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コアジサイ(小紫陽花)ってどんな花?育て方のコツから花言葉まで一挙ご紹介!

小紫陽花(コアジサイ)は五月から八月ごろが見ごろの、関東から西に自生するアジサイ科の落葉低木です。林や低山に咲くコアジサイですが、育て方を学べば庭植えの花として楽しめます。小ぶりな花が可愛らしくロマンチックなコアジサイを、ガーデニングで育てるコツを紹介します。
2021年4月19日
夕季麗野
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目次

コアジサイ(小紫陽花)の花とは?

小紫陽花(コアジサイ)は、別名シバアジサイと呼ばれるアジサイ科アジサイ属の種類の落葉低木で、日本原産の野生植物です。コアジサイは主に、関東から西の本州や四国、九州の林内や低山に自生している種類のため、アウトドアやハイキングシーンの散策中、白や薄青のコアジサイの開花を見る機会があります。

一般的なアジサイ(ホンアジサイ)やガクアジサイと比べると、全体的に小ぶりで花びらはふんわりと愛らしく、やわらかい印象がある花です。

コアジサイの特徴①生態

葉の先端は鋭尖形ですが形は卵型で、葉のふちには規則的な鋸歯があります。学名のhirta(毛深い)の意味通り、茎や葉、葉柄全体にやわらかい毛が生えており、花は枝先に複散房状に咲くのが特徴です。ガクや装飾花はありません。直径約5mmの両性花(おしべとめしべを持つ)が五弁密集した植物です。

コアジサイは地面から枝を伸ばしてこんもり丸く茂り、樹高は1mから1.5m×幅50㎝から1mまで育つ種類になります。そのため、栽培は十分なスペースが必要です。

手毬のような花が可愛い!

コアジサイの開花の時期は、梅雨から初夏にかけてです。赤紫色をした細い枝先に、小さな花の群れが手毬状にまとまって咲きます。アジサイ科の中でも、人気が高い種類です。

花の色は白か淡いブルーで、林の中一面にコアジサイが咲くとロマンチックな光景が広がります。庭でコアジサイを栽培すれば、梅雨の時期も明るい気分で過ごせそうですね。

コアジサイの特徴②紅葉

コアジサイは落葉低木という種類で、冬になると葉を落とします。そして、初夏にはまた花が開花し、見ごろが過ぎた秋になると葉全体が黄色に染まって、美しい紅葉が眺められる植物です。

低山ハイキングでは、視界一面黄色のコアジサイの絨毯が広がり、訪れる人を楽しませてくれます。

コアジサイの特徴③品種

コアジサイには、アマギコアジサイという種類も存在します。コアジサイとの違いを説明すると、天城山で発見されたコアジサイであるという意味です。

アマギコアジサイは、品種改良された植物ではありません。コアジサイとコガクウツギが自然交配した珍しい品種がアマギコアジサイです。ぴょんと飛び出したおしべが特徴的で、つい見入ってしまいます。

コアジサイの特徴④香り


ホンアジサイやガクアジサイとの違いを説明すると、コアジサイの花には香りがあるという点です。アジサイには通常香りがありませんが、林や低山に群生するコアジサイは、繁殖するために虫を呼び寄せる必要があります。香りを放つことで、昆虫に居場所を知らせる意味があるのです。

ハイキング中にコアジサイの甘く爽やかな香りを嗅いでいると心も和やかになり、ほっと寛げる気分になります。コアジサイを庭に栽培すると、この香りを花とともに楽しめるのが素敵ですね。

コアジサイの栽培方法

コアジサイの育て方①庭植えの説明

コアジサイは直射日光が3時間から5時間くらいの日陰であっても、耐陰性が強い植物なので問題なく庭植えできます。元々が、日陰の多い林地帯や低山に群生する落葉低木のためです。

日当たりにあまり左右されず栽培できるのが利点ですが、かと言って日光が全く当たらないと花の成長や開花に影響がありますので、注意してください。反対に、日光が強すぎる場合は葉焼けしやすくなります。庭植えの場合は半日陰の場所が最適なので、日当たり具合を調べておくと良いですね。

コアジサイの育て方②土壌の説明

コアジサイは、有機質が豊富に含まれた土壌を好む種類になります。土壌のおすすめは、やや湿り気があり水はけが良く、水持ちに優れた土が理想です。赤玉土と鹿沼土の混合土が、コアジサイの栽培に適しています。

土を自作して庭植えする場合、赤玉土約6割の量に対して、ピートモスと腐葉土を2割の割合で加え、元肥を配合した培養土にすれば、通気性がよくなって栽培に適しますので試してみてください。

コアジサイの育て方③水やりの説明

コアジサイは水もちが良い土を好み乾燥に弱いため、小まめに水を与えてあげます。ただし、土が乾かない内に水をやりすぎると根腐れの原因になるので、水はけ具合をしっかり確認してから与えるのを忘れないようにしてください。

少なくとも、1日2回程度の水まきは必要ですが、夏場などは土が乾いていたら、たっぷり水をあげるのが良いとされています。

コアジサイの育て方④肥料の説明

引用:https://pixabay.com/ja/photos/%E6%89%8B-%E6%A4%8D%E7%89%A9-%E5%9C%9F-%E6%88%90%E9%95%B7-%E8%87%AA%E7%84%B6-1838659/

庭植えのコアジサイに施す肥料は、基本的に春と秋の時期に二回与えるだけです。有機肥料を置き肥するのみで、追加で肥料を与える必要はとくにありません。

成長させたいからといって、肥料や栄養を余分に与えてもコアジサイの栽培にはあまり意味がないので、その点には注意してください。

コアジサイの育て方⑤植え付け方

コアジサイの庭植えは、春の芽吹き前に行うのが良いとされています。ただし、植える時期に決まりはないので、梅雨の時期や秋になってから植えても問題はありません。

植え付けや植え替えの時は株よりもやや大きく穴を掘って、コアジサイの根を崩さないようにとくに注意して植えていきます。植え付け後には、十分に水やりをするのも忘れないようにしてください。

コアジサイの育て方⑥挿し木の説明


コアジサイを増やす方法は挿し木です。冬から早春に成熟した枝で行う挿し木と、初夏に行う半熟枝の挿し木があります。開花しなかった半熟枝で行う方法がもっとも簡単で、発根が早い方法です。

水に挿して吸水させてから、挿し木用の新しい土に挿すのが重要になります。挿し穂の長さは約7cmから10cmにし、植物ホルモンが集中する節の少し下で切り口を斜めにすると、成功率が高いです。また、水が十分に必要なので、挿し木の後は土壌が乾かないよう管理してください。

コアジサイのお手入れや注意点は?

コアジサイは剪定で手入れ

コアジサイは基本的に旧枝咲きの植物のため、翌年も開花させたい場合、花の芽が付いた後に剪定を行わないようにします。剪定は、開花してから7月終わりまでの時期がおすすめです。それ以降の時期になったら、剪定は控えるようにしてください。

花がら摘み

剪定の仕方は、花がら摘みだけを行う方法と、成長して広がった株を切り、小さく形を整える方法の二種類です。花がら摘みの方法は、花から下の2節目の上で切ります。基本的に1節目は発芽しないので、花がらと一緒に剪定して取り除いてください。

株を剪定

大株を小さく整えてコンパクトに剪定する場合、木質化した枝は切らないように注意することが肝心です。上の葉のある節1節目か2節目で切り戻しを行います。

木質部から強く切り戻してしまうと、コアジサイの枝にダメージを与えてしまい、枝が枯れてしまう可能性があるためです。

コアジサイの夏越しの注意点

引用:https://www.pakutaso.com/20200843237post-30427.html

コアジサイは強すぎる日差しと、土壌の乾燥に弱い植物です。そのため、土壌の状態には気を配り、土が乾燥したら小まめに水やりをしてください。

特に夏場は、鉢植えのものは半日影から明るめの日陰に移動させておくと日焼けが防げるので安心です。地面に植えたコアジサイの場合、たっぷりと水やりを行ってあげます。

コアジサイの冬越しの注意点

コアジサイは耐寒性が高い植物で、冬越しにも強いです。とくに冬越しの準備を行う必要はないのですが、冷たい寒風で花の芽が痛んだり、傷つかないようにだけ気を配ってください。風が直接当たらない場所に栽培したり、鉢の場合は場所を移動させると良いですね。

また、コアジサイに肥料を与えるのは春と秋の二回なので、冬越しして翌年の成長を考えるなら、本格的な冬になる前のタイミングで、有機質肥料や雑肥を与えておきます。

コアジサイの病気の注意点


コアジサイには深刻な病気や害虫の心配はほぼ無いとされていますが、注意する点を述べるなら、アブラムシやナメクジに葉を食べられる被害と、そうか病というアジサイの病気です。

そうか病はアジサイの開花する五月から七月にかけて発生し、葉や茎に小さな斑点がたくさん発生します。この病気になると葉が縮れて奇形になり、茎が曲がるので注意が必要です。葉や茎に斑点や異常があればそうか病の可能性があるので、病気の葉や茎の部分を取り除き、広がらないようにします。

コアジサイの花言葉

小ぶりな花が手毬のようにキュートなコアジサイの花言葉は「忍耐強い愛」です。コアジサイの分布は山林や低山が主なので、日陰の山中にひっそり咲いています。


可憐なコアジサイが目立たない場所で凛と花を咲かせる様子や、存在を知らせるように香りを放っているところが、忍耐強く恋人を待つ姿に重なることから、この花言葉がついたのです。ロマンチックな花言葉は、コアジサイのイメージに合っていますね。

アジサイの花言葉

アジサイの花言葉は、季節や土壌によって花の色がさまざまに移り変わる特徴から「うつり気」や「浮気」、「無常」などがあります。同じアジサイ科でも、コアジサイとは対照的な言葉です。

アジサイには多彩な色があるために、色ごとの花言葉も存在しています。青色は「辛抱強い愛情」、ピンク色は「元気な女性」白色は「寛容さ」です。 

まとめ

コアジサイは本州から西の九州地方にまでかけて自生する落葉低木ですが、コツをつかめば庭で栽培ができます。土壌を整えて水やりをしたら、状況に応じて剪定を行ってください。

コアジサイを植えると梅雨の庭が華やかになり、爽やかな香りのおかげでロマンチックな気持ちで過ごせます。秋は紅葉も楽しめるので、時期ごとに違った魅力を発見してください。庭植えだけでなく鉢で育てることもできるので、この機会にぜひ、可愛いコアジサイを育ててみるのはいかがでしょうか?

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