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サルビアの仲間!アキノタムラソウを解説!その特徴から育て方・花言葉も一挙ご紹介!

あまり馴染みのない名前ですが「アキノタムラソウ」は、夏の花壇でおなじみのサルビアの仲間で、初夏から秋まで長い期間花を咲かる植物。夏の熱い陽射しのなかでも、淡い青紫色の花を、風にそよがせて咲かせるアキノタムラソウの特徴や育て方、花言葉などを紹介します。
2021年4月21日
Meigen Oka
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目次

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「アキノタムラソウ」の概略

Photo by harum.koh

アキノタムラソウ(秋の田村草)とは、シソ科アキギリ属で多年草です。アキノタムラソウは、英語名が「Japanese-Sage」、学名「Salvia-japonica」と示す通り、日本が原産地の植物で、夏の花壇でおなじみの”サルビア”と同属です。

アキノタムラソウは、日本全国の山地や野原などに生育します。葉は長い柄がある奇数羽状複葉(2枚以上の小葉(しょうよう)からなる葉身で、配列の形によって、羽状、掌状、三出の各呼び方がある)で対生します。茎は四角形で、20~80cmに直立させ、上部で分枝します。

アキノタムラソウの仲間(アキギリ属)

Photo by kanonn

アキギリ属で日本が原産種の主な種では、アキノタムラソウの他、多年草のキバナアキギリ、ナツノタムラソウ、ハルノタムラソウ、絶滅危惧種とされるミゾコウジュが生育しています。セージやサルビアもアキギリ属になります。

アキギリ属では、観賞用のものをサルビア、香辛料や薬用に利用されるものをセージと呼び、区別しています。中国では古くからセージ全草を「丹參(たんじん)」という漢方名で、心臓病の生薬として利用されてきました。

アキノタムラソウの花の特徴

アキノタムラソウは多年草で開花時期は7~10月。茎に10~25cmの花穂を付け、淡紫色をした長さ1~1.3cmの唇形をした花を、まばらに輪生して咲かせます。花冠の基部付近に毛環があり、花弁の表面には 柔毛が付いているのが特徴です。

始めは花冠の上部に沿う様に斜めに伸ばす雄しべは、雄しべ先熟(雄性先熟)と呼ばれ、後に下向きに下がります。山野草愛好家の間ではアキノタムラソウを鉢植えにして鑑賞したり、生け花の材料や、茶の湯の茶花としても利用されます。

アキノタムラソウ名の由来と花言葉

名前の由来と意味については、アキノタムラソウは花色が淡紫色ですが、秋深くなり、霜が降りる頃には葉の色が美しい赤紫色に変色する意味合いから、「多紫草(たむらそう)」と呼び、後に転訛して「秋の田村草」となったという由来説があります。

花言葉の由来は、夏は他の植物に埋もれて目立つことがないのですが、秋になって他の草花が萎れていくなか、ようやく目に留まるといった草花であることからの意味付けからか、花言葉は「善良」「自然のままのあなたが好き」と付けられています。

アキノタムラソウと似た名前の植物

アキノタムラソウは、別名「駒留(こまどめ)」とも呼び名があります。山野では”ヤマハッカ”というアキノタムラソウの花姿や花の色合いが良く似た植物がありますが、これもシソ科でヤマハッカ属になります。

似た名前に”ナツノタムラソウ”がありますが、これはキク科で、アキノタムラソウより花色が濃いのが特徴で別種の植物です。また、同じアキギリ属で多年草の”ハルノタムラソウ”ですが、この植物の開花時期は4~6月であることから、春に咲く植物となります。


アキノタムラソウの育て方

アキノタムラソウの生育環境

全国の山地や野原などの日当たりの良い場所に、アキノタムラソウは生育していて、雑草的な意味合いあり、丈夫な性質を持っています。野生のものは草丈50cmほどに伸ばし、他の雑草などと混在していて、草姿は見苦しくなっています。

アキノタムラソウを鑑賞用として育てるには、直射日光を避けて、風通しの良い半日陰になる場所が適します。地植えにする場合は、夏は陽射しが当たらない様に日陰のある場所が適し、秋には良く陽が当たる場所が最良です。

苗の選び方と植え付け

専門の園芸店以外には見つけられませんが、ネットなどでアキノタムラソウ苗で検索してみると良いですよ。本来は苗を自分の目で確認して、葉などに黄ばみがないか、茎はしっかりしているものを選びましょう。

苗の植え付け適期は、花茎が立ち上がる前の4~5月か、花後の秋11月頃が良いでしょう。苗をビニールポットから取り出し、根土をあまり落とさずに、植木鉢かポット、プランターに予め用意した用土に植え付けます。

用土

アキノタムラソウを植える際の用土は、水捌けが良く保水性のあるものが適しています。市販されている山野草の培養土でも可です。作る場合は、赤玉土(小)5:桐生砂2:腐葉土3の混合土を用意します。

アキノタムラソウをプランターやポット鉢で育てる場合は、水捌けを良くするために、鉢底に軽石の大粒を敷き詰める様にし、鉢の縁にはウォータースペースを作る様にしましょう。

植え替え

アキノタムラソウを鉢植えやポット植えにしている場合は、1~2年に一回の割合で、植え付けと同じ4~5月、秋の花が終わった時点で行うのが適期です。一回り大きめの鉢かポットを用意し、前述した用土で植え替えます。

植え替え後は、水をたっぷりと与え、日光が良く当たる場所に置いて管理します。真夏の高温時は木陰の様な半日陰の場所に置き、秋には再び明るい陽射しの場所に移動させます。冬は休眠期ですので、鉢の表土が乾いていたら水やりをする程度で良いでしょう。

水やり

Photo bycreative2usa

アキノタムラソウへの水やりは、地植えにしている場合は自然の降雨に任せ、特に必要ありませんが、乾燥状態が続いている状態に限って、夏場などは朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと潅水して下さい。

鉢植えへの水やりは、夏の高温時には、樹木の木陰の様な半日陰の場所に置き、表土が乾いていたら、鉢底から水が溢れるほどたっぷりと与えて下さい。冬季は前述の通り休眠期ですので、用土が乾燥していた場合のみ水やりをしてください。

肥料


アキノタムラソウは開花時期が長いのが特徴ですので、良い花を咲かせるためには、定期的に施肥が必要です。肥料分が少ないと生育が不調になり、花数も少なくなります。開花時期の6~10月に、月に1回緩効性肥料を施肥しておくと良いでしょう。

アキノタムラソウを株分けなどをして、用土に移植し根が活着するまでは、また、種から育てて定植する時は、早く生長を促すために、液体肥料の希釈液を根が活着するまで、10日に1度の割合で与えると良いでしょう。

剪定

Photo byCarlottaSilvestrini

アキノタムラソウは、元々山野に咲く野の花です。そのままの風情を楽しみたいのであれば、剪定などをせずに生育させましょう。但し、アキノタムラソウは花姿が乱れ気味になりますので、花後の茎は元から切り取ります。

8月中旬頃に茎の半分程度で切り取っておくと、脇芽が次々と伸びますので、秋口には草姿がこんもりと茂り、花も良く咲きます。また、植え替え後30日ほど経たら、茎を摘心しておくと幾つも脇芽が伸びて、多くの花数が見られます。

アキノタムラソウのふやし方

アキノタムラソウのふやし方では、実生(種まき)と株分けで行います。但し、実生は手間も時間も掛かりますので、株分けが一般的に行われます。植え替えを行う時と同時に、株を幾つかに分けて増やす方法が一般的であり、効率的でもあるでしょう。

種まきの方法

アキノタムラソウのふやし方のひとつ実生(種まき)では、秋に採取した種を翌年地温が高まる4月下旬から5月上旬に、用土に蒔いて薄く覆土しておきます。10日ほどで発芽します。

発芽後は日照不足ですと徒長(弱弱しく間延びした状態)してしまいますので、日光に良く当てる様にします。本葉が2~4枚の時に2.5号ビニールポットに移植し、根が十分に回った時点で鉢か地に定植します。

病害虫

Photo by harum.koh

アキノタムラソウの病害については、ほとんど実害はないと思っていただいて良いでしょう。病害ではありませんが、水捌けが悪い条件ですと、根腐れを起こしてしまう恐れがあります。

害虫については、アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシなどの発生が見られますますので、他の植物に被害が波及しない様に防除をする必要があります。害虫の予防には、浸透性殺虫剤を株元にバラ撒きしておくと、害虫の防除が長時間持続し効果が期待できます。

害虫と防除:アブラムシ

様々な草木に発生して被害を与えます。5~9月にかけ真夏の高温時以外に発生しやすい害虫です。新しい芽や茎に群れを成して発生し、植物の養分などを吸汁して弱らせてしまいます。被害を少なくするには早期に発見して駆除することです。

排泄物などによって、スス病を誘引する原因ともなりますので、見つけ次第、専用殺虫剤を噴霧し、被害部分を取り除いて廃棄します。


害虫と防除:ハダニ

ハダニは、5~9月の高温時に発生します。葉裏に寄生して植物の養分を吸汁して、生育を妨げます。最初は白色や褐色の小さな斑点が生じ、被害が進むと葉全体をカスリ状に被害を拡大させ、枯死させてしまいます。

葉裏などを良く観察して、発生を見つけたら殺ダニ剤を噴霧して駆除します。被害が進んでいる場合は株自体を取り除いて廃棄します。水を嫌いますので、葉水を勢いよくかけて防除する方法もあります。

害虫:ヨトウムシ

ヨトウムシは漢字では「夜盗虫」と表記されますが、名前の通り夜行性の害虫です。4~6月、秋9~10月に多く発生します。昼間は地中に潜み、夜になると植物の葉や茎を食害します。成虫が葉裏に卵を産み付け、ふ化した幼虫が葉などを食害します。

早期に食害された痕跡と、葉裏の卵や幼虫を発見して捕殺し、被害株を取り除いて廃棄します。成虫は殺虫剤には抵抗性があるので、幼虫を捕殺して殺虫剤を噴霧します。また、地中にも潜んでいますので、株元の土を移植ゴテなどで掘るなどして見つけ次第捕殺します。

オルトラン

出典:楽天

殺虫予防効果のある、植物に浸透して長期間害虫を寄せ付けない効果が期待できます。

アキノタムラソウのまとめ

アキノタムラソウという名前で、”アキノ”とついていることから、秋の草花と思われますが、実は初夏から秋の降霜時まで、淡紫色の唇形をした可憐な花を次々と咲かせることから、近来ではガーデニングで生育させる方が増えています。

アキノタムラソウは多年草で冬越しをして翌年も元気に芽を出します。そんなアキノタムラソウの育て方などをご紹介しました。

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