ローズマリーを料理に使おう
肉や魚料理にローズマリー
地中海原産のハーブ、ローズマリーは、目にしたことがある人も多いハーブでしょう。ヨーロッパでは、悪魔除けの神秘的な力を持つ植物と考えられています。日本でいうと、節分のいわしの頭や柊といったところでしょうか。肉・魚料理や、いも料理にもよく使われていて、日本人にも馴染みの深いハーブです。
ローズマリーとは
広い用途に利用されるハーブ
ローズマリーには、魔除けの力がある植物としていろんな場面で使われるローズマリー。ハーブとして料理の香り付けに使われるだけでなく、薬としてアルツハイマー病やパーキンソン病への効果を期待される薬草でもあります。
ローズマリーの味・香り
ローズマリーには、ほんの少しの甘い香りと、ほろ苦い味があります。香りばかりがクローズアップされがちですが、適度な爽やかな苦味は、美味しいと感じる人も少なくありません。清涼感を伴ったほのかに甘いハーブ、それがローズマリーの特徴です。
薬としての用途・効果
ローズマリーに含まれる成分
ローズマリーには、多くのポリフェノールが含まれています。カフェ酸やゲンクワニン、ルテオリンなど、ほとんどがフラボノイドやカフェタンニンなどのポリフェノール類です。
その中に「カルノシン酸」という非常に強い抗酸化作用がある成分があります。これが、さきほどの脳の病気への効果がある成分として注目されています。
薬としてはまだまだ研究途中
ハーブはいろいろな民間療法に利用されていますが、そのハッキリとした薬効は研究されていません。あくまでも民間療法。人にとって良い成分ならよいですが、体に悪い影響を与える成分も、隠されている可能性があります。
素人療法は厳禁。今回は、ローズマリーの薬としての利用よりも、美味しい料理に使う、調味料のひとつとしての利用をメインに見ていきましょう。
香辛料としての用途・効果
いろんな料理に使えるハーブ
ローズマリーの用途として、多くの人が身近に感じているものは、料理やハーブティーとしての、食用の使われ方ではないでしょうか。ハーブを使った料理はたくさんありますが、ローズマリーはいろいろな使われ方ができる、非常に万能なハーブです。
香り付けや臭み取りの効果
ローズマリーの用途、効果のひとつとして、香り付けがあります。味の蛋白な食材に香りを付けることにより、料理全体にインパクトを加えてくれます。また、魚料理や肉料理に香りをつけて臭みを取る香辛料としても使われます。
エディブルフラワーとしての用途・効果
料理にかわいらしさを
ローズマリーは香辛料やハーブティーとして使われるのは、葉の部分です。でも、食べることができるのは葉だけではなく花もあります。
飾りとしての効果
サラダなどの飾りとして使われる花を食べれる花「エディブルフラワー」といいます。ローズマリーの花も、食べれる花として、そのままお菓子に入れる食べ方もされています。花にも何らかの栄養や味はありますが、決してそれが目的ではなく、ローズマリーの花を使った飾りとしての食べ方です。
ローズマリー料理:食べ方・使い方
料理で使うローズマリーは生?乾燥?
料理やハーブティー、飾りとして人気のローズマリーですが、これほどローズマリーが使われるのは、生、乾燥、そして花と3種類の食べ方ができるからです。
飾りとして使う花は除いて、料理に使うなら、生と乾燥、どちらのローズマリーが向いているのでしょうか。生と乾燥ローズマリーの違いを知ることで、どちらを料理に使ったらよいのか見えてくるでしょう。
生ローズマリーの食べ方
生のローズマリーの食べ方として、煮物や焼き物の香り付けが人気があります。なぜ生ローズマリーが人気なのかというと、乾燥したものよりも色が綺麗、香りが控えめなので、多くの人から好まれるという2点があります。
はじめてローズマリーを使うなら、香り控えめで料理の彩りにもなる生ローズマリーがおすすめです。
乾燥ローズマリーの食べ方
生ローズマリーが万人受けするソフトな香りだからといって、それだけが人気というわけではありません。ローズマリーの香りが好きな人や、ハーブティーでいただくという人に人気なのが乾燥ローズマリーです。
乾燥させると、ローズマリーは香りがより立ちます。乾燥したものは、ハーブティーにするにも、ローズマリーだけでなく、お好みのハーブとブレンドしやすいという利点もあります。
ローズマリー料理:使い方基本
どんな食材と合わせたらいいの?
ローズマリーに興味があり、まずは買ってみたけれど知っているレシピが少ない。せっかく買ったのだからいろんな料理に使いたいという人も少なくないでしょう。ローズマリーといえば肉や野菜の香り付けですが、それ以外にもローズマリーが合う食材はたくさんあります。
ローズマリーが合う食材
ローズマリーでレシピサイトで検索すると、それこそ何十種類のも料理が出てきます。それだけ多くの食材と合わせることができるハーブだという証拠ですね。
基本ともいえる鶏肉や魚など、比較的食材の臭さが出がちな食材の臭い消し。ホタテやひき肉、野菜料理の香り付けスパイスとしても活躍します。
ローズマリーは肉に合うハーブ
特におすすめなのが、鶏肉の手羽元にすりこんでから、普通に唐揚げにする食べ方です。安い手羽元をワンランクアップさせてくれる手軽な食材として、お試しください。
乾燥ローズマリーの作り方レシピ
簡単!乾燥ローズマリーを作ろう
生のローズマリーの味が気に入ったら、もっと香りを楽しめる乾燥ローズマリーに挑戦してみましょう。この乾燥ローズマリー、実は家庭で自分で作ることが可能です。
生のローズマリーよりも保存がきいて日持ちしますので、買いすぎて余ってしまいそうな生ローズマリーの保存方法としてもおすすめです。
乾燥ローズマリーの作り方
乾燥ローズマリーは、ドライフラワーの要領で、日陰で自然乾燥させて作ることもできますが電子レンジを使う時短レシピもあります。電子レンジで水分を抜いたローズマリーは、茎は除いて葉の部分だけ指でこそげ落として使います。
自作乾燥ローズマリーの保存方法
自分で作った乾燥ローズマリーは、煮沸消毒したガラスの密封容器に入れて保存しましょう。ガラス容器もしっかり乾燥させてから使います。
ローズマリーを使った人気料理レシピ:乾燥①
お茶としての使い方レシピ
電子レンジで乾燥させたローズマリーの動画では、下駄箱に入れて靴の臭い消しとして使っていましたが、清潔なものであれば、そのまま熱湯で抽出してハーブティーとして利用することも可能です。
乾燥したローズマリーは香りが強い
乾燥したローズマリーは生のものよりも水分が飛んで香りが立っています。ハーブティーにしても、香りが出やすくなっていますので、お好みの抽出具合でグラスやカップに注いで、好みの濃さで楽しみましょう。
ローズマリーを使った人気料理レシピ:乾燥②
香辛料としての使い方レシピ①
乾燥したローズマリーの使い方に、お菓子の生地に混ぜ込むという使い方があります。生だとどうしてもローズマリーの葉や茎の存在が食感を悪くしてしまいますが、乾燥させて細かく砕いたものであれば、お菓子に入っていてもそれほど気になりません。
ローズマリーを使った菓子
乾燥させたローズマリーは、焼き菓子の生地に練り込むという使い方をよくされます。ローズマリーは、生や花も食べられますので、そちらもお菓子に使いますが、生地に混ぜ込むには生や花は扱いにくいです。
クッキーやシフォンケーキなどの焼き菓子の香り付け香辛料には、乾燥ローズマリーを使いましょう。
ローズマリーを使った人気料理レシピ:生①
生ローズマリーを使ったレシピ①
生のローズマリーは、非常に多くの料理に使われます。肉や魚にすりこんで臭みを消す効果があるからです。それ以外に、生のローズマリーを使ったレシピに、ポトフがあります。ポトフなどの煮込み料理に、月桂樹の葉を使うレシピもありますが、同様にローズマリーでも作ることができます。
蛋白なイモ料理の香り付け
この他、煮込みでなくても香りのよいローズマリーはじゃがいもの香り付けとしてよく利用されます。
ジャーマンポテトなど、炒めて調理するじゃがいも料理にパンチを加えるために、ニンニクと共に、よく生のローズマリーが用いられます。写真はローズマリーで香り付けしたビシソワーズ(じゃがいもの冷製スープ)。
ローズマリーを使った人気料理レシピ:生②
生ローズマリーを使ったレシピ
ローズマリーの花は、ほのかに甘い味がします。見た目も綺麗なローズマリーの花。葉と同じく生で食べられる花として、料理のアクセントに使用されます。花の美しい姿を閉じ込めて利用するゼリー寄せや、焼き菓子、サラダのトッピングなどのレシピがあります。どれも仕上げに加えるだけなので、使い方は簡単です。
エディブルフラワーとしての使い方
その中で面白いのは、塩やオイルに漬けて、その香りを移す方法。長時間漬けておく必要はありません。容器に塩やオイルを入れて、そこにローズマリーの花を投入。
よく混ぜ合わせる程度で十分です。よい香りのする塩・オイルとしてパスタやソテーした肉の最後の仕上げとして食卓でふりかけ、香りと共に料理をいただきます。
ローズマリーの注意点
食用にとどめたいローズマリーの用途
ローズマリーはポリフェノールを含む高い抗酸化作用があるハーブですが、まだまだ研究がされていない成分も入っていますので食べ過ぎには注意です。特に、妊娠中の女性や小さなお子さんが大量に口にするのは避けたほうが無難。香り漬けや臭い消しとして、少し料理で使うくらいなら問題ありません。
ローズマリーを育ててみよう
種まきから簡単に育てられるハーブ
ローズマリーは鉢植えで自分で育てることも可能です。よく陽のあたる場所であれば室内でも栽培可能。4月から5月ころに種まきをおこない、水やりは土が完璧に乾いたらあげるという乾燥気味の環境を好みます。
非常に生育の良い植物なので、料理に使った分くらいはすぐに元通りになって、コスパのよいハーブといえるでしょう。1鉢もっていると便利ですよ。
置き場所には気をつけること
あまり水やりをする必要もなく、種から栽培できる植物ですが、十分な日当たりをこころがけることと、湿気の多い場所に置くのは注意が必要です。地中海原産で、乾燥した場所が好きなローズマリー。できるだけ風通しもよく、湿気がこもらないような日なたに置いてあげましょう。
まとめ
幅広い用途に使えるローズマリー
ローズマリーという植物に付いて、また、その使い方や食べ方、生と乾燥の違いなども見てきました。いかがでしたでしょうか。食べ過ぎには注意が必要ですが、香り付けなどに活用するには問題ありませんので、いつもの料理のアクセントとしてローズマリーを活用していきたいですね。
長期保存できる、自分で作る乾燥ローズマリーレシピも、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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