塩釜って、どんなところ?
「塩竈市」は、地図で見ると仙台市の東北に位置する海岸沿いの街で、「生マグロ水揚量日本一」を誇る塩釜港を中心とする漁業や東北一帯を鎮護する「鹽竈神社」の鳥居前町として、また日本三景の一つ松島観光へのクルーズ出航のハーバーなどがある街として知られています。
また市名表記は市制では「塩竈」となっていますが「塩釜」も認められているとのことです。歴史としては、戦国時代に仙台藩の一領地となっていて、古くからあった「鹽竈神社」が、歴代の仙台藩主が篤く信仰し保護してので、町も鳥居前町として栄えました。
塩釜周辺には魅力の観光スポットがいっぱい!
塩釜の街は日本有数の港町であり、東北一の規模を誇る水産市場や東北一帯を守護する神社として「鹽竈神社」や「御釜神社」などがあり、独特の歴史や文化が育まれてきた魅力のある町で、また浦戸諸島や松島など海の観光拠点としても知られています。
また街には美術館や老舗の店、大正ロマンを感じさせるおしゃれな民家などもあり、さらに夏には日本三大船祭りの一つとされている「塩竈みなと祭」など、子供から大人まで楽しめる見どころが多い街です。今回は、塩釜の定番や隠れた観光スポットを厳選して10選をご紹介していきます。
定番から穴場まで、塩釜のおすすめの観光スポット10選!
ここからは、塩釜市のおすすめの観光スポットを10選、ご紹介していきます。
塩釜の人気観光スポット①:鹽竈神社
「鹽竈神社(しおがまじんじゃ)」は、塩釜市の小高い丘の上に建っており、創建時期は平安時代初期とされ、主祭神は「塩土老翁神( しおつちのかみ)」で、「潮流を司る神」とか「航海の神」と言われる歴史の古い神社で、長い間、東北一帯の開拓守護神となってきており、土地の人からも親しまれています。
武家社会となってからは平泉の藤原氏や特に仙台の伊達氏からの崇敬が篤く、現在の社殿は伊達家藩主四代から五代まで九年の歳月をかけ建造され、本殿や拝殿、唐門、回廊、随神門、そして石の鳥居が、国の重要文化財に指定されています。
塩釜周辺のおすすめ観光も見どころ!
参道にある石段は202段あり、ここを上るとパワーが貰えるとされていますが、足腰に自信のない方には、東の方をゆるやかに上がる参道もあります。また境内には国の天然記念物指定のぼんぼりのような花弁の見事な花を咲かせる「塩竈桜」があり、満開の時期には拝殿の朱色に映えて美しく、多くの花見客で賑わいます。
新年には市内を始め仙台から、子供連れやカップルも含め多くの人が初詣に訪れます。また夏の「塩竈みなと祭」では、鹽竈神社をスタートした神輿が市内の随所を巡った後に、御座船を始め百隻を超える船を従えて松島湾を巡幸する様子は壮観です。
塩釜の観光情報
鹽竈神社
- 住所〒985-8510
宮城県塩竈市一森山1-1 - 営業時間5:00~20:00
- アクセスJR東日本仙石線「本塩釜駅」から徒歩約10分。東北本線「塩釜駅」から徒歩約15分。
塩釜の人気観光スポット②:マリンゲート塩釜
「マリンゲート塩釜」は、塩釜港の海辺に建つ「塩釜港旅客ターミナル」の愛称であり、ここは日本三景の一つ、松島観光の海の玄関口になっていて、美しい松島巡りや浦戸の島々の観光遊覧船の発着などでいつも賑わっています。
ここには出航する船の広い待合室のほかに、いろいろなショップやレストランもあり、また屋上のテラスからは、塩釜港のパンラマが広がり、港を出入りする船や埠頭などの海の景観が眺められ、遊覧船に乗らない人も楽しめる塩釜港の観光スポットとなっています。
塩釜周辺の観光名所巡りのモデルコース!
1階のショッピングコーナーには宮城名産の笹かまぼこや枝豆をすったペーストで使った「ずんだ餅」、奥州牛たん店、地酒などの土産品を売る店が並び、またドリンクやパン、麺類などのフードコーナーもあり、遊覧船の待ち時間などに便利です。
2階には有名な塩釜の海鮮料理店や寿司店、本格的な中華料理、ピザが評判のイタリアンレストランなどもあり、夕闇が訪れてライトアップされたロマンチックな港を見ながら食事するカップルなども多く、昼も夜も楽しめる観光スポットです。
塩釜の観光情報
マリンゲート塩釜
- 住所〒985-0016
宮城県塩竈市港町1-4-1 - 営業時間9時00分~22時00分
- アクセスJR仙石線「本塩釜駅」から徒歩約10分
仙台東部道路「仙台港北IC」から車で約15分
塩釜の人気観光スポット③:曲木神社
「曲木(まがき)神社」は、塩釜観光桟橋から正面に見える千賀の浦の海岸にある小さな「籬(まがき)島」に祀られている「鹽竈神社」の末社のひとつです。ここには小さい赤い橋が架かっていて、毎月1日の例祭や月次祭の時期のみ開かれ、島に渡ることができます。
「籬(まがき)島」は、別に「曲木島」と表記されることもあり、その昔、この島には老松が覆っていて、幾重にも曲がりくねっていたことから「曲木」の名前の由来にもなり、この曲がった木で造られた御宮が「曲木神社」の始まりと伝えられています。
塩釜周辺のおすすめ観光も見どころ!
この神社がある「塩釜の浦」は、平安の昔からその詩情を湛えた景観から、多くの歌に詠まれ、また松の緑に朱色の鳥居が美しいこの神社には、かつて松尾芭蕉が訪れ、その景色に感銘を受け、奥の細道にも記述が残さています。
周囲がわずか150mほどの木々の葉で覆われ霊気も漂う小さな籬島は、遊覧船などで出港するとまもなく左手に見えてくる島ですが、橋が開いている、毎月1日の例祭や月次祭に合わせて是非訪れてみてください。
塩釜の観光情報
曲木神社
- 住所〒985-0001
宮城県塩竈市新浜町1-10 - 営業時間毎月1日の例祭や月次祭
- アクセス仙北線「東塩釜駅」から徒歩7分
塩釜の人気観光スポット④:塩釜水産物仲卸市場
「塩釜水産物仲卸市場」は、塩釜港の海岸近くにある魚市場で、およそ百店舗ほどが入っている東北一の規模を誇っており、特に日本有数の漁獲高を誇るマグロや魚のセリをはじめ、新鮮な魚介類や加工品などを販売しています。
広い市場では一般の人も買い物ができるので、塩釜市民や観光客など多くの人が訪れて、新鮮な魚の切り身やかまぼこなどの海産物を購入し、特に地元の人には毎日の惣菜となる海の幸を買うスポットにもなっています。
塩釜周辺の観光名所巡りのモデルコース!
市場内には食事処もあり、新鮮なネタをのせた寿司や海鮮丼などが楽しめます。市場は朝が早いので、朝食やランチのみの時間帯となっていますが、日曜日もオープンしており、買い物がてら訪れる子供連れやカップル、観光客などでいつも大盛況です。
また毎年9月から12月の秋から冬にかけての時期は「三陸塩釜ひがしもの」という、三陸東沖で水揚げされたメバチマグロの中でも仲買人の折り紙つきの特別なマグロが市場に並べられますので、この時期に訪れて、さらに美味しいマグロを味わってみてください。
塩釜の観光情報
塩釜水産物仲卸市場
- 住所〒985-0001
宮城県塩竈市新浜町1-20-74 - 営業時間平日3:00~13:00 日・祝 6:00~14:00
- アクセス仙石線「東塩釜駅」から徒歩15分
塩釜の人気観光スポット⑤:松島巡り観光クルーズ
塩釜に観光で訪れた際に、是非おすすめしたいのが「松島巡り観光クルーズ」です。京都府の「天橋立」や広島県安芸の「宮島」と並び、日本三景の一つにも指定されている「松島」には、松尾芭蕉も訪れ「松島や、ああ松島や、松島や」と詠み、深く感銘を受けた所として知られています。
クルーズは「マリンゲート塩釜」から出航し、最初は塩釜港の景色を眺めながら沖合に出て、松島の代表的な鐘島や仁王島、夫婦島などを巡って遊覧します。気になる島の名前の由来や言い伝えなどを船内放送で解説してくれますので、一層観光が楽しめます。
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また周遊コースの他に、島々の景観を見ながら塩釜から「松島海岸」まで航行する片道コースもあり、松島からさらに北に観光旅行をする際などには便利です。さらに冬の時期には「元旦・初日の出遙拝船クルーズ」も人気となっています。
その他にも、7月に開催される「塩釜みなと祭り」に合わせて「塩竈神社」の神輿を乗せた御座船を眺め、夜の花火を見るクルージングや、秋には、夜間にライトアップされた島々を巡るクルージングもあり、一年を通してさまざまなクルージングが用意されています。
塩釜の観光情報
松島巡り観光クルーズ
- 住所〒985-0016
宮城県塩竈市港町1-4-1 - 営業時間9時00分~22時00分
- アクセスJR仙石線「本塩釜駅」から徒歩約10分
仙台東部道路「仙台港北IC」から車で約15分
塩釜の人気観光スポット⑥:海商の館
「海商の館」は、明治36年に創業した亀井商店(現:カメイ[株])の初代社長が大正年間に建てた伝統的な和風建築に西洋建築の技法を取り入れた和洋折衷の邸宅です。現代の建築技術では再現が難しいと言われる構造で、当地の歴史的価値の高い建築物になっています。
当館の見学は無料で、「鹽竈神社」の東参道の途中にあり、参拝の帰りに立ち寄る観光客も多いようです。またボランティアの方が常駐しており説明もしてくれますので、家に関する情報がさらに分かりやすく、観光旅行のよい思い出となります。
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昔ながらの門を通り、家の中に一歩入ると、そこにはレトロな大正ロマンのおしゃれな雰囲気が漂い、大正の時代にタイムスリップしたようです。昔ながらの和室や襖、床の間や床柱、鴨居、廊下、ガラス戸など古めかしく、ジブリのアニメ「千と千尋...」に出てきそうな造りとなっています。
また、日本石油と提携していたことから、当時の日石の社章「こうもり」をふすまの取っ手にあしらうなど、粋な遊び心も見られます。また3月には昔懐かしい雛人形なども飾られ、訪れる人を魅了しています。
塩釜の観光情報
海商の館
- 住所〒985-005
宮城県塩竈市宮町5-5 - 営業時間10:00~15:30
- アクセスJR仙石線「本塩釜駅」より徒歩約8分
塩釜の人気観光スポット⑦:御釜神社
「御釜神社」は、鹽竈神社から近い街の中に建つ境外の末社であり、神社内にはその昔、「鹽土老翁神(しおつちのかみ)」が製塩に使ったといわれる塩釜が奉安されており、この釜が塩釜市の地名の由来となったといわれています。
また当神社には「四口の神竈(よんくのしんかま)」と呼ばれ、兵庫の「石乃宝殿」や高千穂の「天之逆鉾」と共に「日本三奇」の一つに数えられている四つの竈があります。この竈の水は溢れず、干上がらず、世に凶事や慶事などの変事があると水の色が変わると言い伝えられています。
塩釜周辺のおすすめ観光も見どころ!
江戸時代にはこの「四口の神竈」の大きな変化があった場合は、仙台藩に届け出ることになっていたとされ、伊達政宗が病に倒れた際にも水の色が変わったと言われており、現在でも塩釜のパワースポットになっています。
また毎年7月初旬には、「藻塩焼神事(もしおやきしんじ)」という祭事が行われ、海藻を刈り集め海水をかけて海水を高濃度の塩水に変えて、それを煮詰めて藻塩を作るという、古くから伝わる製塩法を再現した珍しい儀式が行われます。
塩釜の観光情報
御釜神社
- 住所〒985-0052
宮城県塩竈市本町7-17 - アクセスJR仙石線「本塩釜駅」から徒歩7分
塩釜の人気観光スポット⑧:菅野美術館
「菅野美術館(かんのびじゅつかん)」は、塩竈の街中の遠くに海が眺められる小高い丘の上にある2006年に開館した美術館です。宮城県の「菅野愛生会病院」の開設者が長い間に蒐集したロダンなどの西洋の近代彫刻を中心とした作品を展示しています。
建物は、赤褐色の10×10×12メートルのほぼ立方体に近い形状が特徴となっています。内部には、三角窓などがあり、光と影によって創られる壁紙のような美しい効果を生み出す構造で、自由に展示の配置ができる工夫がされています。
塩釜周辺の観光名所巡りのモデルコース!
所蔵作品は、ロダンの「カレーの市民」の作品の一部「右手」の彫刻などフランスの作品のほかに、英国の彫刻の巨匠ムーアの「ヘルメットの頭」のブロンズ作品や、イタリアの作家の「遊ぶ猫」や「足を見る女」などのユニークな彫刻作品も所蔵・展示されています。
また常設展示のほかに、企画展や特別展なども開催され、コンサートや講演会なども行われ、地域に高質の文化を発信し、さらに世界とも交流する美術館を目指しています。
塩釜の観光情報
菅野美術館
- 住所〒985-0042
宮城県塩竈市玉川3-4-15 - 営業時間10:00~17:00 休館:月曜・火曜 年末年始
- アクセスJR東北本線「塩釜駅」から徒歩10分
塩釜の人気観光スポット⑨:浦戸諸島
「浦戸諸島」は、塩釜の沖合に浮かぶ島々で「桂島」や「野々島」、「寒風沢(さぶさわ)島」、「朴(ほお)島」の有人島とその他に「馬放島」や「大森島」などたくさんの無人島を合わせた名称です。
塩釜の海岸から眺める浦戸諸島の島影は美しく、中でも「桂島」は江戸時代の俳人・曾良がこの島と空に浮かぶ月を見て「月桂冠の如し」と詠んだことから、島の名前が付いたと言われています。またそれぞれの島には歴史や言い伝えがあり、それにまつわる史跡なども残っています。
塩釜周辺の観光の見どころや名所巡りのモデルコース!
これらの島から見る松島の景観はまた違った趣があり、塩釜の穴場の観光スポットにもなっています。また島には民宿があり、夕食には周りの海から獲れる季節ごとの海の幸を食材にした郷土料理が楽しめます。
浦戸諸島には「マリンゲート塩釜」から船の定期便が出ており、塩釜観光の折りには少し足を延ばして諸島を訪れ、松島の景色を見ながら史跡などを巡る離島観光や島のグルメを楽しむことをおすすめします。
塩釜の観光情報
浦戸諸島
- 住所〒985-0199
宮城県塩竈市浦戸石浜河岸 - アクセス「マリンゲート塩釜」から船の定期便あり
塩釜の人気観光スポット⑩:丹六園
「丹六園(たんろくえん)」は、地図で見ると「鹽竈神社」の参道に位置する和菓子店で、江戸時代の1720年に創業し、現在まで11代続く老舗です。古くから伝わる店構えに加え、看板には「志ほか満(しおかま)」の古色蒼然とした文字が書かれ歴史が感じられます。
当初は和菓子店ではなく、廻船問屋として船を持ち、塩竈の海で獲った海産物を魚問屋に卸す商売をしていましたが、リスクの大きい商売ということで、神社の参道という地の利を生かして和菓子店に変わったそうです。
塩釜周辺の観光名所巡りのモデルコース!
当店で造る銘菓「志ほがま」は、上質のもち米粉と塩竈ならではの藻塩を使い、青紫蘇を加えた香りが品格を醸し出す口どけの良い落雁で、菓子の上には神社の天然記念物である「鹽竈桜」の模様が打ち出されて、参詣のお土産品や贈答品としても人気となっています。
店では「志ほがま」の他にクルミと黒砂糖を使った「長寿楽」も評判で、また店の中には陶磁器なども並び、時期によっては雛人形なども飾られ、どこか懐かしい民芸館のような雰囲気があり、日曜日や祝日もオープンしているので、塩釜観光や神社参拝の折りには是非訪れたい和菓子の老舗です。
塩釜の観光情報
丹六園
- 住所〒985-0051
宮城県塩竈市宮町3-12 - 営業時間8:30〜5:00 定休日:無休
- アクセス仙石線「本塩釜駅」から徒歩5分
塩釜観光ではグルメも楽しもう!
「生マグロ水揚量日本一」を誇る塩釜は、別名「寿司の街」とも呼ばれ、人口に対して寿司店の割合が多く、寿司店の激戦区となっており、寿司や刺身、海鮮など海の幸のグルメ好きには最適な街となっています。
そして水揚げされたばかりの新鮮なマグロやイクラ、ウニなどがお店に直行し、さらに米どころ宮城の「ササニシキ」などの旨い米をシャリに使い、それぞれの店が独自の工夫をこらし、味と技で美味しさ競い合っていますので、どの店に行っても美味しい寿司が楽しめます。
塩釜には海鮮の他にも、美味しい銘菓が揃っています!
また塩釜の街には、お馴染みの塩味が効いた口当たりのよい銘菓「志おがま」の他にも、枝豆を使い緑の餡子にした「ずんだ大福」や海老をプレスした「海鮮せんべい」、おしゃれなマロンケーキ、蒸しどら焼きの「マコロン」、柔らかい「きねつき餅」など伝統的な銘菓やお菓子が揃っています。
塩釜観光に訪れた際には、多くの人が観光地巡りをした後に、塩釜名物の海産物の干物やかまぼこ、また伝統的な銘菓やお菓子を、お土産やギフト、また自分用にも買って帰るようです。
塩釜観光を満喫しよう!
漁港の町で知られる塩釜の観光スポットのご紹介、いかがでしたか?塩釜には東北一帯の守護神で由緒ある「鹽竈神社」を始め多くの神社や「塩釜市場」、松島クルーズのおしゃれなハーバーなど訪れたい観光スポットが目白押しですね。またグルメの点でも魅力ある街なので、塩釜観光とグルメ巡りを是非楽しんで下さい。
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