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シナノキとは?花や実の特徴から育て方を解説!名前の由来はなに?

シナノキというと、よく公園や街路樹で目にしているかもしれません。開花時期になると良い香りと個性的な花の形で、人々を楽しませてくれます。シナノキは、実はある地名にもなっていたりするんですよ。今回は、そんなシナノキの育て方や、花・実の特徴など詳しく紹介してます。
2020年8月27日
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香りが良い花「シナノキ」を育てよう

シナノキは、普段意識せずに街を歩いていても、ふと見上げると街路樹として植えられていることがあります。背丈が高くなるので、大きな庭がないとなかなかシンボルツリーとして迎えることは難しいですが、可愛らしい実が降ってきたらつい植えてみたくなりますよね。成長は早いですが、鉢植えの苗木としての育て方なら難しくはありません。さっそくシナノキについて、ご紹介しましょう。

シナノキとは

シナノキは、主に日本では「西洋シナノキ」・「オランダシナノキ」などが植林されています。太く高い幹に、涼しげな柔らかい葉っぱがみずみずしい樹木ですね。そのシナノキの葉っぱは、可愛らしハートの形をしています。シナノキの花言葉は、「夫婦愛」なんですよ。シナノキには、どんな言い伝えがあるのでしょうか?

シナノキの習わし

今ではあまり見ることがなくなってしまいましたが、家をを建てるときには途中過程を見せるために、親せきや近所の人たちをたくさん集めました。一番上の階から、こしらえたお餅を投げるんです。これが昔の「餅投げ」ですね。記憶のある方もいるかもしれません。その餅をついていた臼は、必ず新しいシナノキを切って作ったものにする風習があったようです。

菩提樹との違い

シナノキというと、見た目が菩提樹では?と混同してしまう人が多いようです。菩提樹とシナノキは同じ仲間ですが違う樹木なんですよ。菩提樹は、原産が北海道の山奥に自生していた樹木で高さがシナノキよりも大きいのが特徴です。そして、花の形もよくみるとシナノキとは違い筒状の柄が見られないんです。開花したら、一度見比べて確認してみたいですね。

シナノキ詳細情報

日本も原産国になっているシナノキは、主に北海道・本州・四国・九州に自生していた樹木です。その中でも、箱根のブナ林や長野県の山村地域に自生していたようです。そんなシナノキについて、詳しい情報を見ていきたいと思います。

科名属名

シナノキは、シナノキ科シナノキ属です。

学名

「Tilia・japonica」がシナノキの学名になって言います。

別名・和名

シナノキの別名は、ライムツリーです。葉の色が薄くやわらかな色合いをしていて、ライムのようにも見えます。

分類・性質


シナノキは、落葉広葉樹に分類されています。落葉樹なので、秋には美しい紅葉・冬には落葉して結実を楽しむことができますよ。

樹高

シナノキの樹高は、10mから20mと大きくなります。高木なので、一般家庭よりも公園や街路樹として使用されていることが多いです。シナノキは耐久性があり、建築材木としても使われているんですよ。

シナノキの名前の由来

シナノキは、古くからたくさんのものに使われてきました。皮をはいで編み物にしていたり、アロマテラピーに使われていたりもします。花には香りに特徴があって、清涼感を感じます。そんなシナノキの名前の由来や、使用方法についてみていきたいと思います。

長野県信濃の言われ

シナノキは、実は「長野県信濃市」の由来にもなっていました。信濃は、以前は「科野」と書かれていました。信濃は広葉樹として日本で一番多くの科の木を植樹していたことからきていたようです。寒い地域でも、耐寒性・耐陰性があるといったシナノキは、以前針葉樹ばかりだった場所ではとても喜ばれたようですね。
 

シナノキの樹皮

シナノキは、耐久性があるものの皮がきれいにはがれる優れた樹木でした。そのため、丈夫な特徴を持つ樹皮を使って編み物にしてロープを使ったり、衣類を作っていたことが記録されています。北海道のアイヌ語にも、「シナ」という言葉を「縛る」といった意味合いで使われていたことが記録されています。今ではこの伝統を復活し継承していくために、シナノキを使った編み物作り体験を行っていますよ。

シナノキ育て方①場所

シナノキは、古くからの習わしがあったり地名にもなっているなじみの深い樹木ということがわかりましたね。シナノキの花言葉は夫婦愛なので、育てていくと夫婦間の愛もいっそう深まるのではないでしょうか?幼苗なら園芸用品店で、800円から販売されています。それでは、シナノキの育て方について紹介していきたいと思います。

土質

土質は選ばず、どんどん成長します。肥料の必要もなく、苗木の時に添え木を敷いて倒れさせないようにしておけば、放任でよく育ちます。

日当たり

日当たりがあるところで、良く育ちます。しかし耐陰性もあるので、半日陰でも育てることが出来ます。高木になっていくので、次第に日に当たることができますよ。また、耐寒性がある樹木があっても若干の暑さの弱さがあるので、苗木の場合は日陰の涼しい場所にすると好ましいでしょう。

植え付け時期

シナノキは暑さには弱い樹木なので、植え付け時期はシナノキが休眠期になる12月~3月ごろに行います。根づくときに、根を凍結させないように植え付けた後は保温するようにしましょう。布敷などで周囲を囲っておくとよいでしょう。


水やり

まだ幼いシナノキの苗木は、まだ自分の根を張るのに時間がかかってしまいます。そのため、植え付けて数年は、水やりは地表が乾いてからしっかりと行いましょう。根付いてからは、特に水やり意の必要はありません。また、シナノキは耐寒性はあまりないため、夏場の照り返しや乾燥による水切れによって枯れてしまうことがあります。夏場は落葉しないように気をつけながら、こまめに土の乾き状態を見る必要がありそうです。

シナノキ育て方②剪定

シナノキを育てていくうえで、剪定は絶対必要になって来るのではないでしょうか?シナノキの樹形は端正で幹が太く樹高も高いのが特徴です。大きくならないように剪定すると、樹形が乱れてしまいます。シナノキの剪定時期や、剪定方法についてご紹介します。

剪定時期

シナノキの剪定時期は、シナノキが休眠期に入った12月~3月に行いましょう。落葉樹なので、葉がなくなってから作業すると樹木のダメージが少なくなります。3月以降の暖かくなってくる時期には、新しく開花させる新芽が芽吹いてしまい、枝を切ると開花しない場合があるので気をつけましょう。

剪定方法

シナノキの剪定方法は、大きく樹形を変えることなく、自然の樹形を保つように心掛けましょう。剪定をしなくても樹形は美しく保つ樹木なので、日当たりのバランスで成長が偏っている場所を整える程度の弱剪定にします。また、込み合ってくると葉が蒸れてしまい夏バテをお起こすので、すくようにして剪定も行いましょう。今年開花しなかった枯れ枝、病気になった枝や徒長した不格好な枝、逆さ枝を剪定します。切り口は、防腐剤を塗っておくと虫が中に入ることもなくなりますよ。

シナノキ育て方③開花時期

シナノキは、開花すると美しい花姿と良い香りで人や虫を呼び込みます。シナノキの花は、柑橘系の爽やかで甘い香りをして入れ蜂や虫を呼び込みます。そのため、シナノキの花を使ったハチミツは有名になっているんです。そんな、シナノキの花についてまとめてみました。

シナノキの花

シナノキの花の特徴は、一つ一つが花火のように広がる美しい房咲きをしているんです。この個性的な花は、プロペラのような苞葉が付いていて雌しべおしべが長く伸びる形がとっていますね。線香花火がぱちぱちとしているような爽やかな花姿が魅力です。このシナノキの開花直後に、開花した苞葉を摘み取って乾燥させると、ハーブにも利用することができますよ。

シナノキの開花時期

シナノキの花は、5月から7月に開花します。

シナノキ育て方④実

花や香りも楽しめるシナノキは、開花後に結実して長い間観賞価値があります。シナノキの実は、どのようになっているのでしょうか?結実時期などをまとめました。


シナノキの実・種

シナノキの実は、球形でやや小さな約5mm程度をしています。実は固く、秋には緑の青々とした小粒を確認できると思います。着果性がよく、たくさんの実をつけているシナノキも美しいですね。次第に秋にかけて実が灰褐色の短毛を増やしていきます。シナノキの実は、皮と中の種が分かれていて空洞があります。つぶれないようにかたい殻に守られていて、完熟して自然落下するまでは種を取り出すことも難しいといわれています。
 

シナノキの結実時期

開花が終わってすぐに緑の実がつき始めます。夏から秋にかけて充実させ、10月に熟します。実が熟すと、落葉する葉と共に自然落下します。その時に、プロペラのような形をしている額によって風によって遠くのほうまで飛んでいくようになっています。

シナノキの実の特徴

シナノキの実は、プロペラのように種と一緒に風に乗って遠くまで飛んで行こうとします。ふとこんなところに?と思う場所で、シナノキの実を見つけることもあるかもしれません。カラカラになった灰茶色の実は、熟したのち落葉するまでの期間で乾燥され、軽くしています。一つのプロペラに、3つほどのシナノキの実がついているのが確認できると思います。

シナノキの種まき

せっかくシナノキの種が飛んで来たら、実生で育ててみたいですよね。シナノキを種から育てるためには、しっかりと熟した実から種子を時除きましょう。シナノキの種まき方法は、とってからすぐに取り撒きを行う方法と、冷蔵庫で保存して春に種まきを行う方法があります。

冷蔵庫保存の場合

冷蔵庫保存場合は、乾かないように種子を湿らせたキッチンペーパーなどで包み、密封容器で保存しておきましょう。種まきを行っても、休眠期になっているため、2~3年後にやっと芽吹き始めます。

芽が出たら

2から3年ほどたって、シナノキの芽が出てきたら幼苗になるまで水まきを欠かさないようにします。幼苗になってきたらポットに植え替え、徐々に大きくしていきましょう。シナノキは、幼苗でも、花が開花する場合があります。芽が出るまでは時間がかかりますが、幼苗になって植え付けてから花が咲くまでの期間は短いので、育てがいのある樹木になるのではないでしょうか?

シナノキの花も実も楽しもう

シナノキの育て方や、開花・実の特徴はいかがでしたか?シンボルツリーにするためには、広い庭が必要ですが苗木の状態で剪定を行えば鉢植えでの栽培も出来そうですね。耐陰性もあり、成長も早いので育て方も困ることはなさそうです。花の香りや花の形、結実まで長く楽しむことのできるナチュラルガーデンに取り入れてみてもよいかもしれませんよ。