酔芙蓉とは
酔芙蓉の花は、ハイビスカスやムクゲの花に似ています。それもそのはず、アオイ科フヨウ属の植物という共通点があるのです。開花時期は夏で、花は一日でしぼみますが次々と開花します。ハイビスカスの花のように赤やオレンジの花が咲く種類はあるのか、また、よく似た花言葉を持つのでしょうか?酔芙蓉の名前の意味や、花の特徴・育て方について詳しく解説してまいります。
日本語の名前の意味・由来
酔芙蓉とは、夏の季節に開花する美しい芙蓉です。朝から晩にかけて花色が変化するのが特徴で、花言葉「心変わり」はこの特徴に由来します。朝の咲き始めには白かった花が、夕方になるにつれピンクや赤へと変わっていく様子は、お酒に酔って顔が赤くなる様子を連想させ、「酔芙蓉」という名前になりました。
英語の名前の意味・由来
フヨウ(芙蓉)の学名・英語名は“Hibiscus mutabilis”です。“Hibiscus”(ハイビスカス)は、見た目は酔芙蓉・芙蓉によく似ていますが異なる花言葉を持ちます。ハイビスカスの花にはオレンジ色がありますが、酔芙蓉・芙蓉にはありません。“mutabilis”は「変化しやすい」という意味で、花色が変化しやすい特徴がこの名前の由来です。
季節の特徴と開花時期
酔芙蓉は樹高2~3mの落葉低木です。春は苗を植える時期、夏はぐんぐん枝を伸ばす時期、開花時期は8~11月になります。真夏の紫外線が強い時期は、酔芙蓉の花は午前中からピンク色に染まることもあります。寒い季節は屋内で管理した方が良いですが、比較的育て方の簡単な植物です。
花の色と花言葉
酔芙蓉の花の色と花言葉には、密接な関係があります。花の季節、夏になると朝から晩にかけて白、ピンク、赤へと花色が変化するのが特徴です。心の変化を意味する酔芙蓉の花言葉、「心変わり」の由来です。このように花の咲き方に由来する花言葉や、容姿に由来する花言葉があります。見た目はハイビスカスの花と似ていますが、赤やオレンジの種類はありません。
酔芙蓉の花言葉
酔芙蓉には、花の咲き方や容姿に由来する美しい花言葉があります。花言葉を知ったうえで、贈りものに花言葉を添えて利用するのも素敵です。多くの花言葉の中に一つだけ、贈りものには適さない花言葉がありますので、花言葉の意味と由来をぜひチェックしておいてください。
花の咲き方に由来する花言葉
心変わり
酔芙蓉の花言葉「心変わり」は、決して良いイメージの花言葉ではありません。心変わりとは、「心がほかに移る」という意味で、恋愛に例えると「ほかに好きな人ができて心が移った」状態を指します。この花言葉は、酔芙蓉が花の季節、日光を浴びて一日で花の色を変えるために選ばれた花言葉です。
幸せの再来
酔芙蓉の花言葉は、「幸せの再来」です。再来というのは「再び来る」という意味で、朝に咲いた花が夜にはしぼんで枯れてしまっても、次の花が続々と咲く、再び咲く、という酔芙蓉の咲き方に由来します。「幸せ」が美しい酔芙蓉の花を表す花言葉です。
花の容姿に由来する花言葉
繊細な美
酔芙蓉の花言葉は、「繊細な美」です。この花言葉は、酔芙蓉の花の容姿に由来します。光が当たると透けて見えるほど薄く繊細な花びらが、酔芙蓉の特徴です。特に八重咲きの品種はしなやかな花びらの重なりが美しく、「繊細な美」という花言葉にふさわしいですね。
しとやかな恋人
酔芙蓉の花言葉は、「しとやかな恋人」です。「しとやかな」というのは女性に対して使われる言葉で、物静かで上品で、身のふるまいや話し方がものやわらかな人を指します。繊細で美しい酔芙蓉の花が、しとやかな恋人を想わせることに由来する花言葉です。
酔芙蓉と似た種類の花とその違い
芙蓉(フヨウ)との違い
芙蓉と酔芙蓉の違いは花の形です。芙蓉は一重咲きで、酔芙蓉は主に八重咲きになります。芙蓉の花は酔芙蓉同様、育て方も簡単で初心者向きです。芙蓉の花も酔芙蓉同様、朝咲いて夕方にはしぼみますが、花の季節は次々と開花します。芙蓉の花言葉は酔芙蓉と同じ、「繊細な美」と「しとやかな恋人」です。
アメリカフヨウとの違い
アメリカフヨウも育て方の簡単なアオイ科フヨウ属の多年草で、花の季節は夏、開花時期は7~9月です。別名「木芙蓉」と呼ばれる酔芙蓉・芙蓉は樹木であるのに対し、アメリカフヨウは多年草で葉形や株の茂り方が違います。アメリカフヨウの花言葉は、「しとやかな恋人(酔芙蓉と同じ花言葉)」「日ごとの美しさ」「はなやかな生活」です。
ムクゲとの違い
ムクゲもアオイ科フヨウ属で、韓国の国花として知られています。花の季節・特徴や育て方は、酔芙蓉とほぼ同じです。花色は白や紅紫が多く、中心部が鮮やかな紅色をしています。酔芙蓉・芙蓉とムクゲは、雌しべや葉・枝の形で容易に区別可能です。花言葉は酔芙蓉の花言葉とは異なり、「デリケートな愛」「尊敬」「信念」「新しい美」などです。
ハイビスカスとの違い
ハイビスカスは、酔芙蓉と同じアオイ科フヨウ属ですが、酔芙蓉と違い常緑低木で落葉はしません。育て方にはコツが必要で、真夏の高温を避けて、風通しのよい場所で管理します。酔芙蓉との違いは、雄しべの形や葉の形です。ハイビスカス全般の花言葉は「繊細な美(酔芙蓉と同じ花言葉)」「新しい恋」です。花色によって花言葉が違います。
酔芙蓉の色が変わる理由
酔芙蓉の色が変わる理由は、太陽の紫外線を浴びることで「アントシアニン」という色素が合成されるからです。朝になり日が昇り始めると、太陽の紫外線により徐々に酔芙蓉の花の色が変化し始め、夕方には赤に近いほど色づきます。この現象が、酔芙蓉の花言葉「心変わり」の由来です。
アントシアニンとは
紫外線を浴びると合成が促進される「アントシアニン」は、ブルーベリー類に多く含まれる色素です。酔芙蓉は花の葉緑素が少ないため、抗酸化作用のあるアントシアニンを合成して、紫外線のダメージから体を守ります。酔芙蓉と同じアオイ科のハイビスカスに赤色が多いのも、紫外線とアントシアニンの影響です。
まとめ
酔芙蓉は、朝咲かせた白い花が、夕方になるにつれピンクから赤へと変化していく様子が魅力で、ガーデニングで大変人気の高い花です。花色にハイビスカスのようなオレンジ色はありませんが、それゆえに、花言葉にもあるように「繊細な美」を持つ「しとやかな恋人」を想わせます。
酔芙蓉が気になる方はこちらもチェック!
酔芙蓉(スイフヨウ)や芙蓉(フヨウ)について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてお読みください。花の特徴や種類、花言葉、上手な育て方について詳しくまとめられています。

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出典先:https://www.photo-ac.com/main/detail/1256900