はじめに
かんざしのような美しい姿でガーデナーに人気のアルメリアですが、上手く開花させるのが難しいという声もあります。日当たりは必要?水や肥料はどのくらい?手入れし過ぎは逆効果?時期によって変わる育て方、植え付けや種まきの方法、増やし方、病気や害虫への対処方法、剪定など、上手な育て方をご紹介します。
他にもアルメリアの種類や、名前の由来、花言葉や誕生花の解説もあるので楽しんでいただければと思います。
アルメリア(ハマカンザシ)の特徴
アルメリアはイソマツ科の多年草で、和名はハマカンザシ(浜簪)です。3月~5月の春の時期には細長い茎の先に球状の花を開花させる可憐な姿が特徴です。
塩分、乾燥、寒さに強いのが特徴で、ヨーロッパの海岸が原産で、北アフリカや北アメリカでも野生のアルメリアが見られます。日本には明治の中頃に渡来しましたが、高温多湿に弱いため野生では殆ど見られません。可憐な姿から園芸で人気が高く、多くの種類や色があります。その中から特に人気の種類をご紹介します。
アルメリアの品種①マリティマ
アルメリア・マリティマはもっとも一般的なアルメリアの種類です。10cm~20cmの草丈で、白、ピンク、赤紫の花色があります。原種に近いため塩分、乾燥、寒さに強く、高温多湿や多肥を嫌います。夏の時期は暑さに気をつけ風通しの良い場所を選び、育て方を間違えなければ次々に開花してくれます。
アルメリアの品種②バレリーナ
アルメリア・バレリーナは色鮮やかで大きな花が特徴のアルメリアの中でも人気の種類です。花色は白、赤、紫で、マリティマよりも大きめの3cm~4cmの花に、くっきりと綺麗に色付きます。まさに由来となったバレリーナのような華やかさが特徴のアルメリアですね。
アルメリアの品種③ドリメリア
ドリメリアはボリュームたっぷりの花を開花させ、アルメリアの暑さに弱いという弱点を克服した種類です。塩分、乾燥、寒さに強い特徴はありながら、暑さにもある程度耐えられるので、水捌けと多肥に気をつけた育て方であれば日本でも良く育ちます。
アルメリアの育て方
アルメリアは一年草と紹介される事もありますが、実際は多年草です。一年草と呼ばれるのは、アルメリアの夏越しの難しさにあります。適切な育て方をして毎年のように綺麗な花を咲かせられるよう、夏越しの方法や肥料や水やりなど、アルメリアの育て方のコツを紹介します。
難しい剪定や、害虫対策なども必要ないので、少しのコツさえ覚えてしまえば簡単な増やし方で次々と開花させられます。
栽培環境・日当たり
アルメリアは海岸に原生している植物なので、日当たりが良く水捌けのよい環境に適します。耐寒性があり乾燥に強いのが特徴で、冬越しは比較的簡単です。一方で高温多湿の蒸れに弱いです。日当たりは必要ですが、夏場の多肥多湿を避けないと根腐れを起こしてしまいます。肥料や水のあげすぎには注意しましょう。
植え付け・植え替え
アルメリアは種まきではなく、苗植えが一般的です。根鉢をあえて崩して植え付けます。日当たりと水捌けのよい場所に石灰分を混ぜておき、土壌を矯正してから植え付けましょう。
植え替えは、アルメリアの育て方の大切なポイントです。アルメリアは育っていき大株になるほど根腐れを起こしやすくなるので、毎年秋には植え替えを行います。蒸れを防ぐため庭植えでも鉢植えでも株分けして植え直す必要があります。
肥料・水やり・手入れ
アルメリアは夏場の多肥に気を付けることを念頭に置いて肥料を与えましょう。夏の高温多湿の時期を避け、3月~4月に即効性の肥料を与えて開花を促し、10月~11月に遅効性の肥料を与え冬越しを助けます。固形肥料を用土の表面に置肥しても液体肥料でも大丈夫ですが、夏に肥料が残らないように注意しましょう。
春も終わりが過ぎれば、咲き終わった花がらを付け根から剪定して手入れします。
病気や害虫
アルメリアが枯れる原因は根腐れが多いです。高温多湿や水捌け不足が原因の根腐れに注意しましょう。他にも淡褐色の病斑が見られたら灰色かび病が考えられるので、変色した花や葉は早急に剪定します。雨や湿度が原因なので、風通しが良くなるようにしましょう。
害虫の心配は殆どする必要がありません。
増やし方・種まき
アルメリアの増やし方は主に株分けです。株を掘り起こしたら縦に裂いて株を分けます。毎年秋には株分けして植え替える必要があるので、適切に育てていると次々と増えていきます。芽が折れたり根がつかないものは、さし芽で発根させてから植え付けましょう。
種まきは多湿を避け春や秋にまくと、次の春には開花します。用土は薄く覆土し光が通るようにします。
夏越し・冬越し
アルメリアは高温多湿で根腐れ起こしやすいため、日本で育てるうえでもっとも難しいのが夏越しです。風通しと水捌けを良くしておき、肥料を残さないようにしましょう。水やりも乾いたらする程度で、庭植えであれば夏の時期は殆ど水やりの必要がありません。
一方で冬越しは得意な種類の花です。アルメリアは耐寒性が高く乾燥にも強いので、冬の時期は気を使わなくても大丈夫です。水やりも庭植えなら必要がなく、鉢植えでも用土が乾いたら与える程度にしましょう。
鉢植えの場合
アルメリアは、日当たりや高温多湿に対処しやすい鉢植えの方が簡単に育てられます。用土は水捌けのよい物を選び植え付けましょう。春の開花時期が近づけば日当たりがよく雨がかからない場所に移し、用土が乾ききらないように水やりをしましょう。開花時期が終われば半日陰に移し、過湿に注意して乾いたら水をあげる程度に抑えます。
肥料は液体肥料がおすすめです。秋は遅効性、春は即効性の肥料がよいでしょう。高温多湿の時期に肥料が残らないように注意が必要です。
アルメリア(ハマカンザシ)の名前の由来
学名のアルメリア(Armeria)は、ケルト語で「海辺」を意味する言葉「ar mor」を語源にしたと言われています。その名の通り、海岸に原生している花である事が由来になっています。
和名のハマカンザシ(浜簪)も、浜辺に咲く簪のような花というのが由来です。長い茎を髪に挿すと珠のような花が本当にかんざしのようになりますね。
英語でもシー・スリフト(Sea Thrift)や、シー・ピンク(Sea pink)など、海に由来した名前で呼ばれます。
アルメリアの花言葉
アルメリアの花言葉①共感・同情
アルメリアの1つ目の花言葉は共感です。小さな花弁が集まり、協力して球体を形造っているように見えることが由来とされます。共感できる友人やパートナー、これから協力していきたい仕事仲間など、花言葉を添えてプレゼントするのに最適ですね。
アルメリアの花言葉②心づかい・思いやり
アルメリアの2つ目の花言葉は心づかいです。共感の花言葉と同じ由来ではないかとも言われますが、もう一つ、海辺の観光地が由来とも言われています。アルメリアは海岸に咲く花ですが、海岸、浜辺といえば観光地ですね。観光地ではお客様への心づかいや思いやりが大切というわけです。日頃の心づかいへ感謝する際に贈ってみてはいかがでしょうか。
アルメリアの花言葉③歓待・滞在
アルメリアの3つ目の花言葉は歓待(かんたい)です。手厚いおもてなしという意味の言葉で、この花言葉も海辺の観光地が由来ですね。旅館、ホテルなどの宿泊施設に限らず、普通の家庭でもお客様がいらっしゃる際に飾ってみるのはいかがでしょう。
アルメリアの花言葉④可憐
アルメリアの4つ目の花言葉は可憐です。これはアルメリアの見た目をそのまま花言葉にしたのでしょう。細く伸びた茎の先に丸く咲いた花は本当に可憐です。可憐というのは、守ってあげたくなるような愛らしい様という意味の言葉ですから、守りたい愛しい人へ贈るのに最適ですね。
誕生花としての日付
誕生日にちなんだ誕生花としての日付も紹介します。
アルメリアは、「2月13日」「2月29日」「3月2日」「3月30日」「3月31日」「4月24日」の誕生花です。これらの日付が誕生日の方にプレゼントしてみてはいかがでしょう。
まとめ
アルメリアの育て方のコツはつかめたでしょうか?春は日当たりを良くし、夏越しの際は蒸れないように気をつけて、秋に株分けして植え替える。この3つに気をつけて育てていけば、アルメリアは可憐な花を咲かせることと思います。
アルメリアは多種多様な50種類以上の品種がありますから、お庭や花壇、お部屋に合わせて楽しんでいきましょう。
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