はじめに
室内やプランターで!簡単なハーブの育て方
たくさんの種類のハーブがありますが、ハーブはもともとは野草として生えていたものが多くそれをお茶や薬・見た目や香りを楽しむために室内やプランターでも栽培をはじめたもの。基本的に丈夫な植物なので育て方も簡単で育てやすいものが多いです。苗から植えるまたは種まきから自家栽培するハーブの育て方をご紹介します。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方1.準備
すでに栽培したいと思っているハーブはお決まりでしょうか?種から育てられるものや苗で購入したほうが手間が掛からず簡単に栽培できるものいろいろありますが、植え方に必要な道具類はどれもほとんど変わりありません。
ハーブ栽培に必要なものを揃えよう
まず植えるのに必要なのは①ハーブ用の土②移植ゴテ③プランターや鉢(地植えの場合は不要)④鉢底ネットや鉢底石⑤ガーデングローブ。以上の5つがあればほとんどの種類のハーブの植え方に対応できるでしょう。
植え方は種・苗どちらでも
ハーブは人気の種類であれば種も苗も売られていて、好みで選んで植えることができます。どのくらいそのハーブが必要か、種まきから育てる楽しみも味わいたいかまたは逆に面倒かなど好みで選んで良いでしょう。種まきのメリットは数がたくさん手に入る。苗のメリットは育てる手間が減ることでしょう。基本的に丈夫な植物が多いので苗からでないと上手に育たないなどということは少ないです。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方2.日当たり
ハーブはどんな日当たりが好きか
ハーブはほとんどの種類が日当たりがよいところが好きな植物です。ベランダや庭はもちろん、室内での置き場所は日当たりのよいところにしましょう。日光があまり当たらない場所だとひょろひょろと徒長してしまいます。
日当たりが悪くてもOKなハーブ
しかしハーブの中には日当たりが悪い場所でも育つ種類もありますが、一例としてミントの仲間・ディルやレモンバームなどはある程度の明るさがあれば十分育つので、室内での寄植えなどに利用するとよいでしょう。
室内での鉢植え・プランターの置き場所は
室内でもハーブはできるだけ明るく日当たりの良い場所に置く方が栄養もたくさん蓄えられますし見た目もきれいに育ちます。窓際の出窓などに寄植えなどにして植えておけば、キッチンで使うハーブでも観賞用の香りの良いハーブでも楽しめるのでおすすめ。明るい窓際に適当な置き場所がない場合は日当たりが多少悪くても育つハーブの種類を選んでください。
ハーブ栽培日当たりの注意
日当たりが必要な種類でもどうしても室内に置きたいという場合は、たとえば昼は明るいベランダや窓際に置きその他の定位置はキッチンカウンターの上などという移動ができる小型のプランターなどに植え付けるのがおすすめの植え方。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方3.土
ハーブの土作り
ハーブ用の土も基本は赤玉土7に腐葉土3の基本的な植物の土作りで育たないということはありません。ハーブといっても保水性のすぐれた土が好きなものや、肥料分が好きなものとそれぞれ性質がありますので湿り気を加えたかったら腐葉土を多めにしてみたり、水はけを変えるのなら赤玉土の大きさを小粒と中粒を混ぜてみる・パーライトを加えてよくしてみるなどそのハーブの原産地を参考にして土を考えて試してみると良いでしょう。
地植え・プランター用の土
土の作り方でよくいわれる赤玉土と腐葉土にパーライトなどを混ぜるのは本当にシンプルで基本的なもの。そこに肥料を加えたりするのですが、合わせ方がよくわからないという初心者の方なら最初は市販の土を使うのがおすすめ。買ってきたものをすぐにそのまま何も考えずに使えるので便利です。ハーブにはハーブ用の培養土と書かれたものか野菜用の土も流用できます。
ハーブの土作りの注意
赤玉土 18L 2袋(36L) 中粒
ハーブの土も他の植物の土と同様にその植物の性質によって配合を変えてあげてください。特に大きめの鉢やプランターなどにハーブの寄植えを作る方も多いと思いますが、その場合あまり偏ったブレンドだとその土が苦手な植物も出てくるでしょう。あまり特徴づけせず基本的な土に肥料と少し水はけを良くする土を加える程度におさめておいた方が失敗しづらいです。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方4.肥料
ハーブ用の元肥は
ハーブは肥料分をあまり必要としない種類がほとんどなので、地植えにする場合はほとんど元肥は不要と考えて良いでしょう。プランターや鉢の場合市販の培養土であれば元からある程度の肥料が含まれているので元肥を別に用意する必要はありません。
ハーブの追肥時期と与え方
ハーブの追肥は葉の色を確認しつつ葉色が薄くなってきたと感じたら液体肥料を与えると良いでしょう。挿すタイプの活力剤でも良いですし、薄めるタイプを水やりついでに与えるやり方でも構いません。薄める濃さはパッケージ等を参考にその植物にあった濃さに調整してください。
ハーブ用肥料の注意点
基本的に地植えの場合は肥料は意識せずに気軽に育ててかまいません。逆に栄養過多になりすぎると香りが弱くなったり食感が固くなったりすることも。日に当てているのに見た目がひょろひょろとして葉色も薄く、栄養不足が考えられる場合のみ液体肥料を適切な濃度で水やりがわりに与えてください。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方5.植え方
ハーブの植え方時期・手順
ハーブの苗や種は植える時期を選ばないものと、特定の季節にしか植えられないものがあります。植える時期は苗の札や種の袋にかかれていますのでお住まいの地域にあった季節に植えましょう。植え方手順は①プランターや鉢底に網を置き、鉢底石を薄く敷く②土を入れ(プランターの上部から2-3センチ下まで)苗や種を植える穴を開ける③種まき・苗の植え付けをして指で軽く土を押さえて安定させ④たっぷり水をあたえて完了です。
ハーブの植え方注意点
ハーブの植え方のポイントは適した時期に植えることと、プランターや鉢の場合は特にどのような種類でも底から水が出てくるくらいたっぷりと水をあげてください。苗が販売されている場合はほとんどが植えて良い時期ですが、種の場合は季節を問わず売れ残りで並べている店もありますのでパッケージの裏等をよく見て適した時期に種まきしてください。
ハーブの植え方におすすめの土
ハーブの土 14L プロトリーフ
庭や畑の古い土をそのままハーブの植え付けに使うのはおすすめできません。そういった古い土は病気が隠れていたり、虫が潜んでいることも。古い土を再生する適切な処置もありますが初心者にはそこまでするなら元肥も入っている培養土を買ってしまうのがおすすめ。ハーブの土やラベンダーの土などと植える植物に合った土と書かれたものを選べばOKです。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方6.水やり
ハーブの水やり
丈夫で育てるのも簡単なハーブですが、水やりは気をつけないと枯れてしまうこともあるので注意しましょう。特に室内のみで管理する場合、屋外よりも水分の蒸発が少ないので本などに書かれている目安よりも、実際の土の乾燥具合を見ながら与えましょう。
水やりの注意点
水やりをしすぎて枯らしてしまわないよう、土が乾いてから十分な量を多く与える癖をつけると良いですね。室内管理であれば水分蒸発量も少ないのでそれほど慌ててあげなければいけなくなることも少ないです。毎日植物の様子を観察して、葉がしなっとしてくるなど水を欲しがっている様子が見えてからでも十分です。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方7.摘芯
ハーブの摘芯の意味は
成長にまかせて必要なときだけ収穫するのでも構いませんが、たくさん収穫しようとするなら摘芯が必要です。摘芯は太い茎の先端を欠いてしまうことでそれ以上上に伸びなくし、脇芽を育ててたくさん収穫するときにおこなう育て方です。
摘芯のやり方・時期
摘芯が必要になるハーブの代表としてバジルがあるでしょう。癖が少なく料理のアクセントとして添えたり、ピザに乗せたりジェノベーゼソースを作ったりと登場チャンスが多い人気のハーブ。バジルを例にとると草丈20cmほどが摘芯の目安。下から3か4程度の葉が出ているところで摘芯してください。そこから次々と新しい葉が出てきますので、食べごろのものを適宜収穫していきます。
ハーブ摘芯の注意点
そのたどのような植物でも摘芯は比較的早めにおこなうのがコツ。花が咲く頃になってしまうと茎や葉の成長よりも花に栄養がいくため摘芯をしても意味がなくなってしまうからです。たくさん収穫するためには上に伸ばすよりも横に枝数を増やす方が室内栽培などでは特に有効な方法。早めに摘芯で対応していきましょう。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方8.切り戻し
摘芯と切り戻し
摘芯と同じように植物を剪定する方法に切り戻しがあります。同じように見える行動でも摘芯と切り戻しは意味が違い、上への成長を止めて脇芽を成長させる摘芯に対して大きくなりすぎた株をリセットさせる役割があるのが切り戻し。不要な枝をカットすることで風通しをよくすることもできるでしょう。
切り戻しのやり方・時期
切り戻しのやり方や時期も植物によって違うこともありますが、基本的に①内側に伸びている枝②徒長した茎③花が終わった枝など不要なものをカットしていきます。その時期は摘芯とは逆である程度成長が終盤に差し掛かったところでやるのが切り戻し。古い株を新しく再生させる目的があるからです。
ハーブ切り戻しの注意点
摘芯がやわらかな新しい芽などを摘むのに反して、切り戻しは十分成長した太い枝などをカットすることになります。清潔な剪定バサミを使ってガーデングローブなど装着して怪我には注意しましょう。基本的にハーブは1年草で茎も柔らかいですが、バジルなどは成長すると木化することもあるからです。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方9.寄植え
ハーブの寄植えを作る
ひとつのハーブをたくさん育てるのもありですが、観賞用や香りを楽しむため・キッチンでよく使う食用ハーブなど寄植えにして室内で楽しみたい方もいらっしゃるでしょう。ハーブの寄植えは実用でも観賞用でも人気の高い植え方。
寄せ植えにおすすめのハーブ
基本的にハーブは日当たりが好きで水分も普通の環境を好むものがほとんどです。特にキッチンに嬉しい料理に使用するハーブ類は主にこの種類になります。バジルやシソ・レモングラスやミント類などがこれに入ります。食用ハーブの中ではセージやオレガノは乾燥を好むので乾燥気味に育てるか思い切って別の鉢で育てた方がよいでしょう。
寄植えのやり方注意点
観賞用や香りを楽しむ花系のハーブを食用のものと一緒に寄植えにするのは避けた方がよいでしょう。特に花系ハーブの代表ともいえるラベンダーやゼラニウム・ローズマリーは乾燥した土が好きだからです。好みの環境が違う性質を持つものは避け、同じ時期に苗が流通するものを選べばほとんど失敗なく室内でも管理しやすく仕上がります。
簡単にできる初心者向けハーブの育て方10.収穫
ハーブの収穫時期
寄植えや小さな鉢で育てたハーブ。花や葉を収穫してポプリやドライフラワー・料理等で楽しみましょう。花類は花がきれいに咲いた時期が収穫のタイミング。食用のものは成長途中の若く柔らかいものが食感も香りもよくおすすめ。
収穫のやり方
花類は枝ごと切り取ることがほとんどなので、剪定バサミを用いて花茎が枝分かれしている部分から収穫しましょう。食用のハーブは枝ごとでも良いですし、枝がもう固くなってしまっている大きさならば葉だけを収穫してもかまいません。こちらは手でちぎって収穫できます。残ったスカスカになった枝は後で切り戻しておくと良いですね。
ハーブの収穫の注意点
切り戻しをしてあげることで、葉を用いるハーブは次々と若い葉が出てきます。花系ハーブは節からカットしてしまうことで不要な枝がなくなり脇芽が成長してまた新しい花が咲くでしょう。枯れてしまった花や大きく固く成長してしまった葉は切り戻しでリセットしてあげることで季節内であれば株が若々しく保てます。
栽培簡単!人気のハーブの種類1.バジル
バジルの基本情報
科・属:シソ科メボウキ属
原産地:インド、熱帯アジア
英語名/学名:basil/Ocimum basilicum
育て方の注意・コツ
種まきまたは苗を購入して育てます。日当たりのよいところと暑い気温が好きな植物。寒さには弱いので屋外に植え付ける場合はゴールデンウィーク過ぎがおすすめです。乾燥には弱いので寄植えなどにはせずにできるだけ大きな鉢で水をたっぷり与えのびのび育てましょう。
ハーブ・バジルの使い方
バジルは料理に使用するハーブの代表格。ほのかに甘さのある香りがする葉は、チーズやトマトとの相性が良いので特にイタリア料理としてピザやパスタに使われます。
栽培簡単!人気のハーブの種類2.ローズマリー
ローズマリーの基本情報
科・属:シソ科マンネンロウ属
原産地:地中海沿岸
英語名/学名:rosemary/Rosmarinus officinalis
育て方の注意・コツ
ローズマリーはアルカリ性から弱酸性程度の土が好みの植物。じめじめしたところはあまり好きではないので、土は水はけを良くして保湿を上げる腐葉土の量も少なめにした方が良いでしょう。
ハーブ・ローズマリーの使い方
ローズマリーは食用の他にも花を鑑賞したり薬用にも用いられる用途の幅が広いハーブです。とても香りが強いので魚や肉の臭みを取ったり、細かくみじん切りにしてクッキーなどデザート作りにも用いられます。生の枝をお風呂に入れたり、花を枝のまままとめて吊るしておけば部屋の消臭・香りつけにも便利。
栽培簡単!人気のハーブの種類3.ミント
ミントの基本情報
科・属:シソ科ハッカ属
原産地:ユーラシア大陸
英語名/学名:Mint/Mentha
育て方の注意・コツ
ミントはたくさんの種類があるハーブでその中でも日本ではハッカと呼ばれる爽快感のあるさわやかな香りを持つ種類が昔から人気があります。一度苗を植え付けると肥料要らずでどんどん増えるので、地植えにはしないでおきましょう。もし花壇に直接植えたいなら鉢に植えたまま埋めるのがおすすめ。根がそこから広がらないようにしないと、他の植物を抑え込んでミントだらけになってしまうので注意してください。
ハーブ・ミントの使い方
ミントの使い方といえば、若く小さな葉をデザートの香りつけトッピングとして使用したりミントティーにして用いるのが一般的。カクテルやお酒の香り付けとしてもミントは利用されています。種類が多く葉の大きさや香りなどにも差があるので、香ってみて好みのものを見つけましょう。
まとめ
ベランダのプランターや室内でハーブを育てよう
キッチンカウンターの上など室内やプランターや寄植えとしてベランダなどで気軽に栽培して実用もできるハーブ類の育て方を解説してきました。どれも簡単に育てられる初心者向けのものばかりですので、食用や観賞・香りを楽しむために気軽に育ててみてはいかがでしょうか。
詳しい育て方が気になる方はこちらもチェック
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