インドボダイジュとは?特徴を紹介!
仏教で神聖な木とされ、お寺などで大切に扱われているインドボダイジュ。葉の形がハート型でかわいらしく、風水的にも心を落ち着け癒やしの効果があるとされ観葉植物として人気上昇中です。
しかし熱帯地域が原産地のインドボダイジュを日本で上手く育てる事はできるのでしょうか?株分けと挿し木、適した増やし方はどちらなのか。植え替えの時期や、地植えして大きく育てる方法など、インドボダイジュの特徴と育て方をご紹介します。
インドボダイジュの特徴・原産地
インドボダイジュ(印度菩提樹)はクワ科イチジク属の植物です。その名の通りインドから一部の東南アジアが原産地で暖かい気候を好みますが、最近は温暖化の影響なのか日本でも温暖な地域では路地植えで冬越しできます。
明るい色の緑の葉をつけ、温度、湿度が低くなると紅葉する落葉性です。特徴的な葉の形をしていて、ハート型や卵型で葉先がしっぽのようにひょろりと伸びます。
仏教との繋がりが深く、仏教発祥の地であるインドの国花です。
ボダイジュの種類
ボダイジュと呼ばれる植物の種類は複数存在しますが、実は全く違う種類なので注意しましょう。
インドボダイジュはクワ科ですが、日本で路地植えされている多くはアオイ科(シナノキ科)のボダイジュです。こちらは中国が原産地で、耐寒性が高く日本でも冬越ししやすいため多くのお寺で植えられているのを見る事ができます。仏教三大聖樹はインドボダイジュなのですが、混同される事も多いようです。
他にも西洋ボダイジュがありますが、こちらもシナノキ科の種類になります。
インドボダイジュの植え付け・種まき
種まき
インドボダイジュは種まきから育てるのが難しいため、苗から育てるのをおすすめします。ですが、難しいからこそ種まきに挑戦してみたいと思う方もいるでしょう。
種まきは春から初夏の間にします。種のサイズは1mm以下と非常に小さく、ちょっとした風でも飛んでしまうので注意してください。その小さな種を1日水に浸します。ポットや鉢に種まきしますが、湿度を保ちやすいようピートモスなどを使いましょう。たっぷり湿らせた上に種まき、そこに液体肥料を施します。
発芽まで
種まきが終わったら直射日光は当たらない明るい場所に置き、乾かないよう毎日霧吹きで水やりして湿度を保たせます。どうしても数日水やり出来ない時などに活躍するのがラップです。ラップで蓋をする事で光を通して湿度を保ってくれます。種まきから1~2周間ほどで発根して、しばらくすると発芽するので光に当てましょう。
成長速度には個体差がありますが、10cm以上になった個体は別のポットや鉢に植え替えます。
植え付け、植え替え
インドボダイジュの植え付け、植え替えは暖かくなってきた春から夏の間が最適です。根を傷つけないように慎重にポットや鉢からはずして、土を付けたまま大きめの鉢に植え替えます。成長に合わせて2,3年に一度は植え替えましょう。
まだ10cm程度の大きさであればピートモスなどを使って保水しやすい環境にします。ある程度育ったら保水性に優れた赤玉土をメインに腐葉土を混ぜた用土を使いましょう。市販の観葉植物用の土でも大丈夫です。
置き場所
インドボダイジュは熱帯原産の植物なので、暖かく日当たりの良い場所を好み、20から30度の温度に適します。室内で観葉植物としての育て方もできますが、大きく育てたい場合は外に出して気候に慣れさせましょう。小さな間は半日陰に置いて葉焼けしないように直射日光を避けます。
1mを超えるサイズになれば、日本でも温暖な地域では放っておいても育つようになるでしょう。耐寒性が弱いので冬場に温度が0度を下回るような地域なら冬越しのため室内に移して下さい。
室内での置き場所
大きく育てるには外に出したいインドボダイジュですが、寒い地域では冬越しのために室内に移す必要がありますし、観葉植物や盆栽として楽しみたい方も多いでしょう。温度変化が少なく安全な室内ですが、室内での育て方にも注意点があります。
基本的には窓際で育てる事になりますが、室内であっても直射日光は避けたいです。そのためレースのカーテンの裏などに置いて柔らかい日当たりになるよう調整します。エアコンやストーブなどで乾燥させないようにも注意しましょう。
肥料
インドボダイジュは育成期にあたる春から秋のはじめに肥料を与えます。まだ10cmほどで小さい間は週に2回ほど液体肥料を与えるとよいです。大きくなって土や育て方が変わったら肥料も遅効性の置肥に変えましょう。
冬場になり休眠期に入り葉が落ちるようになると、肥料も控えるようにします。室内で常に15度以上の温度があるような環境だと、葉も緑のまま休眠しない事があります。その温度を維持できるのであれば肥料や水やりも継続して与えてかまいません。
地植えは出来るのか?
インドボダイジュの地植えは可能ですが、温暖な地域に限定されます。熱帯原産で耐寒性が低い植物ですが、春から秋の間に外に出して気候に慣らしながら植え替えを繰り返し、1m以上のサイズに育った頃には大分強くなっているので地植え可能です。それでも温度が0度を下回るようだと枯れてしまう可能性が高くなりますので注意しましょう。
大きくなるほど強くなり手がかからなくなります。上手くいくと10mを超えて育つので地植えする時は慎重に場所を選んでください。
寒冷地で地植えしたい場合は西洋ボダイジュで
インドボダイジュは耐寒性が低く、冬場は室内に移さないと枯れる危険が大きいです。寒冷地でどうしてもボダイジュを地植えしたい場合は、インドボダイジュではなく、西洋ボダイジュなどのアオイ科(シナノキ科)のボダイジュを育てる事をおすすめします。冬越しがぐっと楽になるからです。日本で路地植えされているボダイジュは殆どが中国か西洋のシナノキ科のボダイジュです。
インドボダイジュの育て方
水やり
インドボダイジュの水やりは、春から秋の育成期と冬場の休眠期で変わります。育成期の間は土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。霧吹きで葉を湿らせると緑の葉が瑞々しく育ちます。ただし、日当たりが強い日中にはやらないように注意して下さい。
冬場は休眠期になりますので乾燥気味に育てます。日に一度、土の表面が湿る程度に霧吹きで水やりしましょう。冬場でも室内で温度が高い場合は休眠しない場合がありますので、その時は育成期と同じ水やりをして大丈夫です。
夏越し・冬越し
インドボダイジュは熱帯原産なので夏越しは難しくありませんが、小さい間の直射日光には注意してください。
一方で耐寒性が低く、冬越しは苦手です。春から秋に鉢植えを外に出している場合、冬場は室内に移します。特にまだ小さく1m以下だと日本の屋外での冬越しは難しいでしょう。室内でも気温が低くなりすぎる場所は避けてください。なるべく5度以上の温度は確保しましょう。葉が落ちたら水やりも土の表面を湿らせる程度に抑えます。
剪定
インドボダイジュは剪定で混み合った枝葉を落として樹形を整えたり、樹高を抑えたりする事ができます。日当りを確保するためにも、混み合った枝葉は遠慮なく剪定してしまいましょう。
樹高は鉢植えのサイズである程度コントロールする事が可能ですが、剪定して必要な高さにしても大丈夫です。その場合、太い枝を剪定する事になるので切り口に癒合剤(植物の塗り薬のようなもの)を塗るといいでしょう。肌の弱い人は樹液で被れないよう手袋をするなど注意して下さい。
増やし方は株分け?挿し木?
インドボダイジュは一般的に株分けではなく挿し木で増やします。株分けは根を傷める危険性がありますが、挿し木は剪定した枝を使う事ができ成長も早いため、株分けより挿し木がおすすめです。
挿し木は5月ごろに剪定した枝を使います。枝の切り口をナイフで斜めにカットして水を吸いやすくし、適当な容器に張った水に数時間浸けておきましょう。育てている時と同じタイプの用土を鉢に入れ湿らせ、そこに発根促進剤を切り口に塗った枝を挿し木します。置き場所は半日陰です。
株分けしたい時
インドボダイジュは剪定した枝を挿し木するのがおすすめですが、株分けも可能です。5月ごろに根が詰まっていそうなら、植え替えの要領で鉢から慎重にはずし、根の3割ほどを切り離しましょう。元のインドボダイジュは植え替えて、株分けした根は別の鉢に植え付けます。用土は育てている時と同じもので大丈夫です。
植え替えの時に樹木のサイズを調整するため根を整理する事もあるので、そんなに心配する必要はありません。時期にだけ注意しましょう。
害虫・病気
害虫対策には葉水がおすすめ
インドボダイジュはハダニやカイガラムシなどの害虫の被害にあう事があります。夏場に葉が乾燥した状態で発生しやすいので、日差しの強い日中は避け、早朝や夕方に霧吹きで葉に水やりするといいでしょう。葉を湿らせる葉水をする事で水も与えられますし害虫予防にもなります。葉水をする時は葉の裏側まで水やりしましょう。害虫は葉の裏に潜んでいる事が多いです。
大きく成長し枝葉をたっぷりつけたインドボダイジュに霧吹きでは太刀打ちできませんので流水で葉水します。
日照不足が原因で病気に
インドボダイジュの病気の原因は日照不足の事が多いです。落葉や徒長など、病気の初期症状が出たら対策を考えましょう。放っておくと新芽の変形など成長障害を起こしてしまいます。
他にも、風通しの悪さや乾燥が原因で成長障害などの病気になる事もあります。特に室内では日照不足や風通しの悪さなどに注意しましょう。
インドボダイジュの名前の由来や別名
印度菩提樹(インドボダイジュ)と仏教
インドボダイジュは仏教との繋がりが深い植物です。お釈迦様が印度菩提樹(インドボダイジュ)の下で悟りを開いたと言われ、生まれた所にあった無憂樹(ムユウジュ)、亡くなった所にあった沙羅双樹(サラソウジュ)と共に仏教三大聖樹と呼ばれています。
菩提は悟りという意味ですから、印度菩提樹(インドボダイジュ)はまさに悟りの樹という事ですね。
別名は天竺菩提樹(テンジクボダイジュ)
インドボダイジュのは天竺菩提樹(テンジクボダイジュ)という別名で呼ばれることもあります。これは仏教の経典に出てくる別名です。日本や中国ではインドの事を天竺と呼んでいた時期があるので意味自体はインドボダイジュと同じですね。
天竺菩提樹(テンジクボダイジュ)の名前は数珠の種類や、風水の時にもよくもちいられます。
インドボダイジュと風水
風水では、インドボダイジュを観葉植物としてリラックスしたい部屋に置くと心を落ち着け、癒やしの効果があるようです。リビングや寝室など、ゆったりしたい部屋に鉢植えや盆栽のインドボダイジュを置いてみてはいかがでしょうか?
ある程度育ったインドボダイジュの鉢植えや盆栽は簡単に手を出せない値段になってしまいますが、苗や種の値段はお手頃です。
まとめ
熱帯の植物であるインドボダイジュを日本で育てるのは難しいですが、やりがいもありますので挑戦してみてはいかがでしょうか?観葉植物として室内で育てれば、冬越しも難しくありません。お部屋を瑞々しい緑で彩るだけでなく、心を落ち着けてくれるかもしれませんよ。
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『日当たりが肝心!インドボダイジュの育て方を解説!温度&水やりの注意点もご紹介!』が気になった方はこちらの記事もいかがでしょうか?暮らしーのでは様々な植物の育て方に関する役立つ記事を沢山掲載しています!

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