はじめに:ローズマリーを室内栽培する方法
室内でも育て方が簡単なローズマリー
ローズマリーはハーブとして料理やポプリ・アロマとして利用価値のある便利なハーブであり観葉植物として栽培する方も多い常緑の低木樹に分類させる植物です。室内での栽培にも向いていることからキッチンガーデンに使用される方も少なくありません。
ローズマリーの室内栽培のコツを紹介
日光好きで乾燥にもめっぽう強いローズマリーは夏の直射日光でも葉焼けなど気にせず植え付けられます。今回はのこの植物を室内に置いて鉢植えで育てる場合の栽培方法を解説しましょう。
庭植えやベランダの主に屋外での栽培方法を知りたい方は少し違う点もございますので、記事末の関連リンクからローズマリーの育て方全般の記事をお読みになることをおすすめします。
室内栽培前に知りたいローズマリーについて
ローズマリーの基本情報
科・属 | シソ科マンネンロウ属 |
原産地 | 地中海沿岸地域 |
英語名/学名 | Rosemary/Rosmarinus officinalis |
栽培難易度 | 初心者向けハーブ |
ローズマリーの性質・特徴
ローズマリーの葉をよく観察すると多肉植物のように肉厚であることがおわかりいただけるでしょう。ここに水分を貯めておけるため乾燥にとても強い植物となっています。
多少水やりを忘れてもその葉の性質により初心者でも失敗しづらいハーブ・観葉植物としてとても人気があるローズマリー。またもともと痩せた土地で生えている植物なので肥料やりの心配もなく、初期準備にかかるコスト的にも育てはじめやすい室内栽培のハーブ初心者の入門向け植物といえるでしょう。
ローズマリーの収穫時期
ローズマリーを何に使うかにもよりますが花は四季咲きですので通年を通していつでも収穫可能。花と同様葉も冬になっても枯れることなく常緑であるためこちらも株が元気な時期であれば収穫可能となっています。
耐寒性には強いので冬はあまり注意することはありませんが日本のじめじめとした初夏の時期はあまり得意とはしませんので、この時期だけは室内に置いておいてもあまり収穫をしすぎず株を休ませてあげるのがローズマリー室内栽培のコツといえるでしょう。
室内での鉢植えローズマリー栽培とコツ
ローズマリーの室内栽培の準備
用意するもの1.苗
ローズマリーははじめは苗で市販されているものを買ってきて育てはじめましょう。室内栽培は屋外よりも日光が当たりにくい分丈夫な苗を選ぶのがポイント。
ローズマリー苗選びのポイントとして葉と葉の間隔がつまっていてひょろひょろとしておらず病気や害虫で枯れたり食われたりしていないものが第一条件です。
用意するもの2.鉢の選び方
ビニールポットで売られている苗であれば買ってすぐに鉢植えに植え替えてください。株の大きさよりもひとまわり程度大きめの焼き物の鉢がおすすめです。
何より余分な水分を鉢が吸って自然と土の水分調整をしてくれることと、ひなたに置くとプラスチック鉢は劣化して壊れてしまうことがありおすすめできないのがその利用となっています。表面コーティングされ保水性が良すぎる磁器よりも陶器鉢の方がよりローズマリーの室内での育て方にはより適した鉢といえるでしょう。
用意するもの3.土や肥料
ローズマリーの室内での育て方は簡単ですがより失敗しづらくするために土の排水性には気をつけてあげてください。初心者には市販のハーブ用の培養土がおすすめ。
自分で配合するならば赤玉土と腐葉土を混ぜた一般的な作り方にパーミキュライトを1割程度混ぜて水はけをよくしてください。ローズマリーの育て方においては肥料は不要です。
ローズマリーの室内栽培:日当たり
ローズマリーは明るく通年乾燥しているような気候の地中海原産の植物ですので日光は大好きです。しかし半日陰の室内のような場所でも成長することが確認されていますので室内のカーテン越しの日当たりでも成長させることが可能です。
またできれば風通しがよい場所に置くことも植物の成長をうながす大切な要素なので気をつけてみてください。
コツ1.室内の日かげで育てる
ローズマリーの鉢植えの室内での置き場所はできれば日当たりがよい窓辺や出窓などがおすすめ。
料理にすぐに使えるようキッチンのカウンター上に置いてもすぐに成長に変化があるわけではありませんが、長期的な栽培を見越してその場合は室内だけにこだわらず時々はベランダなどの屋外に出して日光と風に当ててあげた方がより健康的に育ってくれるでしょう。
ローズマリーの室内栽培:水やり頻度
ローズマリーは乾燥がちの水やりで十分であるため室内での育て方であれば頻度は土が完全に乾燥したら与えるという程度で。
しかしいくら乾燥に強いローズマリーの室内栽培だとしても葉の中の水分まで全部使い切ってしまうような環境ではぽろぽろと落葉してくるため土が乾ききっていたら急いで水やりをしてください。
コツ2.枯れる場合は
株に対して鉢の大きさが小さい(土の量が少ない)とどうしても水切れはおこりやすくなり水やり頻度も頻繁に必要となってしまいます。うっかり忘れが多い方・乾燥に強いローズマリーが水不足で枯れるという方は鉢を大きくして土の量を増やしてみてください。
ただしこの方法でも水やりをしなくて良いわけではないので鉢植えで育てるなら必ず水やりは土の様子をみながら欠かさずしてあげましょう。
ローズマリーの室内栽培:植え替え
さきほども少し話に出ましたが室内管理の鉢植えローズマリーの植え替えは定期的に2-3年ごとを目安におこないます。時期は3-5月が適期ですがこれを逃してしまった方は梅雨から夏の間は手を付けず秋涼しくなってから冬前までに植え替えをしてください。
コツ3.根鉢は極力いじらない
ローズマリーは強い植物ですが移植は好みません。鉢植えはどうしても根が鉢いっぱいに回ってしまうため定期的な植え替えをする必要がありますが、このときもできるだけ根鉢はいじらずに大きな鉢に移植して空間を新しい土で埋める形で植え付けていってください。
ローズマリーの室内栽培:剪定と切り戻し
ローズマリーを室内で栽培している場合では季節を気にせず通年剪定や収穫をおこなうことができます。料理などに使う場合は15cm以上伸びた枝の先端から10-15cmほどのところでカットします。
ローズマリーの室内栽培株の形が乱れてきた・葉が茂って風通しが悪くなってきたという見栄えや風通しのための剪定であれば内側に向いている枝・混み合っている場所を選んでその枝が分岐している分かれ目が切る方法となるでしょう。もちろんこの剪定した枝を料理や香りづけに使用することも可能です。
コツ4.木質化した茎に注意
ローズマリーの分類は常緑低木樹という木の仲間です。若い株は茎も緑ですが年月がたつにつれて茎の色が変化する木質化という現象がおこります。こうなった場合その茎から新しい葉が生える確率は急激に減ります。生えてこないと言っても差し支えないくらいでしょう。
そのため木質化した枝から葉を収穫したり枝を剪定をするときは茎だけの丸坊主の枝にしてしまわないよう注意深く剪定する位置を決めてください。
ローズマリーの室内栽培:種まきと挿し木
ローズマリーの室内栽培で何年も同じ株を育てているとだんだんと寿命や木質化して収穫できる枝がなくなってきてしまいます。
観賞用として収穫は一切しないのであれば自然に枯れるまでお世話してあげるのも良いのですが、ハーブとしてカットして使いたいのであれば新しいローズマリーの株を更新してそちらを育てるとよいでしょう。増やし方は挿し木と種まきがあります。
水差し穂で増やす方法
やり方は剪定で切り取った15cmほどの枝が使えます。できるだけ新しく病気などがないみずみずしいものを選び切り口を鋭利な清潔なカッターでななめに切り直します。
下の方の葉は取り除き枝を露出させそのまま水を入れた容器に。このときメネデールを少量足しておくと発根が促進されます。1ヶ月ほどしたら根が出ているものを培養土を入れたポットに植え付けて苗になるまで大きくしてください。
種まきで増やす方法
種まきは5月から7月くらいまでの時期におこないます。種はからが硬いため一晩水につけてから種まきすると発芽率があがります。
水につけるとバジルの種のようにまわりにゼリー状のものが付いた状態になるのでこれをそのまま種まき用の土にまきますが、一般的に発芽率は3-40%もあればよいというほど低いです。どうしても実生苗がほしいという方は種まき数をたくさん増やして必要本数を確保してください。
コツ5.ローズマリーの株分けはできない
ローズマリーは根をいじられると枯れてしまいます。そのため増やし方で株分けを選ぶことはできません。おすすめなのは水差しで根を出してから挿し木にする方法。
これは根を確認してから植え付けるため失敗のリスクがほとんどなく初心者の方でも安心しておこなうことができます。また失敗したとしても親株の損失はほとんどないためです。そのほかには時間はかかりますが種まきから実生苗を育てる増やし方も慣れてきたらチャレンジするのもよいでしょう。
まとめ:ローズマリーの室内栽培は簡単
室内栽培のローズマリーを料理などに活用しよう
ローズマリーは室内でも簡単に栽培できる便利なハーブであり観葉植物でした。花も葉も1年中楽しめるためにテーブルの上やキッチンカウンターで育てることでお部屋のインテリアとしても一役買ってくれるでしょう。
ローズマリーの室内栽培にご興味を持たれた方はこれを機会にぜひ自分でも育ててみることをおすすめします。
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今回はローズマリーの室内での育て方を解説してきましたが、暮らしーのでは収穫したローズマリーを使った料理のレシピや虫よけスプレーの作り方などの利用方法についてもご紹介しています。育てたローズマリーをもっと活用したいという方は下記関連記事もぜひ見てくださいね。

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3013904