西沢渓谷とは?
西沢渓谷は山梨県山梨市北部にある渓谷で、笛吹川の最上流端に位置しています。東日本随一の景観地として親しまれており、紅葉のシーズンには多くのハイカーが訪れます。 また、その一部は秩父多摩甲斐国立公園に属しています。
秩父多摩甲斐国立公園
秩父多摩甲斐国立公園は奥秩父山塊を中心に、東京都、埼玉県、山梨県、長野県の1都3県に跨る広大な国立公園であり、その面積は126,259ha(東京ドーム約27,000個分)にもなります。 秩父多摩甲斐国立公園には日本百名山の金峰山や瑞牆山、大菩薩嶺などの名峰も属しています。
西沢渓谷の魅力
西沢渓谷の魅力は何と言っても、森林と渓流が織りなす渓谷美です。西沢渓谷は花崗岩の地形を渓流が侵食することによって形成されました。また、渓流を囲む原生林は、リラクゼーション効果が科学的に立証されている森林セラピー基地にも認定されています。
森林セラピー基地とは?
森林セラピー基地とは、森林セラピー基地とは、MPO法人森林セラピーソサエティが認定する森林浴の効果が科学的に実証された森林のことです。その効果としては、ストレスホルモンの減少や、抗がんタンパク質の増加などがあります。西沢渓谷は疲れた現代人にはピッタリの癒やしスポットですね。
西沢渓谷を歩く
西沢渓谷はハイキングコースが整備されており、初心者の方でも安心して散策できるようになっています。このコースは昭和37年頃から地元の有志によって整備が始まり、現在も多くの人々を楽しませています。 ハイキングコースは比較的よく整備されており、起伏も激しくないので体力に自身のない人でも楽しむことができます。
ハイキングの際に気をつけたいこと
西沢渓谷のハイキングコースは人気の景観地ということもあり、比較的よく整備されている部類ですが、岩場や斜面などもあります。普通の靴ではなく、トレッキングシューズを用意するといいでしょう。
西沢渓谷のハイキングコースおすすめスポット
西沢渓谷をハイキングする上で、ここだけは見ておきたいおすすめの注目スポットを紹介します。
マイナスイオンたっぷり!七ツ釜五段ノ滝!
西沢渓谷を語る上で欠かせないのが七ツ釜五段ノ滝です。この滝は日本の滝100選にも選ばれている美しい滝です。その名が示すとおり、大小5つの滝と7つの滝壺で構成されており、周囲の原生林とあわさって神秘的な景色になっています。また、西沢渓谷には七ツ釜五段ノ滝の他にも、大久保の滝、三重の滝、神竜の滝など様々な滝があり、そこから発生するマイナスイオンが日頃の疲れを癒やしてくれるでしょう。
シャクナゲ群生地
西沢渓谷にはアズマシャクナゲの群生地があります。例年は5月上旬から中旬にかけて開花します。
アズマシャクナゲ
アズマシャクナゲはサクラのようなピンク色の可愛らしい花です。蕾のうちは濃いピンク色をしていますが、開花とともに画像のような薄ピンクに変化します。特に関東地方の亜高山帯に自生し、5~6月に見頃を迎えます。
ほかにもある西沢渓谷の見どころ
トロッコ軌道跡
西沢渓谷では昭和8年頃から昭和30年頃にかけて、林業が盛んに行われており、このトロッコも木材の搬出に活躍しました。しかしながら、自動車道が整備されると、次第に輸送の主役はトラックにとって代わられていきました。晩年は珪石などの鉱物資源の輸送を中心に行っていましたが、昭和43年にその役目を終えています。
フグ岩
どことなくフグに似ている岩です。画像では岩の左側が尾ヒレのように見えます。
人面洞
岩肌が渓流によって侵食された模様が、どことなく人の顔に見えることから人面洞と呼ばれています。
母胎洞
母胎洞は岸壁が渓流によって侵食されてできました。奥は貫通しておらず、洞穴になっています。
西沢渓谷の四季を楽しむ
西沢渓谷は四季に応じて様々な景色を見せてくれます。春にはシャクナゲ群生地や、秋には紅葉とエメラルドグリーンに染まる渓流のコントラストを楽しむことができます。季節によって違う表情を見せる西沢渓谷は、ハイカーを飽きさせません。
秋の西沢渓谷の見どころ
秋といえばやはり紅葉です。西沢渓谷の紅葉は10中旬から11月上旬にかけてが見頃となっています。主な樹種はモミジ、カエデ、ブナやカラマツなどです。
紅葉と七ツ釜五段ノ滝
秋の西沢渓谷は、渓流のエメラルドグリーンと紅葉の朱色のコントラストが目を引きます。秋には多くのハイカーがカメラを構える絶好のロケーションです。
紅葉とネトリ大橋
渓谷にかかるネトリ大橋と紅葉の対比が美しいですね。
晩秋の西沢渓谷
11月も中旬にさしかかると、広葉樹はすっかり葉を落とし、冬の気配を感じさせます。心なしか渓流の水も冷たそうです。
西沢渓谷は冬もすごい!
冬の西沢渓谷は夏や秋とは違い、岸壁に積もった雪や、氷瀑が幻想的な景色を作り上げます。なお、積雪の状況によって前後することはありますが、冬期間(12月1日から4月月28日)はハイキングコースの一部が通行止めになります。また、ハイキングコースが整備されているとはいえ、冬山登山になりますので、初心者の方は防寒対策や装備を整えて、できれば冬山経験者に同行するのがいいでしょう。
冬の七ツ釜五段ノ滝
厳冬期の西沢渓谷は滝が凍るほどの極寒になります。凍った滝は氷爆と呼ばれ、その幻想的な姿はハイカーの目を楽しませてくれます。
西沢渓谷は標高が高いこともあり、冬期間には雪が積もります。岩場を歩く際には足元に注意し、滑落などしないよう気をつけましょう。
11月でも、気温や天候によっては積雪が見られるときもあります。紅葉を見にきたつもりが、雪が積もっていて装備が足りない。なんてことのないように登山計画には気をつけましょう。
ハイキングだけじゃない!西沢渓谷の名物ドライブイン
ドライブイン不動小屋
ここまで西沢渓谷のハイキングコースを紹介してきましたが、西沢渓谷にはほかにもおすすめのスポットがあります。
ドライブイン不動小屋は、西沢渓谷入り口で営業しているレストランです。西沢渓谷の整備が始まった頃は、七ツ釜五段ノ滝のさらに奥で不動小屋として営業していましたが、現在は西沢渓谷の入り口で営業を続けています。 お土産も売っているので、ハイキングの帰りに寄ってみてはいかがでしょうか。
外観は昭和の空気を感じさる作りです。
店内では食事もできます。落ち着いたレトロな雰囲気です。
店内に張りだしてある手書きのメニューにはなんとも言えない風情があります。お値段は観光地ということもあり少々高めの設定です。
ドライブイン不動小屋名物「よもぎ餅」
ドライブイン不動小屋では、手作りのよもぎ餅を楽しむことができます。1個160円で販売しており、その場で食べてもよし、ハイキングのお供にもいかがでしょうか。よもぎ餅に遣われているよもぎは、不動小屋の皆さんが自分たちで採取したものを使っているそうです。天然よもぎを使っているので香りがとてもよく、自然の恵みを感じさせてくれます。
ハイキングの前に予約をしていけば、お土産に買っていくこともできますので、家族や友人へのお土産にしてみてはいかがでしょうか。お土産用は1パック5個入りで700円です。
山菜五目弁当もおすすめ
不動小屋ではよもぎ餅のほかにも、山菜五目弁当を販売しています。濃い目の味付けで、ハイキングで失ったミネラル分の補給にはもってこいです。ただし、早朝や販売していないので注意が必要です。 また、秋には天然きのこの味噌汁も販売しています。
不動小屋ではピンバッジも販売しています
不動小屋の売店ではピンバッジを販売しています。紅葉と七ツ釜五段ノ滝をモチーフにしたカラフルで風流なデザインは、登山バッジコレクターの方は必見!
西沢渓谷周辺のおすすめ日帰り温泉
川浦温泉山県館
河浦温泉山県館、は西沢渓谷入り口から車で約10分のところにある温泉宿です。その歴史は古く、かつては武田信玄の隠し湯として親しまれてきました。泉質はアルカリ性単純温泉で、筋肉痛や疲労回復、冷え性などに効果があるので、ハイキングで疲れた体を癒やしてみてはいかがでしょうか。こちらは湯量も豊富な100%源泉かけ流しの温泉です。
外観は老舗旅館らしいトラディショナルな佇まいです。駐車場も完備しています。 施設は大浴場のほか、露天風呂もあり、大浴場からは日本庭園を臨むことができます。中でも特におすすめしたいのは、笛吹川の渓流を一望できる信玄公岩風呂・渓流雅之湯です。 日帰り入浴料金は大人1,500円と少々高めですが、その価値はあるでしょう。 また、日帰り入浴の営業時間は11時から17時となっていますが、シーズンによっては変更の場合もあるので、利用する際には事前に確認することをおすすめします。
みとみ笛吹の湯
みとみ笛吹の湯は、西沢渓谷入り口から車で約15分のところにある市営の日帰り入浴施設です。
料金:大人510円(山梨市民は200円) 営業時間:10時~20時 休館日:毎週火曜(祝日の場合は翌日)
泉質はアルカリ性単純温泉で、源泉かけ流しの温泉です。 こちらの魅力は、市営ゆえのお手軽な料金設定で、大人510円というサービス価格。なお、山梨市民は200円で利用できます。 畳の休憩所もあり、食べ物の持込みも可能なので、気軽に利用できる施設です。 毎週火曜が休館日になっていますので、利用の際には注意しましょう。
西沢渓谷周辺のおすすめグルメ情報
道の駅みとみ
道の駅みとみは西沢渓谷から車で約5分の場所にあります。西沢渓谷を訪れる人以外の観光客にも人気の施設となっています。駐車場で一休みしたい方にもおすすめです。
名物「いのぶたラーメン」
道の駅みとみの名物、イノブタチャーシューを使った「いのぶたラーメン」です。普通のブタとはちょっと違うワイルドな味わいが特徴です。
山梨名物を使った変わり種コロッケ
こちらは山梨名物ほうとうをコロッケにした「宝刀コロッケ定食」です。なんと、ほうとうをそのままコロッケにしてしまったという驚きの一品。これまた山梨名物の巨峰を使用したソースをかけていただきます。ほんのり甘い巨峰ソースが特徴。
民芸茶屋 清水
こちらは山梨市内でほうとうやイノブタ料理を提供しているお店です。外観も古民家を意識した作りで雰囲気バッチリ。美味しんぼの原作者も訪れたことがある名店です。
いのぶたほうとう
こちらは清水の人気メニュー、自家製手打ち麺を使ったいのぶたほうとうです。見た目はオーソドックスなほうとうですが、山梨名産のイノブタを使用しています。清水で使用しているイノブタは自家成育だそうです。
いのぶたバーベキュー
清水ではイノブタのバーベキューも楽しむことができます。イノブタは臭みもなく、ブタ肉よりも低脂肪でヘルシーです。
西沢渓谷へのアクセス
車でのアクセス
中央自動車道勝沼ICから国道140号雁坂トンネル方面へおよそ50分 駐車場は市営の西沢渓谷駐車場(60台)のほか、道の駅みとみ北側駐車場(200台)が利用できます。なお、どちらも無料で利用できますが、いずれも紅葉の時期の駐車場は有料になりますので注意しましょう。
公共交通機関でのアクセス
JR中央本線山梨駅からバスで約50分「西沢渓谷入口」で下車
西沢渓谷まとめ
西沢渓谷は気軽にハイキングがと美しい景色が楽しめるおすすめの癒やしスポットです。トレッキングシューズがあれば比較的軽装でも安心です。 関東方面からのアクセスも容易なので、日帰りでの行程も可能です。 車でのアクセスでも駐車場がありますし、ハイキングの帰りには温泉で汗を流すこともできるので、地元のグルメを愉しめば日頃のストレスも解消するでしょう。 ハイキングを計画している方はぜひ一度訪れてみてください♪
西沢渓谷はハイキングと渓流を楽しむことができる東日本随一のロケーションを誇ります。