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日本百名山!甲武信ヶ岳のルートまとめ!日帰りで行けるコースで初心者も楽しめる!

甲武信ヶ岳は、秩父多摩甲斐国立公園に属し、山頂からの眺望がすばらしく、見所の多い日本百名山の一座です。今回は、甲武信ヶ岳へのハイキングシーズン、難易度別の登山ルート、登山口までのアクセス方法、山小屋情報、下山後に立ち寄りたい温泉などについてご紹介します。
2021年3月16日
水木誠人
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日本百名山・甲武信ヶ岳の登山ルートをご紹介

甲武信ヶ岳は、日本百名山にその名を連ねる一座です。「甲武信ヶ岳」の名の由来は、甲州の甲、武蔵国の武、信州の信と名が示しています。つまり、甲武信ヶ岳は、山梨、埼玉、長野にまたがって鎮座しているのです。「こぶしがたけ」の読み名は、拳のような姿をしているからという由来もあります。

甲武信ヶ岳は標高2475mで、千曲川、荒川、笛吹川の源流となっている山でもあります。そんな豊かな自然を有し、山頂からすばらしい展望が望める甲武信ヶ岳への登山ルートについてご紹介します。

山頂の眺望が美しい甲武信ヶ岳とは?

甲武信ヶ岳の名が表す見所の多い山

甲武信ヶ岳は、山梨県、埼玉県、長野県の3県にわたって鎮座する山です。そのおかげで、甲武信ヶ岳山頂からの展望は数多く、東に両神山、西に奥秩父主脈の国師ヶ岳、金峰山、八ヶ岳連峰、南には富士山やアルプス連峰と、日本を代表する峰々が、その時々の気温や季節によって、雲海、霧、雲、空、そして太陽と重なり、すばらしい眺望を描き出します。

このすばらしい自然や眺望、日本を代表する河川の源流でもあることから、甲武信ヶ岳への登山には見所がいくつもあります。甲武信ヶ岳が多くの登山者を魅了し続けている由縁です。

さまざまな百名山を冠する名峰

Photo by ai3310X

甲武信ヶ岳は、深田久弥氏が『日本百名山』において、「奥秩父のへそ」と冠した山です。そんな甲武信ヶ岳は、田中澄江氏の『新・花の百名山』において、夏の盛りに咲くレンゲショウマや初夏に見頃を迎えるクモイコザクラが美しいと評されるほか、山梨百名山、信州百名山、関東百名山など、多くの百名山にその名を連ねます。

また、甲武信ヶ岳は、新潟では信濃川と呼ばれる日本最長の千曲川、東京湾に注ぐ荒川、太平洋に流れ込む笛吹川の水源で、清らかな水辺の風景も楽しめます。

日帰り登山が厳しい方に安心の山小屋がある

甲武信ヶ岳の山頂南東に、甲武信小屋という山小屋があります。冬季は小屋が閉まっていますが、甲武信ヶ岳の登山シーズンであるGWから11月30日まで営業予定となっています。ぜひ利用しましょう。

ただし、こちらの山小屋、2021年シーズンは予約制となっていますので要注意。テントサイトもありますが、こちらも予約制です。強風が受けにくいことから、初心者のキャンプ泊もおすすめ。150名ほど収容できますが、春から初夏のシャクナゲのシーズンや紅葉シーズンの休日は混雑するとのこと。

甲武信小屋

  • 住所
    甲武信岳南東200m
  • 電話番号
    090-3337-8947
  • 公式サイトURL
    http://www.kobusi.com/

冬期は気温変化や服装には要チェック

Photo bySimon

甲武信ヶ岳の気温は低く、真夏の最高気温でさえ17度です。甲武信ヶ岳の登山シーズンがはじまる5月や10月でさえ、最低気温がマイナスになることもあるため、登山に臨む服装には配慮が必要。

甲武信ヶ岳で気温が過ごしやすくなる6月ごろから10月はじめごろでは冬用の服装は必要ではないものの、ダウンベストやウィンドブレーカーなどの服装は必須。着脱しやすい服装を心がけましょう。また、晩秋や冬場の甲武信ヶ岳登山では気温がかなり下がるため、トップの防寒具、アンダーのタイツなどの冬用の服装で臨みましょう。

甲武信ヶ岳の登山ルート4選

甲武信ヶ岳の登山ルートは、長野県側から登るルートや山梨県側から登るルートなど、さまざまなルートがあります。初心者が気軽にハイキングできるようなルートではありませんが、初心者であっても日帰りで登山できるルートもあります。

甲武信ヶ岳は、初心者であっても、経験を積んだ方がレベルいアップするのにおすすめできます。無理せずに山小屋に宿泊し、実りの多い登山を楽しみましょう。

①毛木平~ナメ滝~甲武信ヶ岳ルート

【難易度:初級者以上、歩行時間:3時間40分】

このルートは、甲武信ヶ岳ルートの中でも登山しやすいルートです。登山口は毛木平、読み方は「もうきだいら」で、早朝から登山を開始すれば、日帰りで可能なルートとなっています。

登山口からしばらく林道を歩き、登山道に入ると、千曲川の源流に沿って歩いていきます。難所はありませんが、水辺の登山は増水時には要注意。絶景ポイントのナメ滝まで1時間40分ほど。ナメ滝には甲武信ヶ岳まで2時間の道標も。千曲川源流ポイントまでなだらかな登山道が続きます。


千曲川水源地から急こう配となる日帰りルート

千曲川の水源地標から急登となります。ここから30分ほどで国師ヶ岳との分岐。稜線を進んでいくと、山頂が見えてきます。最後に岩場がありますが、これを登れば甲武信ヶ岳の山頂に。山頂からの眺望を存分に楽しみ、ゆっくりと下山しましょう。同じルートをピストンで戻るか、別のルートから下山します。

なお、日帰りで戻れるルートですが、山頂下にある山小屋、甲武信小屋に宿泊し、ゆっくりと登山するのもおすすめです。小屋利用の際は予約を忘れずに。

②毛木平~十文字山~武信白岩山~三方山~甲武信ヶ岳ルート

【難易度:中級者~、歩行時間:5時間】

こちらのルートは、毛木平から行くもうひとつのルートです。アップダウンの多いこちらのルートは、ピストンで日帰りするにはいささかむずかしく、途中に鎖場が3か所あるため、焦らずにゆっくりと登りたいルートです。

登山口は毛木平で、林道に入ってから、千曲川源流を行くルートではなく、千曲川にかかる橋を渡り、沢沿いの登山道へと登っていきます。登りがきつくなってくると、そこが八丁坂と呼ばれる箇所で、稜線までたどり着いたポイントが八丁坂の頭、ここから十文字小屋までゆったりとした登山道が続きます。

無理のない鎖場を登っていくルート

十文字小屋は休憩するのにちょうどよく、水場が近くにあります。ここをポイントにいくつものハイキングコースもありますので参考まで。ここから写真のポイントとなるアズマシャクナゲの群生地を抜けて稜線を進みます。しばらくすると鎖場が続き、この先が大山山頂、しばらくすると武信白岩山です。

武信白岩山からしばらくすると鎖場、しばらくして三宝山が見えてきます。樹帯林を進んで山頂へ。展望はありませんが、休憩ポイントとなります。三宝山を下りて甲武信ヶ岳へ。急登の先に山頂が見えてきます。

十文字小屋

シャクナゲの群生している花園に位置する昔ながらの山小屋、十文字小屋。ここからいくつものハイキングルートや登山ルートがあります。甲武信ヶ岳登山で利用するだけではなく、ハイキングの際にもおすすめ。シーズンには多くのハイカーが訪れます。

年間を通じてイベントなどもあり。冬季は閉館するため、公式サイトをチェックして。利用の際は電話で予約を。テントサイトもあります。

十文字小屋

  • 住所
    〒埼玉県秩父市大滝 十文字峠
  • 電話番号
    090-1031-5352
  • 公式サイトURL
    http://www.hut10monji.com/

③西沢渓谷~甲武信ヶ岳ルート

【難易度:中級者~、歩行時間:6時間】

冬季閉鎖となる西沢渓谷から甲武信ヶ岳を目指すルートがこちらです。初心者の方は宿泊しながら無理なく登山したいルートです。西沢渓谷入口から車道をネトリ橋へ、西沢山荘前から徳ちゃん新道の登山口へ向かいます。

徳ちゃん新道は、鶏冠山の稜線を眺めながら、尾根伝いを行くルートで、しばらくすると初夏にシーズンを迎えるアズマシャクナゲがトンネルを描き、写真のポイントに。途中、破風山方面への分岐、を右に見送り、鶏冠尾根への分岐などを過ぎると木賊山。展望はありませんが、ここから15分ほどで甲武信小屋となります。

徳ちゃん新道から登る甲武信ヶ岳ルート

甲武信小屋から甲武信ヶ岳山頂までは30分ほどです。山頂まで登頂してから甲武信小屋で1泊、翌日に下山します。

下山では 徳ちゃん新道から分岐し、西沢渓谷入口まで近丸新道というルートもあります。分岐から登り3時間、下り2時間ほどですが、途中、渡渉箇所があるのと、崩落個所があるため、自己責任で判断を。

笛吹小屋キャンプ場


テントサイトやバンガローを有するキャンプ場です。西沢渓谷には滝のすばらしい展望が楽しめるハイキングコースのほか、市営の久渡の釣り場などもあるため、さまざまなハイカーや登山者が訪れます。冬季は閉館しますので注意を。例年、GWごろから11月下旬ごろまで営業。利用前にサイトをチェックを。

笛吹小屋キャンプ場

  • 住所
    〒404-0201
    山梨県山梨市三富川浦1820
  • 電話番号
    0553-39-2746
  • 公式サイトURL
    http://www.fuefukigoya.com/

④鶏冠山~甲武信ヶ岳

【難易度:上級者、歩行時間:7時間】

西沢渓谷入口から徳ちゃん新道をスルーし、鶏冠山から甲武信ヶ岳へと進むルートは、クライミングさながらの岩場を通るルートです。登山の経験が豊富でクライミングに興味のある方はぜひこちらのルートも挑戦してみてはいかがでしょうか。

西沢渓谷入口からねとりインフォメーション、徳ちゃん新道を過ぎて、二俣吊橋を渡ります。1時間ほどで鶏冠谷出合いの渡渉。チンネのコルまで急登の尾根を登っていきます。ここからクライミングさながらの岩峰のスタートです。

迂回路もあるがクライミングでも行ける

鶏冠山の岩峰は4つあり、第一岩峰、第二岩峰、第三岩峰となります。第一岩峰、第二岩峰鎖とも鎖がかかっていますが、ほぼ垂直のクライミングで登っていきます。第三岩峰は本格的な岩場で、クライミングで登りたい方以外は迂回路を利用した方がベター。

鶏冠山の後、木賊山まで2時間ほどの上りが続きます。シーズンによってはシャクナゲが美しい山道です。その後、ピンクテープがありますが、見失いやすい登山道となります。かなりの経験や技術が必要となりますので、覚悟して登山しましょう。

甲武信ヶ岳ルートの登山口へのアクセス方法

①毛木平登山口

公共交通機関でアクセスする場合、最寄駅はJR信濃川上駅。川上駅バス停から「川端下」行バスで梓山バス停まで向かいます。乗車時間は25分程度です。バス停からは歩いて向かいます。県道68号線を道なりに進み、1時間ほどです。

車でアクセスする場合、中央自動車道須玉ICより毛木平を目指します。駐車場は無料、舗装されていて停めやすく、60台程度駐車可能です。トイレがありますので利用してから登山へ。

②西沢渓谷入口

公共交通機関を利用してアクセスする場合、最寄駅はJR山梨市駅または塩山駅となります。これらの最寄駅からバスを利用し、「西技渓谷入口」で下車、乗車時間は60分ほどです。ドライブイン不動小屋の前のバス停を下りると、西沢ゲート、そのまま西沢山荘まで進むと登山道となります。

車でアクセスする場合は、中央自動車道勝沼ICから60分ほど、市営の駐車場、道の駅みとみにも駐車場があります。いずれも無料で駐車できます。西沢渓谷近くには笛吹小屋キャンプ場もあり。

甲武信ヶ岳下山後の温泉4選

①ヘルシーパークかわかみ(毛木平)

こちらは温泉ではありませんが、川上村が経営する日帰り入浴施設です。信濃川上駅までもほど近いので、帰路に立ち寄るのにちょうどよく、とてもよい施設だと評判です。登山の疲れを取ってから帰路に着きたい方におすすめ。ぜひお立ち寄りを。

ヘルシーパークかわかみ

  • 住所
    長野県南佐久郡川上村大字313
  • 電話番号
    0267-97-3600
  • アクセス
    JR信濃川上駅より徒歩30分
  • 公式サイトURL
    http://www.vill.kawakami.nagano.jp/www/contents/1001000000003/index.html

②増富の湯(毛木平)

甲府方面へと帰る方、4種類のかけ流し源泉の温泉で、のんびりと湯呑して疲れを取ってから帰路に着くのはいかがでしょうか。こちらの温泉は、山梨県北杜市の増富温泉郷に位置します。さまざまな症状に効能が期待でき、筋肉疲労などの改善にも役立つのだとか。立ち寄るにはいささか遠回りかもしれませんが、登山と温泉をともに楽しみたい方はぜひ。

増富の湯

  • 住所
    〒408-0102
    山梨県北杜市須玉町比志6438
  • 電話番号
    0551-20-6500
  • アクセス
    JR韮崎駅よりバスで60分毛木平駐車場より車で60分ほど
  • 公式サイトURL
    https://www.masutominoyu.com/

③はやぶさ温泉(西沢渓谷)

美容効果が高く、皮膚にトラブルのある方でも安心して入浴できるはやぶさ温泉。天然の温泉は源泉かけ流しで、登山の疲れをすっかりと癒すことができます。温泉の後には有料で整体もあり。地元で取れたてた食材を使った食事処もありますので、ゆっくりと帰路に着きたい方におすすめ。

はやぶさ温泉

  • 住所
    〒404-0014
    山梨県山梨市牧丘町隼818-1
  • 電話番号
    0553-35-2611
  • アクセス
    JR塩山駅または山梨市駅よりタクシーで10分ほど西沢渓谷入口より車で20分ほど
  • 公式サイトURL
    http://hayabusa1994.com/

④みとみ笛吹の湯(西沢渓谷)

笛吹川上流に位置し、三富温泉郷市営の露天風呂も楽しめる日帰り温泉、みとみ笛吹の湯。肌がすべすべすると評判の湯は、単純温泉の源泉かけ流しで、自然に囲まれた湯船でのんびりと登山の疲れを癒すことができます。登山者やハイカーに人気の日帰り温泉としても有名。せっかくだから足を伸ばして湯呑を楽しんでみて。

みとみ笛吹の湯

  • 住所
    山梨県山梨市三富下釜口447
  • 電話番号
    0553-39-2610
  • 公式サイトURL
    https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/gover/public/search/institution/mitomi_02/

甲武信ヶ岳から日本百名山登山をスタートさせよう

Photo by wakaba-shinshu

甲武信ヶ岳は、初心者でも日帰りできるルートがあるものの、難易度が高く、しっかりと登山経験を積んでから臨みたい山です。甲武信ヶ岳山頂近くにすてきな小屋もあるので、無理に日帰り登山するのではなく、宿泊してのんびりと甲武信ヶ岳での時間を満喫しましょう。

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甲武信ヶ岳の登山をより充実させるため、もっと甲武信ヶ岳や周辺の自然について知りたいという方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。甲武信ヶ岳でのひとときがさらに忘れがたい時間となるはずです。シーズンが訪れたらぜひ甲武信ヶ岳へ。雄大な自然と戯れるすばらしいひとときが待っています。