アジサイ(紫陽花)とは
アジサイは日本ではお馴染みの植物ですがその他にも中国や台湾に北アメリカが原産の落葉低木です。5月~7月くらいになると花を咲かせその色も青やピンクなど様々です。梅雨の時期に咲くことからいつも雨に濡れている姿が思い浮かぶほど梅雨の代名詞といわれています。花びらに見える部分は実は葉が変形したものなのです。
漢字で紫陽花と書くのはなぜ?
ぱっと見てアジサイとは読めないこの漢字はどうして付けられたのでしょうか?実はアジサイの青い姿から用いられたといわれています。古くはあづさヰ(い)と呼ばれ今と発音はあまり変わりませんでした。あづというのは小さいものが集まった様子を表し、さヰは青いを意味する言葉なので小さい青い花が集まって咲いている花という意味からアジサイと名付けられたのです。
アジサイ(紫陽花)の種類はどれくらいあるの?
種類だけなら50~2000種類以上あると言われているほど多種多様なアジサイにはガクアジサイ(額紫陽花)とよく見かける姿のアジサイが存在します。絵を飾る額縁のように周りにだけ花を咲かせ日本に元々あったのはこちらのアジサイです。
実は品種改良されたものだった?
よく見かける姿のアジサイはセイヨウアジサイと呼ばれヨーロッパで品種改良されたホンアジサイが日本に逆輸入されたものなんです。アジサイとは思えないような姿をしたものや変わった品種が数多くあります。
私達が普段目にするアジサイはガクアジサイを園芸品種として改良された物だとも言われています。てまり咲きと呼ばれ植物学会では原種なのはどちらが正しいのかと度々論争が行われているそうです。
アジサイ(紫陽花)の上手な育て方
日本にもたくさん存在するアジサイですが、自宅でも栽培することができます。鉢植えでもいいし庭がある家庭でも綺麗に咲かせることができます。難易度も初心者向けなので挑戦してみましょう!
用意するもの
アジサイの種はあまり出回っていないので苗から育てましょう。ポット苗や開花株の状態で売っているものを購入します。3月ころから店頭に並び始め梅雨が近くなってくると種類も多くなり選ぶ楽しみも増えるのでその頃を狙って店頭に足を運ぶのがおすすめです。肥料と用土も買っておきたいところです。一般の園芸用の土でも問題なく育ちますが、土のPHで花の色が変化するので土選びはとても大事です。最近はアジサイ用の土も販売されているのでネット通販なども参考にしていきましょう。
鉢植えでの栽培方法
まずは買った苗より一回りから二回りほど大きめの鉢を用意します。底に軽石などを敷いて2分の1くらい土を入れ苗をポットから取り出し土を軽く落とします。さきほどの用意した鉢に入れ再び土を投入して安定させ水をたっぷりあげましょう。
庭植えでの栽培方法は?
アジサイは寒さに弱いので植える場所はきちんと日が当たり、冷たい風からも守ってくれる所がいいでしょう。鉢植えと違い庭の土づくりから始めていきますが、ここでも咲かせたい色に合わせて土を調整します。赤色がいいならアルカリ性のものを準備しておきましょう。
水やりは暑い時期は朝と夜にたっぷりあげて様子を見て、あげすぎないようにします。肥料は苗を植えた時と花が咲いた後にあげるのが効果的です。ゆっくりと成分が持続するタイプの肥料が合っています。
アジサイを増やすには挿し木がおすすめ!
アジサイは挿し木を使い簡単に増やしていくことができます。残念ながら株分けには適していない植物なので挿し木だけで苗を増やしていくための準備をして快適な空間に置いてあげましょう。
挿し木を使って増やす方法①準備
挿し木を使ってアジサイを増やしたいと思ったらまずは5月~7月くらいの時期に花がついていない枝の部分を15cmほど切り取ります。できるだけ切れ味のいいハサミなどで斜めに断面を綺麗に整えておきましょう。上の葉だけ残し後は取り除いていき1時間~2時間ほど水に浸けたら準備万端です。あとは鉢と挿し木用の用土を用意しておきます。
挿し木を使って増やす方法②植えてみよう
鉢に挿し木用の用土を入れて、穴を掘り先ほど作った枝を挿していきます。直射日光の当たらない半日陰に置いて毎日様子を見ながら水をあげますが、あげすぎると根が腐ってしまうので注意が必要です。
鉢上げしよう
挿し木をしてから1ヶ月ほど経つと根が張ってくるので挿し木を取り出し、別の鉢に市販の培養土を入れて鉢上げをします。上手く鉢上げができたらその後は日光に当てて成長させていきます。
植え替え
挿し木を鉢上げして育ってきたら植え替えをします。鉢植えだと根詰まりを起こすので1年に1回程度を目安にして大きめの物に変えていきましょう。使う用土ですがアジサイ用の培養土も販売されているので簡単に植え替えできます。隙間がないように用土を敷き詰めて乾かないように気を配って育てていくと再び綺麗な花を咲かすアジサイが出来上がるでしょう。
挿し木で失敗しない方法とは?
挿し木は比較的簡単にできる方法ですが、中には失敗してしまうこともあるでしょう。枯れてしまうととても残念な気持ちになりますし、その後のモチベーションも下がってしまいますね。そこでなるべく失敗しないポイントを勉強していきましょう。
時期が大事
挿し木の説明では5月~7月頃に行うのがいいと書きましたが、実は花が咲き終わった8月の暑い時期も発根が成功しやすいとも言われているのです。なので挿し木は時期を変えて作ると一気に枯れたりしないで上手くいく確率が上がるでしょう。
寒い地域や暑い地域での違い
アジサイは耐寒性があるので寒い北海道などでも栽培でき、梅雨のイメージとは違って夏の花として楽しまれているようです。気温が違うので1~2ヶ月ほど遅れて開花します。逆に沖縄など暑い地域では早めの開花になるので挿し木の作成時期もそれによって変わります。
いい枝を選ぶことも大事なポイント!
挿し木を作る時の枝には葉の付け根のとこにある脇芽と呼ばれる小さな新芽がある物を選ぶと発根が成功しやすいので可能ならその状態の枝で挿し木を作成しましょう。
ドライフラワーにしてみよう
ただ部屋に飾るだけでもいいのですが、栽培方法の知識を得て家庭でも上手に咲かせることができたら次はそのアジサイを使ってドライフラワーを作ってみましょう。インテリアとしてもおすすめでリースを作ってみたり、長期間楽しむことができます。自分で育てたアジサイを使えばさらに愛着がわくことでしょう。
種類で難易度が違う
アジサイのドライフラワーを作る時に使う品種は何でもいいというわけではありません。初心者に向いているものはアメリカ紫陽花のアナベルやピラミッドなどのガクの部分が小さいものがおすすめです。日本紫陽花は作るのに慣れて来たらぜひチャレンジしてみましょう!
昔からある日本紫陽花は水分が多く部屋にただ吊るしてドライフラワーにしようとすると失敗してしまう確率が高いです。高温多湿になりやすい地域では難しいですが北の方の地域では咲いたアジサイが自然と綺麗なドライフラワーになっていることもあるそうなので乾燥している場所が適しています。
ドライフラワーの作り方
綺麗に色がついて咲いている状態の時はドライフラワーにするのに向いていません。アジサイは咲いてから時間が経つと緑色に変色していき、さらに放置すると完全に茶色になってしまうのでどの品種も緑がかってくる時期に収穫します。直射日光に当てずに家の中などに吊るし風を当ててあげるとよく乾き1週間ほどで綺麗なドライフラワーになります。
アジサイ(紫陽花)を栽培して育てる楽しみを見つけよう!
アジサイは生命力が強く初心者にも育てやすい植物です。挿し木での増やし方も簡単で少しのポイントを守れば失敗しにくく、土の配合によって色も様々に変化するので梅雨の憂鬱な時期だけでなく1年を通して楽しむことができるでしょう。こういった簡単な物から初めてみて知識を増やし、段々と難しい植物にチャレンジしていってみるのもガーデニングの楽しみのひとつです。