検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

【植物図鑑】野山に自生する山野草!初心者でも育てやすい人気種16選をご紹介!

山野草というと野山の草花というイメージで、自分で育てるものだと思わない方もいるかもしれませんが、丈夫で育てやすいものも多くその種類も多いことから、ガーデニングや鉢植えなどに多く取り入れられています。そんな山野草の中から育てやすく人気のある品種をご紹介します。
更新: 2021年3月23日
Kinoharuka
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

山野草とは

山野草とは実は明確な定義のない言葉で、里山や身近な野原で見かける「野草」と、山地や高山に自生する「山草」の二つの言葉が合成されたものなのです。一般的には、小柄で野生の風情を残した素朴さがあり、観賞用に向いている植物のことを指すようになりました。

近年は日本に自生している植物だけではなく、世界各地の植物が山野草として親しまれ、また園芸用に品種改良されたものも多く流通しています。楽しみ方も様々で、庭のガーデニングに取り入れたり、鉢に寄せ植えをしたり、盆栽の一部に取り入れたり、コケ玉として飾ったり、茶花とされることもあります。

山野草の分類について

山野草には実に様々な種類があります。それらを分類しようとすると、何科の植物に属するのか、自生地は高山なのか里山なのか、花が咲く季節はいつなのか、花は何色なのか、育てるのは難しいのか、日なた向きなのか日陰向きなのかなど様々に分類できます。

今回は基本的には初心者にも育てやすく、庭植えや鉢植えに向いている種類の中から、日なた向き・日陰向きによる分類と、花の咲く時期による分類によりご紹介し、さらに花ではなく葉を楽しめる品種についてもご紹介します。

日なた向きの山野草

山野草の栽培は育てる場所がとても重要です。日なたで育つ山野草を日陰で栽培すると間のびして弱々しくなり、林床(森林の中の地表面)や日陰を好んで育つ山野草を日なたに置くとしおれたり葉が枯れてしまったりします。そのため、どちら向きの山野草なのかを知っておくのはとても大切なことなのです。

まずは、日なた向きの山野草をご紹介します。

1/16. ナデシコ

ナデシコはナデシコ科ナデシコ属の多年草で、海岸から高山に自生するものまでその種類は多種多様です。日本では秋の七草の一つであり、万葉集にも歌が詠まれるほど古くから栽培されていますが、春から夏にかけて咲く種類が多いです。身近な野山に自生する「カワラナデシコ」、中部地方の一部に生える「シナノナデシコ」、海外種では「ダイアンサス・アルピヌス」などがあります。

■育て方のポイント 日当たりを好むので通年日なたの風通しのよい場所に置きましょう。 水やりは1日1回、特に生育・開花時には十分な水分が必要なので、用土が乾いたらたっぷり水を与えます。

2/16. ハナシノブ

ハナシノブとはハナシノブ科ハナシノブ属の春に開花する山野草で、九州の阿蘇などの山地に自生するハナシノブは野生の数が減少して絶滅危惧種に指定されています。ハナシノブの仲間では、北海道や青森県に自生する「エゾハナシノブ」、海外種では「ポレモニウム」などがあります。

■育て方のポイント 通年日なたの風通しのよい場所に置き、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。 多年草ですが比較的寿命が短いので、種子ができたらとりまきするか保存して春にまきましょう。

3/16. フウロソウ


フウロソウとはフウロソウ科フウロソウ属の山野草で、初夏に開花します。上向きに咲くふっくらとした5弁の花がかわいらしくて人気があります。鉢植えで小さく咲く「チシマフウロ」や、種子から育てやすい「ヒメフウロ」、海外種では花色が濃いピンクで花時期も長く楽しめる「アケボノフウロ」などがあります。

■育て方のポイント 通年日当たりのよい場所に置き、水は好みますので表土が乾いたらたっぷりと水やりします。 根の成長が活発で根詰まりしやすいので適時植え替えしましょう。

日陰向きの山野草

4/16. エビネ

エビネとはラン科エビネ属の多年草で、山野や雑木林のやや暗い林床などに自生するランの仲間です。春咲き種の「ジエビネ」は全国の野山や山林に自生し、かつては一大ブームを起こした人気の種類ですが現在は準絶滅危惧種に指定されています。しかし、他の種類と交配しやすいことから人工交配による育種も盛んで現在ではたくさんの園芸品種が作られ、花色・花形など様々なものがあります。

■育て方のポイント 強い光は花芽が萎縮したり葉焼けの原因となるので、一年を通じて風通しのよい半日陰に置きます。 水やりは表土が乾いたらたっぷりとやりましょう。

5/16. バイカオウレン

バイカオウレンとはキンポウゲ科オウレン属の常緑の多年草で、針葉樹林の林床を好んで自生します。「梅花黄連」の名の通り春先に小さな白い梅のような花を咲かせ、黄色く細い根をもち、花のない季節も常緑の葉を楽しむことができます。林床に自生する山野草なので、半日陰の庭や落葉樹の下などのシェードガーデンに最適な種類です。

■育て方のポイント 芽が出る時期から開花までは日なたに置き、その後は半日陰に置く。 乾燥に弱いので水切れしないようにたっぷりと水を与えましょう。

6/16. アキチョウジ

アキチョウジはシソ科ヤマハッカ属の多年草で、主に関西の野山の林床に自生し、秋になると細い枝の先端に長い筒状の青紫の花を咲かせます。その姿は風情があり茶花としてや日陰の庭のアクセントにもなります。関東に多く自生する「セキヤノアキチョウジ」や、花の色が白やピンクの「白花アキチョウジ」や「桃花アキチョウジ」などもあります。

■育て方のポイント 日陰を好みますが春は日に当て、葉焼けする梅雨ごろからは半日陰に置く。 生育期はたっぷりを水を与え、冬の休眠期は乾ききらない程度に水やりしましょう。

春の山野草

7/16. サクラソウ(日本桜草)

サクラソウはサクラソウ科サクラソウ属の春を代表する山野草で、北海道から九州にかけての野山に広く分布。名前の通り桜の花のような花びらが特徴で、古くから様々な品種が栽培され多くの愛好家もいる人気のある種類です。

■育て方のポイン 新葉から開花までは日なたに置きその後は半日陰に移し、水やりは春はたっぷりと夏は乾かし気味に休眠期も水を与えましょう。 5月下旬から6月上旬に種子がとれます。種子をとりまきした場合は発芽が翌春になり、順調に成長すると翌年に開花株になります。

8/16. スミレ

スミレはスミレ科スミレ属の、日本人にとってはとても馴染みのある春の花ではないでしょうか。道ばたに生えているのを見かけることもありますが、その種類は海岸から野山、高山に自生するものまで多種多様です。紫の花のイメージがありますが、黄色や白、ピンクの花もあります。


■育て方のポイント 早春から開花中は日なたに、6月頃からは雨を避けて半日陰に置きましょう。 水やりは、鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと与え、庭植えのものはよほど乾燥が続かないかぎり必要ありません。

夏の山野草

9/16. ホタルブクロ

ホタルブクロはキキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、日本各地の山野に自生し身近なところで見かけることもあります。初夏に大きな釣鐘型の花をぶら下げるように咲かせ、その姿からガーデニングに人気の山野草です。自生する地域によって花の色も様々で、純白や淡紅色、斑点が入ったものなどあります。

■育て方のポイント 日当たりを好むので1年を通して日なたの風通しのよい場所に置く。 多湿・乾燥は好ましくないので、水やりは土の表面の乾きを目安に与えましょう。

10/16. サギソウ

サギソウはラン科ミズトンボ属(サギソウ属)で、シラサギが羽を広げて飛ぶ美しい姿に似た花が咲き、日本を代表するラン科の人気の野生ランです。古くは人里近くの湿地にごく普通に自生していましたが、宅地開発などにより自生地が激減し、現在は準絶滅危惧種に指定されています。

■育て方のポイント 日なたを好みますが直射日光が当たりすぎると葉焼けしやすいので、明るい半日陰でも大丈夫です。 もともと水辺の植物ですので、水を切らさないように注意が必要です。 毎年新しい球根ができるので、鉢植えの場合は毎年春に植え替えをしましょう。

秋の山野草

11/16. リンドウ

リンドウはリンドウ科リンドウ属。本州から四国、九州、奄美大島に自生する、濃い青紫色が印象的な日本でも馴染み深い秋の山野草です。花束やアレンジメントにもよく用いられますが、庭や鉢植えに咲いている姿も美しいですね。

■育て方のポイント 通年日当たりと風通しのよい場所で管理し、水やりは1日1回、春・秋・冬は朝、夏は夕方以降にたっぷりと水を与えます。 花が咲いた後にさやの中に粉のような小さな種子がたくさんできています。種子をとりまきするか、保存して春にまきましょう。まくと1か月ほどで発芽を始め早いものでは2年で開花します。

12/16. ダイモンジソウ

ダイモンジソウとはユキノシタ科ユキノシタ属の秋を代表する人気の山野草で、花が「大」の字のように見えることからこの名前がついています。本来は白い花ですが赤やピンク、八重咲きなど様々な園芸品種が登場しています。

■育て方のポイント 白い花の品種は丈夫ですが赤系統の品種は夏に弱いものもあります。 置き場所は明るい半日陰で湿度が高めの場所が望ましく、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。 花が咲いた後に種子が実ります。乾燥させて保管し翌春2月から3月にまきましょう。

冬~早春の山野草

13/16. フクジュソウ

フクジュソウはキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。「福寿草」というおめでたい名前からお正月飾りの鉢植えに使われる縁起のよい花で、江戸時代から数多くの園芸品種が育種され花の形も多彩です。北海道から九州まで早春の野山で枯葉の中から黄金色の花を咲かせ、初夏には地上部が枯れて休眠します。


■育て方のポイント 芽が出るまでは日陰の凍らない場所で管理し、芽が出始めたら日のあたる場所に移し開花させましょう。休眠したら涼しい日陰で管理します。 水やりは芽が出てから開花期まではたっぷりと、地上部が枯れて休眠したら鉢内が乾ききらない程度の水やりをしましょう。

14/16. 雪割草

雪割草とはキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草で、カタカナ名の「ユキワリソウ」(サクラソウ科)とは区別されます。日本海側の雪国に自生する「オオミスミソウ」や「ミスミソウ」が雪割草の名前で多くの愛好家に親しまれ、花の色や形も豊富で人気のある品種です。

■育て方のポイント つぼみから新葉までは日なたで十分な日光にあて、5月上旬から明るい日陰に移しましょう。 水はたっぷりと、春・秋・冬は朝に、夏は夕方にあげるとよいです。開花期は花に水をかけないほうが花が長持ちします。 花の後に種子ができたら種子をとりまきしましょう。発芽は1年後になります。

葉を楽しむ山野草

15/16. ギボウシ

ギボウシとはユリ科ギボウシ属の多年草で、東アジア全般に自生し地域によって花や葉の変化があるため多彩な品種があります。特に、葉の緑が一部薄くなったり白色化する斑入り(ふいり)の葉が人気が高く、また日陰でも元気に育つことから、日陰につくるシェードガーデンに適した植物として注目を集めています。

■育て方のポイント 強い日射しにあたると葉が焼けて傷むので、明るい日陰が適しています。 鉢植えは土の表面が完全に乾いてからたっぷりと水を与え、庭に地植えの場合は植え付け直後と真夏にひどく乾くときを除いて水やりは不要です。

16/16. アサギリソウ

アサギリソウとはキク科ヨモギ属の多年草でヨモギの仲間です。北陸地方や東北地方以北の岩場に自生し、全体に白い毛で覆われた銀緑色の葉が美しく、丈がそれほど大きくならないことから盆栽の下草としても人気があります。

■育て方のポイント 1年を通して風通しのよい日のあたる場所に置きましょう。日陰では間のびして草姿が乱れてしまいます。 水は1日1回たっぷりと与えます。乾燥しすぎるとしおれて枯れてしまうので注意が必要です。

まとめ

家庭でも育てられる初心者向きの山野草16種をご紹介してきましたがいかがでしたか?知っているお花や、聞いたことのある名前も多かったのではないでしょうか。そう、山野草はとても身近な植物で、昔は近くの野原や、登山を楽しむ山などでよく見ることができたのです。

そして、近年は自生しているものは数が減ってきてしまっていますが、園芸用の品種も多くなり育てて楽しむことができるようになりました。その趣のある素朴な姿を楽しんだり、ガーデニングの一部に取り入れたり、盆栽に取り入れたり、特定の植物をコレクションしたり、もちろん育てた花を切り花にして飾って楽しむこともできます。 種類も多く楽しみ方も様々な、山野草の世界に足を踏み入れてみませんか。