ゴーラムは「金の成る木」の変種
原産地が南アフリカ東部のゴーラムは、ベンケイソウ科ベンケイソウ属の「金のなる木」が枝変わりした品種です。ユニークな姿形は、葉ができるときの成長点に異常によって、ラッパ形に葉が変形したことによります。
別名「宇宙の木」の由来は葉先のへこんだ部分が、月のクレータに似ていることや映画『ET』の宇宙人の指先に似ていることなどから。ゴツゴツした茎も細かく枝分かれを繰り返し、とても独特です。芸術的ともいえるゴーラムのユニークな姿形を楽しみましょう!(この記事2021年5月7日時点の情報です)
多肉植物とは?
ゴーラムのように葉や茎などに水を蓄えて厚くなっている植物を多肉植物といいます。砂漠や海岸のような乾燥地で自生するため、自ら貯水して身を守っているのです。ほとんどの多肉植物の原産地は暖かい地域ですが、耐寒性に強い高山型の多肉植物も。
多肉植物の表面は水の蒸発を防ぐクチクラ層という物質で覆われています。乾燥に強い一方で湿気には弱いという特徴もあるので、この点に注意することでゴーレムを始めとする多肉植物を上手に育てられることでしょう。
ゴーラムの紅葉と花
寒い時期になるとゴーラムは、葉先のへこんでいる部分が赤く色づく特徴があります。ゴーラムの艶々とした元々の濃い緑色に濃い目の赤色が加わり、独特の美しさです。
赤く色づくことでゴーラムの宇宙的なニュアンスや芸術性が増し、さらにゴーラムを魅力的に感じることでしょう。
ゴーラムの花
幸運に巡り合えればゴーラムの花にお目にかかれます。大きく成長した「金のなる木」は、星形をした直径1センチメートルほどの小花が集まって咲き、ちょっとした話題になります。
ゴーラムも同じ花を付けるといわれていますが、残念ながらあまり見かけません。そのためゴーラムが花を付けると幸運といえるのです。育て方をいろいろチェックしてゴーラムの花を咲かせてみましょう。
ゴーラムの花言葉
ゴーラムは金の成る木の変種のため、花言葉は金の成る木と同じとされています。金の成る木の花言葉は、小判のように見える葉の形から「一攫千金」「幸運を招く」「不老長寿」などです。しかしゴーラムの葉は変形したものなので、金の成る木とはまた別の花言葉がふさわしいような気がします。
ゴーラムの9つの育て方のポイント
①ゴーラムは地植えよりも鉢植えのほうがよい
ゴーラムは乾燥気味の暖かい気候を好むため、湿度が高くて冬は寒くなる日本での栽培は、屋内外を移動できる管理しやすい鉢植えがおすすめです。
花を咲かせるほどの大きさにすることは地植えでも可能ですが、初心者にとってはハードルが高いといえます。まずは鉢植えで始め、慣れてきたら実験的に地植えをするのもよいかもしれません。
②ゴーラムは日光が大好き
ゴーラムはアフリカが原産地ということが示しているように、太陽が好きな多肉植物なため、成長期の春から秋は日光浴をさせてあげてください。日光浴をさせることで葉の色つやがよくなり、葉先もきれいに赤く色づくのです。
しかし真夏の直射日光は要注意です。葉やけを起こして枯れるなどの原因となってしまいます。真夏には半日陰か、レースカーテン越しに日光浴をさせるなどの工夫をししましょう。
③ゴーラムは寒い場所が嫌い
ゴーラムの置き場所に関しての注意点は「日光」と「寒さ」です。日光に関しては、春と秋は日光が当たる場所に置き、真夏は半日陰かレースカーテン越しの場所に置きます。
寒さに関しては、冬の時期には屋外ではなく屋内の暖かい場所に置いてください。赤道近くで自生するゴーラムの短所は「耐寒性が弱い」ことなので、寒風や霜に当たると葉がぶよぶよになって落ちるだけでなく、株も傷んで枯れる原因となります。無事に冬越しさせるためには暖かい場所に置きましょう。
④ゴーラムは水はけのよい用土が好き
ゴーラムの上手な育て方のポイントとして用土選びも欠かせません。乾燥に強いゴーラムですが多湿には弱いという短所があるため、湿り気が多すぎると根腐れを起こしで枯れる原因となってしまうのです。初心者がゴーラムを育てる際は、水はけがよい多肉植物専用の土がおすすめです。
花と野菜の培養土は水持ちがよいため根腐れの原因になりやすいことから、ゴーラムの用土にはあまりおすすめされていません。
⑤ゴーラムの水やりは季節で変える
ゴーラムの育て方の大切なポイントの一つに、水やりの仕方があります。基本的に水やりは控えめにし、乾燥気味で問題ありません。
ゴーラムの水やりのポイントは、春から秋の成長期にあります。土の表面が乾いていたら1日から2日ほど時間を置き、鉢底から抜けるほどにたっぷりと水やりをします。ゴーラムは多湿に弱いという短所があるため、真夏の水やりのし過ぎにも注意してください。8月を過ぎるころには、休眠期の冬場に備えて水やりの間隔を少しずつ開けていきます。
ゴーラムは"ぶよぶよ"よりも"しわしわ"
ゴーラムのような多肉植物は葉や茎に水を貯蔵しているため、しわしわの状態になるほどに水を切って乾燥させても枯れることはありません。その証拠に水やりをするとすぐに"ぷくぷく"の状態に戻ります。
しかし水やりをし過ぎると"ぶよぶよ"になり、葉が落ちてしまうのです。見た目がしおれて"しわしわ"になっていても、"ぶよぶよ"しているよりもよいのでご安心ください。
花を咲かせるための水やりの注意点
ゴーラムの花はめったに咲かないといわれていますが、株を大きくすることで花が咲くこともあります。花を咲かせるためには水やりも大切なポイントなのです。
1メートル以上の大株のゴーラムは、8月と9月ころの水やりをなるべく控えることで花が咲きやすい状態になるといわれています。水やりの管理をきちんとして上手な育て方ができれば、憧れのゴーラムの花も夢ではないかもしれません。
冬の水やり
ゆるやかな成長期に入る冬場の水やりは、成長期の春から秋よりも回数を減らし、月に1~2回にしてください。目安は、土の表面が乾いたことを確認し、1~2日ほど経ったころです。
水やりをし過ぎてしまうと葉がぶよぶよになり、枯れることもあります。冬にも成長期と同じ頻度で水やりをすると、ゴーラムの根腐れの原因になってカビ類にも浸食されてしまうので、充分にご注意ください。
⑥ゴーラムは液体肥料がおすすめ
ゴーラムに肥料を与えるタイミングは2週間に1回程度で、液体肥料を希釈して水やりの代わりに与えるとよいでしょう。適切に肥料を与えることもゴーラムの大切な育て方のひとつです。
ゴーラムの成長期は春から秋のため、健康に育てるためにも肥料をしっかり与えましょう。ただし回数や量が多いと、ひ弱な感じに徒長してしまいがちです。適切に回数と量を管理してください。
⑦ゴーラムの植え替え時期は春から初夏
ゴーラムの育て方が上手になり株を大きくすることに成功したら、ひと回り大きい鉢に植え替える時期です。植え替えを行うのによい時期は、成長期のゴーラムが特に元気な春から初夏にかけてとなります。根詰まりをしている場合は、この時期以外でも植え替えを行ってください。
葉が落ちると根詰まりしているサインなので、すぐに対処しましょう。水はけのよい土を使い、古い根はきれいに切り取ります。植え替えた後の水やりはすぐではなく、土が乾燥するまで待ってください。
秋に植え替えるときの注意点
根詰まりを起こしているのが秋の場合は、土を崩さないように注意し、ひと回り大きめの鉢に植え替えてください。鉢のサイズは必ずひと回りだけ大きめにし、それ以上の大きい鉢は使用しません。
水はけがよくて乾燥傾向の環境が好きなゴーラムは、鉢が大きすぎると土中の水分が残り、根腐れの原因となり枯れることもあるのです。
⑧ゴーラムの増やし方は挿し芽と葉挿し
ゴーラムの増やし方は挿し芽と葉挿しとなり、簡単に増やせるのでぜひ挑戦してください。挿し芽の場合は丁寧に切った茎を用土に挿すだけです。葉挿しの場合は葉を丁寧に茎から切り、土の上に置くだけで完了となります。
このようにゴーラムの増やし方はとても簡単なので、ゴーラムの育て方をひととおりマスターしたら、どんどん増やしていきましょう。
⑨ゴーラムが好きな温度は約20℃
熱帯地域が原産のゴーラムが好きな温度は、20℃~30℃となります。反対に耐寒性が弱いため、雪や冬の雨、霜に当たると低温障害になり、葉がぶよぶよになって枯れることがあります。しかし湿度が高いのは苦手なので、気温が高めでも風通しのよい環境を維持してください。
地植えは暖かい地域であれば屋外でも問題ありませんが、寒い地域での鉢植えは冬には暖かい屋内に移動しましょう。適切な温度管理をしてあげることで、寒い季節にきれいな紅葉が観られることでしょう。
ゴーラムの病気と害虫対策
ゴーラムの育て方で見逃してはいけないのが、病気と害虫対策です。ゴーラムで気を付けたい病気は、枯れる原因となる過湿からくる根腐れです。カビに浸食されて病気にならないように、季節ごとの水やりの管理はしっかり行いましょう。
害虫対策は、カイガラムシやアブラムシが付くことが多いため、薬剤を散布する方法と綿棒などでで小まめに取り除く方法があります。株を傷めないようにするならば手間がかかりますが、綿棒などでアブラムシなどを駆除するのがおすすめです。
ゴーラムを育てて憧れの花を咲かせよう!
乾燥に強くて湿気に弱いゴーラムの育て方のポイントは主に9つあり、特に重要なのが日光と水やりの管理です。春と秋には日光浴をたっぷりさせてあげましょう。直射日光がきつい真夏はレースカーテン越しがベストです。寒さと過湿は苦手なので、冬は風通しがよくて暖かい場所で管理すると無事に冬越しもできます。
美しい紅葉の観賞だけではなく、大きくすると星形の可愛い花も観られるかもしれません。増やし方も簡単な挿し芽や葉挿しなので、ぜひ挑戦してみましょう!
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多肉植物にはゴーラムのように不規則な姿形のものもあれば、シンメトリーの美しいデザインのものもあります。また、乾燥地帯を好むものや寒地を好むものなど生育地もさまざまです。いろいろチェックして多肉植物に詳しくなりましょう!

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出典:photo-ac.com