかな香りが特徴的で、天ぷらやお刺身などの飾りとしても使える便利なハーブです。以下の写真のように、シソの種類には赤ジソと青ジソがあります。丈夫で育てやすく万能で、初心者におすすめしたいハーブのひとつです。
栽培方法
シソは半日陰でも栽培可能ですが、日当たりが悪いと徒長したり、色や香りが悪くなります。また、夏場の直射日光が当たると葉が固くなりやすいので置き場所や日当たりに注意しましょう。乾燥を嫌うので、やや湿り気を保つよう管理します。2週間に1度程度の追肥が好ましいですが、与えすぎるとアブラムシが付きやすくなるので注意しましょう。
おすすめの用途
大葉という名前でも知られる青ジソは、そばやそうめんの薬味として大活躍。和え物やサラダに加えても、爽やかな香りを楽しむことができます。また、シソは葉だけでなく芽、花、穂と生長段階によってさまざまな料理に使いやすいハーブです。特に繊細な見た目の花ジソは、料理の華やかな飾りとして料亭などでも使われます。
肉料理におすすめのハーブ2選
ローズマリー
ローズマリーは地中海沿岸原産のシソ科のハーブです。簡単に栽培できることから、近年では食用のみならずグランドカバーとしても人気の植物です。力強い香りが特徴的で、ヨーロッパでは肉の臭み消しとしてロースト料理などに古くから使用されています。
栽培方法
ローズマリーは日当たりと水はけのよい場所を好みます。葉が固いので水切れに気づきにくいので、鉢植えの場合は注意が必要です。土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。地植えの場合はほとんど水やりは必要ありません。痩せた土地でも育つ植物なので、追肥せずともよく育ちます。
おすすめの用途
強い香りが特徴のローズマリーは、肉やポテトなどのロースト料理と相性抜群!枝を1本のせてオーブンで焼くだけでもしっかりと香りを楽しむことができます。また、食用のみならずスワッグやリースなどにして飾るのもおすすめです。
オレガノ
オレガノは花ハッカやワイルドマジョラムという名前でも流通している、シソ科の植物です。淡い紫色の花を咲かせ、見た目にも楽しめるので家庭菜園の彩りとしても大人気。独特の苦味のあるシャープな香りが特徴で、バジルと並んで家庭での料理に使いやすいハーブです。
栽培方法
オレガノは日当たりと水はけのよい土地を好みます。高温多湿に弱いので、真夏は風通しよく育てましょう。とても丈夫なので痩せた土地でも肥料なしで十分育ちます。鉢植えの場合は表面の土が乾燥したらたっぷりと水をあげるようにしましょう。地植えの場合はほとんど必要ありません。
おすすめの用途
肉料理やグリル野菜、トマト料理などの香り付けにぴったり!自宅で乾燥させて保存しておけば、いろいろな料理に使いやすい便利なハーブです。かわいらしい見た目の花は、ドライフラワーにするのもおすすめ。
魚料理におすすめのハーブ2選
ディル
ディルはセリ科イノンド属の植物であり、ヨーロッパで古くから伝統料理に使われているハーブです。葉だけでなく、乾燥させた種子も香辛料として料理に使用されます。フェンネルとそっくりな見た目をしていますが、ディルのほうが葉が細かく、すっきりとした芳香が特徴的です。
栽培方法
日当たりがよく、風通しのよいところを好みます。鉢で育てる場合は表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。地植えの場合はとくに水やりは必要ありません。ディルは夏にトウ立ちして花を咲かせるので、秋から育てると比較的長く楽しむことができます。真夏以外は定期的に追肥し、管理しましょう。
おすすめの用途
ディルは古くから北欧の魚料理に使用されてきました。サーモンや卵、サラダドレッシングなどとディルの爽やかな風味は相性抜群。また、種子はお酢やオイルに漬け込んだり、ピクルスなどに使用したりできます。
フェンネル
フェンネルは古くから食用・薬用ともに広く使われてきたハーブです。同じセリ科のディルとよく似ていますが、フェンネルのほうがより甘い芳香があるのが特徴。葉や種だけでなく、若い茎はセロリのように食用として楽しむことができます。
栽培方法
フェンネルは他のハーブと比較して大きな植物なので、地植えや大きめの鉢で育てます。高温での乾燥や低温での多湿を嫌うため、季節ごとの水やりに気をつけましょう。鉢植えの場合は表面の土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。定期的な追肥を行い、風当たりが強い場所では支柱を立てるとよいでしょう。
おすすめの用途
甘く爽やかな香りが魚料理にぴったり。サラダやハーブティーにしても風味を存分に楽しめます。種子を乾燥させてピクルスに加えたり、スパイスとしてカレーに使用するのもおすすめです。
エスニック料理におすすめのハーブ2選
パクチー
パクチーは独特の強い香りが特徴の、セリ科の植物です。エスニック料理などに使われる伝統的なハーブで、コリアンダーやシャンツァイという名前でも知られます。2010年頃から日本でも人気が高まり、現在ではスーパーに並ぶほどポピュラーな存在となりました。好みの分かれやすいハーブですが、その人気はパクチー専門料理店ができるほど。
栽培方法
なるべく日の当たる場所を好みますが、半日陰でも十分育ちます。乾燥を嫌うので、鉢植えの場合はこまめに水やりをしましょう。肥料が切れると葉が黄色くなります。また、肥料の与え過ぎは株を弱らせてしまうので、適量を心がけて与えるようにしましょう。
おすすめの用途
独特の風味で、エスニック料理やメキシカン料理のトッピングとして欠かせません。立派に育った根は刻んで炒め物に加えても美味しいですし、乾燥させた種子はカレーなどのスパイスとしても使えます。
レモングラス
レモングラスは、エスニック料理やカリブ料理に使用されるイネ科の植物です。名前のとおり、レモンのような香りが特徴的だ、料理の他にハーブティーや精油などにも使用されます。虫除け効果や鎮静効果があるとしてインドでは古くから伝統的に使用されてきました。
栽培方法
レモングラスは高温多湿に適していますが、鉢植えの場合、水が多いと根腐りしやすいので注意しましょう。基本的に肥料は必要ありませんが、葉が細く黄色くなる場合は適量与えます。寒さに弱いので冬場は室内で管理したり、地植えの場合は葉を刈り取って越冬するのがおすすめです。
おすすめの用途
タイ料理などの香り付けやハーブティーとしてはもちろん、刈り取った葉を束ねてお風呂に入れても爽やかな香りを存分に楽しめます。
初心者は手軽な苗から栽培しよう
いかがでしたか?初心者でも簡単に育てられるハーブ11種類をご紹介いたしました。少しあると便利で料理に使いやすいハーブは、家庭菜園にぴったり。初心者の方には失敗しにくい苗での購入がおすすめです。最近はホームセンターにもたくさんの種類のハーブがあるので、ぜひご自宅でチャレンジしてみてはいかがでしょう。
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出典:https://unsplash.com/