誰が見ても可愛いイチゴの特徴
イチゴはバラ科の多年草
家庭菜園で人気の野菜であるイチゴ。最近は実を食べる目的だけではなく、鉢植えやハンキングにして、観賞することでも楽しまれています。そんなイチゴはバラ科フラガリア属の多年草の植物です。学名はFragaria ananassa DUCHESNEと表記します。
属名のフラガリア(Fragaria)とは、ギリシャ語で「香りを焚く」という意味。1説には北欧に伝わる神話の中の女神の名前「フリッグ(Frigg)」より由来した属名だとも言われています。
和名を「苺」と書くイチゴ
真っ赤な実がチャームポイントでもあるイチゴの和名は「苺」と書きます。語源の由来は残念ながら不明ですが、大昔は「いちびこ」と呼ばれていたようです。英名はご存知の通り「ストロベリー(strawberry)」。潜在的な印象かもしれませんが、「苺」という和名も、「ストロベリー」という英名も可愛い名前です。
そんなイチゴの一般的な特徴は、春に5弁の白い花を咲かせ、花後は星形の緑の萼を付けた赤い実がなります。赤く色付く実が次々になるイチゴは初夏の菜園では最も目を引く存在です。
四季なりの種類も登場!
ビタミンCが豊富で、美肌や風邪の予防にも効果があるとされているイチゴの実。実がなる前には白い可憐な花を咲かせるので、ガーデニングの材料としても近年注目されています。寒さに当ててやることで花が咲くのが特徴のイチゴは、秋に苗を植えるのが基本です。冬越しさせて、春から初夏に真っ赤な実を収穫します。
ただ近年は四季なりのイチゴや、赤やピンクの大きな花が咲く種類、白やピンクの実がなるもの、また近年は収穫だけではなく見て楽しむための品種もあります。
1季なりの種類
ポピュラーなイチゴの種類は、先に解説したように秋に苗を植え付け、冬までに根付かせて冬越しさせて寒さに十分当て、春から初夏に真っ赤な果肉を収穫する1季なりの種類です。
この1季なりの種類の中にも、スーパーなどでもよく見かける「あまおう」から、1粒が40gもある大型の果実が特徴の種類もあれば、イチゴミルクのような淡いピンク色の実がなる種類もあります。ガーデニング初心者には露地栽培向きの1季なりの品種が、ガーデニングで楽しむには育てやすくておすすめです。
四季なりの種類
近年四季なりの種類のイチゴも人気です。四季なりのイチゴの特徴は、4月~5月の時期に収穫期を迎えるポピュラーなイチゴに対して、初夏や秋の時期にも収穫できるのが特徴です。
四季なりのイチゴの中にも種類があり、たとえば受粉しなくても実がなりやすい種類や、さすがに真夏の時期は別として、暑さに強く春から秋まで連続して花が咲く種類もあります。
イチゴの花言葉
「愛の絆」「幸福な家庭」
花にも実にも癒されるイチゴを代表する花言葉は「愛の絆」「幸福な家庭」という花言葉です。「愛の絆」という花言葉の由来は、ヨーロッパでは赤い実を食べる人に幸運をもたらす、そして赤い実の最強の効果は男女の絆を深めるという言い伝えがある、そんな伝承が由来して付いた言葉です。
「幸福な家庭」という花言葉の由来は、属名の由来ともなる北欧神話の女神「フリッグ」にまつわる話です。フリッグは子供に恵まれない夫婦に子宝を授けると崇拝されていた女神。そんな北欧の伝承から由来する花言葉です。
北欧神話に登場する女神フリッグとは
属名の由来、また「幸福な家庭」というイチゴの花言葉にまつわる北欧神話に登場する女神フリッグとは、北欧神話の神、オーディンの妻で、結婚、愛、豊穣を司る美しい女神様。賢明で美しく心優しい神のバルドルの母でもあります。
結婚そして家庭の主婦の守護神とされている女神です。世をまっとうに過ごした夫婦たちが死を迎えたあとに辿る、死後の世界で幸福へと導いてくれる美しい女神様と言われています。そんな女神様がイチゴの属名や花言葉にまつわっています。
「先見の明」
さてイチゴの花言葉はまだあります。イチゴには「先見の明(せんけんのみょう)」という花言葉でもイメージされているのです。「先見の明」という言葉の意味は、事が起こる前に先を見通すという意味。
この言葉がイチゴの花言葉に付けられた由来は、昔、イチゴの葉や茎を水に浸しておくと、そのイチゴの水は目を冷やしてくれ、視力が良くなると信じられていた伝承があり、そんな伝承が由来してイチゴの花言葉として付けられたといわれています。
「謙遜」
あまり知られていませんが、イチゴは「謙遜」という花言葉でもイメージされています。「謙遜」という花言葉の由来は、イチゴの植物学上の特徴からイメージされた言葉です。
ツルを伸ばして成長していくイチゴ。イチゴを育ててみるとわかりますが、イチゴはツル(園芸用語ではランナーという)を伸ばして次々と根付き、そのランナーはどこまでも伸びていきます。そして誰もが可愛いと思う赤い果実は、まるで地面を這うように育つ、そんな生長の様子にちなんで付いた花言葉です。
「正義」
雑草と一緒に植えてもイチゴだけは美味しい果実を実らせることから、イチゴには「正義」という花言葉でもイメージされています。どんな状況でも悪や不正に染まらず、美味しい果実を実らす信頼感などをイメージして付けられたイチゴの花言葉です。
ちょっと心配なイチゴの花言葉
「誘惑」
前向きの花言葉が数々あるイチゴですが、ちょっと心配な花言葉「誘惑」という言葉もイチゴにはあります。この花言葉の由来を辿ると、北欧の先住民族の間で語り継がれる伝説にありました。
その話とは、人は死ぬと死者の国に行き大きなイチゴに出くわすのだと。それを食べてしまうと生前のことを忘れてしまい、二度と生き返ることはない。けれど食べることを拒むと地上に戻る可能性があるという話です。そんな話が由来して「誘惑」という花言葉でイメージされています。
霊感
イチゴには「霊感」というちょっと心配な花言葉でもイメージされています。これはイチゴの花姿から由来した言葉です。白い5弁花を持つイチゴの花は「神秘の力」があると言われる上に、星形の緑色の萼は五芒星(ごぼうせい=ペンタグラム)を象徴し、超自然的な力を持つとされています。
五芒星とは5つの角を持つ星マーク。世界的にも有名な魔除けのマークですが、そんなパワーが「霊感」という言葉で表現されています。よくも解釈できますが、ちょっと心配でもある言葉です。
イチゴの育て方
花言葉を想いながらイチゴを育ててみよう!
ちょっと心配な花言葉もありますが、可憐な花や可愛い真っ赤な果実に似合ったたくさんの前向きな花言葉でイメージされているイチゴは、今や果実を食べるだけではなく、ガーデニングの材料としても楽しまれている、初心者でも楽しく育てられる植物です。
花言葉と共にイチゴのことをもっと楽しむために、簡単にイチゴの育て方をご紹介します。育て方のポイントを押さえてイチゴを育ててみましょう。
よい苗を選ぶ!
イチゴを育てる最初の一歩は苗選びです。9月~10月になると苗が出回ります。ガーデニング初心者は園芸店やホームセンターでまず苗を購入!
苗の選び方は本葉4~5枚が付きランナーの切り跡がしっかりと残っていて、生長点(園芸用語でクラウンという)が太い苗を選びましょう。クラウンが太いと花付き、実付きがよくなります。
切れ端を内側に植える
購入した苗の根元をよく見てください。根元から出ている短い茎は、親株とつながっていたランナーの切れ端です。このランナーの反対側に花が咲くので、植え付けの時に向きをそろえておくと管理しやすいです。
また植え付けるときは、葉の付け根にある生長点であるクラウンの部分を植え込まず、クラウンの半分くらいまで植え、浅植えにします。クラウンが土に埋まってしまうと生長点が腐ってしまいます。これは苗を植え付ける大切なポイントです。植える深さには注意してください。
休眠期にはしっかり寒さに当てる
植え付けた後は、寒さに当てて春に新芽を付かせます。11月中旬~2月中旬頃までイチゴの苗は休眠期に入ります。この期間は地上部は生長しません。冬の寒さと乾燥に耐えます。
とはいえ、極度の低温と乾燥は苗を痛めてしまうので、地植えのものは黒マルチを畝にかぶせ、また鉢植えのものは敷き藁を用土の上に敷いて苗を守りましょう。
枯れた葉は取り除く
春になるまでは地上部は生長しませんが、その間に枯れた葉や雑草などは取り除いて管理すること、また春(3月)になったら、鉢植えのものは敷き藁を新しものに替えて、肥料を与えて開花を待ちます。
そして4月になると次々と開花し始めます。この時期に伸びたランナーは、養分をとっていってしまうため切り取ってしまいます。
花が咲いたら受粉させる
本来、イチゴは蜂などの虫によって受粉する虫媒花です。花が咲いて上手く受粉が行われないと実は大きくならず、奇形になる場合も少なくありません。
その予防策として、花が咲いたら虫頼りにせず、人口受粉をして大きく形のよい実を結実させましょう。人工授粉は柔らかな筆や耳かきの梵天などを使って花の中心の雌しべの部分をポンポンと丁寧に撫でてやります。
花言葉を知ってイチゴを育ててみよう
真っ赤な果実がチャームポイントのイチゴは、赤い実とは裏腹に真っ白い可憐な花が咲きます。イチゴの花言葉にはちょっと心配になる花言葉もありますが、嬉しくなる前向きなたくさんの花言葉でイメージされています。
近年はガーデニングの材料としても観賞するのも楽しまれているイチゴ。花言葉を想いながら、イチゴを育ててみませんか。花言葉にあやかり幸福が訪れる春になること間違えなしです。
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出典:ライター撮影