スペアミントの特徴とは?
スペアミントの基本情報
・科名:シソ科 ・属名:ハッカ属 ・別名:オランダハハッカ ・和名:ミドリハッカ ・原産地:地中海沿岸
名前の由来
スペアミントのスペアという名前は「spear(槍)」が由来となったと考えられています。 スペアミントの葉の形が、ピンととがっていて槍のようなことに見えることが理由です。
ミントの伝説
ギリシャ神話には、ミントにまつわる伝説があります。 冥界の王ハーデスが、妖精のミンテに恋をしてしまいます。 ハーデスがミンテをさらおうとしていることを知った、ハーデスの妻ペルセフォネは、ハーデスからミンテを引き離すためにミンテを踏みつけてしまいます。 ミンテのことを哀れに思った神が、ミンテを甘い香りのする植物に変えました。 その植物が「ミント」となったという説があります。
スペアミントの効能
スペアミントは、紀元前400年頃には歴史上に登場しています。 ローマ帝国では、消臭に使われたり、ねずみよけに使われたりしていたとされています。 イギリス地方にもたらされたスペアミントは、ハーブティーとして飲むことで胃や呼吸器の薬として使われていました。 中世の頃には、すり潰したスペアミントと塩を混ぜて、傷薬としても使われていたとされています。
スペアミントの利用方法
食べる
スペアミントはやさしい香りが特徴的で、収穫したあとはサラダなどにして生食できます。 その他にも、ハーブティーやお菓子の飾りなどに利用することも可能です。
アロマ
スペアミントの香りの成分には、リラックス作用があると考えられているため、アロマオイルとしても利用されています。 寝る前にスペアミントのアロマを炊くことで、心を落ち着かせたり、頭をスッキリさせたりする効果が期待できます。
スペアミントとペパーミントの違いとは?
ペパーミントとは?
・科名:シソ科 ・属名:ハッカ属 ・和名:セイヨウハッカ ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの交配種と考えられています。 1750年にペパーミントが確認されて、1790年代にはアメリカで消化器官の薬として栽培されていたとされています。 スペアミントの香り成分は、カルボンが60%・リモネンが10%です。 ペパーミントの香りの主な成分は、メントールです。 メントールは清涼感のある香りです。 メントールは、リップクリームや筋肉痛をやわらげる薬や、のどあめにも使われています。 スペアミントとペパーミントの大きな違いは2点あり、香りと葉の形が違います。
ミントの種類
ミントは交雑などをくり返して、3500種類以上あると考えられています。 たくさんの種類があるミントの中から、5種類ご紹介します。
アップルミント
アップルミントは、葉が柔らかい毛で覆われていて丸みを帯びた形をしています。 青リンゴとスペアミントを混ぜたような香りがします。
パイナップルミント
パイナップルミントは、アップルミントの交雑種です。 葉はたまご型で柔らかい毛が生えていて、葉のふちが白やクリームをしています。 かすかにパイナップルの香りがします。
二ホンハッカ
別名「ジャパニーズミント」と呼ばれる品種です。 葉の横がギザギザのたまご型で、うす紫色の小さな花が葉のつけ根に咲きます。 メントールの香りがします。
ウォーターミント
和名で「沼薄荷(ぬまはっか)」「水薄荷(みずはっか)」と呼ばれていて、ペパーミント親に当たるミントです。 メントールの強い香りが特徴的で、香辛料に使われています。
ペニーロイヤルミント
和名を「目草薄荷(めぐさはっか)」というミントです。 ペパーミントよりも強い香りがして、アリやカメムシなどの害虫を寄せ付けない効果があります。
スペアミントの育て方
種まき
スペアミントの種まきは、3月~6月に行います。
苗
スペアミントは、春から初夏にかけてもっとも豊富に苗が販売されています。 茎が太くてしっかりとしていて、葉の色がみずみずしい緑色の苗を選びましょう。
用土
スペアミントの育て方は、土質をそれほど選びませんが、栽培には水はけのよい土をおすすめします。
スペアミントの植え付け
スペアミントの育て方で植え付けは、春から秋にかけて(真夏を除く)の時期に行いましょう。
地植え
スペアミントを地植えする場合は、種を直蒔きしてもよいですが、ポットに種を植えて芽が出てから、苗を植えつけしてもよいでしょう。
鉢植え
スペアミントを鉢植えの育て方をする場合には、鉢の底に軽石を敷きます。 軽石を敷くことで、水はけをよくして根腐れを防ぐことができます。 軽石の上に培養土を入れて、水をかけておきます。 種をばら蒔きして、上から培養土を入れます。 種の上に培養土を多く入れてしまうと、深植えになってしまい発芽しにくくなってしまうので注意が必要です。 根が出るまでは、土が乾かないように、鉢の受け皿に浅く水を張っておきましょう。 水やりは土の表面に霧吹きで水をかけて、軽く湿らせる程度に水やりをしましょう。
場所
スペアミントを育てるには、15℃~20℃が適温なので、日が当たる場所で育てましょう。 スペアミントは比較的暑さにも寒さにも強いですが、直射日光が強いと葉焼けを起こすため、直射日光が当たらないようにしましょう。
室内で栽培
スペアミントを室内で栽培する場合は、プランターや鉢を使いましょう。 肥料を与えすぎないように注意しながら、水を切らさずに与えて育てます。
水耕栽培
スペアミントは専用の土を使用することで、水耕栽培をすることができます。 スペアミントを水耕栽培する場合には、水やりに注意が必要です。 入れ物の底に水がなくなって、2~3日経ってから水を与える、冬の寒い時期の水やりは1~2週間に1度程度にしましょう。
スペアミントの水やり
地植え
地植えのスペアミントの場合は、通常は水やりをする必要はありません。 夏場や、長い間雨が降らない場合には、たっぷりと水やりを行います。 スペアミントの葉が垂れ下がったら、水が足りない目安として水やりをしましょう。
鉢植え
鉢植えのスペアミントは、水を与えすぎると根腐れを興します。 葉が垂れ下がったことを目安として、水を与えましょう。
スペアミントの肥料
スペアミントは繁殖力が旺盛なため、基本的に肥料は必要ありません。
スペアミントの摘心
スペアミントが15㎝ほどに成長したら、3~4枚目の葉のあたりの茎を摘み取ります。 摘み取った葉は、料理に使いましょう。 摘心で新しい芽の増やし方をすることで、収穫量を多くできます。
切り戻し
スペアミントは生育旺盛のため、伸びすぎた茎や枝を切ることで、風通しを良くしたり病害虫の被害を予防したりすることができます。 株が30㎝ほど成長した頃に、株元から15㎝前後の茎をカットします。 切り戻しをすることで、横に広がって芽を多くする増やし方で育ち、収穫量を増やせます。
スペアミントの収穫
スペアミントは、基本的に通年収穫が可能です。 株の成長が盛んな時期は5月~9月で、冬は成長しにくいですが、いつでも収穫することができます。
摘み方
スペアミントの摘み方は、先端から10~20㎝のところで切りとって収穫しましょう。 生のまま使う場合には、葉だけを収穫しましょう。
スペアミントの保存方法
乾燥
スペアミントの茎を数本ずつ束ねます。 風通しのいい日陰で逆さに吊るして、茎が簡単に折れるくらい乾燥させましょう。 乾燥したら、葉の部分を摘み取って乾燥剤を入れた密閉容器に入れておきましょう。
冷蔵
摘み取ったスペアミントの葉を水にさらして、湿ったペーパータオルに包み、密閉容器や保存用袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。 野菜室では1~2週間の保存か可能です。
冷凍
水洗いしたスペアミントの葉を、ラップや保存用袋に入れて密閉して冷凍します。 冷凍したスペアミントは、3週間前後保存が可能ですが、冷凍すると香りが飛んでしまう恐れがあります。
スペアミントの増やし方
スペアミントは種と挿し木の増やし方があります。 種での増やし方を行うと、香りが弱まってしまう可能性が強いため、挿し木の増やし方をおすすめします。
挿し木
スペアミントの挿し木の増やし方は、枝を10㎝ほど切り取って、下葉も取ります。 切った枝を水に浸けておくと、数日から数週間で根が出てくるので、ある程度根が伸びてから土に植え付けます。 挿し木での増やし方が、簡単に行える方法です。
スペアミントの病害虫
スペアミントは、ヨトウムシ・ベニフキノメイガ・ナメクジなどに葉を食べられたり、アブラムシ・ハダニがついたりする場合があります。
対策
スペアミントは葉を食べる植物なので、植物に吸収される薬剤は避けて、忌避剤をスペアミントの株の周りに蒔きましょう。 アブラムシやハダニは夏場に多く発生するため、殺虫剤などで発生前に予防しましょう。 葉や茎に気になる症状が出た場合には、気になる部分を切り落としてしまいましょう。 スペアミントは、繁殖力があるので新しい芽を育てましょう。
スペアミントを美味しく栽培する3つのコツ
3-1.肥料を与えすぎない
スペアミントは肥料を与えて栄養が多すぎてしまうことで、香りが弱くなります。
3-2.直射日光を当てない
スペアミントは、直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまいます。
3-3.他のミントと混ざらないようにする
スペアミントは他のミントと交雑しやすいため、近くに他のミントを植えないようにしましょう。 交雑すると、スペアミントの香りが薄くなることがあります。
スペアミントの育て方の注意点
スペアミントは株から、地をはうような茎が生えて伸びていきます。 「ランナー」と呼ばれる茎は、節から株を成長させて、いろいろな場所に生えてしまいます。 ランナーは、株の代わりに生育しやすい場所へ伸びて、節から新しい株を成長させます。 株を増やしたくない場合には、ランナーを見つけたら刈り取りましょう。 刈り取ったランナーは土の上に放置すると、根付いて増えてしまうので、刈り取ったランナーの処理に注意しましょう。
スペアミントのおすすめの使い方
ハーブティー
スペアミントの葉にお湯を注ぐと、ハーブティーを楽しめます。 濃いハーブティーに氷を入れると、アイスハーブティーになります。
モヒート
グラスにライムとミント、砂糖を入れて、ラム酒と氷、ソーダ水で割るとモヒートの完成です。
まとめ
スペアミントの育て方とコツについて、おわかりいただけたでしょうか? ミントにはたくさんの種類があります。 それぞれ特徴があり、いろいろなミントを育ててみてもよいかもしれませんね。 スペアミントを始めミントは繁殖力が強い植物のため、育てる場合には増えすぎないように注意することが大切です。 スペアミントを育てて、自家製スペアミントでハーブティーやモヒートを楽しんでみませんか?