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シノブの育て方ガイド!植え替え方法や水やりの量・頻度など9つのポイントをご紹介!

レースのような美しいデザインが特徴のシダ植物「シノブ」は、日本の他に中国や朝鮮、台湾などの東アジアで自生しています。人気がある種類は、冬でも葉が落ちない台湾原産の「トキワシノブ」です。乾燥に注意すれば手間がかからないトキワシノブの育て方についてご紹介します。
更新: 2021年5月13日
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目次

トキワシノブは観賞価値が高いシダ植物

シノブは盆栽のように楽しめる植物です。三角形の葉を整えたり鉢を包むように茂る様子を観賞したりできるので、ガーデニングの醍醐味が感じられます。好き嫌いが分かれるところですが、細かい毛がびっしりついた太い根も独特で目が離せません。

昔からガーデニングでは、棕櫚(しゅろ)の皮を丸めた"シノブ玉"を利用してきました。夏を涼しく演出してくれるシノブの育て方について、水のやり方や株分けによる増やし方など、いろいろチェックしておきましょう!(この記事は2021年5月11日時点の情報です)

トキワシノブは冬も落葉しない

シノブの苗はホームセンターなどの園芸品店で購入できますが、ほとんどが「トキワシノブ」です。普通のシノブとの違いは、濃い緑色で肉厚点と、冬でも葉を落とさない点です。トキワキワシノブは一年中お部屋で観賞できるので、シダ好きな人は一つは欲しいアイテムといえます。

購入後は湿らせた土で育てられますが、木炭を芯にした水苔にトキワシノブの根茎を巻き付けた、「苔玉」の盆栽もおすすめです。

トキワシノブは着生植物

Photo by harum.koh

シノブなどの耐陰性のあるシダ植物は山林内の湿地で自生しますが、シノブ類には生態上の大きな違いがあります。シノブ類は樹皮の上に生育する「着生植物」なのです。

着生植物は寄生植物とは違い、養分を雨水と霧から直接摂るため、霧や雲が発生しやすい場所で自生します。シダ植物の中ではシノブ類などの一部ですが、多くのコケ植物とほとんどの地衣類は着生植物です。

トキワシノブの9つの育て方のポイント

①トキワシノブの苗の見分け方

トキワシノブをホームセンターなどで購入する際は病害虫に気を付けて、瑞々しくて元気なものを買いましょう。病害虫が発生しているものを買うとトキワシノブは少しずつ弱っていき、他の観葉植物に伝染することもあります。

よいものは、手入れされている証拠としてよく湿っている土に植わっている株がおすすめ。葉裏に1ミリメートルほどの黄色か赤い虫が付いていたら、それはハダニです。隅々まで気を付けて確認し、健康なトキワシノブを入手してください。

②トキワシノブの用土

Photo bywalkersalmanac

樹木などの他の植物に着生するトキワシノブの用土は不要ですが、鉢植えで楽しむ場合は水はけのよい土壌を選んでください。用土はホームセンターなどで販売されている山野草用のもので充分です。

用土を使わない場合は、ミズゴケやへゴ板などを使った苔玉でもOKです。苔玉の状態で販売されていることが多いので、可愛い鉢などに移しかえるだけで見映えがしますよ。トキワシノブの着生植物という特徴を生かし、苔玉以外で着生するものを探してみるのも楽しそうです。

苔の上に置くだけでもOK

トキワシノブは苔玉もよいですが、水をたっぷり含んだ苔の上に置くだけで着生率が上がります。あとは日当たりのよい場所に置くだけです。さまざまな種類の苔があるので、苔の美しさも愛でつつ栽培するのも、シダ植物の楽しみの一つといえます。

③トキワシノブの置き場所

トキワシノブを始めとするシノブなどのシダ類は、直射日光が照りつけるカラッとした気候よりも、湿り気味の気候を好みます。シノブ類は耐暑性と耐寒性はありますが、葉焼けを起こすほどの夏場の直射日光は避けなければいけません。

トキワシノブを栽培するときは、ある程度の日当たりのよい場所か、半日陰や明るめの日陰で栽培しましょう。屋外は日当たりのよい軒下、または遮光ネットや寒冷紗をかけてください。

冬の置き場所

トキワシノブの冬の置き場所は、関東以南の暖かい地域は屋外でOKです。関東以北などの寒冷地では屋内で栽培しましょう。ある程度の耐寒性はありますが、-5℃以下の環境では育ちにくいため、寒い地域では屋内に移してください。

屋内に移動した場合は暖房の風が直接当たらないように注意し、直射日光を避けて日当たりのよい場所で育てましょう。

④トキワシノブの水やり

Photo by sorarium

トキワシノブなどのシダ類も冬は休眠期間に入るため、水やりのタイミングを変えなければいけません。成長期の春から秋の気温が10℃以上あるときは、土や苔玉の表面が乾燥していることを確認し、たっぷり水やりします。

気温が10℃以下の冬は、水やりの回数と量を減らしてください。水やりのタイミングは、土や苔玉の表面がすっかり乾燥した2~3日後です。水やりの回数を減らして落葉してしまったときは、回数を増やして様子を見ましょう。

葉水は毎日!

トキワシノブは根元の水やりだけではなく、毎日一回は葉に霧吹きで葉水を行ってください。葉に付いた水滴が瑞々しく、視覚的にもさわやかに感じられることでしょう。

葉水は水分補給の他に、アブラムシやハダニなどの害虫予防の効果も期待できます。トキワシノブの葉にホコリがたまっているときは、ハンディモップを軽く掛けたり、ティッシュペーパーなどで優しく拭いたりしましょう。

⑤トキワシノブの肥料

Photo byFree-Photos

シノブはある程度の耐暑性と耐寒性があることと、土が無くても元気に育つことから、肥料が無くても問題ない植物といえます。それでも成長具合が気になるときは、生育期の春から秋に液体肥料を与えてください。

肥料を与える回数は月に一回程度で問題ありません。常緑植物のため、液肥を与えると緑が濃くなって瑞々しさが増すといわれています。

⑥トキワシノブの剪定

Photo byartursfoto

トキワシノブは常緑植物のため、一年をとおして青々とした葉を茂らせます。しかしずっと同じ葉ではなく、葉が枯れたあとは次々に新しい葉を生やすのです。このときに枯れた葉を放置しておくと養分が吸い取られるので、枯れた葉は必ず剪定してください。

また盆栽的に楽しむ場合は、三角形の葉をお好みで剪定するのもおすすめです。元気な葉が次々に生えるので、失敗を恐れずにいろいろ挑戦してみましょう。

⑦トキワシノブの植え替え

Photo byJillWellington

トキワシノブの植え替えは必要ありませんが、鉢や苔玉などから根がとぐろを巻くようにはみ出てきたときは植え替えましょう。植え替えの時期は3~4月です。

植え替えの方法は、土や苔から先に根をはがし、ピンセットで古いコケもはがします。新しい土や苔に置いたり水苔などに巻き付けたりし、植え替えが完了です。葉が付いた根は、水苔を入れた水に入れておくだけでも根を伸ばすことがあります。トキワシノブの独特な風情を楽しみましょう。

⑧トキワシノブの増やし方

シダ類植物のトキワシノブは、自然界では種ではなくて胞子を飛ばすことで増えていきます。栽培の場合は、挿し木ではなく春先に株を植え替えることで増やせます。水苔にトキワシノブが着生しているものは胞子も付着しており、春先に水苔から新芽が出ることもあるようです。

株分けによる増やし方は簡単です。発芽するとゼンマイのように丸まった新芽が出るので、ほどよい大きさになったら別の鉢に移し替えましょう。苔の上に置くだけでも簡単に増やせます。

⑨トキワシノブの病気・害虫対策

トキワシノブには目立った病気は発症しませんが、害虫には気を付けましょう。付きやすいのがハダニ、カイガラムシやアブラムシなどで、湿気が多すぎると発生しやすいようです。

ハダニは黄色か赤色の1ミリメートルもない小さな虫で、葉裏に付いて汁を吸っています。ハダニに葉を吸われると白い斑点状になり、放置しておくと枯れる原因に。その部分はすぐに切り取って対処してください。

アブラムシとカイガラムシ

アブラムシも2ミリメートルと小さいですが、群生すると株を弱らせるので、見つけたら食用洗剤を吹き付けて対処しましょう。白い綿毛のようなものが付いたカイガラムシは3ミリメートルほどで、成長すると粘り気のある分泌物を出します。

株が弱って枯れるので、見つけた場合はすぐに取るか、カイガラムシが付いた葉をすべて切り取ってください。カイガラムシがたくさん付いている場合は薬剤の散布がおすすめです。


トキワシノブの花言葉と語源

トキワシノブの花言葉

フリー写真素材ぱくたそ

トキワシノブは花を付けませんが、全体を示した素敵な花言葉があります。代表的なのが「魅惑的」で、一年をとおして青々とした葉を付けることが由来のようです。植物の輝きが少なくなりがちな冬でも、お部屋をさわやかに演出してくれるトキワシノブにふさわしい花言葉です。

もう一つの花言葉は「愛嬌」となり、こちらの由来は独特な根茎にあるようです。細かい毛がびっしり生えた太い根茎は少し怖い感じもしますが、どことなくユーモラスにも思えますよね。

トキワシノブの語源

シノブ類の性質は、ある程度の耐暑性や耐寒性があること、土が無くても育つことなどです。名前の由来はそのような「耐え忍ぶ」姿から来ています。古くはシダ植物全般を「シノブ」と言っていたそうですが、まさに他の植物の邪魔にならないように、ひっそり暮らす生態を表しているかのようです。

万葉集には、恋人を偲ぶ(しのぶ)気持ちを「シノブ」にかけて詠んだものがいくつかあります。ガーデニングを楽しみつつ、これらの作品をひも解いてみるのも風流ですね。

トキワシノブでお部屋は一年中さわやか!

出典:photo-ac.com

トキワシノブは、シノブ類の中において冬でも落葉しないことから人気があります。緑色も少し濃く、肉厚という特徴も好まれているようです。日当たりのよい場所で、水をたくさん含んだ苔の上に置いておくだけでよく育ちます。可愛い雰囲気を楽しむならば苔玉を作るのもおすすめです。

肥料も植え替えをする必要も、ほとんどありません。増やし方は挿し木ではなく、株分けで簡単にできます。育て方がとても簡単な、一年中青々と涼し気なイメージのトキワシノブを育てましょう!

他のシダ植物が気になる人はこちらをチェック!

シダ植物はさまざまな特徴を持った種類があり、1万1千種もあるといわれています。トキワシノブのような細かい羽のような葉が付いた種類や、オオタニワタリのように広めの葉をもつ種類のものなど個性があふれています。他のシダ植物の育て方や増やし方などをいろいろチェックしてみましょう!