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ナナカマドの実は食べられるの?その毒性や冬でも腐らない理由も解説!

ナナカマドには、毒がありますが何故鳥が食べても大丈夫なのでしょうか?また、真っ赤に紅葉した葉が落ちても、実は雪に埋もれても腐らずに、真っ白な雪の中の目印のような赤い実を付けていられるのか?ナナカマドの食べ方などを交えてお伝えします。
更新: 2021年9月28日
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ナナカマドとは?

ナナカマドは、日本、樺太、朝鮮半島原産の、バラ科ナナカマド属の落葉広葉樹です。和名がナナカマドと言い、「七竈」という難しい漢字を書きますが、ナナカマドは大変材が硬く燃えにいので、7度、竈(かまど)に入れても燃えないと言うことが名前の由来とされています。材が硬いのは事実ですが、実際はよく燃えるようです。

北海道から九州まで分布し、秋、葉の紅葉や赤い実がとても美しく、北国では街路樹として使われています。初夏に純白の花を咲かせ、秋に真っ赤な実を枝先にまとまって付けます。熟すまで時間がかかり、落葉し実だけが残り、熟した実を野鳥たちが好んで食べに来ます。

新緑、花、紅葉、実と全て、鑑賞に値しますが、寒冷地を好みますので、都市部などの暖地では育ちにくいと言うところがあります。

ナナカマドの種類

ウラジロナナカマド:葉の裏が白い

ナンキンナナカマド:低木2m~3m(通常は5m~10m)で枝が細いです

タカネナナカマド:低木1m~2mで高山に分布し、あまり背が高くならないので盆栽にもよく用いられます。

出典: http://iwasaki.shop-pro.jp/?pid=44708913
タカネナナカマド

セイヨウナナカマド:ヨーロッパからシベリアのユーラシア大陸の北部に広く分布しています。果実は日本のナナカマドよりも一回り大きく、色は橙色が強いです。

ナナカマドの育て方

日当たりの良い場所で、腐植質の多い土に植えて下さい。日当たりが悪いと花付が悪くなります。

ナナカマドを種から育てる

秋9月~11月位の時期に、実が熟したら種を採ります。種から育てた場合、実を付けるまでに、3年~10年程かかります。 まず採取した種を水洗いして、種から果肉を綺麗に取り除きます。その種を赤玉土(小粒)などの用土に種を蒔き、発芽するまでは、土が乾かないように水を与えて下さい。芽が出てきたら日当たりの良い場所で育てます。

水は土が乾いたら与えて下さい。樹高が20㎝以上になったら、地植えして下さい。

出典: https://www.e-bonsai.org/shop/seed/nanakamado/nanakamado.html

ナナカマドの苗を植える

苗を植える適期は、11月~3月位の時期です。地面に苗よりも一回り以上の大きな植える穴を掘り、その中に植え付けて下さい。寒さには強いですが、幼い株を植える場合は雪の降る時期は避けた方が良いです。

ナナカマドを鉢植えにする

ナナカマドは普通庭植えで育てるのがベストですが、盆栽や大きな鉢植えで育てる場合の用土は、盆栽の場合(赤玉土8:桐生砂2)の割合で混ぜて下さい。外で管理する鉢植えは、市販の花と野菜の土を利用して植えて下さい。

ナナカマドは寒冷地の植物なので、暖地の夏の暑さや乾燥に弱いので、真夏の時期は水切れしないように半日陰に移動して下さい。

ナナカマドを植える用土

ナナカマドは、腐葉土や堆肥のたっぷり入った水はけの良い土を好みます。植える穴を掘った場合に、そこに腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜておきましょう。

ナナカマドの水やり

庭植えの場合は、夏場の乾燥がひどい場合を除いて、水やりは不要です。 鉢植えの場合は、土が乾いていたら水を与える程度で大丈夫です。受け皿の水は必ず捨てて下さい。

ナナカマドの肥料

ナナカマドは、痩せた土地でも育つほど丈夫なので、肥料は無くても育ちます。植え付け時に腐葉土や堆肥を混ぜておけば、特に追肥は必要ありません。

ナナカマドの剪定方法・時期

剪定は落葉の時期、11月~3月に行って下さい。剪定の目的は、混み合っている枝や不要な枝を切って風通しを良くするためです。風通しが悪いと病害虫が発生しやすいのです。

ナナカマドは、切り口がふさがりにくい木なので、太い枝を切った時は、そのまま放置しておくとそこから虫が入ったり、病気が発生したりしますので、必ず融合剤を塗って切り口を保護しておくと安心です。

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剪定・整枝時の切り口、胴枯病などの病患部を削り取った後の傷口に塗るペースト状の殺菌剤で、病原菌の侵入を防ぎ、枯れ込みを防止し、切り口の治りを早めます。

ナナカマドの増やし方

ナナカマドは、種を蒔いたり、接ぎ木や挿し木で増やす事が出来ます。種で増やすのは、種を植えるのと同じですので、接ぎ木と挿し木の仕方をご説明します。

接ぎ木の仕方

・接ぎ木をするには、3月~4月の時期が適期です。 ・種から育てた苗を台木に使い、地上約5㎝の所を水平に切ります。 ・台木の切り口にカッターなどで逆三角形の切り口を作ります。

・増やしたい方の枝を5㎝~10㎝程の長さに切り、枝の切り口を台木の切り口とぴったり合う様にカットして下さい。 ・台木と増やしたい枝をぴったりくっつけて、接ぎ木テープでしっかり巻いて固定します。 ・切り口の乾燥を防ぐために、ビニールなどで接いだ部分を覆います。

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挿し木の仕方


挿し木は前の年に、5㎝~10㎝程の長さに切った(休眠枝)枝を、3月位に赤玉土(小粒)に挿し、土が乾かないように水やりをします。充分に根が生えたら地面に植え替えて下さい。

ナナカマドの病害虫

ナナカマドは、寒冷地の高山に生育する植物ですので、本来は害虫などが付く事は少なく丈夫な植物なのですが、暖地で育てた場合は、病害虫が発生します。ナナカマドはバラ科の植物なので、バラ科の植物がかかる病気は大体かかります。アブラムシ、ミノムシ、テッポウムシ、ナナカマドフシダニ、ハマキムシ、うどんこ病などです。

うどんこ病:病気にかかった部分は切り落とし、薬剤を散布して拡大を防いで下さい。 アブラムシ:栄養を吸い取って株を弱らせますし、排泄物は、すす病の原因になる可能性もありますので、見つけたらすぐに駆除して下さい。駆除しないと、すぐに大量発生します。

ナナカマドの花言葉

ナナカマドの花には、「慎重」「賢明」「私はあなたを見守る」と言う花言葉があります。 ◎花言葉の由来は 慎重:なかなか燃えにくいと言うところから来ています。 私はあなたを守る:ヨーロッパの各地で、ナナカマドの木を使って作った十字架を、魔よけとして家畜小屋や、教会の墓地にかける風習があったことによります。

また、北欧神話によると、雷神トールが大洪水でおぼれそうになった時、ナナカマドの木につかまって命を助けられ、船を作る時にナナカマドの木の板を1枚用いると水難に合わないと言うような言われがあります。 ナナカマドは北海道では、この花言葉のイメージからでしょうか、交通事故が無くなることを願ってのことかもしれませんが、よく街路樹に用いられています。

ナナカマドの実、何故冬でも腐らないのか

ナナカマドの真っ赤な実は、気温が下がって葉が枯れ落ちて雪に覆われても、厳寒の雪の中で何故腐らずに、赤い実を付けたまま落ちずにいられるのでしょうか。ナナカマドの熟していない実には、ソルビン酸と言う成分が含まれており、そのことによって実が腐らないのです。

ナナカマドの実は細菌や真菌を持っていますが、ナナカマドのソルビン酸を取り込み菌が死滅するので実が腐らないのです。食品業界ではこのソルビン酸の作用を利用して、細菌やカビの増殖を防ぐための保存料として、蒲鉾やハムなど色々な食品に使用されています。

鳥たちが食べられる、熟したナナカマドの実にもソルビン酸が含まれていますが、鳥たちには影響は無いようです。

ナナカマドの実には毒があるのか・食べられるのか

ナナカマドの実には、青梅やアーモンド、リンゴの種などと同じ「シアン化合物」の毒が微量ですが含まれています。そのナナカマドを鳥たちが食べられるのは何故でしょうか、また毒は大丈夫かと言うことになります。ナナカマドは完全に熟さないと毒があり苦み成分も強いのですが、熟した頃、雪によって実が凍ると毒が抜けるようです。

(ナナカマドの実を冷凍庫で冷凍、解凍を繰り返し、加水分解処理をすると、苦みは取れ、毒素も分解されます。)鳥たちもそれが解っていて、直ぐには食べずに、冬の初めなどに食べにくるのです。ナナカマドは鳥達に食べられることによって、種を遠くへ運んでもらっています。ナナカマドは、鳥達に実を食べてほしい時期には毒が抜けているようです。

西洋ナナカマドの生果実にはパラソルビン酸が0.4%~0.7%含まれます、しかし、加熱処理や乾燥によってソルビン酸に変わります。ナナカマドが食べられるかということになりますが、ナナカマドの新鮮な果実を過剰に摂取することには注意が必要です。


ナナカマドのある景色

ナナカマドは1年を通して季節ごとに色々な美しい姿を見せてくれます。春は、真っ白な雪の結晶のような小さな花を沢山咲かせ、花が終わると、黄緑色の実を付け始めます。9月になると徐々に実が赤くなり、秋、紅葉の季節になります。ナナカマドの紅葉は、葉も実も真っ赤で、一番の見頃と言えます。冬になると葉が落ち真っ赤な実だけが残ります。

そこに雪が積もると、赤と白のコントラストがとても綺麗で冬の景色を華やかにしてくれます。その実を食べるために沢山食事をしにくる鳥たちの姿を見ることができ、1年を通して楽しむことができるのがナナカマドです。

ナナカマドの紅葉を美しく

紅葉が綺麗になるための条件 ①温度差が大きく、急激に温度が下がることによって、綺麗に色付きます。 ②十分な日光が必要となります。日光が無いと光合成ができなく、光合成ができないとアントシアニント言う物質が出来なくなり、アントシアニンが出来ないと綺麗に紅葉はしません。

③適度な湿度が必要になります。 ④台風の襲来が少ないことが必要になります。台風は塩を含んでいるので、葉が枯れていしまいます。 ⑤紅葉する前に大雪が降らないことなどがあげられます。

ナナカマドの実を食べる

日本のナナカマドの実は一応食べられますが、そのままでは味の苦みや酸味が強く美味しくありません。ナナカマドを食べられると言っても果実酒として利用するくらいになります。日本のナナカマドに比べて西洋ナナカマドは、味が苦みも少ないのでジャムや料理の添え物として利用したり、ゼリーなどにして食べられる事があります。

そのままでは苦みや酸味があるので、他のフルーツや砂糖と合わせて作ります。飲み物や食べ物に少し苦みや酸味を出したい時に使用されます。ビタミンCは豊富ですがソルビン酸という保存料が含まれているので、大量に食べるのは控えた方が良いでしょう。

ナナカマドを使ったクリスマスリース

ナナカマドは、赤い実がとても可愛く綺麗ですので、その実を使って花材にしたり、クリスマスリースを作るのも楽しいですね。

まとめ

ナナカマドの実は、真っ赤でとても美しいですが、食べても苦みがあり味もあまり美味しくありません。ナナカマドの実は、真っ白な雪の中でも真っ赤な実で自分の存在をアピール出来る植物です。四季折々の美しさもありますが、毒を持っているにもかかわらず鳥たちに冬の食物を与える興味深い植物です。

真っ赤な紅葉は一度見ると忘れる事が出来ない美しさです。丈夫で大きく育つので、ぜひ庭に植えて1年を通じてナナカマドの四季を楽しんでみて下さい。