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果実と果皮のコントラストが美しい!ツルウメモドキの特徴や見頃の時期をご紹介!

北海道から沖縄まで自生するツルウメモドキは、黄色と赤の果実の色合いが美しく、ガーデニングでも大人気。見分け方は果実が熟す秋にならないと難しいですが、花も可愛いのでいろいろチェックしておきましょう。ツルウメモドキの特徴や見ごろの時期などについてご紹介します。
2021年5月5日
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目次

ツルウメモドキは日本全国に自生する!

Photo by kanonn

ニシキギ科ツルウメモドキ属の「ツルウメモドキ」は漢字で「蔓梅擬」と書くように、赤い果実がモチノキ科モチノキ属の「ウメモドキ」に似ている、落葉つる性の樹木です。ウメモドキの名前は、花や葉が梅に似ていることが由来。

ツルウメモドキの最大の特徴である、3つに割れた黄色い果皮からのぞかせる赤い種子の美しさは、多くのガーデナーの心を魅了しています。ガーデニングで楽しむ以外に、リースにしたり盆栽にしたりといろいろ。山歩きをしながら探すのも楽しいですね。(この記事は2021年5月5日時点の情報です)

ツルウメモドキの花言葉

ガーデニングやリース、アレンジメントなどに用いられることが多いツルウメモドキには、「真実」や「強運」「大器晩成」などの素敵な花言葉があります。「真実」は、黄色い果皮が割れて赤い種子をのぞかせるのが、"隠しておけない"、"オープンにする"といった状況を思わせますね。

「強運」は、他の樹木に巻き付いてぐんぐん伸びる強さを示しているようです。「大器晩成」は、晩秋に美しい果実を付けることから来ていると思われます。贈り物にもふさわしいツルウメモドキです。

ツルウメモドキの特徴・見頃の時期

ツルウメモドキが好む場所の特徴

Photo byValiphotos

ツルウメモドキがどこに自生しているかというと、知床などの寒冷地も含めた北海道から亜熱帯地域の沖縄までと広く、とても強い性質といえます。厳密にいうと沖縄の自生種は、リュウキュウツルウメモドキやテリハツルウメモドキなどです。

ツルウメモドキは山野で自生しますが、林の縁あたりで赤い実を付けて他の植物に巻き付いているため、秋の落葉樹林帯を歩いていると簡単に探せるはず。黄色と赤の果実を付けるつる性のルウメモドキは、秋の野山を色鮮やかに彩ってくれます。

ツルウメモドキの花の特徴

ツルウメモドキの花はどこに付いているかというと、樹幹近くに5月から6月頃に付けます。望遠鏡も使ってよく見ると、雌雄株共に目立たない黄緑色をしています。花弁が5枚で、直径6~8ミリメートルほどの控えめな花が、葉腋から出ている集散花序に10個くらい付きます。

集散花序とは、主軸の先に付いた花の下から分かれるように出ている枝先にも花が付き、これを繰り返すものです。集まっているせいで果実の見映えが華やかさを増すのです。花の時期にも観察しておきましょう。

もう一つの特徴:雌雄異株

ツルウメモドキのもう一つの特徴として、「雌雄異株」という点も挙げられます。ツルウメモドキには、雄花と雌花と別々の株があり、雄株にも黄緑色の花は付きますが、黄色の果皮に赤い種子の果実は雌株にしか付かないのです。

ガーデニングの場合で、ツルウメモドキに多くの果実を付けたい場合は、雄株と雌株の両方を植えるとよいでしょう。


ツルウメモドキの葉の特徴

ツルウメモドキの葉の特徴は、葉の縁が鋸(のこぎり)の歯のようなギザギザ状の「鋸歯」という点が挙げられます。鋸歯が特徴の葉の長さは5~10センチメートルほどで、楕円形をしており先端は細くとがっているのも特徴的。

葉柄の長さは2センチメートルほどで、枝に互い違いに生える「互生」です。ツルウメモドキの名前の通り、やはり鋸歯のウメやウメモドキに似ています。鋸歯の葉は全体的に紙のように薄く、葉脈は網目状です。秋になると黄色くなって落葉します。

ツルウメモドキの果実の特徴と見頃の時期

ツルウメモドキを特徴づけているのが、熟した果実の様子です。地域によりますが、10月~12月ごろ、花の後に直径7~8ミリメートルの球状の果実を付けます。果実は熟すと3つに割れ、黄色い果皮の中から真っ赤な仮種皮(種子)をのぞかせます。

直径が小さな果実でも集散花序なので、秋の山野では目に鮮やかに飛び込んでくるのです。葉が落ちてもだいだい色をしており、遠目にもツルウメモドキと分かります。鮮やかなツルウメモドキの果実を観賞しに、秋の山歩きも楽しみましょう。

野鳥も大好きなツルウメモドキの果実

大きさ7~8ミリメートルのツルウメモドキの果実は無毒で、食べた人によると意外に甘味と汁気があるようです。冬になると食べ物が少なくなる野鳥たちの大好物となり、ヒヨドリやツグミ、オナガなどがついばんでいる姿を見かけます。

黄色いと赤い果実と野鳥の組み合わせは、彩りが少なくなる秋の山では実に絵になる光景ですね。

ツルウメモドキの幹の特徴

植物の観察はつい目立つ花や果実に目が行きがちで、鮮やかな果実を付けるツルウメモドキも例外ではありません。しかし他の樹木との違いを認識するためにも、ツルウメモドキの幹にも注目しましょう。ツルウメモドキの樹齢が増えてくると、ごつごつとした血管のような皮が浮き出てきます。

内皮は丈夫なため、繊維を取り出して撚り(より)をかけて糸に、細くても丈夫な無毛のつるは山仕事で欠かせない結束材として用いられます。ツルウメモドキは観賞だけではなく、実用性も高いのです。

ツルウメモドキのつるの特徴

ツルウメモドキのつるはとても丈夫なので、山仕事の結束材だけではなく、リースにも用いられています。毛が無いつるは黄緑色をしていますが、樹齢年数が経つにつれて濃い赤紫色になるのも特徴です。

始めはまっすぐに伸びていき、やがて右巻きに周りの樹木や植物に絡み付いていきます。山野ではつるが太くなると直径20センチメートルほどの大きさになるものもあり、かなり高さのある他の樹木の上部までつたっていきます。非常に生命力が感じられる植物です。

ツルウメモドキの育て方

ツルウメモドキの栽培場所


ツルウメモドキはつる性なので、支柱のように柵などに巻き付けて育てましょう。柵がない場合は、つる性植物の並々ならぬパワーで、壁だけでも這ってでも丈夫に育てることができます。日当たりは直射日光が当たる場所は避けて、日向や半日陰がおすすめです。

土の性質は神経質にならなくてもよいですが、どちらかといえば乾燥しやすい場所よりも、水はけがよくて水持ちのよい場所が向いているとされています。つるを伸ばさずに盆栽のように鉢植えでコンパクトに育てることも可能です。

ツルウメモドキの水やり方法

地植えも鉢植えも、ツルウメモドキの水やりは小まめにしなくても問題ありません。一度根付いてしまえば、極端な日照りが続かないのであれば水やりしなくても大丈夫です。

それほどまでにツルウメモドキは丈夫な樹木なので、簡単に育てられる点も多くのガーデナーに愛される理由の一つでもあります。

ツルウメモドキの植栽と植え替え方法

ツルウメモドキを植えるときは、11月から3月頃の植え替え時期に行います。水はけのよいことがポイントなので、事前に掘っておいた穴に、多めに腐葉土を混ぜた用土に植えます。

ツルウメモドキは雌雄異株のため、果実を楽しむならば雌株の苗木を購入してください。雌株だけではなく雄株も用意して近くに植えると、ツルウメモドキの果実が付きやすくなります。

ツルウメモドキを植え替える方法

鉢植えでツルウメモドキを栽培している場合は、1年に1回~2回は植え替えをすることで、根詰まりを防ぎましょう。植え替えに適切な時期は、暖かくなってきた3月頃となります。

方法は、絡んでいる根鉢を切り、赤玉土に腐葉土をブレンドした用土をひと回り大きめの鉢に入れて植え替えてください。たっぷり水やりをして完了です。

ツルウメモドキを増やす方法

ツルウメモドキを増やしたい場合は、「挿し木」か「種まき」で行います。「挿し木」の場合は、雌株の中央部分を5センチメートルほど切り取ります。注意点は、必ず葉が付いているものを選ぶことで、いくつか葉が付いているようであれば一枚だけ残して他の葉は取り除きます。

ひと回り大きめの鉢などに赤玉土を敷き、事前に穴をあけて置いた場所に枝を挿します。風通しのよい半日陰がよいとされています。

種まきの方法

ツルウメモドキを種まきする場合は、秋に熟した果実を採り、種子を取り出しておきましょう。よく種子を水洗いし、乾燥しないように脱脂綿に浸すなどして湿った状態で保存しておきます。

2月から3月くらいになったら水はけのよい土にまいて、発芽するまで水やりをしっかり行ってください。

ツルウメモドキの管理方法


つる性のツルウメモドキは、つるが伸びてくると次第に絡まり、風通しが悪くなってしまうため剪定が必要になります。2月から3月に、伸びすぎた部分を剪定してください。盆栽の場合も同様です。

4月から5月頃には新芽を切っておきましょう。残りの枝葉腋から出てきた二番芽があるので、伸びている新芽を芽摘みしても問題ありません。5月から6月の花が開く時期に雄花を使って雌花への受粉を行うと、たくさんの果実が付きます。

ツルウメモドキの病気と害虫対策

ツルウメモドキを栽培する場合は、うどんこ病やアブラムシに注意してください。これらが発生する原因は、風通しの悪さと水はけの悪さにあります。予防方法として、必ず風通しがよくて、水はけと水持ちのよい場所に植えたり置いたりしてください。

うどんこ病が発生した葉や実は、周りに広がらないように早めに取り除きます。症状が進んでいる場合は薬剤を散布します。アブラムシが発生した場合は、増える前にブラシで落とすか薬剤を散布して駆除しましょう。

生命力のあるツルウメモドキを植えよう!

出典:photo-ac.com

ツルウメモドキの最大の特徴は、秋になると黄色い果皮が3つに割れて赤い種子をのぞかせる果実を持っていることです。集散花序という、果実がまとまって付く様子も鮮やかさを際立たせています。

ツルウメモドキは地植えや鉢植えなどでも簡単に栽培できますが、ポイントは風通し、水はけ、水持ちのよい場所を選ぶこと。つる性の強い性質も持ってるので、剪定をしてコンパクトな姿を維持する必要があります。地植えの他にも盆栽にしたりリースにしたり、いろいろ楽しんでくださいね。

実のなる植物が気になる人はこちらをチェック!

ツルウメモドキも美しい果実を付けますが、他にも可愛い果実を付けるサンザシやナナカマド、センリョウなどの植物があります。いろいろチェックしてお好みのものを見つけてくださいね。