ミントとは
ミントとは、シソ科ハッカ属の多年草の総称を指します。アップルミントをはじめ、フォレストミント、ホースミント、コーンミント、ベルガモットミントなど、総勢600種を超える種類があります。
ハッカとミント
よくハッカとミントは別に扱われていることが多いですが、基本的には同じもので、ミントの和名を薄荷(ハッカ)といいます。
ただ、ハッカとミントを区別して使うこともあり、その場合のハッカは、ミントの一種である「ニホンハッカ」の事を指す場合があります。
驚異的な生命力
ミントといえば「生命力が強い」ことで有名です。畑に植えておけば勝手に繁殖し、畑を侵食していきます。その生命力と繁殖力の強さから「ミントテロ」と呼ばれるほどです。
「虫除けに畑の隅に植えておいたらいつの間にか畑全体に広がっていた」というあり、時として雑草以上に厄介な存在として扱われています。
ミントの種類
ミントの種類は多種多様にありますが、大まかにペパーミントとスペアミントに分けることができます。
ペパーミント
ペパーミントは、和名でコショウハッカやセイヨウハッカと呼ばれています。メントールの香りが強く、全体的に丸みを帯びた葉が特徴のミントです。また、葉脈が深くしっかりと見ることができます。
歴史はスペアミントよりも浅く、スペアミントとウォーターミントの配合によりペパーミントは作られたとされています。
スペアミント
古くから用いられてきたハーブの一つで、ペパーミントの基となるミントです。スペアの由来は槍のスピアから命名されました。槍の穂先のように鋭く、鋸のようなギザギザした葉が特徴です。また、ペパーミントに比べると葉脈も香りも薄いのが特徴になります。
ミントの効能①:「鎮静作用・疲労回復効果」
ミントには鎮静作用があります。ミントに含まれるメントールによって頭をスッキリさせ落ち着かせる効果があるのです。また、ミントには血行改善効果もあり、体をあたため疲れを癒してくれます。
他にも、ミントに含まれるビタミンCにはストレスを和らげる効果があったり、フラボノイドやタンニンといった栄養成分が活性酸素を分解し、疲れが残りにくくしてくれます。
安眠効果が期待できる
リラックスすることで良い睡眠をとりやすくなります。仕事の疲れを翌日に残さないためにも、ミントを摂取してから休息をとると効果的です。
また、ミントの栄養成分であるメントールはスーっとして気持ちが良いです。暑くて寝苦しい夜も、ミントを塗れば清涼感を感じます。
ミントの効能②:「抗アレルギー作用」
ミントは、アレルギー症状を改善する効果が期待されています。ミントに含まれるミントポリフェノールが粘膜を保護し、アレルギー症状を抑えます。
花粉症対策
アレルギーといえば花粉症です。毎年多くの人が花粉症に悩まされています。そんな花粉症にミントがおすすめです。ミントの効能である抗アレルギー作用が花粉症を軽減してくれます。
また、スーッとする香りは鼻の粘膜を保護し、鼻づまりを改善してくれます。他にも、アレルギーで頭がボーっとしてもメントールの栄養成分でスッキリとしてくれるでしょう。
ミントの効能③:「殺菌作用」
ミントには殺菌作用がある事も有名です。普段から飲用することで殺菌し風邪になりにくくしてくれます。風邪は鼻や喉の粘膜に付着することで感染します。ミントは粘膜を保護し殺菌することで体を守ってくれるのです。
風邪が流行りやすい寒気の時期は、ミントを摂取するだけではなく、ミントのど飴を食べたり、ミントの精油をマスクに数滴垂らしておくなどすると風邪になりにくくなっておすすめです。
口臭対策
口臭の原因は口内に発生する菌が原因といわれています。そのため、口内を殺菌することができれば口臭が臭わないのです。ミントを摂取することで、効能である殺菌作用が口内の菌を殺菌し、スーッとする香りで口臭を改善してくれます。
また、水虫や足が臭い原因には菌が関係しているといわれています。ミントを塗ることで足を殺菌し、水虫や足臭も改善するそうです。
ミントの効能④:「抗炎症作用・解熱作用」
ミントには炎症を抑える効能もあります。粘膜の腫れや皮膚の腫れなど、摂取したり塗ることで腫れを抑えてくれるのです。また、清涼感のあるミントは解熱作用もあります。風邪で寝込んだ時など頭に塗っておけばスーっと涼しくしてくれるでしょう。
ミントの効能⑤:「利尿作用」
ミントには利尿効果もあります。沢山摂取することで利尿を促し、体内に溜まった毒素を尿と一緒に体外に排出する効能があるのです。余分な水分が排出されればむくみの改善にもつながります。足がむくみやすいという人は是非試してみてください。
飲みすぎに注意
利尿作用があるということは飲みすぎるとトイレの回数が多くなってしまうということです。毒素や余分な水分を排出するために必要ではありますが、トイレから離れられなくなってしまいます。車の運転前、大事な会議前、待ち合わせ前などでは飲みすぎに注意しましょう。
ミントの効能⑥:「整腸作用」
ミントに含まれるメントールには消化器系の痙攣を鎮めたりする整腸作用があります。ミントを摂取することで、腸内環境を整え下痢や便秘を改善するほか、飲みすぎによる胃もたれなどの荒れた消火器官を改善してくれます。
また、腸内環境はストレスによっても変化します。ストレスが溜まることで悪玉菌も増加し、腸内環境を悪くしてしまうのです。ですが、ミントにはストレスを和らげる効果があります。摂取することで疲労とストレスを和らげ悪玉菌の発生を抑制します。
ミントの効能⑦:「美容効果」
ミントには美容効果があるといわれています。ミントに含まれるビタミンCが肌の艶を保ち美白効果を維持してくれます。また、整腸作用や利尿作用によって体内の毒素を排出するデトックス効果も期待できます。
他にも、抗酸化作用によって老化の軽減、血行改善によるむくみの解消、疲労改善効果によるストレスの解消など、様々な面から美容にアプローチしてくれます。
ミントの効能⑧:「虫除け」
ミントのスーっとする香りは人間にとっていい香りですが、虫などには嫌われています。ミントの栄養成分が含まれたスプレーなどを吹き付けることで、ハエやゴキブリなどの害虫を虫除けします。窓際、三角コーナー、家具の隙間など、害虫がいそうな場所に吹き付けておけば寄り付かなくなるでしょう。
ミントの香りはスッキリしていい香りです。部屋をミントの香りで満たし、害虫を虫除けしましょう。
ただし、確実に虫除けできるわけではありません。あくまでも香りを「嫌う」のであって「絶対」ではありません。ミントの香りは害虫の削除と考えるのではなく、害虫を減らせると考えるといいでしょう。
ミントによって効能が違う?
ミントは種類によって効能が違うといわれています。そのため、効果を期待する際にはミントを選ぶ必要があるのです。
ただし、基本の性能は同じです。栄養成分は同じですが、保有量が違うことで効能が変わってくるのです。どのミントでも一定以上の効果は期待できますが、より効果を期待するのなら、保有量が多いミントを選ぶ方が良いということです。
ペパーミントの効能
ペパーミントの主な成分はメントールです。そのため、ペパーミントは清涼感の強い香りがします。
ガムや飴に使用されることが多く、不眠や鼻づまりなど体全体をスッキリさせてくれます。また、リップクリームや軟膏などに使用されることも多く、抗炎症作用や筋緊張の緩和など、神経系にも効果があります。他にも血行の促進や滅菌作用、胃もたれの改善など様々な効能を持ちます。
香りの強いペパーミントは、匂いだけでスッキリさせ、害虫を遠ざけます。
スペアミントの効能
スペアミントの香りには約60%のカルボンと約10%のリモネンが含まれています。そのため、スッキリとした香りというよりも優しく甘い香りがします。
菓子や酒に使用されことが多く、消化促進や腸内ガスの軽減をサポートしてくれます。また、気分転換やリラックス効果もあり、美味しい物を食べた際、より美味しく感じさせてくれるでしょう。他にも、口臭予防や殺菌効果など、消化系を中心に効果があります。
ミントの使い方①:「摂取する」
ミントは食べたり飲んだりすることで栄養を摂取することができます。いくつか例を紹介しますが、これ以外にも様々な料理に使うことが可能です。
ハーブティー
もっとも有名な摂取方法はハーブティーです。ミントをお湯で煮だし、ハーブティーにします。暖かいハーブティーは体を温め心を落ち着かせます。ミントの成分にある鎮静作用や血行改善作用と相まって効果を発揮してくれるでしょう。
ハーブティーを飲めば気分も頭もスッキリします。勉強や仕事の合間にハーブティーはおすすめです。
ミント水
ミントを水だししても美味しく飲むことができます。作り方は簡単で、水にミントを漬けておくだけです。しばらくすればミントの栄養が溶けて、水全体に行き渡ります。そのままでもいいですが、好みによって砂糖やレモンなどを入れると、違った風味を楽しめます。
また、ミント特有のミントポリフェノールは水に溶けやすい性質があります。水だしすることで栄養が吸収しやすくなり、花粉症対策となるでしょう。
ミントサラダ
ミントをそのまま食べても効果は期待できます。他の野菜と混ぜてミントサラダにしてもいいですし、炒めても構いません。また、アクセントや彩に乗せるだけでも結構です。よくアイスクリームに乗っているのを見ますが、捨ててしまわずに食べてみてはどうでしょうか?
ミントの使い方②:「嗅いでみる」
ミントは香りだけでも効果があります。摂取するのとはまた違った効能ですので、両方試してみましょう。
アロマキャンドル
ミントの香りを楽しむのならアロマキャンドルです。火を付けることでメントールのスッキリした香りが部屋いっぱいに広がります。他にも火を使わないアロマスティックもあります。置いておくだけですのでと、ても手軽に香りを楽しめます。香りを楽しみながら仕事や勉強をすれば、頭がスッキリして、きっと仕事がはかどることでしょう。
ただし、人によってはキツく感じてしまうかもしれません。メントールの香りは、いってしまえば湿布の匂いです。湿布のツンとくる匂いが嫌な人もいますので、香りを楽しむ際には注意しましょう。
鉢植え
わざわざ加工しなくても、鉢植えに入れて飾っておくだけで香りは楽しめます。精油など抽出した香りと比べれば弱いですが、代わりに育てる楽しみを味わうことができます。また、海外では虫除けにミントが使われることが多いです。
ミントの鉢植えを窓のそばで育てれば、それだけで虫が入りにくくなるそうです。緑豊かなミントは、小さくて見た目も可愛いです。沢山育てて、害虫のいない緑豊かな部屋を作ってみましょう。
ミントの使い方③:「塗る」
ミントは塗ることでも効果があります。スッキリとして気持ちが良いです。
精油
塗るといえば精油です。ミントの成分を抽出した精油は皮膚から浸透して体をスッキリしてくれるでしょう。暑い夏など、ミントの精油を塗れば涼しくしてくれます。また、美容効果や虫除け効果もありますので、夏にぴったりの利用法といえるでしょう。
ミント風呂
精油やミントそのものを風呂に入れる、ミント風呂もという方法もあります。ミントのエキスが染み出た風呂は入るだけでミントの効能を全身で実感することができます。
ハーブティーと同じように、温かい風呂はリラックス効果と血行改善効果が期待でき、さらに肌全体でビタミンCなど美容成分を吸収することができます。一日の疲れを癒すために、ミント風呂を試してみてはどうでしょうか?
体調管理を大切に
ミント風呂の漬かりすぎは時として体調を崩すことがあります。効能が強すぎて「暖かい風呂に入っているはずが寒気がする」場合もあるのです。また、メントールなどの刺激成分が粘膜や肌を刺激してしまいヒリヒリすることもあります。ミント風呂に入る際は、体調管理に注意しながら入浴してください。
ミントの注意点
飲みすぎに注意
ミントは一般的にデメリットが存在しません。ミントアレルギーなどの一部の症状を除けば、自然由来の成分であるミントは誰が飲んでも大丈夫なのです。
ただし、飲みすぎはいけません。ミントは効能が強く、少量でも効果が期待できます。そのような強い成分を大量に摂取してしまうと逆に体調が悪くなる場合もあります。
トイレが近くなる、寒気がする、頭痛がするなど体調不良を訴えることがあるのです。
ハーブティーなどはついつい飲みすぎてしまうことがありますが、飲みすぎに注意してミントを楽しみましょう。
乳幼児・妊婦・老人などに注意
ミントは誰にでもおすすめできるといわれていますが、乳幼児や妊婦にはおすすめできません。効能が強く乳幼児にはどのような効能が出るかわからないからです。母親からミントの成分を取り込んでしまう可能性もありますので、妊婦や授乳する際は注意しましょう。
他にも、老人や高血圧な人も要注意です。ミントには血行促進効果がありますので、飲みすぎると血行が上がってしまいます。少量なら問題はないかもしれませんが、あまりおすすめはしません。
まとめ
ミントには様々な使い方があります。ハーブティーや生ミントを食べるだけではなく、精油を塗ることで解熱効果などが期待できます。また、香りには虫除け効果があるなど、使い方によって効能を使い分けることが可能です。
ミントは自家栽培も簡単な植物です。沢山育て、様々な目的でミントを使ってみましょう。
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