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カンノンチク(観音竹)の育て方!株分けで増やす適期や根を傷つけない方法をご紹介!

カンノンチク(観音竹)は、観世音菩薩の名前を模していることから大変縁起が良い植物とされ、お祝いの贈り物として利用されていたりします。丈夫で育て方も難しくなく、観葉植物の様にインテリアとしても良くマッチします。カンノンチクの育て方や管理の方法をご紹介します。
2021年5月27日
Meigen Oka
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目次

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カンノンチク(観音竹)とは

カンノンチク(観音竹)は、原産地が東南アジアから中国の南部で、ヤシ科カンノンチク属の常緑小低木。竹の名前が付いていますが、ヤシ科の植物分類になります。手を広げた様な形から掌状複葉といいます。

濃い緑色で縦に斑が入ったきれいな葉が特徴で、葉表は膨らみを帯びて縦襞が入り、短く裂け目があります。地下茎を伸ばして繁殖させ、硬い繊維で包まれた茎は2mほどに伸ばし、分枝せずに先端に葉を付けます。

カンノンチクの花

カンノンチクが花を咲かせるのは珍しく、竹と同じで年月を経て数十年に一度花を咲かせるという、極めて希少な植物なのです。雌雄異株(しゆういしゅ:咲いた花が雌花か雄花のどちらかのみをいう)ですが、茎の先端に稀に花を付けます。

カンノンチクの花期は初夏の頃。20~30cmほどの穂状花序(すいじょうかじょ:長めの花軸に柄がない花を穂状に付く)を出し、円錐状に花を付けます。薄黄色からピンク、赤色に次第に花色を変化させていきます。

カンノンチクの名の由来・花言葉

カンノンチクは、原産地である中国から沖縄を経て、江戸時代初期に日本に伝来し、以降、その樹姿の美しさから栽培が広まりました。直接寒さに当てなければ、やや耐寒性もあり比較的育てやすい植物です。

沖縄にあった観音山という寺院に、葉が竹に似た植物が栽培されていたことから、「観音竹(カンノンチク)」という名前になったと伝えられています。別名に「琉球観音竹(リュウキュウカンノンチク)」とも呼ばれています。

カンノンチクの花言葉

カンノンチクの花言葉には、観音という名と、年間を通して艶のある青々とした葉姿を保つことからか「日々の平安」があり、英名の「Lady-palm(女性の手のひら)」に因んでか、「スマートな淑女」という花言葉も付けられています。

カンノンチクは縁起が良い!


名についている観音とは、仏教の慈悲深く、人々の苦しみを除き、願い事を聞き届けてくれるという「観世音菩薩」を表していますので、縁起が良い植物とされていて、カンノンチクは高級感のある贈り物として利用されています。

また、カンノンチクが人気のひとつとして、葉の形が手を広げた、落葉などをかき集める熊手になぞらえて、縁起熊手の様に「金運や福もかき込む」という意味にちなんで、大変縁起が良い植物とされているのです。

カンノンチクの管理方法

育て方①/置き場所

常緑のカンノンチクは、室内で鑑賞することが多いのですが、置き場所は直射日光が当たらない明るい場所が最適です。日照不足ですと、葉が徒長しがちで、弱弱しい葉姿になってしまいますので注意しましょう。

また、耐寒性はややありますが、冬季は屋外に放置せずに、室内の明るい場所で3℃以上を保つ様にします。但し、暖房器具の側や、エアコンの暖気が直接当たらない場所で管理。夏季は真夏の直射日光に当たると葉焼けを起こしますので注意が必要です。

育て方②/植え替え

カンノンチクは、主に鉢植えで生育させますので、放置すると鉢中の根が混み合い、根詰まりを起こして枯死の原因となりますので、2年に1度は新しい鉢と用土で植え替えを行い、根詰まりなどで生育不良になるのを防ぎます。

カンノンチクの植え替え時期は5月から7月上旬頃が適期です。旧鉢から株を抜き取り、根詰まり状態の根を傷つけない様に注意して、土を半分ほどヘラなどを使って丁寧に落とし、一回り大きめの鉢に植え替えます。

植え替え後の管理

植え替えを終えたら、水をたっぷりと与え、2週間ほど日陰の場所で水を切らさない様に管理します。その後は直射日光に当てない様に注意して、明るい半日陰の場所に移動させます。遮光ネットを利用すると良いでしょう。

用土

カンノンチクを植え替える際には、水捌けを良くするために鉢底に入れる軽石を適量用意。使用する用土は、通気性が良いのがベストです。赤玉土(小)4;桐生砂か矢作砂3:腐葉土3を使用します。

育て方③/水やり


カンノンチクは多湿を嫌いますので、適度の水やりが大切です。基本は用土の表面が乾燥気味でしたら鉢底から水が染み出るまで与えます。高温時期の夏は朝夕2回涼しい時間帯に水を与えます。

冬の低温時期は表土が乾いていたら、3~4日ほど経てから与えたので充分です。光合成を助けるために、葉のほこりを流したり、病害虫の予防にも必要ですので、適宜、”葉水”を掛けてあげることも必要です。

育て方④/肥料

カンノンチクの施肥は、生育期の春4月から秋の休眠期に入る10月頃まで行います。カンノンチクは主に室内で管理しますので、有機質肥料は臭いが発生しますので、粒状の緩効性の化成肥料を2か月に1度、鉢の縁に適量を置肥します。

冬の時期は肥料を与える必要はありません。液体肥料を施肥する場合は、適度に希釈したものを10日に一度程度に与えます。肥料ではありませんが、アンプル形の活力剤を鉢に挿しておくと、株を活性化させてくれますよ。

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育て方⑤/増やし方

カンノンチクの増やし方は、植え替え時期と同様に5月~6月に株分けによって行います。株分けによる増やし方は、植え替え時に鉢から抜いた親株から、根を丁寧に広げて解き、子株を付けた数本(2~3株)を切り分けます。

前述した用土に植え付けて株分けした鉢は、たっぷりと水やりをして、根が落ち着くまで1週間ほど日陰に置いてから、半日陰に移して柔らかい陽射しを当てる様にします。根を傷めない様にするのがコツです。

育て方⑥/剪定

一般的な樹木の剪定とは趣が違います。カンノンチクは稀にヒョロッと一本だけ伸びすぎてしまう事があります。そのままでも良いのですが、樹形のバランスや見映えが気になる様でしたら、根元から切り取る剪定をしましょう。

乾燥や水切れ、根詰まりなどが主な原因で、葉先が茶色く枯れた様になることがあります。そんな場合の葉先は青い部分を避けて、枯れた部分のみ剪定バサミで切り取ります。乾燥を防ぐために、こまめに葉水を掛けると良いでしょう。

育て方⑦/病害虫

カンノンチクは比較的病害には強いのですが、湿気を嫌いますので、水のやりすぎなどで根腐れを起こし、生育に悪影響を起こします。害虫については、日照不足や風通しが悪い環境ですと、ハダニやカイガラムシの発生が見られます。

害虫予防には、日当たりが良く、やや風通しが良い場所で管理をし、良く注意して観察することが大切な予防法です。浸透性殺虫剤を定期的に散布しておくと効果が期待できます。


ハダニ

梅雨明けから夏場にかけて発生しやすい害虫です。葉の裏に寄生して養分を吸汁します。被害葉は葉緑素が抜けてしまい、最初白い斑点状が生じ、進むとカスリ状になって枯死させてしまいます。

水に弱い性質ですので、適宜葉水を葉裏まで丹念にかけると防除できます。発見が遅れてしまったら、被害葉は切り取って廃棄します。予防や初期であれば、ハダニ専用殺虫剤をスプレーして防除しておきます。

カイガラムシ

風通しや日当たりが悪いと発生します。葉柄や茎などに寄生して養分を吸汁して生育を妨げます。小さい貝殻状がびっしりと付着している様子は見た目も悪く、間接的に排泄物によってスス病などを誘発させます。

成虫はロウ物質の硬い殻(から)で覆われていて、駆除するのが難しいのが特徴です。殺虫剤を噴霧した後、古い歯ブラシなどでこそぎ落とすことも可能ですが、被害茎は株元から切り取り廃棄した方が良いでしょう。

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まとめ

カンノンチクは、常緑で艶のある葉が美しく、低温に当てなければ丈夫な植物ですので、観葉植物として、和洋どちらのリヴィングなどに置いても良くマッチすることから広く愛されているのです。

カンノンチクの育て方や増やし方などをご紹介しましたが、同じヤシ科で「棕櫚竹(シュロチク)」とも良く似ています。カンノンチクはシュロチクの葉よりも幅が広くズングリした形状で、生長も早いのが相違点です。

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