ぎんなんは栄養成分が豊富!
秋になるとイチョウの木から落ちる、ぎんなん。おつまみや炊き込みご飯など、いろいろなレシピで使われる食材ですが、実は栄養が豊富に含まれていることをご存知でしょうか?
中国では漢方薬としても使われてきた
中国では、イチョウの木から取れるぎんなんを古くから漢方薬として使用してきました。体調が優れない時などに取り入れることが多いと言われています。
また、風邪を予防したい時に取り入れるのも、中国の民間療法では定番です。古来より風邪の予防や体調不良の改善に重宝されてきたことから、多くの栄養成分が含まれていると考えられています。
栄養について学ぼう
今回は、具体的な栄養成分や、期待できる効能の働きについてご紹介します。ぎんなんについて詳しく学んでおくことで、栄養バランスが整った食卓作りに役立てられるようになるでしょう。
また、食べる際のコツや注意点についても解説します。栄養豊富な料理を美味しく食べるための参考にしてください。
ぎんなんの主な栄養成分と効能
小さな実の中にさまざまな栄養成分がギュッと詰まっている、ぎんなん。ここからは、具体的にどのような栄養成分が含まれているのかご紹介します。期待できる効能や働きについてもチェックして、ぎんなんを食べてみましょう。
ぎんなんの栄養成分①:ベータカロテン
豊富なベータカロテンが含まれているのが、栄養成分の大きな特徴です。ベータカロテンは、健康的な体作りに欠かせない栄養の1つ。粘膜を正常に保ち、風邪の原因となるウイルスを予防する働きを期待できます。
また、粘膜が丈夫になることで喉の痛みや咳などを予防できるのも、ぎんなんに含まれる栄養成分の良い所です。体調不良を事前に防ぎたい場合に役立ちます。
美肌を保つ効能も
ぎんなんに含まれるベータカロテンは、健やかな肌を維持するための働きもあるとされています。肌荒れをしやすい人にもぴったりな栄養成分と言えるでしょう。健康だけでなく、美肌を保ちたい時はぎんなんの栄養を取り入れてみてください。
ぎんなんの栄養成分②:ビタミンC
100gあたり25mgのビタミンCが含まれると言われているのもポイントです。ビタミンCも、健康を維持するためには欠かせない栄養成分。ウイルスが体に侵入し、体調不良を引き起こすのを防ぐ効能を期待できます。
また、ベータカロテンと合わせて摂取することで、さらに高い風邪予防の効能があるとされているのも嬉しいポイント。体調不良になりやすい方は、取り入れてみてはいかがでしょうか。
紫外線の影響も軽減
肌のターンオーバーを促進し、紫外線によるシミやくすみなどの影響を軽減する効能も、ビタミンCにはあると言われています。また、コラーゲンの生成をサポートする働きを期待できるのも栄養の特徴です。美しい肌を保ちたい時にも、重宝するでしょう。
ぎんなんの栄養成分③:ミネラル
マグネシウムや鉄分といったミネラル分も豊富に含まれています。マグネシウムは、骨や歯の生成に大きな役割を果たすとされている栄養。健康的な骨や歯を維持したい時に取り入れてみましょう。
鉄分は、血液を生成する元になると言われている栄養成分です。鉄分が不足すると貧血になりやすくなるので、注意してください。きちんと栄養を摂取しておけば、体調不良を改善するきっかけになる可能性があります。
むくみに役立つ栄養も
ぎんなんに含まれるミネラルには、カリウムもあります。カリウムは、体内の水分と塩分のバランスをとり、むくみを改善する効能が期待できる栄養成分です。脚や顔などのむくみが気になる時に、取り入れてみてください。
ぎんなんの栄養成分④:ギンコライド
体に活力を与え、元気な状態を作るとされる栄養成分も豊富に含まれています。中国では、体調不良で元気が出ない時などにぎんなんを取り入れると、活力を取り戻せると言い伝えられてきました。
疲れて仕事に身が入らない時や、たくさん寝ても疲れが取れない時などにギンコライドを活用するのがおすすめです。ぎんなんに含まれた栄養で、元気を復活させましょう。
喘息に良い効能も期待できる
中国で伝わる漢方の考え方では、喘息にも良い効能を期待できるとされているのもポイントです。肺の冷えを防ぎ、咳の予防になる栄養と考えられています。咳ががたくさん出てしまう場合の対処法として、取り入れてみてはいかがでしょうか。
ぎんなんの栄養成分まとめ
- 肌や粘膜を強化するベータカロテン
- 風邪を予防し、紫外線による肌の影響を抑えるビタミンC
- 鉄分やマグネシウム、カリウムなどのミネラル
- 体に活力を与え、咳を抑えるギンコライド
簡単!ぎんなんを食べる際のコツ
ここからは、美味しく食べるため役立つ簡単なコツをご紹介します。手軽にできる下処理を取り入れて、気軽に栄養を摂取できるようにしましょう。
ぎんなんの処理方法①:水に浸て天日干しにする
ぎんなんの食べられる部分は、果肉に包まれています。まずは果肉から食べられる部分を取り出すために、水に浸しましょう。1週間ほど水に浸したら、果肉が取れやすい状態になります。
果肉から食べられる部分を取り出す際には、ゴム手袋をつけてください。素手で作業を行うと、ぎんなんのニオイがついてしまうので要注意です。果肉から食べられる部分を取り出したら、天日干しにして乾燥させます。
天日干ししたものを活用するのもおすすめ
ほとんどの市販品は、天日干しにした状態で販売されています。そのため、水に浸したり、天日干しにしたりする必要はありません。作業の手間を省きたい時は、市販品を活用しましょう。
ぎんなんの処理方法②:フライパンで乾煎りをする
天日干しでしっかりと乾燥させたら、乾煎りをします。ここで気をつけておきたいのが、フライパンにしっかりと蓋をするということ。乾煎りをしている最中に殻の部分が弾けるため、蓋をしていないと危険です。
10分ほど加熱をして殻の部分が弾けた後に、フライパンから取り出します。お好みで薄皮を取ったら、下処理の完了です。
ぎんなんの処理方法③:ニッパーを使う方法も
フライパンで乾煎りを行わず、ニッパーを使って殻を取り外す処理方法もあります。ニッパーで殻の部分を割り、中身を取り出しましょう。
殻を取り除いた後にフライパンや電子レンジで実を加熱をすれば、食べられる状態になります。乾煎りをする際に弾けるのが怖い、という方はニッパーを使った処理方法を取り入れると良いのではないでしょうか。
食べ過ぎはNG!ぎんなんの注意点
とても豊富な栄養を含んでいるぎんなんですが、注意点もあります。食べ過ぎることで、さまざまな悪影響が及ぼされる可能性があるので気をつけましょう。どのような注意点があるのか、具体的にご紹介します。
ぎんなんの食べ過ぎは中毒の危険性がある
ぎんなんには、食べ過ぎることで中毒作用を起こすと言われる成分が含まれています。適量であれば問題ありませんが、食べ過ぎによって中毒症状が出ることがあるため、気を付けてください。
また、大人と比べて中毒作用を解毒する力が乏しい子供は特に注意が必要です。栄養が豊富だからといって子供にたくさん食べさせると、思わぬ中毒症状が起こる可能性があるので適量を守りましょう。
カロリー過多になることも
100gあたりのカロリーは、174kcal。おつまみなどで適量を食べる分には問題ありませんが、食べ過ぎることでカロリー過多になる場合があります。
ダイエット中の方は、カロリーも意識して食べるようにしてください。カロリー過多にならなければ、栄養バランスが崩れがちなダイエット中の栄養補給に役立つでしょう。
栄養豊富!おすすめぎんなんレシピ3選
ぎんなんの栄養を気軽に摂取できる、おすすめのレシピをご紹介します。お好みのレシピを取り入れて、栄養満点な食事を楽しみましょう。
ぎんなんレシピ①:炊き込みご飯
米2合
しめじ1パック
殻付きぎんなん20個
白だし大さじ2
酒大さじ1
醤油小さじ1
水適量
昆布1枚
菊の甘酢漬けお好みで
ぎんなんの風味をたっぷり感じたい時は、炊き込みご飯にするのがおすすめです。ぎんなんの香りがご飯に移って、上品な味わいに仕上がります。
お好みで具材をプラスすることで、栄養満点の一品になるでしょう。油揚げや椎茸、人参、レンコンなどの具材を入れても美味しくいただけます。また、冷めても美味しいので、お弁当に取り入れるのにもぴったりなレシピです。
簡単な作り方
しめじは石突きを取り、ぎんなんは殻を剥いておきます。炊飯器に米を入れ、醤油・白だし・酒を加えた後に、メモリまで水を注ぎましょう。
しめじとぎんなん、昆布を上にのせて炊飯します。炊き上がったら全体を混ぜ合わせ、お好みで菊の甘酢漬けを乗せたら完成です。
ぎんなんレシピ②:茶碗蒸し
ぎんなんを使った定番レシピとして欠かせないのが、茶碗蒸しです。ぎんなん以外の具材にもこだわることで、自宅でも本格的な味わいに仕上げられます。
もし材料を揃えきれない場合は、省いても大丈夫です。お好みに合わせて具材を決めて、美味しい茶碗蒸し作りに挑戦してみてください。栄養満点で美味しい茶碗蒸しを出して、家族に喜んでもらいましょう。
卵2個
出汁400cc
●薄口醤油大さじ1
●みりん大さじ1
●塩小さじ1/2
海老4尾
鶏肉60g〜80g
椎茸4枚
百合根1/4個
銀杏4個〜8個
刻み穴子20g〜30g
三つ葉1/2束
柚子少々
簡単な作り方
鶏肉は食べやすい大きさにカットして加熱しておきます。エビは片栗粉を揉み込んでから水洗いし、食べやすい大きさに切りましょう。椎茸はそぎ切りに、百合根は1枚ずつ剥がして硬めに茹でておきます。ぎんなんは殻から取り出してください。
卵をしっかりと溶いたら、出汁と醤油、みりん、塩を混ぜ合わせます。器の中に卵液を注ぎ、ぎんなん・エビ・鶏肉・椎茸・百合根・穴子・三つ葉を乗せて蒸したら完成です。
ぎんなんレシピ③:エビしんじょう
ふんわりとした食感のエビしんじょうは、おつまみにするのにもぴったり。ぎんなんを入れることで、食感のアクセントになります。はんぺんであればスーパーなどでリーズナブルに手に入るので、しんじょう作りにチャレンジしやすいのではないでしょうか。
ふわふわ食感に仕上げるポイントは、はんぺんを使うことです。はんぺんを使えば、自宅でも簡単に料亭で食べるような味を再現できます。簡単なのに上品な味わいの料理を作りたい時にいかがでしょうか。
はんぺん大判1袋
むきエビ50g
大葉3枚
茹でた銀杏好きなだけ
生姜チューブ小さじ1
ポン酢小さじ2
ごま油焼く用
片栗粉まぶす用
簡単な作り方
エビは細かくカットして片栗粉を揉み込んでおきます。ぎんなんは殻から取り出し、大葉は刻みましょう。はんぺんを潰しながらボウルに入れ、ぎんなん・エビ・大葉を入れて混ぜ合わせます。
ポン酢を入れてさらに混ぜ合わせたら、食べやすい大きさに成形してください。ごま油をしいたフライパンで量面をこんがりと焼いたら完成です。
ぎんなんの栄養を維持する保存方法
ぎんなんを手に入れたら、栄養を維持しながら保存する方法も要チェックです。簡単な方法で長期間保存できるのが、ぎんなんの良いところ。基本的な保存方法を確認して、栄養をキープするために役立ててください。
保存方法①:殻の状態で冷暗所に置く
殻の中に入った状態の場合は、そのまま冷暗所に置いて保存しましょう。殻に包まれていることで酸化を防げるので、1ヶ月ほどは保存できます。
ただし、湿気が多いところは腐る原因になるので注意が必要です。また、直射日光が当たると劣化する原因になります。
保存方法②:下処理をして冷凍する
殻から中身を取り出した状態で保存をする場合は、冷凍するのがおすすめです。冷凍することで劣化を防ぎ、1〜2ヶ月ほどの長期保存が可能になります。また、殻から出しておけば使いたい時にすぐ使えるのも嬉しいポイント。
基本の下処理の方法で殻から中身を取り出したら、ジッパー付き保存袋に入れます。空気が入らないように密閉し、冷凍庫に入れて完了です。
ぎんなんの栄養成分を活かそう
ぎんなんには、ビタミンCやベータカロテンなど、さまざまな栄養が含まれていることがわかりました。健康を維持するだけでなく、お肌にも良い栄養を含有しているのが嬉しいポイントです。
ただし、食べ過ぎると中毒やカロリー過多などの問題が起きる可能性があるため注意してください。適量を守っていれば、豊富な栄養をしっかり摂取できます。今回ご紹介した下処理方法やおすすめレシピを活用して、栄養たっぷりのぎんなん料理を楽しんでみませんか?
ぎんなんについて気になる方はこちらをチェック!
ぎんなんには、知っているようで知らないことがたくさんあります。関連記事もぎんなんについて詳しく紹介しているので、美味しく食べるためのヒントにしてください。
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